当ページでは、CPUの2大メーカーであるIntel Core iシリーズとAMD Ryzenシリーズに関して紹介している。Intel独占の市場に一石を投じたRyzenの登場はゲーマーにとって好ましいことで今まで以上にゲーミングPC業界が盛り上がっている。強力な第4世代Ryzenシリーズの対抗モデルとして、2021年11月にIntel第12世代Core iシリーズが登場した。
Intel第12世代はこれまで同様高いゲーミング性能を持ちさらにIntel製CPUが劣勢だったマルチスレッド性能でも巻き返しを図っている。どちらのCPUを選べばよいのか悩んでいる方はぜひチェックして欲しい。当ページでは主にゲーミング性能に重点を置いて解説していく。なお、ゲーミングCPUとしてあまり一般的ではないRyzen 3シリーズ及びCore i3シリーズは省略している。
- 第12世代Intel Core iシリーズ(デスク)
- 第11世代Intel Core iシリーズ(デスク)
- 第4世代Ryzenシリーズ(デスク)
ゲーミング性能・マルチコア性能共に高い、マルチコア性能でもRyzenを上回る、コストパフォーマンスが高い
ゲーミング性能が高い、コスパ良好、消費電力が高い、マルチコア性能はRyzenに劣る
マルチコア性能が優秀、ゲーミング性能が向上、従来モデルより価格が高め
2021年11月04日にIntel第12世代Core iシリーズが登場した。まずはKシリーズが登場してその後2022年01月05日にCore i7-12700などの無印モデルが発売開始となっている。マルチコア性能が大幅に向上して第4世代Ryzenシリーズを上回るほどになっている。価格も抑えられていてコストパフォーマンスは高い。ゲーミング性能も高く、Intel第11世代Core iシリーズを軽々超えている。
第4世代Ryzenシリーズは窮地に陥った。価格が高めであることが仇になった形だ。Intel第11世代Core iシリーズの価格も下がって、特にゲームプレイを考えている方にとって第4世代Ryzenシリーズを選ぶ理由はなくなってしまった。次世代のZen 4アーキテクチャ採用の第5世代Ryzenシリーズが登場するまではIntel製CPUの独壇場となりそうだ。
当ページの目次
Intel Core iシリーズとAMD Ryzenシリーズ比較表
AMD第4世代 | Intel第12世代 | Intel第11世代 | |
---|---|---|---|
価格 | ○ ($259~$799) (20,279円~87,980円) | ◎ ($192~$589) (25,480円~71,409円) | ☆ ($182~$539) (22,570円~60,112円) |
省電力性(消費電力) | ☆ | ◎ | △ |
ゲーミング性能 | ◎ | ☆ | ☆ |
マルチコア性能 | ◎~☆ | ☆ | ◎ |
シングルコア性能 | ◎ | ☆ | ☆ |
Intel第12世代Core iシリーズの登場は第4世代Ryzenシリーズにとって脅威となる。価格が安い上に、ゲーミング性能・マルチコア性能・シングルコア性能で大きく上回る。Zen 3アーキテクチャを採用したCPUに限定すれば最低価格は31,980円とIntel製CPUよりも高くなっている。これでAMDの強みがなくなってしまった。そしてIntel第12世代Core iシリーズが登場したことで旧世代であるIntel第11世代Core iシリーズの価格が下がりより競争力が高まっている。
Intel Core iシリーズとAMD Ryzenシリーズのスペック&価格比較
AMD=レッド軍、Intel=ブルー軍として色分けしている。Ryzen 9&Core i9、Ryzen 7&Core i7、Ryzen 5&Core i5のグループごとにそれぞれの代表的なモデルを比較していく。
Core i9&Ryzen 9シリーズ比較
製品型番一覧 | 定価 | 販売価格 | アーキテクチャ | プロセス | コア/スレッド | クロック(最大) | OC | L3キャッシュ | TDP | 発売日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i9-12900K | $589 | 71,409 | Alder Lake | 10nm | 16/24 | 3.2GHz(5.2GHz) | ◯ | 30MB | 125W-241W | Q4'21 |
Core i9-12900 | $489 | 情報なし | Alder Lake | 10nm | 16/24 | 2.4GHz(5.1GHz) | × | 30MB | 65W-202W | Q1'22 |
Ryzen 9 5950X | $799 | 87,980 | Zen 3 | 7nm | 16/32 | 3.7GHz(4.8GHz) | ◯ | 64MB | 105W-142W | Q3'20 |
Ryzen 9 5900X | $549 | 63,919 | Zen 3 | 7nm | 12/24 | 3.7GHz(4.8GHz) | ◯ | 64MB | 105W-142W | Q3'20 |
Core i9-11900K | $539 | 60,112 | Rocket Lake | 14nm | 8/16 | 3.5GHz(5.3GHz) | ◯ | 16MB | 125W-251W | Q1'21 |
Core i9-11900 | $439 | 50,535 | Rocket Lake | 14nm | 8/16 | 2.5GHz(5.2GHz) | × | 16MB | 65W-224W | Q1'21 |
Intel第12世代Core i9シリーズでは従来モデルよりも大幅にスペックが強化された。8コア16スレッドから16コア24スレッドとコアが倍増でスレッドも50%アップだ。これはRyzen 9シリーズに対抗するためだと考えてよい。プロセスも14nmから10nmになり微細化が図られている。AMDの7nmプロセスまではあと一歩のところまで来た。
フラグシップモデルであるCore i9-12900Kでも$589と、AMDのフラグシップモデルであるRyzen 9 5950Xの$799よりも25%以上も安価だ。実売価格でもRyzen 9 5950Xよりも16,000円程度安い。スレッド数こそRyzen 9 5950Xに劣るものの性能では大きく上回る。下位モデルのCore i9-12900でもRyzen 9 5950Xよりも高い性能を持っている。なお、Core i9-12900については現在市場にほとんど出回っておらず購入は難しい。旧世代に当たるCore i9-11900KやCore i9-11900は販売価格が大幅に下がり購入しやすくなっている。もちろんゲーミング性能は高いので、価格重視で考えている方におすすめだ。
テーブルではパフォーマンスコアの定格クロック及び最大クロックのみを記載している。Core i9シリーズではPコアとEコアのハイブリッドコアアーキテクチャを採用している。従来モデルのコアの概念がPコアに該当する。Eコアは省電力性に特化したコアで比較的ライトな作業を中心に行う。
TDPについては、Ryzen 9 5950Xが頭一つ抜き出ている形だ。数値上はCore i9-12900Kよりも40%程度消費電力が大きい。もちろん性能差があるため単純に比較するのは好ましくないと言える。Rocket Lake世代のCore i9-11900と比べて4%と消費電力が抑えられているのは10nmプロセスによる恩恵だろう。コア/スレッド数も大きく増えているにも関わらず消費電力が下回るのは圧巻だ。
Core i7&Ryzen 7シリーズ比較
製品型番一覧 | 定価 | 販売価格 | アーキテクチャ | プロセス | コア/スレッド | クロック(最大) | OC | L3キャッシュ | TDP | 発売日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i7-12700K | $409 | 49,095 | Alder Lake | 10nm | 12/20 | 3.6GHz(5.0GHz) | ◯ | 25MB | 125W-190W | Q4'21 |
Core i7-12700 | $339 | 43,980 | Alder Lake | 10nm | 12/20 | 2.1GHz(4.9GHz) | × | 25MB | 65W-180W | Q1'22 |
Ryzen 7 5800X | $449 | 46,980 | Zen 3 | 7nm | 8/16 | 3.8GHz(4.7GHz) | ◯ | 32MB | 105W-142W | Q3'20 |
Ryzen 7 5700G | $359 | 40,480 | Zen 3 | 7nm | 8/16 | 3.8GHz(4.6GHz) | ◯ | 16MB | 65W | Q2'21 |
Core i7-11700K | $399 | 42,520 | Rocket Lake | 14nm | 8/16 | 3.6GHz(5.0GHz) | ◯ | 16MB | 125W-251W | Q1'21 |
Core i7-11700 | $323 | 37,771 | Rocket Lake | 14nm | 8/16 | 2.5GHz(4.9GHz) | × | 16MB | 65W-224W | Q1'21 |
ゲーミングPCで人気の性能帯・価格帯のモデルだ。Core i9シリーズと同等にCore i7シリーズでも大幅にスペックが強化されている。プロセスが14nmから10nmへと微細化されて8コア16スレッドから12コア20スレッドとマルチコア性能が向上している。Ryzen 7シリーズが8コア16スレッドとなっているため競合と比べても優位性がある状態だ。
販売価格でもCore i7-12700K/Core i7-12700はお得感がある。定価ではCore i7シリーズの方が安いので今後逆転する可能性もある。Core i7-12700でもRyzen 7 5800Xを上回る性能を持つ。3,000円も安く購入できより多くのコア/スレッドが手に入るバーゲンセールだ。Intel第12世代ではCore i7シリーズでもPコアとEコアのハイブリッドコアアーキテクチャが採用されている。これによってより高いパフォーマンスを得られるわけだ。
消費電力についてはRyzen 7 5800Xの方が抑えられているが性能差を考えると必ずしもよいわけではない。Core i7-12700Kと比べて30%低く、Core i7-12700と比べても20%低い。Ryzen 7 5700GについてはL3キャッシュ容量がRyzen 7 5800Xの半分の16MBに留まりゲーム適性は著しく低く比較対象とはなりづらい。
Core i7-11700K/Core i7-11700の価格が大幅に下がっているのは好ましい。Core i7-11700は3万円台で購入することができる。Intel第12世代Core i7シリーズ搭載モデルと比べてもゲーミングPCの価格もやはり抑えられているのがポイントだ。やはりRyzen 7シリーズにとって立場は厳しいと言わざるを得ない。
Core i5&Ryzen 5シリーズ比較
製品型番一覧 | 定価 | 販売価格 | アーキテクチャ | プロセス | コア/スレッド | クロック(最大) | OC | L3キャッシュ | TDP | 発売日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i5-12600K | $289 | 38,980 | Alder Lake | 10nm | 10/16 | 3.7GHz(4.9GHz) | ◯ | 20MB | 125W-150W | Q4'21 |
Core i5-12400 | $192 | 25,480 | Alder Lake | 10nm | 6/12 | 2.5GHz(4.4GHz) | × | 18MB | 65W-117W | Q1'22 |
Ryzen 5 5600X | $299 | 36,480 | Zen 3 | 7nm | 6/12 | 3.7GHz(4.6GHz) | ◯ | 32MB | 65W-76W | Q3'20 |
Ryzen 5 5600G | $259 | 31,980 | Zen 3 | 7nm | 6/12 | 3.9GHz(4.4GHz) | ◯ | 16MB | 65W-88W | Q2'21 |
Ryzen 5 3600 | $199 | 26,570 | Zen 2 | 7nm | 6/12 | 3.6GHz(4.2GHz) | ◯ | 32MB | 65W-88W | Q3'19 |
Ryzen 5 3500 | $129 | 20,279 | Zen 2 | 7nm | 6/6 | 3.6GHz(4.1GHz) | ◯ | 16MB | 65W | Q1'20 |
Core i5-11600K | $262 | 30,980 | Rocket Lake | 14nm | 6/12 | 3.9GHz(4.9GHz) | ◯ | 12MB | 125W-224W | Q1'21 |
Core i5-11400 | $182 | 22,570 | Rocket Lake | 14nm | 6/12 | 2.6GHz(4.4GHz) | × | 12MB | 65W-154W | Q1'21 |
コストパフォーマンス重視の方向けの性能帯・価格帯だ。他のクラスと比べてもIntel製CPUが強い。Core i5-12600K/Core i5-12400は10nmプロセスを採用している。Ryzen 5シリーズでは7nmプロセスを採用しているのでう少し遅れている。およそ2年前に発売されたRyzen 5 3600でさえ7nmプロセスを採用しているのは驚きだ。
Core i5-12600Kでのみハイブリッドコアアーキテクチャを採用している。10コア16スレッドとCore i5-11600Kと比べてコアが66%アップ、スレッド数が33%アップだ。下位モデルのCore i5-12400では従来モデルと同じ6コア12スレッドとなっている。IPCの改良によってパフォーマンスは大きく向上している。
価格的にもCore i5シリーズに優位性がある。Zen 3アーキテクチャのエントリークラスであるRyzen 5 5600Gでさえ31,980円となっている。Core i5-12400が25,480円であることを考えるとやや厳しい。性能的にはCore i5-12400でもRyzen 5 5600Xを上回る。Ryzen 5 3600やRyzen 5 3500ではもはや足元にも及ばない。相応に価格が下がらないと選ばれることはないだろう。
他のシリーズと同様にTDPについてはRyzen 5シリーズに優位性がある。7nmプロセスを採用していることによる恩恵だ。Ryzen 5 5600Xは、Core i5-12600Kと比べて50%程度も省電力性が高い。もっともこちらも性能差を考えると単純な比較は意味をなさない。Zen 4アーキテクチャ採用の次世代モデルでどのように変わるのかに注目したい。
Intel Core iとAMD Ryzenシリーズのゲーミング性能比較
Core i5-12400はCore i5-12600K以上のモデルとの性能差が大きい。これはハイブリッドコアアーキテクチャを採用していないことが要因だと言えるだろう。それでも単体価格で11,000円も高いRyzen 5 5600Xを上回る性能でRyzen 7 5800Xに匹敵するパフォーマンスを得ているのは素晴らしい。Ryzen 9 5600Gとの差は9%とかなり大きい。
Intel Core iとAMD Ryzenシリーズの総合性能比較
Core i7-12700Kは、Ryzen 9 5900Xと同等以上のマルチスレッド性能を発揮している。シングルスレッド性能は圧倒的だ。その下位モデルであるCore i7-12700もRyzen 9 5900Xに肉薄していることを考えるといかに優れたモデルなのかということがわかる。Core i5-12600Kは、Ryzen 7 5800Xよりもマルチスレッド性能が11%高く、シングルスレッド性能は18%高い。
Core i5-12400も素晴らしい結果を出している。価格差は$107あるRyzen 5 5600Xと比べてマルチスレッド性能が9%高く、シングルスレッド性能は8%高い。もはやAMD製CPUの立場はない。今の価格を維持している限りなかなか厳しい状況が続くだろう。
搭載ゲーミングPCから見る両者の特徴
ラインナップはIntel搭載モデルが圧倒的に多い
各BTOメーカーが販売しているゲーミングPCを見ればIntel製CPU搭載モデルが多いことに気付く。2022年01月時点での当サイトでレビューをしているモデルを見ると、Ryzen搭載モデルは22.2%(28/126)に留まる。数年前に比べて明らかにRyzenシリーズ搭載モデルが増えてきているもののCore iシリーズが優勢な状況は変わらない。
確かに2,3年前までなら10%にも満たなかったように思う。ドスパラ・パソコン工房・パソコンショップセブンで僅かに取り扱いがあったぐらいだ。その時期から比べるとよい方向に向いている。それでもZen 4アーキテクチャが登場するまでは苦しい状況が続くのではないかと思う。特にIntel第12世代Core iシリーズは価格が抑えられていてかつ性能が高いので強力だ。第4世代Ryzenシリーズ搭載モデルは価格が高めで選びづらさがあるのが現状だ。
ゲーミングPCのレビュー記事を紹介。価格・CPU・GPU・メモリ等押さえるべきポイントを解説している。似たモデルと比較をすることで強み・弱みについて深く理解することができる仕組みがある。
全体で見るとCore i7シリーズの人気が高い
ゲーミングPCではCore i7シリーズ搭載モデルが人気だ。Core i7-11700KやCore i7-11700が該当する。性能と価格のバランスがよいというのがその理由だろう。Intel第11世代のラインナップが消滅すればCore i7-12700KやCore i7-12700に変わるだろう。
Intel第12世代のCore i5-12400は性能も高く注目されている。今後はCore i5シリーズとの組み合わせも増えるかもしれない。Core i9シリーズだとオーバースペックになりやすい。ゲームプレイだけを考えるならCore i7シリーズでも十分だ。
Core i7シリーズはGTX 1660 SUPERからRTX 3080まで幅広いグラフィックボードとも合わせやすいというのも強みだと言える。コストパフォーマンスに優れたモデルを探すとCore i7シリーズ搭載モデルが多い。当サイトの人気ランキングでもCore i7-11700K・Core i7-11700搭載モデルが上位を占めている。
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低価格帯ではRyzen 5 3500搭載モデルが強い
税込10万円以下の低価格帯のゲーミングPCを見ると、一点Ryzenシリーズが勢いを増す。例えば、最安値モデルを見るとRyzen 5 3500を搭載したドスパラの「Lightning AH5」・マウスコンピューターの「mouse DT6-G」が出てくる。これらは税込8万円台と驚くべき価格設定だ。Ryzen 5 3600になると10万円オーバーとなってしまう。
少しでも安いゲーミングPCを探している方はRyzen 5 3500搭載モデルをチェックして欲しい。ミドルクラス以上ならIntel製CPUが強いが、低価格帯を見るとAMD製CPUが強い傾向にある。Intelの低価格帯を支えるCore i5-11400よりも価格が抑えられるのはメリットだと言える。両者でうまく棲み分けが行われているように思う。
ただし、ゲーミング性能はCore i5-11400の方が上だ。Ryzen 5 3600でもCore i5-11400には及ばない。長い目で見た時に性能的に物足りなくなってしまう可能性もある。性能を理解した上で購入するようにして欲しい。
需要があると考えられるおすすめの安いゲーミングPC特集をまとめた。全メーカー最安値のBTOパソコンを徹底調査している。少しでも安くゲーミングPCを購入したいと考える方はぜひ参考にして欲しい。誰だって予算はあるはずなので安 …
Intel Core iとAMD Ryzenシリーズの歴史とシェア
これまでの歩み・歴史
年月日 | Ryzen | Intel |
---|---|---|
2017年01月06日 | Core i7-7700K Core i7-7700 Core i5-7600K Core i5-7400 | |
2017年03月02日 | Ryzen 7 1800X Ryzen 7 1700X Ryzen 7 1700 | |
2017年04月11日 | Ryzen 5 1600X Ryzen 5 1600 | |
2017年04月15日 | Ryzen 5 1500X Ryzen 5 1400 | |
2017年07月27日 | Ryzen 3 1300X Ryzen 3 1200 | |
2017年11月02日 | Core i7-8700K Core i7-8700 Core i5-8400 | |
2018年04月03日 | Core i5-8500 | |
2018年04月19日 | Ryzen 7 2700X Ryzen 7 2700 Ryzen 5 2600X Ryzen 5 2600 | |
2018年09月01日 | Ryzen TR 2950X | |
2018年09月11日 | Ryzen 5 2500X Ryzen 3 2300X | |
2018年10月20日 | Core i9-9900K Core i7-9700K | |
2019年02月01日 | Core i5-9400F | |
2019年03月29日 | Core i9-9900KF Core i7-9700KF | |
2019年05月16日 | Core i3-9100F | |
2019年06月07日 | Core i7-9700F | |
2019年07月07日 | Ryzen 9 3900X Ryzen 7 3700X Ryzen 5 3600X Ryzen 5 3600 | |
2019年12月13日 | Core i9-10980HK Core i7-10875H Core i7-10750H Core i5-10300H | |
2020年02月07日 | Ryzen TR 3990X | |
2020年02月22日 | Ryzen 5 3500 | |
2020年05月20日 | Core i9-10900K Core i9-10900 Core i7-10700K Core i7-10700 Core i5-10600K Core i5-10600 | |
2020年07月18日 | Ryzen 9 3900XT Ryzen 7 3800XT Ryzen 5 3600XT | |
2020年11月06日 | Ryzen 9 5950X Ryzen 7 5800X Ryzen 5 5600X | |
2021年01月12日 | Ryzen 9 5980HX Ryzen 9 5900HX Ryzen 7 5800H Ryzen 5 5600H | |
2021年03月30日 | Core i9-11900K Core i7-11700K Core i7-11700 Core i5-11600K Core i5-11400 | |
2021年05月17日 | Core i9-11980HK Core i9-11900H Core i7-11800H Core i5-11400H Core i5-11300H | |
2021年08月6日 | Ryzen 7 5700G Ryzen 5 5600G | |
2021年11月04日 | Core i9-12900K Core i7-12700K Core i5-12600K | |
2022年01月05日 | Core i9-12900 Core i7-12700 Core i5-12400 |
そして、第1世代Ryzenに対抗する形で4ヶ月後の2017年11月にIntelが第8世代CPU(Coffee Lake)が登場。その5ヶ月後に第2世代Ryzenが発売開始となった。この辺りからRyzenが市場シェアを拡大してきた。第2世代Ryzenの脅威に対して2018年10月にIntelが第9世代CPU(Coffee Lake-Refresh)をリリース。その9ヶ月後に第3世代Ryzenが登場している。
その後2019年12月にモバイル向けのIntel第10世代CPUが発売開始となった。その5ヶ月後にやっとデスクトップ向けIntel第10世代CPUが登場した。2020年7月7日にRyzen XTシリーズが登場したが、これは第4世代までの繋ぎと考えてよいだろう。その後2020年11月に待望の第4世代Ryzenシリーズが登場した。そして2021年3月に対抗モデルとしてIntel第11世代が登場というのがこれまでの流れだ。
2021年8月についにRyzen 7 5700G及びRyzen 5 5600Gがリリースされた。Ryzen 7 3700XやRyzen 5 3600の後継モデルとして期待されたが、L3キャッシュ容量が少ないなどゲーミングCPUとしてみると性能が物足りず搭載モデルはほとんど販売されていない。Ryzen 5000シリーズの中心はRyzen 5 5600X・Ryzen 7 5800X・Ryzen 9 5900Xとなりそうだ。
2021年11月にIntel第12世代(Alder Lake世代)のCPUがリリースされた。まずは末尾にKを冠した高パフォーマンスモデルだ。その後2022年1月にCore i7-12700やCore i5-12400などの人気モデルが登場した。無印モデルは価格が抑えられていてコストパフォーマンスに優れている。ゲーミングCPUとしても人気が高い。
AMDがIntelのシェアを超えた
画像引用元:https://www.bcnretail.com/
上記のデータは、BCNによる全国の主要家電量販店及びネットショップのPOSデータを集計したもの(BCNR, 2019)だ。AMD製CPUのシェアが大きく拡大していることがわかる。2018年10月には27.9%だったものが、2019年6月には50.5%とIntelのシェアを超えた。AMDの株価もうなぎのぼりとなっている。
第3世代Ryzenシリーズのリリースはコストパフォーマンスの高さもさることながらタイミングが良かった。Intel製CPUの生産が追いつかず第8世代CPUから品切れ状態になっていた。第9世代CPUを投入しても品切れの影響が大きくシェアを落とす結果になったということだ。
Ryzenシリーズにとってネックとなるのが各BTOメーカーのラインナップの少なさだ。ただ、第3世代Ryzenシリーズは第2世代までと比べて取り扱いが多いように思える。人気がないからと言って実力が無いというわけではない。どうしても長く最前線にいたIntel製CPUの知名度に及ばないというのが実情だろうか。
Steamでのシェアも大きく伸ばす
引用元:https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/
上記は2020年11月~2021年3月までのSteam上でユーザーが使用しているCPUのシェアだ。今ではRyzenシリーズのシェアが30%近くに到達(Steam, 2021)している。2019年10月時点では19.39%だったことを考えると一気に伸びているということになる。Zen 3アーキテクチャを採用した第4世代Ryzenシリーズの登場も大きいはずだ。
今では海外だけでなく、国内でもゲーム配信を行うユーザーが爆発的に増えているのは明らかで、Ryzenシリーズの需要が増しているのは間違いない。各ショップでも取り扱いの幅を広げていて一部ショップではIntel製CPU搭載モデルよりも力を注いでいるところもあるくらいだ。
Ryzenの快進撃はIntelの迷走が終わるまで続くだろう。それが何ヶ月、何年先かはわからない。案外Intelが息を吹き返した時には、長らく続いたAMDの天下が終わりを告げる…そんな日になるのかもしれない。
参考:2019年10月~2020年2月までの推移
月間1億近いユーザーが稼働しているSteam上で2019年10月~2020年2月までの期間にゲームをプレイしたPCに搭載されているCPUの割合を表記している。この5ヶ月の間でAMD製CPUは2%も上昇しており、Intel 78.61%に対して21.39%のシェアを持っている。まだまだIntel製CPUの割合は多く、AMD製CPUが主流となるのは難しい。考えようによっては苦手なゲーム用途でも20%以上のシェアを持てる優れたCPUである。
これまでのIntel&Ryzenの比較から見る総評&レビュー
ゲーム用途ではIntelを基本に考えよう
ゲームに活かせる性能としてはi7-11700>Ryzen 7 5800Xとなっている。これはグラフィックボードとの相性もあり、何かがボトルネックとなっている可能性もある。一方で、CPUの処理性能としてはRyzen7 5800Xを始め、第4世代のRyzenシリーズは非常に優秀だ。第3世代Ryzenシリーズでも優秀だったがしっかりと引き上げられている。
何でもバランスよくこなせるRyzenとゲームに特化したIntelだ。ゲーミング性能については第4世代Ryzenシリーズになって肉迫していたが、Intel第12世代Core iシリーズの登場でまた引き離している。個人的な見解となるが、現時点ではゲームをプレイするという前提があるのであればIntel製品に分があると考えている。
Intel第11世代のCore i7シリーズやCore i5シリーズでは価格的にも有利な状況が続いている。これはRyzenのほうが高速処理に長けているとは言え、Intel製品が大きく劣るというわけでもないからだ。Intel製CPUの価格が大きく下がったことで、Ryzenが圧倒的に安価なモデルではなくなったというのも大きい。第4世代Ryzenシリーズになって価格が上がってしまったのは致命的だ。
低価格帯のモデルを狙うならRyzenもあり
低価格帯のゲーミングPCでは第3世代Ryzenシリーズの存在感が増してきているように思う。特に10万円以下のモデルでは圧倒的だ。価格が安くそれなりのゲーミング性能を持つというのは心強い。ただし、Ryzen 5 3500は数年前のモデルで性能が高いわけではない。
AMD Ryzenの登場は単純な性能面だけではなく市場へよい影響を与える。ユーザーにとっては更に選択肢が広がり、非常によい傾向にあると言えるだろう。ただ、ショップにあるRyzen搭載モデルはIntel搭載モデルに比べてまだまだ少ない。メーカーの担当者によると売上的にもよくない状態が続いているということだ。
もっとも、この売上がよくないという点においては、自作ユーザーに人気だという背景があるからだろう。Ryzen搭載のゲーミングPCの存在感は薄いわけではなく、Intel製品との価格差がほとんどない状態だからだ。CPU単体で見れば選択する価値はあり、コストパフォーマンスは優秀だが、搭載モデルとなるとその長所は失われがちだ。
これからもRyzenの進化に期待が持てる
第4世代Ryzenシリーズになってゲーミング性能が上がりIntelとの差は縮まっている。その上でマルチコア性能が高いので、ゲーマーだけではなく幅広い用途を考えている方におすすめできる。第4世代RyzenシリーズもRyzen 7 5700・Ryzen 5 5600が発売されれば今のネックである価格の問題を解消できるかもしれない。
比較的新しいRyzenシリーズはいち早く7nmプロセスを採用して有利な立場にあるのではないかと思う。Intelの第12世代に対してまだ第4世代だ。進化のスピード・期待値・将来性…これらは圧倒的にRyzenに分がある。Ryzenは今後CPUにおける唯一の選択肢に成長する可能性も十分にある。第4世代では届かなかったが、覇権を奪い主流のCPUになる日も遠くないのかもしれない。
たくさんのアプリケーションを同時に起動し、複数の作業を同時にこなすのであればRyzenという図式は崩れつつある。Intel製CPUは総合性能・コア単位の性能に優れ、ゲームやフォトショップなどの特定のアプリケーションで真価を発揮しやすい。Intel第12世代になってその差は広がるばかりだ。
例えば、Core i5-11400と同じ価格帯のRyzen 5 3600では総合的に見てもCore i5-11400の方が優れている。結果的にどの価格帯・性能帯を選ぶかによって優劣が逆転することもある。複雑な関係もあり、分かりやすいIntel製品を選ぶほうが無難であり万能でもある。
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ガレリアのAXFとXFだと、YouTubeでApexなどのpcゲームのライブ配信などをするにはAXFの方が良いのでしょうか?
ストレスなくみやすいのはどちらでしょうか?
ライブ配信にあたって、ゲーム+配信+何かの何かにはどういった事が含まれるでしょうか?
コメントありがとうございます。
>ガレリアのAXFとXFだと、YouTubeでApexなどのpcゲームのライブ配信などをするにはAXFの方が良いのでしょうか?
GALLERIA XFとAXFを比較すると配信に向いているのは間違いなくAXFです。特にGALLERIA XFのCPUがi7-9700Fにダウングレードされている今はGALLERIA AXFが圧倒的です。
>ストレスなくみやすいのはどちらでしょうか?
こちらは視聴者側という視点で考えます。この点については、どちらも同じと考えて良いでしょう。
ただし、GALLERIA AXFは性能が高い分動画の負荷を高くすることができますので、GALLERIA AXFの方がストレスを感じてしまう可能性は上がります。
それでもビットレートを調整すれば対応できます。
>ライブ配信にあたって、ゲーム+配信+何かの何かにはどういった事が含まれるでしょうか?
ライブ配信にあたっての「何か」とはその他のCPU負荷がかかるアプリケーションやツールのことを指します。それらに対応しやすいのがCPU負荷に強いRyzenシリーズです。動画の編集ソフト、キャプチャーソフト、仕事で使用するツール等も含まれます。
これらは操作していなくても、起動していれば負荷が発生します。例えば、ゲームを配信しながらDiscordやSkypeなどのボイスチャットツールもそうです。ゲーム+配信以外の「何か」ソフトやツールを起動していても安定するという表現で記載しました。人それぞれ起動するソフトやツールが違うので、明確に記載出来ませんでした。分かりにくい表現となってしまい、申し訳ありませんでした。
以上です。
よろしくお願いいたします。