ryzeninteltop当ページでは、CPUの2大メーカーであるIntel Core iシリーズとAMD Ryzenシリーズの特徴を比較している。Intel独占の市場に一石を投じたRyzenの登場はゲーマーにとって好ましいことで今まで以上にゲーミングPC業界が盛り上がっている。強力な第4世代Ryzenシリーズの対抗モデルとして、2021年11月にIntel第12世代Core iシリーズが登場した。

Intel第12世代はこれまで同様高いゲーミング性能を持ちさらにIntel製CPUが劣勢だったマルチスレッド性能でも巻き返しを図っている。どちらのCPUを選べばよいのか悩んでいる方はぜひチェックして欲しい。当ページでは主にゲーミング性能に重点を置いて解説していく。なお、ゲーミングCPUとしてあまり一般的ではないRyzen 3シリーズ及びCore i3シリーズは省略している。

早速結論!

  • 第12世代Intel Core iシリーズ(デスク)
  • ゲーミング性能・マルチコア性能共に高い、マルチコア性能でもRyzenを上回る、コストパフォーマンスが高い

  • 第4世代Ryzenシリーズ(デスク)
  • マルチコア性能が優秀、ゲーミング性能が向上、Intel第12世代の登場で価格が下落傾向にある

2021年11月04日にIntel第12世代Core iシリーズが登場した。まずはKシリーズが登場してその後2022年01月05日にCore i7-12700などの無印モデルが発売開始となっている。マルチコア性能が大幅に向上して第4世代Ryzenシリーズを上回るほどになっている。価格も抑えられていてコストパフォーマンスは高い。ゲーミング性能も高く、Intel第11世代Core iシリーズを軽々超えている。

第4世代Ryzenシリーズは窮地に陥った。価格が高めであることが仇になった形だ。Intel第12世代Core iシリーズの登場で価格が下落しているとは言っても、特にゲームプレイを考えている方にとって第4世代Ryzenシリーズを選ぶ理由はなくなってしまったと考えている。次世代のZen 4アーキテクチャ採用の第5世代Ryzenシリーズが登場するまではIntel製CPUの独壇場となりそうだ。

Intel Core iシリーズとAMD Ryzenシリーズ比較表

 Intel第12世代AMD第4世代
価格
($167~$564)
(25,480円~77,780円)

($139~$799)
(17,200円~75,300円)
省電力性(消費電力)
ゲーミング性能○~☆△~◎
マルチコア性能○~☆◎~☆
シングルコア性能○~☆△~◎
Intel第12世代Core iシリーズが登場するまではAMD第4世代CPUも確かな地位を築いていた。Intel第11世代Core iシリーズと比べて価格は高いものの省電力性・マルチコア性能に長けていた。これまで弱点と言われていたゲーミング性能・シングルコア性能についても従来モデルの第3世代Ryzenシリーズと比べてパフォーマンスは向上している。

Intel第12世代Core iシリーズの登場は第4世代Ryzenシリーズにとって脅威となる。価格差以上にゲーミング性能・マルチコア性能・シングルコア性能で上回っているからだ。Zen 3アーキテクチャを採用したCPUに限定すれば最低価格は21,070円とIntel製CPUと比べて優位性があるが、性能を考慮するとコスパが高いわけではない。

Intel Core iシリーズとAMD Ryzenシリーズのスペック&価格比較

Intel=ブルー軍、AMD=レッド軍として色分けしている。Core i9&Ryzen 9、Core i7&Ryzen 7、Core i5&Ryzen 5のグループごとにそれぞれの代表的なモデルを比較していく。

Core i9&Ryzen 9シリーズ比較

製品型番一覧定価販売価格アーキテクチャプロセスコア/スレッドクロック(最大)OCL3キャッシュTDP発売日
Core i9-12900KF$56477,780Alder Lake10nm16/243.2GHz(5.2GHz)30MB125W-241WQ4'21
Core i9-12900F$46464,007Alder Lake10nm16/242.4GHz(5.1GHz)×30MB65W-202WQ1'22
Ryzen 9 5950X$79975,300Zen 37nm16/323.7GHz(4.8GHz)64MB105W-142WQ3'20
Ryzen 9 5900X$54954,925Zen 37nm12/243.7GHz(4.8GHz)64MB105W-142WQ3'20

Intel第12世代Core i9シリーズでは従来モデルよりも大幅にスペックが強化された。8コア16スレッドから16コア24スレッドとコアが倍増でスレッドも50%アップだ。ハイブリッドコアアーキテクチャを採用したのはRyzen 9シリーズに対抗するためだと考えてよい。プロセスも14nmから10nmになり微細化が図られている。AMDの7nmプロセスまではあと一歩のところまで来た。

フラグシップモデルであるCore i9-12900K(F)でも$564と、AMDのフラグシップモデルであるRyzen 9 5950Xの$799よりも25%以上も安価だ。実売価格ではRyzen 9 5950Xと同等の価格となっている。スレッド数こそRyzen 9 5950Xに劣るものの総合性能では大きく上回る。下位モデルのCore i9-12900(F)でもRyzen 9 5950Xよりも高い性能を持っている。

テーブルではパフォーマンスコアの定格クロック及び最大クロックのみを記載している。Core i9シリーズではPコアとEコアのハイブリッドコアアーキテクチャを採用している。従来モデルのコアの概念がPコアに該当する。Eコアは省電力性に特化したコアで比較的ライトな作業を中心に行う。

TDPについては、Core i9-12900K(F)が頭一つ抜き出ている形だ。数値上はRyzen 9 5950Xよりも40%程度消費電力が大きい。もちろん性能差があるため単純に比較するのは好ましくないと言えるが、消費電力を重視するならRyzen 9シリーズは魅力的なモデルだ。

Core i7&Ryzen 7シリーズ比較

製品型番一覧定価販売価格アーキテクチャプロセスコア/スレッドクロック(最大)OCL3キャッシュTDP発売日
Core i7-12700KF$38454,680Alder Lake10nm12/203.6GHz(5.0GHz)25MB125W-190WQ4'21
Core i7-12700F$31446,379Alder Lake10nm12/202.1GHz(4.9GHz)×25MB65W-180WQ1'22
Ryzen 7 5800X$44936,922Zen 37nm8/163.8GHz(4.7GHz)32MB105W-142WQ3'20
Ryzen 7 5700X$29937,450Zen 37nm8/163.4GHz(4.6GHz)32MB65WQ1'22

Core i7&Ryzen 7シリーズは、ゲーミングPCで人気の性能帯・価格帯のモデルだ。Core i9シリーズと同じくCore i7シリーズでも従来モデルと比べて大幅にスペックが強化されている。プロセスが14nmから10nmへと微細化されて8コア16スレッドから12コア20スレッドとマルチコア性能が向上している。Ryzen 7シリーズが8コア16スレッドとなっているため競合と比べても優位性がある状態だ。

販売価格でもCore i7-12700K(F)/Core i7-12700(F)はお得感がある。もっともRyzenシリーズは、Intel第12世代Core iシリーズの登場で販売価格が大きく下落している。Core i7-12700(F)でもRyzen 7 5800Xを上回る性能を持つ。実売価格では10,000円の差があることを考えるとRyzen 7シリーズにも選び理由がある。Intel第12世代ではCore i7シリーズでもPコアとEコアのハイブリッドコアアーキテクチャが採用されている。これによってより高いパフォーマンスを得られるわけだ。

消費電力についてはRyzen 7 5800Xの方が抑えられているが性能差を考えると必ずしもよいわけではない。性能はCore i7-12700K(F)と比べて30%低く、Core i7-12700(F)と比べても20%低い。つまり、性能差を考慮するとRyzen 7 5800Xが必ずしも省電力性に長けているというわけではない。

Ryzen 7 5800Xの下位モデルであるRyzen 7 5700Xがリリースされたが、まだまだ価格が高く割高だ。上位モデルであるRyzen 7 5800Xと同じ価格では厳しい。この結果を見る限りやはりRyzen 7シリーズもかなり厳しい状況に追い込まれている。

Core i5&Ryzen 5シリーズ比較

製品型番一覧定価販売価格アーキテクチャプロセスコア/スレッドクロック(最大)OCL3キャッシュTDP発売日
Core i5-12600KF$26437,480Alder Lake10nm10/163.7GHz(4.9GHz)20MB125W-150WQ4'21
Core i5-12400F$16725,480Alder Lake10nm6/122.5GHz(4.4GHz)×18MB65W-117WQ1'22
Ryzen 5 5600X$29927,280Zen 37nm6/123.7GHz(4.6GHz)32MB65W-76WQ3'20
Ryzen 5 5600$19927,612Zen 37nm6/123.5GHz(4.4GHz)32MB65WQ2'22
Ryzen 5 5500$15921,070Zen 37nm6/123.7GHz(4.2GHz)16MB65WQ2'22
Ryzen 5 4500$13917,200Zen 27nm6/123.6GHz(4.1GHz)8MB65WQ2'22

Core i5&Ryzen 5シリーズは、コストパフォーマンス重視の方向けの性能帯・価格帯だ。他のクラスと比べてもIntel製CPUが強い。Core i5-12600K(F)/Core i5-12400(F)は10nmプロセスを採用している。Ryzen 5シリーズでは7nmプロセスを採用しているのでIntel製CPUは少し遅れている。

Core i5シリーズは上位モデルと異なりCore i5-12600K(F)でのみハイブリッドコアアーキテクチャが採用されている。10コア16スレッドと従来モデルのCore i5-11600Kと比べてコアが66%アップ、スレッド数が33%アップだ。下位モデルのCore i5-12400(F)では従来モデルと同じ6コア12スレッドとなっている。それでもIPCの改良によってパフォーマンスは大きく向上している。

価格的にもCore i5シリーズに優位性がある。Ryzen 5 5600とRyzen 5 5500の間に収まっている。性能的にはCore i5-12400(F)でもRyzen 5 5600Xを上回るのでコスパの高さは明らかだ。Ryzen 5 5600についてはまだまだ価格が高い。相応に価格が下がらないと選ばれることはないだろう。Ryzen 5 5500についてはまずまず価格が抑えられていて選びやすさがある。

他のシリーズと同様にTDPについてはAMD Ryzen 5シリーズに優位性がある。7nmプロセスを採用していることによる恩恵だ。Ryzen 5 5600Xは、Core i5-12600K(F)と比べて50%程度も省電力性が高い。もっともこちらも性能差を考えると単純な比較は意味をなさない。Zen 4アーキテクチャ採用の次世代モデルでどのように変わるのかに注目したい。

Intel Core iとAMD Ryzenシリーズのゲーミング性能比較

intelamdgaming

ゲーミング性能についてはIntel製CPUが圧倒的だ。Core i9-12900K(F)は、かなり高いパフォーマンスを発揮していてRyzen 9 5950Xよりも8%も上回る。ゲームタイトルごとに安定感があるのもIntel製モデルの特徴だと言える。Core i5-12600K(F)でも、第4世代RyzenシリーズのフラグシップモデルであるRyzen 9 5950X/Ryzen 9 5900Xを超えるゲーミング性能を発揮する。

Core i5-12400(F)はCore i5-12600K(F)以上のモデルとの性能差が大きい。これはハイブリッドコアアーキテクチャを採用していないことが要因だと言えるだろう。それでも単体価格で2,000円以上も高いRyzen 5 5600Xを上回る性能でRyzen 7 5800Xに匹敵するパフォーマンスを得ているのは素晴らしい。

Ryzen 5 4500は低価格帯のゲーミングPCを作りたいゲーマーの方向けだ。性能的にはRyzen 5 5500よりも3%程度劣ってしまう。Core i5-12400との差は8%程度低い。

Intel Core iとAMD Ryzenシリーズの総合性能比較

amdintelsougou

マルチスレッド性能でもIntel製CPUが強さを見せつけている。これまでの王者であったRyzen 9 5950Xと比べて、Intel第12世代のCore i9-12900K(F)はマルチスレッド性能が3%高く、シングルスレッド性能は19%も高い。その下位モデルであるCore i9-12900(F)でもRyzen 9 5950Xを上回っている。$489のモデルが、$799のモデルを上回ったということだ。

Core i7-12700K(F)は、Ryzen 9 5900Xと同等以上のマルチスレッド性能を発揮している。シングルスレッド性能は圧倒的だ。その下位モデルであるCore i7-12700(F)もRyzen 9 5900Xに肉薄していることを考えるといかに優れたモデルなのかということがわかる。Core i5-12600K(F)は、Ryzen 7 5800Xよりもマルチスレッド性能が11%高く、シングルスレッド性能は18%高い。

Core i5-12400(F)も素晴らしい結果を出している。実売価格で2,000円程度高いRyzen 5 5600Xと比べてマルチスレッド性能が9%高く、シングルスレッド性能は8%高い。もはやAMD製CPUの立場はない。今の価格を維持している限りなかなか厳しい状況が続くだろう。

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搭載ゲーミングPCから見る両者の特徴

ラインナップはIntel搭載モデルが圧倒的に多い

各BTOメーカーが販売しているゲーミングPCを見ればIntel製CPU搭載モデルが多いことに気付く。2022年08月時点での当サイトでレビューをしているモデルを見ると、Ryzen搭載モデルは25.5%(25/98)に留まる。数年前に比べて明らかにRyzenシリーズ搭載モデルが増えてきているもののCore iシリーズが優勢な状況は変わらない。

確かに2,3年前までなら10%にも満たなかったように思う。ドスパラ・パソコン工房・パソコンショップセブンでわずかに取り扱いがあったぐらいだ。その時期から比べるとよい方向に向いている。それでもZen 4アーキテクチャが登場するまでは苦しい状況が続くのではないかと思う。特にIntel第12世代Core iシリーズは価格が抑えられていてかつ性能が高いので強力だからだ。第4世代Ryzenシリーズ搭載モデルは価格が高めで選びづらさがあるのが現状だ。

全体で見るとCore i7シリーズの人気が高い

ゲーミングPCではCore i7シリーズ搭載モデルが人気だ。Core i7-12700K(F)やCore i7-12700(F)が該当する。性能と価格のバランスがよいというのがその理由だろう。Intel第11世代のラインナップが消滅してIntel第12世代Core iシリーズにお得感が出てきている。

Intel第12世代のCore i5-12400(F)は性能も高く注目されている。今後はCore i5シリーズとの組み合わせも増えるかもしれない。反対にフラグシップモデルのCore i9シリーズだとオーバースペックになりやすい。ゲームプレイだけを考えるならCore i7シリーズでも十分だ。

Core i7シリーズはGTX 1660 SUPERからRTX 3080まで幅広いグラフィックボードとも合わせやすいというのも強みだと言える。コストパフォーマンスに優れたモデルを探すとCore i7-12700(F)やCore i5-12400(F)などの倍率ロックモデルを搭載したモデルが多い。当サイトの人気ランキングでもCore i7-12700(F)・Core i5-12400(F)搭載モデルが上位を占めている。

低価格帯ではRyzen 5 4500搭載モデルが強い

税込10万円以下の低価格帯のゲーミングPCを見ると、一点Ryzenシリーズが勢いを増す。例えば、最安値モデルを見るとRyzen 5 4500を搭載したドスパラの「Lightning AH5」・マウスコンピューターの「mouse DT6-G」が出てくる。特にLightning AH5は税込10万円以下で購入できる貴重なモデルだ。

少しでも安いゲーミングPCを探している方はRyzen 5 4500搭載モデルをチェックして欲しい。ミドルクラス以上ならIntel製CPUが強いが、低価格帯を見るとAMD製CPUが強い傾向にある。Intelの低価格帯を支えるCore i5-12400よりも価格が抑えられるのはメリットだと言える。両者でうまく棲み分けが行われているように思う。ただし、ゲーミング性能はCore i5-12400の方が上だ。Ryzen 5 5600でもCore i5-12400には及ばない。長い目で見た時に性能的に物足りなくなってしまう可能性もある。性能を理解した上で購入するようにして欲しい。

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Intel Core iとAMD Ryzenシリーズの歴史とシェア

これまでの歩み・歴史

年月日RyzenIntel
2022年04月15日Ryzen 5 5600
Ryzen 5 5500
Ryzen 5 4500
2022年01月05日Core i9-12900
Core i7-12700
Core i5-12400
Core i9-12900HK
Core i7-12700H
2021年11月04日Core i9-12900K
Core i7-12700K
Core i5-12600K
2021年08月6日Ryzen 7 5700G
Ryzen 5 5600G
2021年05月17日Core i9-11980HK
Core i9-11900H
Core i7-11800H
Core i5-11400H
Core i5-11300H
2021年03月30日Core i9-11900K
Core i7-11700K
Core i7-11700
Core i5-11600K
Core i5-11400
2021年01月12日Ryzen 9 5980HX
Ryzen 9 5900HX
Ryzen 7 5800H
Ryzen 5 5600H
2020年11月06日Ryzen 9 5950X
Ryzen 7 5800X
Ryzen 5 5600X
2020年07月18日Ryzen 9 3900XT
Ryzen 7 3800XT
Ryzen 5 3600XT
2020年05月20日Core i9-10900K
Core i9-10900
Core i7-10700K
Core i7-10700
Core i5-10600K
Core i5-10600
2020年02月22日Ryzen 5 3500
2020年02月07日Ryzen TR 3990X
2019年12月13日Core i9-10980HK
Core i7-10875H
Core i7-10750H
Core i5-10300H
2019年07月07日Ryzen 9 3900X
Ryzen 7 3700X
Ryzen 5 3600X
Ryzen 5 3600
2019年06月07日Core i7-9700F
2019年05月16日Core i3-9100F
2019年03月29日Core i9-9900KF
Core i7-9700KF
2019年02月01日Core i5-9400F
2018年10月20日Core i9-9900K
Core i7-9700K
2018年09月11日Ryzen 5 2500X
Ryzen 3 2300X
2018年09月01日Ryzen TR 2950X
2018年04月19日Ryzen 7 2700X
Ryzen 7 2700
Ryzen 5 2600X
Ryzen 5 2600
2018年04月03日Core i5-8500
2017年11月02日Core i7-8700K
Core i7-8700
Core i5-8400
2017年07月27日Ryzen 3 1300X
Ryzen 3 1200
2017年04月15日Ryzen 5 1500X
Ryzen 5 1400
2017年04月11日Ryzen 5 1600X
Ryzen 5 1600
2017年03月02日Ryzen 7 1800X
Ryzen 7 1700X
Ryzen 7 1700
2017年01月06日Core i7-7700K
Core i7-7700
Core i5-7600K
Core i5-7400
これまでのIntel及びRyzenのリリース日をまとめている。ようやく2022年4月15日になってZen 3アーキテクチャを採用した低価格帯のモデルであるRyzen 5 5600/Ryzen 5 5500/Ryzen 5 4500がリリースされた。多くのユーザー待望のモデルが手に入る状況になったが、さすがに発売が遅すぎた。現行の第4世代Ryzenシリーズは2020年11月にリリースされて1年半も経過している。

Intel第12世代Core iシリーズが登場したことで魅力は半減だ。2021年11月にこのIntel第12世代(Alder Lake世代)のCPUがリリースされた。まずは末尾にKを冠した高パフォーマンスモデルだ。その後2022年1月にCore i7-12700やCore i5-12400などの人気モデルが登場した。無印モデルは価格が抑えられていてコストパフォーマンスに優れている。ゲーミングCPUとしても人気が高い。そして、

AMDがIntelのシェアを超えた

amdshare画像引用元:https://www.bcnretail.com/

上記のデータは、BCNによる全国の主要家電量販店及びネットショップのPOSデータを集計したもの(BCNR, 2019)だ。AMD製CPUのシェアが大きく拡大していることがわかる。2018年10月には27.9%だったものが、2019年6月には50.5%とIntelのシェアを超えた。AMDの株価もうなぎのぼりとなっている。

第3世代Ryzenシリーズのリリースはコストパフォーマンスの高さもさることながらタイミングが良かった。Intel製CPUの生産が追いつかず第8世代CPUから品切れ状態になっていた。第9世代CPUを投入しても品切れの影響が大きくシェアを落とす結果になったということだ。

Ryzenシリーズにとってネックとなるのが各BTOメーカーのラインナップの少なさだ。ただ、第3世代Ryzenシリーズは第2世代までと比べて取り扱いが多いように思える。人気がないからと言って実力が無いというわけではない。どうしても長く最前線にいたIntel製CPUの知名度に及ばないというのが実情だろうか。

Steamでのシェアも大きく伸ばす

steamtoukei引用元:https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/

上記は2020年11月~2021年3月までのSteam上でユーザーが使用しているCPUのシェアだ。今ではRyzenシリーズのシェアが30%近くに到達Steam, 2021)している。2019年10月時点では19.39%だったことを考えると一気に伸びているということになる。Zen 3アーキテクチャを採用した第4世代Ryzenシリーズの登場も大きいはずだ。

今では海外だけでなく、国内でもゲーム配信を行うユーザーが爆発的に増えているのは明らかで、Ryzenシリーズの需要が増しているのは間違いない。各ショップでも取り扱いの幅を広げていて一部ショップではIntel製CPU搭載モデルよりも力を注いでいるところもあるくらいだ。

Ryzenの快進撃はIntelの迷走が終わるまで続くだろう。それが何ヶ月、何年先かはわからない。案外Intelが息を吹き返した時には、長らく続いたAMDの天下が終わりを告げる…そんな日になるのかもしれない。

参考:2019年10月~2020年2月までの推移

Steamshare
月間1億近いユーザーが稼働しているSteam上で2019年10月~2020年2月までの期間にゲームをプレイしたPCに搭載されているCPUの割合を表記している。この5ヶ月の間でAMD製CPUは2%も上昇しており、Intel 78.61%に対して21.39%のシェアを持っている。まだまだIntel製CPUの割合は多く、AMD製CPUが主流となるのは難しい。考えようによっては苦手なゲーム用途でも20%以上のシェアを持てる優れたCPUである。

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これまでのIntel&Ryzenの比較から見る総評&レビュー

ゲーム用途ではIntelを基本に考えよう

客観的に見てもIntel製CPU以外を選ぶ理由はないのではないかと思う。現時点ではゲームプレイだけではなく動画編集などのクリエイター作業においてもIntel製品に分があると考えている。Intel第12世代Core iシリーズの登場で第4世代Ryzenシリーズの立場は危うくなっている。もはやRyzenシリーズのコスパの高さは過去のものになってしまった。

ハイブリッドコアアーキテクチャを採用したことで大幅に性能が引き上げられたからだ。ハイブリッドコアアーキテクチャを採用していないCore i5-12400でさえもCPUコアの改良で大きく性能が引き上げられた。ゲーム性能ではRyzen 5 5600Xを上回る。

Ryzenシリーズは今よりも10%程度は価格が下がらないと選ぶ理由はない。より安くより高性能なモデルが購入できるなら誰もがそちらを選ぶはずだ。Ryzenシリーズも第4世代になってプレミアム路線に走りRyzen 7 5800XやRyzen 5 5600Xなどの上位モデルのみをリリースして従来モデルよりも定価が引き上げられた。結果的にこれがAMDの首を絞める形になったと言える。現時点ではマルチスレッド/シングルスレッド性能でも完敗だ。

低価格帯のモデルを狙うならRyzenもあり

低価格帯のゲーミングPCでは第3世代Ryzenシリーズの存在感が増してきているように思う。特に10万円以下のモデルでは圧倒的だ。価格が安くそれなりのゲーミング性能を持つというのは心強い。ただし、Ryzen 5 4500は数年前のモデルで性能が高いわけではない。

AMD Ryzenの登場は単純な性能面だけではなく市場へよい影響を与える。ユーザーにとっては更に選択肢が広がり、非常によい傾向にあると言えるだろう。ただ、ショップにあるRyzen搭載モデルはIntel搭載モデルに比べてまだまだ少ない。メーカーの担当者によると売上的にもよくない状態が続いているということだ。

もっとも、この売上がよくないという点においては、自作ユーザーに人気だという背景があるからだろう。Ryzen搭載のゲーミングPCの存在感は薄いわけではなく、Intel製品との価格差がほとんどない状態だからだ。CPU単体で見れば選択する価値はあり、コストパフォーマンスは優秀だが、搭載モデルとなるとその長所は失われがちだ。

これからもRyzenの進化に期待が持てる

第4世代Ryzenシリーズになってゲーミング性能が上がりIntelとの差は縮まっている。その上でマルチコア性能が高いので、ゲーマーだけではなく幅広い用途を考えている方におすすめできる。Intelの第12世代に対してまだ第4世代だ。進化のスピード・期待値・将来性…これらは圧倒的にRyzenに分がある。

Ryzenは今後CPUにおける唯一の選択肢に成長する可能性も十分にある。第4世代では届かなかったが、覇権を奪い主流のCPUになる日も遠くないのかもしれない。たくさんのアプリケーションを同時に起動し、複数の作業を同時にこなすのであればRyzenという図式は崩れつつある。Intel製CPUは総合性能・コア単位の性能に優れ、ゲームやフォトショップなどの特定のアプリケーションで真価を発揮しやすい。

Intel第12世代になってその差は広がるばかりだ。例えば、Core i5-12400と同じ価格帯のRyzen 5 5600では総合的に見てもCore i5-12400の方が優れている。結果的にどの価格帯・性能帯を選ぶかによって優劣が逆転することもある。複雑な関係もあり、分かりやすいIntel製品を選ぶほうが無難であり万能でもある。

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