Havendockは2023年4月20日に登場した街づくりシミュレーションゲームです。ジャンル的にはコロニー建設とも言えそうで、海の上に拠点を作り、遭難者を加えて人口を増やし、作業を割り振って拠点を大きくしていくゲームです。海上に拠点を作るという点では、2022年6月21日に登場したRaftに題材は近いものがあります。Havendockは見下ろし型のシミュレーションゲームで、RAFTと違いアクション要素はありません。流れてくる素材を回収するという部分が共通しています。珍しい要素であるため、影響を受けたのは間違いないでしょう。
| ゲームタイトル | Havendock |
|---|---|
| 発売日（早期アクセス） | 2023年4月20日 |
| 定価 | 1,900円 |
| 過去最安値 | 1,330円（-30%,直近2024年4月29日-2024年5月6日） |
Havendockの特徴＆イマイチなところ
難易度が低く遊びやすい
何をすればいいかわからないという状況になりにくく、難易度は比較的やさしいゲームです。それでいてやるべきことははっきりしています。街建設やコロニー建設系のシミュレーションゲームによくある定石というものがありません。広げられるエリアは限定的で、設置できるものも進行に応じて増えてきます。
ゲーム進行が容易という点では、初心者でも安心です。一方で、シミュレーションゲームをやり込んでいる方にとっては満足しにくい内容かもしれません。あっさりと進行していきますが、拠点が大きくなる、進化していることは実感しやすいです。箱庭系とも言える部分でしょうか。
間違った手順というものがなく、なかなか詰むようなことはありません。資材がなくなれば集めればよく、いくらでも挽回できます。このあたりはRAFTに近い部分ですね。もう少し自由度があればよりおもしろくなったのではないかと思います。もちろん、自由度の向上は同時に難易度も上げてしまいます。ある程度の制限されることで、誰にでも遊びやすいシステムを構築しています。
不思議な世界観とストーリー
Havendockは、海上に土台を作り、漂流者や遭難者などを受け入れて人口を増やしていきます。序盤は海上で生き残るために、水や食料の確保が第一になります。ゲームの進行から考えて、サバイバル要素を持つゲームという印象が強くありました。流れてくる素材となるアイテムを回収し、素朴のアイテムを生産する。どこか原始的な展開が当たり前という流れでした。
賛否分かれるとまでは言いませんが、一定期間経つとサバイバル要素はなくなります。水も食料も安定しだすと、これらを気にすることはなくなるでしょう。そして、鉄などの鉱石を手に入れて、文明を進化させるようになっていきます。海底に潜り、鉱石を集める。科学的な装置を作り、より効率的に、効率的に進むようになっていきます。
ゲームとしては正しいとはわかっていながらも、少し題材を活かしきれていないのではないか。そう考えてしまいます。冒険の要素などは容量的に追加できなかったものか。序盤はサバイバル、中盤から小規模な街づくりに落ち着きます。海上浪漫が失われていく感覚は、残念な気持ちになりました。今後のアップデートで、より海上であることを活かした展開になってほしいものです。
謎の動物などが生息していて、それらの要求を飲むことでストーリーは進みます。どういった世界なのか、なぜこういった流れになっているのか、ゲームの背景がはっきりしない部分もあります。シミュレーションゲームでは文明が進むというシステムがあります。そういった区切りなく文明が進んでいくのは、進化を体感できると同時に、置いてきぼりの形なのは残念です。
ボリュームが少なくやりこみ要素もない
Havendockを語る上で、避けて通れないのがゲームボリュームについてです。およそ10時間もプレイすればエンディングに到達できるでしょう。エンディングの用意されたシミュレーションゲームは珍しくありません。当該ゲームについては自由度が低くまた最初からやろうとは思えません。広げられるエリアが固定されているので、何度繰り返しても同じ進行にしかなりません。
やり込み要素がなく、一方通行なゲームなのがマイナス要素です。明確なエンディングが用意されていることからも、一度のゲームクリアで終了してしまう遊びきりゲームです。フォローするなら、まだ早期アクセスでコンテンツは今後追加されていくと考えられます。
不安定ながらマルチプレイにも対応しています。あくまでも、2024年5月現在の状況です。マルチプレイは多くのゲームでメインコンテンツとなっています。正式版の登場後は、自由度の高いマルチプレイが楽しめるかもしれません。
最後に-これからが楽しみなゲーム
今現在は未完成のゲームという印象を受けます。おもしろいゲームなだけに、もっと深いコンテンツを用意することができれば、さらに多くのユーザーを取り込めるゲームになると思います。定価1,900円のゲームであることを考えると、十分楽しめる内容です。少しボリューム不足ですが、それは今後のアップデートに期待しましょう。
コロニー建設ほどの濃いゲーム性はなく、RAFTのような冒険心をくすぐるシステムはありません。それでも、それらのよいところを兼ね備えたゲームであることは間違いありません。ゲームの評価も、レビュー数は少ないながら「非常に好評」となっています。
今後に期待して購入するならよく、今からハマれるゲームを探しているならおすすめできません。早期アクセスのゲームは、じっくりと時間をかけて、ゲームの成長も楽しむ気概がなくては楽しめません。一度クリアして、大型アップデートが来るまで放置しておくくらいがちょうどいいかもしれませんね。
