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当記事では、Radeon RX 6650 XTのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。2022年5月にRadeon RX 6600 XTの後継モデルであるRadeon RX 6650 XTがリリースとなった。クロック周波数の引き上げとメモリ周りの強化が行われたマイナーチェンジモデルだ。従来モデルのRadeon RX 6600 XTとの性能差はそれほど大きいわけではないが、順当な進化だと言える。
競合モデルであるNVIDIAのGeForce RTX 3060 Ti/GeForce RTX 3060と比較しながらそのパフォーマンスを見ていく。次世代モデルであるRadeon RX 7000シリーズがリリースされるまでの繋ぎだ。すでに搭載BTOパソコンはなくなっている。次世代モデルはRadeon RX 7600 XTあるいはRadeon RX 7600だ。Radeon RX 7600については実はRadeon RX 6650 XTとそこまで性能が変わらないのでRadeon RX 6650 XTを所有している方は買い替え対象とはならない。
世代 | RDNA 2.0 |
---|---|
プロセス | 7nm |
CUDAコア | 2,048 |
ベースクロック | 2055 MHz |
ブーストクロック | 2635 MHz |
TDP | 176W |
MSRP | $399 |
国内価格 | 39,800円~ |
発売日 | 2020/12/08 |
- (+)フルHD環境でのゲーム適性が高いグラフィックボード
- (+)クロック周波数の引き上げ及びメモリ周りの強化が適用
- (+)搭載モデルのラインナップに期待できる
- (-)RX 6600 XTと比べると性能は微増に留まる
- (-)コストパフォーマンスはRX 6600 XTに劣る
- (-)レイトレーシング性能が低い
当ページの目次
Radeon RX 6650 XTの基本スペック
RX 6650 XT | RX 6700 XT | RX 6600 XT | |
---|---|---|---|
コードネーム | RDNA 2 | RDNA 2 | RDNA 2 |
GPU | Navi 23 | Navi 22 | Navi 23 |
プロセス | 7nm | 7nm | 7nm |
トランジスタ数 | 110.6億 | 172.0億 | 110.6億 |
ダイサイズ | 237 mm² | 335 mm² | 237 mm² |
CUs | 32 | 40 | 32 |
CUDAコア数 | 2,048 | 2,560 | 2,048 |
RTコア数 | 32 | 40 | 32 |
Tensorコア数 | - | - | - |
ベースクロック | 2055 MHz | 2321 MHz | 1968 MHz |
ゲームクロック | 2410 MHz | 2424 MHz | 2359 MHz |
ブーストクロック | 2635 MHz | 2581 MHz | 2589 MHz |
GPUメモリ | 8GB GDDR6 | 12GB GDDR6 | 8GB GDDR6 |
メモリ速度 | 17.5 Gbps | 16 Gbps | 16 Gbps |
メモリバス | 128 bit | 192 bit | 128 bit |
メモリ帯域幅 | 280.3 GB/s | 384.0 GB/s | 256.0 GB/s |
Infinity Cache | 32 MB | 96 MB | 32 MB |
TDP | 176 W | 230 W | 160 W |
MSRP | $399 | $479 | $379 |
実売価格 | 35,800円~ | 49,800円~ | 31,800円~ |
発売日 | 2022/05/10 | 2021/03/18 | 2021/08/10 |
Radeon RX 6650 XTのスペックについて従来モデルのRadeon RX 6600 XTとの比較を中心に見ていこう。およそ9ヶ月振りに最新モデルがリリースされたということだ。RX 6650 XTはあくまでもマイーナーチェンジでアーキテクチャが変わったわけではない。GPUはNavi 23と共通だ。プロセス・トランジスタ数・ダイサイズ・CUs・CUDAコア数・RTコア数も同じだ。
変更が加えられたのはクロック周波数とメモリ速度・メモリ帯域幅・TDP・価格となる。ベースクロック・ゲームクロック・ブーストクロックがそれぞれ4%・2%・1%高い。メモリ速度が約10%速くなって17.5 Gbpsとなっている。そのおかげでメモリ帯域幅が10%広く280.3 GB/sへと変わった。Infinity Cacheは32MBのままだ。TDPは10%引き上げられて176Wとなる。価格差は$20で少しだけ高い。実売価格では6%程度の差がある。
上位モデルであるRadeon RX 6700 XTでは一回り大きいNavi 22を搭載している。トランジスタ数は56%多く、ダイサイズも42%大きい。コンピュートユニットは25%増えて40となる。CUDAコアも25%多く2,560だ。RTコアも40となる。ベースクロック及びゲームクロックはRadeon RX 6700 XTの方がそれぞれ12%・0.5%高いが、ブーストクロックはRadeon RX 6650 XTの方が2%高い。
Radeon RX 6700 XTになるとGPUメモリ容量が50%増えて12GBとなる。メモリ速度はRadeon RX 6650 XTの方が速いが、メモリバスがRX 6700 XTの方が50%高くメモリ帯域幅もRX 6650 XTを37%広い。Infinity Cacheは3倍で96MBだ。TDPもRadeon RX 6700 XTの方が30%高く230Wだ。価格差は$80となる。実売価格では20%以上の差が開いている。
Radeon RX 6650 XTの最新評価【2024年】
次世代モデルのRX 7600と変わらないゲーミング性能を持つ
Radeon RX 6650 XTは、ゲーム性能スコアが21,990とまずまずの性能を持つグラフィックボードだ。次世代モデルのRadeon RX 7600とほとんど変わらない性能となる。従来モデルであるRadeon RX 6600 XTよりもおよそ4%高いパフォーマンスを発揮する。RX 6650 XTも新しいモデルとしては期待外れと言えるかもしれない。もっともスペックがほとんど変わっていないことを考慮すれば妥当だろう。
競合モデルであるGeForce RTX 3060と比べて18%程度性能が高い。ミドルクラスとして十分な性能を持ちフルHD環境でのゲームプレイを考えている方に最適だ。レイトレーシング性能についてはGeFOrce RTX 3060に大きく劣ってしまう。レイトレーシングを重視したい方はNVIDIA製グラフィックボードを選択するべきだ。AIを活用してレイトレーシング有効時も負荷を下げられるDLSS機能もあってRX 6650 XTよりも優位性がある。
コスパはRX 6600 XTに劣る
製品名 | VRAM | ゲーム性能 | 価格 | コスパ |
---|---|---|---|---|
RTX 4060(新品) | 8GB | 22,620 | 41,980 | 0.539 |
RX 7600(新品) | 8GB | 22,164 | 38,800 | 0.571 |
RX 6650 XT(新品) | 8GB | 21,990 | 35,800 | 0.614 |
RX 6650 XT | 8GB | 21,990 | 27,980 | 0.786 |
RX 6600 XT | 8GB | 21,147 | 20,980 | 1.008 |
RTX 3060 | 12GB | 18,722 | 30,990 | 0.604 |
RX 6600 | 8GB | 17,900 | 18,990 | 0.943 |
Radeon RX 6650 XTの特徴&強み【発売時点】
他のラインナップに比べると性能向上は控えめ
Radeon RX 6650 XTは、従来モデルのRadeon RX 6600 XTと比べて性能が4%伸びただけに過ぎない。新しい製品としては物足りなさがある。フルHD環境がターゲットというのはRadeon RX 6600 XTと変わらない。同時期に発売されたRadeon RX 6950 XTやRadeon RX 6750 XTは従来モデルよりも10%程度伸びているため見劣りしてしまう。
当然Radeon RX 6600 XTからの買い替えは推奨しない。Radeon 5000シリーズやそれより以前のモデルを所有している方なら選択するメリットはある。もっとももう少し待てば次世代のRadeon RX 7000シリーズが登場するので悩ましいところだ。次世代モデルになれば現行モデルのネックとなっているレイトレーシング性能についてももう少し高くなる可能性がある。
コストパフォーマンスはRX 6600 XTに劣る
製品 | 最安値(価格差) | 性能(性能差) | コスパ |
---|---|---|---|
RTX 3060 Ti | 64,800(+30%) | 24,213(+10%) | 0.374 |
RX 6650 XT | 49,980(+7%) | 21,990(+4%) | 0.440 |
RX 6600 XT | 46,890(+5%) | 21,147(+4%) | 0.451 |
RTX 3060 | 44,800 | 20,322 | 0.454 |
Radeon RX 6650 XTのコストパフォーマンスは従来モデルのRadeon RX 6600 XTに劣ってしまうのは理解しておく必要がある。Radeon RX 6600 XTと比べて+4%の性能アップを見込める代わりに、+7%のコストが掛かってしまう。これならRadeon RX 6600 XTを選択する方が満足度が高いはずだ。
今後Radeon RX 6600 XTが市場からなくなってRadeon RX 6650 XTのみになればもう少し価格が下がってくるだろう。そうなるまでは様子見でもよいのではないかと思う。次世代モデルがリリースされればさらに価格が下がるはずだ。レイトレーシング性能や安定感を重視するならRTX 3060も魅力的な候補となる。
搭載モデルのラインナップが増える可能性がある
Radeon RX 6650 XTについては他のリフレッシュモデルよりも搭載モデルが増える可能性がある。なぜなら、リフレッシュモデルの登場でRadeon RX 6600 XTの販売が終了するからだ。上位モデルであるRadeon RX 6900 XTやRadeon RX 6700 XTについては販売がされるようだ。だからこそRadeon RX 6650 XTとRadeon RX 6600 XTとの性能差が小さいのかもしれない。
現時点でRadeon RX 6600 XT搭載モデルはドスパラ・G-Tune・パソコン工房・TSUKUMO・フロンティアなど多くのショップで取り扱いがある。今後Radeon RX 6650 XT搭載モデルへと切り替えられるのではないかと思う。価格もRadeon RX 6600 XT搭載モデル並に落ちれば非常に魅力的な選択肢となるだろう。
Radeon RX 6650 XTのゲーミング性能
Watch Dogs: Legion
RX 6750 XT | |
RTX 3060 Ti | |
RX 6700 XT | |
RX 6650 XT | |
RX 6600 XT | |
RX 6600 | |
RTX 3060 |
Borderlands 3
RX 6750 XT | |
RX 6700 XT | |
RX 6650 XT | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 Ti | |
RX 6600 | |
RTX 3060 |
Far Cry 6
RX 6750 XT | |
RX 6700 XT | |
RTX 3060 Ti | |
RX 6650 XT | |
RX 6600 XT | |
RX 6600 | |
RTX 3060 |
Radeon RX 6950 XTのレイトレーシング性能
Control
RTX 3060 Ti | |
RTX 3060 | |
RX 6750 XT | |
RX 6700 XT | |
RX 6650 XT | |
RX 6600 XT | |
RX 6600 |
Cyberpunk 2077
RTX 3060 Ti | |
RTX 3060 | |
RX 6750 XT | |
RX 6700 XT | |
RX 6650 XT | |
RX 6600 XT | |
RX 6600 |
Fortnite
RTX 3060 Ti | |
RX 6750 XT | |
RX 6700 XT | |
RTX 3060 | |
RX 6650 XT | |
RX 6600 XT | |
RX 6600 |
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その他ベンチマーク一覧
消費電力
温度
Radeon RX 6650 XT搭載おすすめゲーミングPC
LEVEL-M0P5-R45-DTX(パソコン工房)
CPU:Ryzen 5 4500
GPU:Radeon RX 6650 XT
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:500W 80PLUS BRONZE
Ryzen 5 4500を搭載したゲーミングPCだ。6コア12スレッドと必要最低限必要な性能を持つ。ゲーム適性ではCore i3シリーズにも劣ってしまう。RX 6650 XT搭載モデルの中では価格が抑えられている。フルHD環境でのゲームプレイに最適だ。メモリ16GB、SSD 500GBと構成にも問題はない。電源ユニットは500W BRONZEを採用している。
LEVEL-M06M-124-DTX(パソコン工房)
CPU:Ryzen 5 5600X
GPU:Radeon RX 6650 XT
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:500W 80PLUS BRONZE
CPUに第4世代Ryzenシリーズの高コスパモデルであるRyzen 5 5600Xを搭載している。6コア12スレッドというスペックでCPUコアの改良もあって高いパフォーマンスを発揮する。Ryzen 5 4500搭載モデルと比べると13,000円も高くなるのは厳しい。Ryzen 5 5600X×RTX 3060の組み合わせならもう少し安く購入できる。ミドルクラスのモデルならこの王道の組み合わせが強敵だ。
GALLERIA XA7R-665XT 5700X搭載(ドスパラ)
CPU:Ryzen 7 5700X
GPU:Radeon RX 6650 XT
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
電源:650W BRONZE
Ryzen 7 5700X×RX 6650 XT搭載のゲーミングPCだ。後発モデルであるCPU及びGPUを搭載しているのがポイントとなる。Ryzen 7 5700Xは、Ryzen 7 5800Xの下位モデルで高いコスパを誇る。8コア16スレッドとマルチスレッド性能が高く人気がある。ドスパラのラインナップで見れば税込229,980円という価格はまずまずなのではないかと思う。メモリ16GB、SSD 1TB NVMeと構成も充実している。電源ユニットは650W BRONZEを採用している。
GALLERIA XA7C-665XT(ドスパラ)
CPU:Core i7-13700F
GPU:Radeon RX 6650 XT
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
電源:850W GOLD
CPUにCore i7-12700を搭載した一台だ。12コア20スレッドとマルチスレッド性能が高く幅広い用途に対応できる。ゲーム実況・動画編集・画像編集などの作業を得意としている。Ryzen 7シリーズと比べても優位性がある。メモリ16GB、SSD 1TBという構成だ。電源ユニットは850W GOLDを採用していて万全だ。税込239,980円とやや高めと言えるかもしれない。
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ベンチマークテスト環境
CPU | Core i9-12900K |
---|---|
マザーボード | MSI Pro Z690-A WiFi DDR4 |
メモリ | DDR4-3600 32GB |
電源ユニット | Cooler Master MWE 1250 V2 Gold |