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当記事では、Radeon RX 6700 XTのスペック&性能ベンチマークを検証している。Radeon RX 5700 XTの後継モデルだ。ついにBig Navi搭載のグラフィックボードもここまで降りてきた。上位モデルであるRadeon RX 6800以上に採用されるNavi 21よりも小さな「Navi 22 GPU」を搭載している。シェダーコア・メモリコントローラー、Infinity Cacheのサイズを減らすことでダイサイズがコンパクトになった。
上位モデルとの差別化をしっかりと図っている形だ。その分価格も抑えられいてコストパフォーマンスはまずまずだ。搭載モデルがドスパラの売れ筋ランキングの上位に入ったこともあるほどだ。性能的にはRTX 3070($499)とRTX 3060 Ti($399)の間に収まる。いずれもNVIDIA製グラフィックボードの売れ筋モデルとなっていることからRadeon RX 6700 XTにも期待が掛かる。RTX 3070搭載モデルやRTX 3060 Ti搭載モデルとの価格差をチェックしておこう。
価格を重視するなら下位モデルのRTX 3060 Ti搭載モデルがおすすめだ。RX 6700 XTは、2023年10月時点でも新品で購入できる。後継モデルとして、Radeon RX 6750 XTが発売されている。
世代 | RDNA 2.0 |
---|---|
プロセス | 7nm |
CUDAコア | 2,560 |
ベースクロック | 2321 MHz |
ブーストクロック | 2,581MHz |
TDP | 230W |
MSRP | $479 |
中古価格 | 37,980円~ |
発売日 | 2021/03/18 |
- (+)WQHDが得意な高性能グラフィックボード
- (+)クロック周波数が高く性能はRTX 3060 Tiを上回る
- (+)価格が下がりコストパフォーマンス良好
- (-)レイトレーシング性能はRTX 3060に劣る
当ページの目次
Radeon RX 6700 XTの基本スペック
RX 6700 XT | RX 6800 | RX 5700 XT | |
---|---|---|---|
コードネーム | RDNA 2 | RDNA 2 | RDNA 1 |
GPU | Navi 22 | Navi 21 | Navi 10 |
プロセス | 7nm | 7nm | 7nm |
ダイサイズ | 336 mm2 | 519 mm2 | 251 mm2 |
トランジスタ数 | 172億 | 268億 | 103億 |
Ray Accelerators | 40 | 60 | - |
Tensorコア数 | - | - | - |
CUs | 40 | 60 | 40 |
シェーダーコア | 2,560 | 3,840 | 2,560 |
ゲームクロック | 2,424 MHz | 1815 MHz | 1,755MHz |
ブーストクロック | 2,581MHz | 2,105MHz | 1,905MHz |
メモリバス | 192-bit | 256-bit | 256-bit |
GPUメモリ | 12GB GDDR6 | 16GB GDDR6 | 8GB GDDR6 |
メモリ速度 | 16Gbps | 16Gbps | 14Gbps |
モリバス帯域幅 | 384.0 GB/s | 512.0 GB/s | 448.0 GB/s |
Infinity Cache | 96MB | 128MB | - |
TDP | 230W | 250W | 225W |
MSRP | $479 | $579 | $399 |
中古価格 | 37,980円~ | 49,980円~ | 19,980円~ |
発売日 | 2021/03/18 | 2020/11/18 | 2019/07/07 |
RX 6700 XTは、RX 5700 XTの後継モデルとなっている。RNDA 1からRNDA 2アーキテクチャになりスペックが大幅に向上した。プロセスはRX 5700 XTで採用されていたNavi 10と同じ7nmを採用している。ダイサイズは、251m㎡→336m㎡へと34%大きくなりトランジスタ数は67%アップだ。RX 6700 XTではレイトレーシング用のRay Acceleratorsが搭載された。NVIDIA製グラフィックボードに一世代遅れてついに搭載された。Ray Accelerators数は40となっている。0から40なのでインパクトは大きい。
RX 6700 XTのコンピューターユニット(CUs)は40基だ。これはRX 5700 XTと変わらない。CUDAコアも2,560(40×64)と共通だ。大きく変わったのはクロック周波数だろう。ゲームクロックは40%近く上がり2,424MHzまで引き下げられている。さらに、ブーストクロックは35%上がり2,581MHzと2.5GHzのハードルを超えた。これはアーキテクチャが変わりパワー効率が上がったことによるメリットだと言える。
メモリ周りについてはスペックダウンとなっている。メモリバスが256-bitから192-bitへとダウングレードされている。これは省電力性を高めるという点で意味がある。GPUメモリは50%アップで12GBとなった。これまでメモリ容量の大きさが強みだったが、NVIDIAがRTX 3060で12GB搭載となったので優位性は薄れてしまった。メモリ速度は16Gbpsと速くなっているが、メモリバス帯域幅は12%ダウンの384.0 GB/sとなった。この遅くなった分はInfinity Cacheでカバーしている。メモリ周りのスペックを落としたことでRX 5700 XTよりもわずか5W上昇しただけに留めることができた。infinity Cacheの存在感が大きい。価格は$80アップでプレミア感が増している。
上位モデルのRX 6800ではNavi 21を採用していて一回り大きいダイサイズとなっている。ダイサイズは55%大きくなり、トランジスタ数も56%多く268億だ。コンピューターユニット数は60基でRay Acceleratorsは60基だ。CUDAコア数は50%多く3,840となる。クロック周波数については抑えられていて、20%以上低くなっている。一方で、メモリ周りはワンランク上のものだ。256-bitでGPUメモリ容量は16GBとなっている。メモリバス帯域幅は512.0 GB/sと大きい。その上でInfinity Cacheが128MBとなっている。消費電力は20Wアップの250Wで価格差は$100だ。
Radeon RX 6700 XTは中古価格は37,980円~だ。発売当時110,000円→65,000円→48,000円と高価なモデルだったが一気に価格が引き下げられている。RX 6800は中古で49,980円、RX 5700 XTは中古で19,980円だ。RX 5700 XTとは性能帯が異なるため購入時の候補にはならないだろう。中古RX 6800を狙うのも悪くない。17%程度高いパフォーマンスを得られる。
Radeon RX 6700 XTの最新ゲーム性能
Radeon RX 6700 XTは、ミドルクラス相当の性能を持つグラフィックボードだ。前世代のRadeon RX 5700 XTよりも20%以上パフォーマンスが向上している。属するクラス自体が大きく変わったと言えるだろう。メインターゲットとなるのはフルHD環境でのゲームプレイとなる。RTX 3060 Tiよりも6%程度ゲーミング性能が高い。RTX 3070に比べるとおよそ8%程度性能が低い。
次世代モデルのRX 7700 XTになると15%以上ゲーム性能が高くハイクラス相当の性能を持つ。高解像度でのゲームプレイにも対応できる。AMD製グラフィックボードも世代を重ねるごとにしっかり性能が引き上げられていて競合モデルと比べても見劣りしない水準に到達している。
Radeon RX 6700 XTの中古価格は37,980円~となる。性能の近いGeForce RTX 3060 Tiが37,980円~と同等だ。Radeon RX 6700 XTは、GeForce RTX 3060 Tiよりも性能が6%高いにも関わらず価格は同等だ。コストパフォーマンスを考えるとRX 6700 XTは優秀なモデルと言える。ただし、レイトレーシング・DLSS性能については遅れを取っているので純粋なラスタライズ性能を追求したい方向けとなる。
GeForce RTX 2080 Tiは39,980円で販売されている。旧世代のモデルながらGPUメモリ11GBと大容量なのが特徴だ。上位モデルであるRadeon RX 6800は20%弱性能が高く、価格は30%アップだ。総合的に見ればRadeon RX 6700 XTは魅力的なモデルだ。
Radeon RX 6700 XTの特徴&強み
RDNA 2アーキテクチャでパワー効率が改善している
RDNA 2アーキテクチャによって大きく変わったのは省電力性の高さだろう。Raden RX 5700 XTと比べてクロック周波数が大幅に伸びてゲーミング性能が高くなっているにもかかわらず消費電力は僅か5%アップに留まる。実際のゲームプレイ時の消費電力を見ると221WとRX 5700よりも20W上昇している。
性能が30%以上高いことを考えると10%アップは許容範囲だろう。上位モデルであるRadeon RX 6800よりも20%程度省電力性が高い。RX 6800搭載のNavi 21に比べて一回りNavi 22を搭載していることを考えると納得だ。550W以上の電源ユニットがあれば十分カバーできるはずだが、搭載BTOパソコンを見ると700W以上のモデルを採用していることが多いようだ。
RTX 3060 TiとRTX 3070が最大のライバルとなる
製品 | 価格 | 性能 |
---|---|---|
RTX 3070 | 73,800円 | 70fps |
RX 6700 XT | 64,790円 | 62fps |
RTX 3060 Ti | 64,800円 | 61fps |
Radeon RX 6700 XTのライバルはNVIDIAのGeForce RTX 3070及びGeForce RTX 3060 Tiとなる。Watch Dogs: Legionの高解像度でのフレームレートを見るとRTX 3060 Ti寄りであることがわかる。RTX 3060 Tiよりも性能が高いにも関わらず少しだけ安く購入できるのはポイントだ。タイトルによってはRTX 3060 Tiとの差が広がることもあるが、ゲーム全体で見ればこのWatch Dogsのスコア程度に落ち着く。
RTX 3070になると10%以上性能が高くなるが、価格も13%程度高くなる。コストパフォーマンスを考えるとRX 6700 XTは魅力的なグラフィックボードだ。ただし、レイトレーシング性能についてはRTX 3060 Tiどころかその下位モデルであるRTX 3060にも及ばない点は注意しよう。本音を言えばもう少し価格が下がって欲しいところだ。60,000円前後まで下がれば買いだ。
レイトレーシング性能は今後に期待
RX 6700 XTでは初めてRay Accelerators(レイトレーシング)が追加された。一世代前からレイトレーシング用のRTコアを搭載していたNVIDIA製RTX 30シリーズと比べると性能はまだまだだ。NVIDIAが一歩も二歩も先を歩いている。
また、DLSS機能の後押しもあって差は広がるばかりだ。下位モデルであるRTX 3060と比べても遠く及ばないのが現状だと言える。RTX 3070寄りの価格で性能はRTX 3060 Tiに近い、そしてレイトレーシング性能を含めるとRTX 3060 Tiにも劣ってしまう。次世代以降のモデルに期待したい。
Radeon RX 6700 XTのフレームレート一覧
フルHD及びWQHDでの最高設定時のフレームレートを計測している。注目すべきポイントは、RTX 3070とRTX 3060 Tiとの性能差だろう。結論としてはRTX 3060 Ti寄りの性能で価格差を考えるとやや不利な立場にある。前世代のRadeon RX 5700 XTと比べると大幅にパフォーマンスが向上しているというのは朗報だ。Radeonシリーズが本格的にミドルエンド~ハイクラスの枠組みに参入している。
Watch Dogs: Legion
Shadow of the Tomb Raider
メモリ周りの弱さがフレームレートに出てしまっているのかもしれない。ある程度はInfinity Cacheでカバーできるはずだが…上位モデルであるRadeon RX 6800になると20%以上フレームレートが向上する。Radeon RX 5700 XTと比べると25%以上パフォーマンスが高い。
Assassin’s Creed Valhalla
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レイトレーシング性能一覧
Radeon RX 6000シリーズで初めてリリースされたレイトレーシング性能について詳しく見ていく。対象となるグラフィックボードは、RX 6800・RX 6700 XT・RTX 3070・RTX 3060となる。WQHD環境×最高設定でのフレームレートを一覧にまとめたものだ。第1世代のRadeon 6000シリーズでは第2世代のGeForce RTX 30シリーズに立ち向かうのは厳しい状況だ。RTX 30シリーズにはDLSS機能が搭載されているのも魅力的だと言える。これは機械学習モデルによって負荷を下げてもより美しいグラフィックスの描写が可能となる技術のことだ。レイトレーシング性能をメインに考えているならRTX 30シリーズを選択した方がよいだろう。
Watch Dogs: Legion
RTX 3070になるとRTコア及びDLSSの有効化で71fpsまで引き上げることができる。最小fpsも59と安定感が増す。RX 6700 XTにはまだ。RX 6800でもRTX 3070 RTには届かない。DLSSに相当する機能がなく現時点では太刀打ちできない。
Shadow of the Tomb Raider
Control
Radeon RX 6700 XT搭載おすすめBTOパソコン
搭載BTOパソコンについて見ていこう。Ryzen 5000シリーズのCPUと500シリーズのマザーボードを選択すればSmart Access Memory機能を開放することができる。つまり、Ryzen 5 5600X/Ryzen 7 5800X搭載モデルなら有利ということだ。タイトルによってはパフォーマンスの向上を見込める。
FR30B760R/GW(フロンティア)
CPU:Core i7-14700F
GPU:Radeon RX 6700 XT
メモリ:DDR4-3200 32GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:600W 80PLUS BRONZE
コスパ:調査中
2024年のGW限定特別モデルとして販売中だ。Core i7-14700F×Radeon RX 6700 XT搭載の最新ゲーミングPCだ。非常にコストパフォーマンスの高いモデルとなる。最新のCPUとの組み合わせは新鮮だ。Core i7-14700Fは20コア28スレッドの高パフォーマンスモデルとなっている。ゲームプレイ+αで考えることが可能だ。メモリDDR4-3200 32GB・SSD 1TB NVMeと構成も申し分なしだ。電源ユニットは600W BRONZEを採用している。ゲーミングPCでは珍しい赤色のケースデザインがかっこいい。下部及び前面吸気、後方排気となる。FRONTIER30周年記念タンブラー付きだ。
G-GEAR GA5A-W213/XT(G-GEAR)
CPU:Ryzen 5 5600X
GPU:Radeon RX 6700 XT
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:750W GOLD
TSUKUMOからも搭載モデルがリリースされている。初期構成ではCPUがRyzen 5 5600Xだが、カスタマイズの選択肢が豊富で好みで選べる。Ryzen 5 5600・Ryzen 7 5700X・Ryzen 7 5800X・Ryzen 9 5900X・Ryzen 9 5950Xが候補だ。グラフィックスはRadeon RX 6600 XTやRadeon RX 6500 XTへダウングレードできる。構成はメモリ16GB、SSD 500GBと標準的だと言える。電源ユニットは750W GOLDを採用していて万全だ。
GALLERIA XA7C-67XT(ドスパラ)
CPU:Core i7-12700
GPU:Radeon RX 6700 XT
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:850W GOLD
Core i7-12700×Radeon RX 6700 XT搭載のゲーミングPCだ。Core i7-12700は12コア20スレッドと驚異的なスペックを誇る。CPU性能が高く高解像度でのゲームプレイでもフレームレートを安定させることができる。WQHD環境でのゲームプレイを考えている方は必見だ。ゲーム実況や動画編集にも対応できる。メモリ16GB、SSD 1TBとトップクラスの性能を誇る。電源ユニットは700W BRONZEとやや控えめだ。必要に応じてカスタマイズを検討するとよいだろう。
LEVEL-R7X6-LCR58X-DUX-DIRT5(パソコン工房)
CPU:Ryzen 7 5800X
GPU:Radeon RX 6700 XT
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:700W BRONZE
パソコン工房の最新PCケースがオシャレだ。セール期間中なら価格も下がっていて選びやすさがある。Ryzen 7 5800X搭載のゲーミングPCとなっている。8コア16スレッドとマルチスレッド性能が高く動画編集や画像編集などの作業にも対応しやすい。ただし、Intel第12世代のCore i7シリーズと比べるとやや見劣りしてしまう。AMDファンの方なら選んで後悔はしないだろう。
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ゲーム推奨 | BTOショップ比較 | グラボ比較表 |
ベンチマークテスト環境
CPU | Ryzen 9 3950X |
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マザーボード | – |
メモリ | DDR4-3200 32GB |
電源ユニット | – |