当ページでは、ゲーミングPCにおける最適なSSD容量について検証していく。ゲーミングPC購入の際にストレージ容量をどのぐらいにしようか悩む方は多いのではないだろうか。ここでは様々なゲーム/アプリケーションのインストールに必要な容量や動画・画像などの容量を元に最適なストレージ容量を見ていく。
当ページの目次
ゲーミングPCでのSSD搭載が一般的になっている
2020年頃からはSSDのみを搭載したモデルが増えた
2020年頃からはゲーミングPCでもSSDを搭載したモデルが増えて来た。価格が落ちたことで一気に普及したように思う。2022年時点での主流はSSD NVMe対応のシングルストレージだ。HDDのみのシングルスレージ採用モデルはないと考えてよい。容量的にはミドルクラスまでは512GB/500GB搭載が多く、ハイクラス以上になると1TBのSSDを搭載していることもあるほどだ。当サイトのレビューを見ればほとんどのモデルがSSDのみを搭載していることがわかる。
一般的なビジネスモデルでもこのSSDをプライマリストレージにしていることが多い。HDDではOSを快適に動作させることが難しくなってきているのかもしれない。デュアルストレージを採用したモデルについてはあまり見かけなくなっている。システム全体のストレージ容量を増やしたい方はカスタマイズで対応する必要がある。
大容量のデュアルストレージを搭載が減っている要因を考えてみよう。まずは、そこまで容量を使用する用途がなかなかないことが挙げられる。さらに、外付けストレージやクラウドストレージサービスの存在により初期状態から多くのストレージを搭載する必要がないことも理由となる。皆がみんな大容量ストレージが必要というわけではなく、必要な方はカスタマイズで対応してくださいということだろう。ストレージ容量が不要な方にとっては価格が抑えられるというメリットがある。
2016年頃まではHDDがメインストレージだった
画像引用元:https://www.dospara.co.jp/
上記は2015年9月頃に販売されていたドスパラのゲーミングPCだ。このガレリアDTは当時の売れ筋だったと言える。ストレージはHDD 1TBのみでSSDは非搭載となっていた。2016年頃まではこのガレリアDTのようにHDDのみをストレージに選択するのが一般的だったのだ。まだまだSSDの価格が高くゲーミングPCの価格が上がってしまうSSDはそれほど人気とは言えなかった時代だ。もちろんドスパラ以外のショップでもHDD搭載が主流だった。
SSD搭載のメリットはそこまで大きくない!?
SSDを搭載すればゲームがめちゃくちゃ快適になったり、有利になったりすると考えているゲーマーが多いのではないだろうか。実はSSDを搭載したからといってゲームプレイに大きな影響を与えることはない。確かにゲームプレイ中のロード時間を短縮できるというのはメリットだがそれが精一杯だ。
ストレージをHDDからSSDに変更したからといってゲームが軽くなったり、動作がスムーズになったりするということもない。どちらかというとOSなどのシステムの高速化による恩恵が大きい。強いて言えばMMORPGのようにマップの切り替わりでのロードが長いゲームほど実感できる。1枚マップを用いたゲームの場合はゲーム開始までの読み込み時間が短くなるだけで、プレイ中はそこまで体感することはないだろう。
試合形式のゲームであれば、試合開始時のマップへのリスポンが速くなるくらいだ。全員が揃うまで開始されないようになっているため人を待つ時間が少し長くなるというマイナス要素とも取れる。今はSSD搭載が一般的になっているのでそこまでのストレスは感じないのではないかと思う。結局多くのユーザーがSSDを使用すれば立場が同じで有利になるはずもない。
読み込み速度が速くなることで有利と言えないまでも、有利に感じることのできるゲームはある。しかし、読み込み速度が遅いことで不利になるゲームはほとんどない。ゲームが快適になるという部分に、グラフィックボードやCPUの交換のように根本的な性能を底上げするような快適さではなく、ローディングが遅いことで感じていたストレスからの開放による快適さである。もっと快適にゲームをプレイしたいなら、グラフィックボードやCPUに投資するべきだろう。
必要なストレージ容量を検証
OS搭載による使用容量
画像引用元:https://www.microsoft.com/
ゲーミングPCにはOSが必須だ。必ずOSの使用容量を差し引く必要がある。Windows 10(64 bit)の場合、ハードドライブの空き容量領域は32GBだ。256GBのSSDのみを選択した場合実際に使用できるのは224GBということだ。
主要タイトルの必要容量一覧
FF15 | 100GB以上 |
---|---|
FF14 | 60GB以上 |
Apex Legends | 60GB |
PUBG | 33GB |
フォートナイト | 30GB |
主要なゲームの必要HDD容量を一覧でまとめている。最も少なくてフォートナイトの30GB、最も多いFF15で100GB以上だ。最新のタイトルになると容量は高くなると考えてよいだろう。
複数のタイトルを保存したいと考えているならそれなりの容量が必要になる。すべてSSDに格納したいなら512GBを最低ラインに考えたい。他のアプリケーションをインストールしたり、動画や画像をたくさん保存したいなら1TBがあると安心だ。
一般的なアプリケーションの必要容量一覧
Office 2019 | 4GB |
---|---|
Photoshop | 最小4GB |
Illustrator | 最小2GB |
Adobe Premiere | 5GB |
ビジネスやクリエイター作業で一般的なアプリケーションの必要容量をまとめている。ゲームプレイに比べると必要な容量はそれほど多くない。アプリケーションだけで20GB程度用意しておけば十分だ。
その他動画や画像の容量一覧
4K動画 | 30GB~/1時間 |
---|---|
フルHD動画 | 6GB~/1動画 |
ドラレコ動画 | 150MB~/1分 |
4K画像 | 10MB/1枚 |
フルHD画像 | 4MB/1枚 |
動画と画像を保存する際の目安となる容量をまとめている。やはり動画になると容量が大きくなる。4K動画なら1時間の動画で30GB~、フルHDでも6GBとなる。ドラレコの場合は1分当たり150MB~だが、複数のファイルが保存される形になると総容量はそれなりに大きくなる。画像は4Kで1枚当たり10MB、フルHDで1枚当たり4MBだ。画像も数枚しか保存しないという方はほとんどいないはずなので容量はそれなりにあるとよい。
動画や画像をたくさん保存したいと考えているならSSDだけでカバーするのは難しい。HDD 2TB以上を用意する方が安上がりだ。動画や画像をSSDに保存したからといってメリットがあるわけではない。どうしてもSSDでカバーするなら厳選された動画や画像を保存するぐらいか、ドラレコの動画を保存するぐらいだ。それでもゲームをいくつも保存する予定があるならSSDに依存するのは避けた方がよい。
人気のゲーミングPCを検証
製品名 | 価格 | CPU | GPU | メモリ | SSD | HDD |
---|---|---|---|---|---|---|
Lightning AH5 | 99,980 | 5 3500 | GTX1650 | 16GB | 500GB | × |
G-Tune TD-B | 149,800 | i5-11400F | RTX3060 | 16GB | 256GB | 1TB |
G-Tune TD-S | 189,800 | i7-11700F | RTX3060Ti | 16GB | 512GB | × |
G-Tune TD-G | 259,800 | i7-12700 | RTX3060Ti | 16GB | 1TB×2 | × |
G-GEAR GA7J-H214/ZB | 279,300 | i7-12700KF | RTX3070Ti | 16GB | 1TB | × |
G-Tune TD-P | 369,800 | i9-12900K | RTX3080 | 32GB | 1TB | × |
シングルストレージならSSD容量が500GBあれば十分だと考えてよさそうだ。シングルストレージでSSD 256GBでは不十分だろう。ユーザーの要望が取り入れられて生まれていることを考えるとこれを一つの基準にしてもよいと思う。なお、G-Tune TD-Gも当サイトとマウスコンピューターのコラボレーションモデルで差別化のためにSSD×2基のデュアルストレージを採用している。G-Tune TD-Pも当サイトとマウスコンピューターのコラボレーションモデルで旧モデルではSSD 512GB、HDD 4TBを採用していたが、昨今の情勢を踏まえてSSDのみ搭載とした。
ストレージ構成の提案
SSD 512GB NVMe× SSD 512GB NVMe
SSD×2基搭載は、かなり贅沢な組み合わせだと言える。予算が潤沢にある方にとっては理想的な形だ。ゲーム+αでも対応しやすい。ゲーミングPCの場合標準でSSD×2基という構成はほとんどなくカスタマイズで対応する必要がある。BTOパソコンのカスタマイズは割高なことが多いため、ご自身で増設してもよいかもしれない。6,000円ほどで追加することが可能だ。
SSD 512GB NVMe or SSD 1TB NVMeのみ
ゲーミングPCでは最も一般的な構成だ。基本的にはSSD 512GB NVMe対応(or 500GB)を採用しているモデルが多い。一部のハイクラスのゲーミングPCでは1TBと大容量SSDを搭載していることがある。
SSD 512GBなら、3,4個のゲームを保存しても300GB前後は余る。その他アプリケーションや動画・画像を保存してもある程度は対応できるだろう。SSD 512GBだけでも外付けのHDDやDropbosなどのクラウドストレージ採用を活用すれば安く済ませることが可能だ。
SSD 512GB NVMe×HDD 2TB
SSDとHDDのデュアルストレージだ。HDDを搭載することで価格を抑えつつストレージ容量を増やすことができる。ご自身で増設するならHDD 2TBで7,000円で対応可能だ。SSD 512GBと同等の価格で4倍のストレージ容量を実現することができる。総ストレージ容量2.5GBなら不足はない。クリエイターの方で動画編集や画像編集をする機会が多い方でも十分対応できるはずだ。
HDD 1TB or HDD 2TBのみ
こちらはHDDのみを搭載しているケースだ。ゲーミングPCでは見かけなくなったが数年前まではこれが一般的だった。2022年時点ではおすすめしない構成だと言える。HDD 1TBを選択するならSSD 512GBを選択する方が満足度が高いのではないかと思う。外付けHDDやクラウドストレージサービスで容量の少なさをカバーすれば安上がりだ。
当記事のまとめ
組み合わせ | コスト | 総容量 | ゲーマー | ゲーマー+配信者 | ゲーマー+クリエイター |
---|---|---|---|---|---|
SSD×1 | 6,000円~ | 0.5GB | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ |
SSD+HDD | 12,000円~ | 2.5TB | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
SSD×2 | 12,000円~ | 1.0TB | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
HDDのみ | 5,000円~ | 1.0TB | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
これまでのことをまとめると、ゲーミングPCではSSD 512GB(or 500GB)のストレージがおすすめだ。ゲームがメインなら十分対応できコストパフォーマンスも優れているからだ。後から外付けのHDDを購入したり、Dropboxなどのサービスを使用したりすることで臨機応変に対応できるのもポイントだ。もう少し予算があればSSDとHDDのデュアルストレージがよい。+7,000円前後でストレージ容量を大きく増やすことができる。配信者の方やクリエイターの方でも十分だろう。
予算がたくさんある方ならSSD×2基がおすすめだ。どうしても価格は高くなるものの快適性は段違いだ。総容量を増やせばクリエイターの方でも対応しやすい。最後にHDDのみの構成だが、ゲーミングPCとしてはおすすめできない。容量が少なくてもSSDを選択するべきだ。ゲームプレイ時の快適性が大きく向上するわけではない。それでもパソコンの起動時間が速くなるなどメリットがあるからだ。
その他あなたにおすすめの記事はこちら!
- 管理人厳選のおすすめゲーミングPCランキング【2022年最新】
- ゲーミングノートPCおすすめランキング【2022年最新】
- 当サイト紹介ゲーミングPC一覧表
おすすめのゲーミングPCランキングを紹介している。コストパフォーマンスが高いモデルに人気が集中していると言える。
イチオシのゲーミングノートPCを紹介している。外出先でもゲームを楽しみたいという方はぜひ参考にしてほしい。
当サイトでレビューをしている全てのゲーミングPCを表でまとめている。一覧で見れば、ゲーミングPCの構成や相場感を把握することができる。
あなたにぴったりのゲーミングPCを探す
選び方(初心者の方向けにぴったりの選び方を解説) | ||
セール | 安い | ゲーム推奨 |
比較(ゲーミングPCの特徴を比較して最適な1台を見つける) | ||
価格 | BTOショップ | グラボ |