galleriakeyboard-top当ページでは、「GALLERIA Gaming Keyboard」のレビューを行っていく。先日ガレリアZZを購入した際にあえてオプションで追加したキーボードだ。気になっているユーザーのためにレビューをしたいと思ったからだ。オシャレなケースに梱包されていてゲーマーのモチベーションを上げてくれる。

数年前まではガレリアのゲーミングPCを購入すると無料でキーボードとマウスが付いてきていたが、現在はオプションでのみ選択可能となっている。今となっては時代遅れのモデルで積極的には推奨しない。次のゲーミングマウス購入までの繋ぎぐらいに考えた方がよいかもしれない。これからゲーミングPCの購入を検討していてキーボードを選択するべきか悩んでいる方はぜひ参考にしてほしい。

結論:期待はずれのゲーミングキーボード

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ドスパラのゲーミングキーボードとはどの程度のものなのか、少し気になっていたのでGALLERIA ZZを購入するついでに追加しておいた。価格は2,178円(税込)でカスタマイズ特価中だ。本来はもう少し高いようだ。当初は軽いタイピングやゲームなどでのレビューを考えていた。しかし、それではこのキーボードの本質が分からないのではないかと、普段通りフレンドとゲームをプレイする際に採用してみた。

ゲーミングキーボードには大きく分けて2種類存在している。1つはゲームをプレイすることを前提に開発されたゲーム向けキーボードだ。主にゲーミングキーボードと言えばこちらを指すことが多い。高価なものだと数万円掛かるものもある。もう1つはゲームに適した機能を持つキーボードだ。GALLERIA Gaming Keyboardは後者であり、最初に言っておくと買ってまで手にしたいキーボードではない。

付属のキーボード域を超えていない

使用期間は2日間で思いっきりこのキーボードを使い倒してみた。耐久性は分からなくとも使い心地などははっきり分かった。意外と評判のよいGALLERIA Gaming Keyboardは、一般的なメンブレン方式のキーボードと何ら変わりはない。

1時間ほど使っていれば左手が疲れるくらいには普通だ。おそらくAmazonなどで同じ価格帯のゲーム向けキーボードを購入しても同じ感想だろう。つまり、わざわざカスタマイズで追加してまで必要なキーボードとは思えなかった。

所謂「付属のキーボード」というのが正直な感想だ。GALLERIA Gaming Keyboardは付属のキーボードの域を出ていない。本来付属していてもおかしくないレベルのキーボードにプラス幾らか出してまで選択するというのはおすすめしない。もっともドスパラはこのキーボードについて力を入れているようには思えない。

初めてのゲーミングPCで安価なキーボードが欲しいという場合以外は選択するメリットは薄いだろう。特にゲーミングキーボードとしての運用を期待しているのであれば避けるべきだ。ゲームをプレイしていく中で、様々な欠点に気付いたのでそれをまとめてみる。

GALLERIA Gaming Keyboardの悪いところ

ゲーム向け機能はもはや古い

galleriakeyboard-2いくつかの機能が搭載されているので紹介しておく。NキーロールオーバーはISB接続時13キー、PS/2時で無制限だ。ゲーミングモードだとWindowskeyを無効化、キーリピートの速度を上げる。これらの機能が搭載されている以外は1,000円のキーボードと大した違いは無い。

10年ほど前に初めて購入したメンブレン方式のゲーミングキーボードが同じような機能を持っていたことを考えると、特別な機能というわけでもない。あると便利というよりも、あって当然な機能になりつつある。そうういう意味ではこれらの機能に価値があるわけではないのだ。

メンブレン方式の限界

メンブレン方式はアクチュエーションポイントが深く、底打ちタッチとなるのが最大のデメリットだ。どれだけ小気味良い操作感であったとしても、キーはほぼ最大まで押し込まなければ反応しないのは素早い操作を行う上ではかなりのマイナスになる。キーストロークもあってないようなもので、メンブレン方式はキーがやや重いのでキーが下がる力を入れた段階で一気に底まで下がる感覚だ。

ラバーキャップによる跳ね返しも強いので、結果的にある程度力を入れた状態で押し続けなければならない。この辺りはメンブレン方式のキーボード全てに言えることである。キーボードで最も重要なタッチの感覚が統一されており、良い悪いよりも「メンブレン」の一言で片付く有様だ。少なくとも長時間のゲーミングには適していないように感じる。

キーの形状がほぼ同じ

GALLERIA Gaming Keyboard

galleriagamingkeyboard-3GALLERIA Gaming Keyboardはキーの高さ・形状がほぼ同じである。平凡なビジネスキーボードと同等ということになる。意外とゲームプレイにおいてこれではマイナスだ。これが長時間の使用に向いていない要因にもなっている。

使用中のRealForce

galleriagamingkeyboard-4一方でRealForceはキーそれぞれが指にあった形状であり、キーにも高さがあるためそれぞれのキーの位置が微妙に異なりタイプしやすい。この差が非常に大きく、自然な形で手首の位置を固定できるRealForceに対して、GALLERIA Gaming Keyboardはやや寝かせた状態でのタイプとなり、机に水平な形であるためWASD移動すら辛い部分がある。

高さが足りない

galleriagamingkeyboard-5左がGALLERIA Gaming Keyboardで、右がRealForceだ。Wキーが少し高く、ASDがWキーよりも低くキーに角度がついているRealForceを始め、ゲーム向けに開発されたゲーミングキーボードは自然な形で押下することができる。

メンブレン方式のキーボードは角度が無く平面に近い感覚がある。GALLERIA Gaming Keyboardの背面にある高さを調整する部分がもっと角度をつけられたり、もう少し高くできるようになっていればまた違ったかもしれない。他のメンブレン方式のキーボードと全く同じ構造であることが評価を下げる要因である。

GALLERIA Gaming Keyboardの良いところ

良いところについてもまとめておく。

プランジャーが搭載されていてキーに安定感がある

galleriagamingkeyboard-6少しはいい面にも目を向けておく。GALLERIA Gaming Keyboardにブランジャーが搭載されているのは強みだ。キーを取ると下にプランジャーがある。この白いプラスチックのようなものがプランジャーだ。本来メンブレン方式の安価なキーボードにはなく、これがあるとキーをどの位置から押しても均等に力が加わり安定して押下することができる。

これがないと高さのないキートップでは、キーの中心ではなく下側や端を押下した場合キーが傾くだけで反応しないということがある。それを防ぐのがこのプランジャーだ。キーに安定感があり、タイピングしやすくなっているのは利点である。ただし、問題の根本的な解決にはなっていないので評価は変わらない。

ズレないグリップ

galleriagamingkeyboard-7GALLERIA Gaming Keyboardはグリップ部分がしっかりしており、高さを出す足にもしっかりグリップがついている。メンブレン方式のキーボードはゲーミングキーボードと比べて非常に軽い。軽いが故に激しい操作ではズレやすく、ゲームプレイ中に何度も位置を調整しなければならなかった。

使いやすさはともかく、安定した操作が可能であることは間違いない。個人的に、メンブレン方式を避ける一番の理由はこの軽さであったため、GALLERIA Gaming Keyboardはその弱点を克服していると言える。あとはメンブレン方式特有のキーの重さなど根本的な部分にメスを入れてくれればといったところか。

当記事のまとめ

GALLERIA Gaming Keyboardはゲーミングキーボードとしては失格とも合格とも取れない微妙なキーボードだ。一般的なメンブレン方式のキーボードよりもゲーム向けの機能が搭載されている。しかしながら、ゲーミングキーボードにしては簡素過ぎて長時間使用するのは厳しい。2日間仕事やゲームで使用して左手首にかつてない疲労と痛みを残した。ヘビーな用途や軽いタッチのゲーミングキーボードを使用しているユーザーには合わないということが分かった。

普通のメンブレン方式のキーボードよりゲームには向いているがゲーミングではないというのが正直なところである。少し前まで付属していたものが今は有料になったことで、何か変化があったのではないかと少し期待していた。ゲーミングキーボードを求めてGALLERIA Gaming Keyboardをオプションで追加してしまうと後悔してしまうだろう。

一方で、現在キーボードを所有していない場合でとりあえず用意するキーボードとしては必要十分だろう。ゲーミングキーボードを使用しているユーザーからするとメリットのないキーボードである。

メンブレン方式にしてはなかなか良いという評価も、メンブレン方式のキーボードの枠を超えたものではないので注意して欲しい。最低限必要なキーボード+αと言うのが正直なところで、GALLERIA Gaming Keyboardというのは誤解を生みそうなネーミングだと感じる。おそらく今後も改良が行われることはないだろう。

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