nvidiartxa4000画像引用元:https://www.elsa-jp.co.jp/ *イメージ

当記事では、NVIDIA RTX A4000の性能スペックレビュー&搭載BTOパソコンの紹介をしている。Turing世代のQuadro RTX 4000の後継モデルで、Ampere世代のプロフェッショナル向けのミドルクラスのグラフィックボードだ。型番のAはAmpere世代であることを意味する。最新のアーキテクチャは第2世代のRTコア・第3世代のTensorコアを搭載している。

上位にはNVIDIA RTX A5000やNVIDIA RTX A6000があるが、価格も高くユーザーを選ぶ。その点からNVIDIA RTX A4000は予算を抑えたい方にとって魅力的な選択肢だ。もちろん一般消費者向けのGeForceと比べると価格が高くなってしまう。当ページではゲーミング性能に焦点を当ててそのパフォーマンスを見ていく。

世代 Ampere
プロセス 8nm
シェーダー数 6144
ベースクロック 735 MHz
ブーストクロック 1560 MHz
GPUメモリ GDDR6 16GB
TDP 140W
MSRP $999
中古価格 99,980円
発売日 2021/04/12
よくわかる!!NVIDIA RTX A4000の特徴まとめ

  • (+)ハイクラス相当のゲーミング性能を持つ
  • (+)GPUメモリ容量が16GBと大容量
  • (+)省電力性が高い
  • (-)グラボ単体及び搭載モデルの価格が高い
  • (-)搭載モデルはそれほど多くない

NVIDIA RTX A4000の概要

総合性能

型番 総合性能
RTX 3080 10GB 34,282
RTX 3070 Ti 29,957
RTX 3070 28,194
RTX 2080 Ti 26,552
RX 6700 XT 25,895
RTX 3060 Ti 24,213
NVIDIA RTX A4000 23,909
RTX 2080 SUPER 23,712
RTX 2070 SUPER 22,276
RTX 2070 20,387
RTX 3060 20,322
RTX 2060 SUPER 19,336
RTX 2060 17,012
NVIDIA RTX A2000 12GB 14,816
GeForce RTX 3050 14,734

NVIDIA RTX A4000の処理性能はRTX 3060 Tiに匹敵すると考えてよい。性能的にはRTX 2080 SUPERに近く性能の高さがわかるだろう。現行モデルのハイクラス相当となっている。フルHD環境で高リフレッシュレートを目指したり、WQHD環境でのゲームプレイに適している。当然価格を考えると割に合わないが、プロフェッショナル向けのグラフィックボードでもある程度ゲームができるということだ。下位モデルであるNVIDIA RTX A2000 12GBと比べて60%以上も高い。ツーランク以上性能が上がる。

基本スペック

製品名 NVIDIA RTX A4000 RTX 3060 Ti Quadro RTX 4000
アーキテクチャ Ampere Ampere Turing
GPU GA104 GA104 TU104
プロセス 8 nm 8 nm 12 nm
トランジスタ数 174億 174億 136億
ダイサイズ 392 mm² 392 mm² 545 mm²
SM数 48 38 36
CUDAコア 6144 4864 2304
RTコア 48 38 36
Tensorコア 192 152 288
ベースクロック 735 MHz 1410 MHz 1005 MHz
ブーストクロック 1560 MHz 1665 MHz 1545 MHz
GPUメモリ GDDR6 16GB GDDR6 8GB GDDR6 8GB
メモリクロック 14 Gbp 14 Gbp 13 Gbps
メモリバス 256 bit 256 bit 256 bit
メモリバス帯域幅 448.0 GB/s 448.0 GB/s 416.0 GB/s
バスインターフェイス PCIe 4.0 x16 PCIe 4.0 x16 PCIe 3.0 x16
TDP 140 W 200 W 160 W
補助電源 1x 6-pin 1x 12-pin 1x 8-pin
MSRP $999 $399 $899
国内価格 135,800円~ 64,780円~
発売日 2021/04/12 2020/09/01 2018/11/13

*価格は販売時点のもの

NVIDIA RTX A4000は、Ampere世代の新しいグラフィックボードだ。GPUはGA104で、コンシューマー向けのRTX 3060 Tiと共通だ。NVIDIA RTX A4000は8nmプロセスを採用している。トランジスタ数は174億、ダイサイズは392m㎡だ。ここまではRTX 3060 Tiと変わらない。SM数はRTX 3060 Tiよりも27%多く48となる。シェーダー数は6144(48×128)で、RTX 3060 Tiよりも27%多い。RTコアは48、Tensorコアは192だ。

ベースクロックはRTX 3060 Tiの方が92%高く、ブーストクロックもRTX 3060 Tiの方が6%高い。GPUメモリ容量はRTX 3060 Tiの倍の16GBとなる。メモリクロック・メモリバス・メモリ帯域幅同じだ。バスインターフェイスもPCIe 4.0×16と変わらない。TDPはRTX 3060 Tiよりも30%少なく140Wだ。補助電源はRTX 3060 Tiが1×12-pinに対してNVIDIA RTX A4000では1×6-pinとなる。定価は$999で、RTX 3060 Tiよりも$600も高い。同じGPUを採用したモデルでも特性や価格は大きくことなる。国内価格は135,800円~とRTX 3060 Tiよりも2倍以上の価格設定となっている。

最後にTuring世代のQuadro RTX 4000と比較していく。Quadro RTX 4000はTuring世代のグラフィックボードでGPUにはTU104を採用している。プロセスは12nmでRTX A4000よりも一回り大きい。トランジスタ数はRTX A4000よりも22%少なく、ダイサイズは39%大きい。ここにプロセスの差が現れている。SM数は36でRTX A4000よりも27%少ない。シェーダー数もRTX A4000よりも62%少なく2304(36×64)だ。

RTコアは36、Tensorコアは288となる。RTコアは第1世代のため数値以上にRTX A4000とは差がある。ベースクロックはRTX 4000の方が38高く、ブーストクロックはRTX A4000の方が少しだけ高い。GPUメモリ容量はRTX A4000の半分の8GBとなる。メモリクロックも1 Gbps遅い。メモリバスは256 bitと共通でメモリバス帯域幅は416.0 GB/sだ。バスインターフェイスはPCIe 3.0×16となる。TDPは15%高く160Wだ。補助電源は1×8-pinとなる。価格はRTX A4000よりも$100安く$899だ。

NVIDIA RTX A4000の最新評価【2025年】

nvidiartxa4000-gamescore
2025年時点でもミドルクラス相当のゲーム性能を有している。中古価格は99,980円~であることを考えると割高だ。中古のGeForce RTX 4070 Ti(109,980円~)に近い価格設定となる。NVIDIA RTX A4000と同等のゲーム性能を持つGeForce RTX 3060 Tiなら34,980円~、次世代のGeForce RTX 4060なら新品で41,800円で購入できる。NVIDIA RTX A4000のコストパフォーマンスは最悪だが、当然ゲームプレイを目的としたグラフィックボードではないのでコスパを考えること自体がナンセンスだ。

NVIDIA RTX A4000の特徴&強み【2021年時点】

RTX A2000よりも60%以上ゲーミング性能が高い

NVIDIA RTX A4000は、下位モデルであるNVIDIA RTX A2000よりも60%以上もゲーミング性能が高くなっている。下位モデルとの性能差は大きいが、価格差も大きいため悩ましいところだ。コストパフォーマンスの指標的にはNVIDIA RTX A4000の方が少しだけ高い。RTX A4000が0.176で、RTX A2000 16GBが0.158だ。1円当たりの性能が10%以上高くなっている。

RTX A4000の性能があればフルHD環境なら余裕を持ってゲームを楽しめる。旧世代のQuadro RTX 4000と比べても20%以上も性能が高い。Qudaro P4000以下のモデルからなら買い替えのメリットがある。性能差を体感できるはずだ。レイトレーシング性能も大きく向上しているため様々な用途に対応できる。もちろんゲームプレイ以外の場面でこそ輝く一台だ。動画編集・ゲーム開発(VR)・3D CADなどを得意としている。

省電力性に優れたグラフィックボード

rtxa4000watt
NVIDIA RTX A4000は、省電力性に優れたグラフィックボードだ。同等の性能を持つRTX 3060 Tiと比べて26%も消費電力が抑えられている。TDPの差がおよそ30%なので妥当な数値だ。RTX 3060と比べても16%も消費電力が低い。これがプロフェッショナル向けのNVIDIA RTX Aシリーズの醍醐味だと言える。消費電力を抑えるためにクロック周波数を落としてバランスを取っている。この消費電力なら電源ユニットは500W BRONZEでも問題ない。

搭載モデルの価格はRTX 3060 Ti搭載モデルの50%以上高い

ブランド名 raytrek raytrek
イメージ raytrek ZFtop raytrek ZFtop
製品名 raytrek ZQ-A4000 raytrek XF
価格 369,980円(税込) 239,980円(税込)
CPU Core i7-12700K Core i7-12700
GPU RTX A4000 RTX 3070
メモリ DDR4-3200 32GB DDR4-3200 32GB
SSD 1TB Gen4 NVMe 1TB NVMe
HDD 非搭載 非搭載
電源 650W BRONZE 750W GOLD
マザーボード Z690 H670
公式 販売終了 販売終了

NVIDIA RTX A4000搭載モデルは最低でも35万円前後の予算が必要となる。同等の性能をコンシューマー向けのGeForceで実現するなら23万円前後で実現可能だ。搭載モデルの価格を比較すると50%以上の差があるということになる。上記は同じサードウェーブが販売しているクリエイターPCだ。NVIDIA RTX A4000を搭載しているraytrek ZQ-A4000ではCPUがワンランク上のCore i7-12700KでかつSSDがGen4対応と高性能だが、RTX 3070搭載のraytrek XFと比べて55%程度高い価格設定となっている。

ゲームプレイだけを考えるならraytrek XFの方が高いフレームレートを実現できるし、コストパフォーマンスも高い。およそ17,8%程度グラフィックス処理性能(ゲームプレイ)が高い。動画編集・3D CAD・VR開発などどうしても大容量GPUメモリが必要でかつプロフェッショナル向けのNVIDIAシリーズが必要な方でなければ積極的に選ぶ理由が見つからないのが本当のところだ。

NVIDIA RTX A4000のフレームレート一覧

Watch Dogs: Legion

watchdogslegionRTX A4000-watchdogs

Watch Dogs: LegionではおおよそRTX 3060 Tiと同等のフレームレートとなっている。WQHD環境ではRTX 3060と比べて29%程度フレームレートが高い。4K環境でも30%高い。下位モデルであるRTX A2000 12GBと比べて、WQHD環境では73%高く4K環境でも90%高い。もちろん性能が高くてもフレームレート的に快適なプレイとは程遠い。WQHD環境やフルHD環境なら快適に楽しめるだろう。GPUメモリ容量が多くてもそれほどパフォーマンスには影響を与えないようだ。

Far Cry 6

farcry6RTX A4000-farcry6

Far Cry 6でもRTX 3060 Tiに近いフレームレートを計測している。WQHD環境なら87.4fpsと快適にゲームをプレイできる。4K環境でも52.4fpsとまずまずの数値だ。RTX 3060と比べるとWQHD環境で21%高く、4K環境では36%も高い。下位モデルであるNVIDIA RTX A2000との差は67%-73%とかなり大きい。

Cyberpunk 2077

Cyberpunk2077topRTX A4000-cyberpunk2077

負荷の高いタイトルであるCyberpunk 2077でのフレームレートを見ていく。NVIDIA RTX A4000は、RTX 3060 Tiよりもおよそ3%程度高いフレームレートを実現している。この数値なら設定を落とすことで十分ゲームを楽しめるだろう。上位モデルであるRTX 3070との差は14%程度だ。NVIDIA RTX A2000と比べると90%程度フレームレートが高い。RTX A2000がRTX 3050相当のゲーム性能を持っていることを考えると納得できるだろう。

NVIDIA RTX A4000搭載おすすめBTOパソコン

QA7J-E222/ZB(TSUKUMO)

QA7J-E222ZB価格:341,800円(税込)
CPU:Core i7-12700KF
GPU:NVIDIA RTX A4000 *カスタマイズ
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
電源:550W BRONZE

TSUKUMOのモデルが、NVIDIA RTX A4000搭載最安値となっている。初期構成ではグラフィックスにNVIDIA T600が搭載されているが、カスタマイズでNVIDIA RTX A4000(+132,000円)にアップグレードできる。メモリ16GB、SSD 1TBと構成も充実している。電源ユニットは500W BRONZEが選択されている。750W GOLDへのアップグレードが+4,400円とリーズナブルなためカスタマイズを検討してもよいだろう。誤作動を防ぐためにスライド式電源スイッチgが採用されているのが面白い。

raytrek ZQ-A4000(サードウェーブ)

raytrek ZFtop価格:369,980円(税込)
CPU:Core i7-12700K
GPU:NVIDIA RTX A4000
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB Gen4 NVMe
HDD:非搭載
電源:650W 80PLUS BRONZE

サードウェーブが販売するクリエイターPCとなっている。CPUにはIntel第12世代のロックフリーモデルであるCore i7-12700Kを搭載している。12コア20スレッドとスペックが高く負荷の掛かる作業への適性が高い。NVIDIA RTX A4000とのバランスも良好だ。メモリ32GB、SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も充実している。電源ユニットは650W BRONZEを採用している。NVIDIA RTX A4000の省電力性の高さからこの容量でも問題ない。

raytrek ZQ9-A4000(サードウェーブ)

raytrek ZFtop価格:429,980円(税込)
CPU:Core i9-12900K
GPU:NVIDIA RTX A4000
メモリ:DDR5-4800 32GB
SSD:1TB Gen4 NVMe
HDD:非搭載
電源:750W 80PLUS GOLD

raytrekシリーズの上位モデルだ。CPUにはIntel第12世代のフラグシップモデルであるCore i9-12900Kを搭載していて高いパフォーマンスを発揮する。16コア24スレッドとスペックが高く、Ryzen 9 5950Xを上回る現行最強のCPUだ。メモリ32GB、SSD 1TBと構成も充実している。電源ユニットは750W GOLDを採用していて万全だ。3D CADなど負荷の掛かる作業を考えている方におすすめだ。

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