グラフィックボードの交換手順を画像付きで解説していく。性能不足や故障などでグラフィックボードの買い替えを考えている方はぜひ参考にして欲しい。このページを読めばグラフィックボードの交換で失敗することはなくなるはずだ。グラボの交換までにグラフィックドライバーを削除しておこう。交換後はドライバーのインストールが必要だ。ソフトウェアの作業を行わなければいけないものの、流れを把握しておけば交換のハードル自体はそこまで高くない。
グラフィックボード買い替え時期の目安
グラフィックボードの買い替え時期に悩んでいる方も多いかもしれない。基本的には買い替えを検討した時点が買い替えのタイミングであると考えてよいだろう。それだけだとわかりづらいので今回は基準を設けた。買い替え時期の目安は現在使用中のグラフィックボードを購入してから2,3年経過したタイミングだ。
購入時点で現行モデルを購入したケースでは、2,3年経てば1世代から2世代古くなっているのではないかと思う。純粋なグラフィックボードの性能の向上だけではなく、省電力性の向上やレイトレーシング・DLSSなどの新しい機能も進化しているはずだ。購入から一定の時間が経てば性能不足を感じることも増えるだろう。古いモデルならなおさらだ。
あるいはすでに故障や不具合が生じているかもしれない。グラフィックボードはジャンクでも意外と売却がしやすく、買い替え時の足しにできる。もちろん正常に動く状態ならある程度高く売れる。新しいグラフィックボードの購入を考えている方はグラフィックボードの性能比較で各モデルの性能・GPUメモリ・TGP(消費電力)などを確認しておこう。
グラフィックボード交換に必要なもの
- ドライバー(電動ドライバーでもよい)
- 長めの定規
- 静電気防止手袋
- エアダスター
- VGAサポートステイ(ハイエンドGPUの場合)
グラフィックボードの交換をする上で必要なものあるいはあると便利なものをまとめている。ドライバーと長めの定規は必須だ。定規はグラフィックボードの取り外しに使う。マザーボードの留め具を押し込む際に必要となる。ボールペンなどでも代用できるかもしれないが、やや使いづらくマザーボードに傷を付けてしまう可能性がある。また、静電気防止手袋もあると安心だ。
グラフィックボード交換前の確認事項
グラフィックボード交換前の確認事項をまとめている。厳密に言えば、新しいグラフィックボードを購入する前に確認しておくべきだ。最悪の場合また買い替えないといけなくなってしまう。
電源ユニット
電源ユニットは非常に重要だ。現在使用しているグラフィックボードよりも性能の高いモデルへのアップグレードを考えている場合は電源容量をチェックしておこう。推奨電源容量を満たさない場合は取り付け自体ができても起動しないこともある。各グラフィックボードの消費電力は仕様一覧を確認して欲しい。
電源ユニット側に12VHPWR・2×8-pin・1×8-pinなどグラフィックボードに対応した補助電源があるかどうか確認しておく必要がある。
PCケース
グラフィックボードに合わせたPCケースを選ぶ必要がある。まずは、グラフィックボードがケース内に収まるかを考えよう。GeForce RTX 4090やGeForce RTX 4080 SUPERだと長さは35cmを超えるほどになる。また、グラフィックボード本体が重い場合はVGAサポートステイを用意しておく必要がある。PCI-Expressスロットへの負担を軽減できる。次にスロットだ。ハイエンドモデルになると3.5スロット占有ということもある。
マザーボード
マザーボードのPCI Expressスロットに空きがあるか確認しておこう。基本的にグラフィックボードの交換なら問題はないはずだ。
グラフィックボード
グラフィックボードを選ぶ際はサイズに気をつける必要がある。ハイエンドモデルになるとサイズはかなり大きい。ケースによっては入らないこともあるほどだ。
合わせて補助電源についても確認しておこう。GeForce GTX 1650などエントリークラスのモデルだと補助電源が不要なケースもある。
各グラフィックボードの仕様一覧
型番 | メーカー(製品名) | 消費電力 | 補助電源 | 推奨電源 | スロット | サイズ(mm) | 重量 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
GeForce RTX 4090 | ZOTAC(AMP Extreme AIRO) | 450W | 12VHPWR | 1000W | 3.5 | 355×149×72 | 2.04kg |
GeForce RTX 4080 SUPER | ZOTAC(AMP Extreme AIRO) | 320W | 12VHPWR | 750W | 3.5 | 355×149×72 | 非公開 |
GeForce RTX 4080 | ZOTAC(AMP Extreme AIRO) | 320W | 12VHPWR | 750W | 3.5 | 355×149×72 | 非公開 |
GeForce RTX 4070 Ti SUPER | ZOTAC(AMP Extreme AIRO) | 285W | 12VHPWR | 700W | 3.5 | 355×149×63 | 2.30kg |
GeForce RTX 4070 Ti | ZOTAC(AMP Extreme AIRO) | 285W | 12VHPWR | 750W | 3.5 | 355×149×72 | 非公開 |
GeForce RTX 4070 SUPER | ZOTAC(Twin Edge OC) | 220W | 12VHPWR | 750W | 2 | 234×123×40 | 1.16kg |
GeForce RTX 4070 | ZOTAC(Twin Edge OC) | 200W | 1×8-pin | 600W | 2.2 | 225×123×40 | 非公開 |
GeForce RTX 4060 | ZOTAC(Twin Edge OC) | 115W | 1×8-pin | 500W | 2 | 221×122×43 | 非公開 |
GeForce RTX 3050 | ZOTAC(Twin Edge OC) | 130W | 1×8-pin | 450W | 2 | 224×116×39 | 非公開 |
GeForce RTX 1650 | ZOTAC(OC GDDR6) | 75W | なし | 350W | 2 | 151×111×38 | 非公開 |
Radeon RX 7900 XTX | ASUS(TUF Gaming) | 非公開 | 3×8-pin | 850W | 3.63 | 352×158×72 | 非公開 |
Radeon RX 7900 XT | ASUS(TUF Gaming) | 非公開 | 3×8-pin | 750W | 3.63 | 352×158×72 | 非公開 |
Radeon RX 7900 GRE | ASUS(TUF Gaming) | 非公開 | 2×8-pin | 750W | 2.96 | 319×150×59 | 非公開 |
Radeon RX 7800 XT | ASUS(TUF Gaming) | 非公開 | 2×8-pin | 750W | 2.96 | 319×150×59 | 非公開 |
Radeon RX 7700 XT | ASUS(TUF Gaming) | 非公開 | 2×8-pin | 750W | 2.96 | 319×150×59 | 非公開 |
Radeon RX 7600 XT | ASUS(TUF Gaming) | 非公開 | 2×8-pin | 600W | 2.96 | 300×142×59 | 非公開 |
Radeon RX 7600 | ASUS(Dual) | 非公開 | 1×8-pin | 550W | 2.5 | 245×134×49 | 非公開 |
各グラフィックボードのスペックを記載している。メーカーごとに仕様は異なるが、一つの基準となることは間違いない。ZOTACとASUSを選んだのはスペック詳細が記載されているからだ。
グラフィックボードの交換手順
今回はRadeon RX 6600 XTからGeForce RTX 4060 Ti 16GBへの交換を行った。
グラフィックドライバーを削除する
GPUブランドの変更を行うのでグラフィックドライバーの削除が必要だ。使い勝手のよい「Display Driver Uninstaller (DDU) 」を使用した。同じGPUブランドへの変更であればグラフィックドライバーの削除は不要だ。ドライバーのインストール時に不具合があった場合もドライバーの削除を行うとよい。
電源を切る(電源ケーブルを抜く)
電源を切って電源ケーブルを抜く。「◯」側が電源オフだ。
モニターケーブルを抜く
次にモニターケーブルを抜こう。
PCケースを開ける
グラフィックボードにアクセスできるようにPCケースを開けよう。2箇所ネジ止めされていることが多い。片側だけ開ければオッケーだ。
グラフィックボードを取り外す
スロットカバーを取り外そう。
ロックを外して取り外す準備を行おう。定規やボールペンで押し込むとよい。力任せにロックを押し込むと破損してしまうので注意しよう。
補助電源を外してグラフィックボードを取り外そう。
新しいグラフィックボードを取り付ける
新しいグラフィックボードを取り付けよう。ロックが掛かるのを確認しよう。スロットのネジ止め、補助電源の差し込みを行えば完成だ。
電源・モニターケーブルを挿して電源を入れる
電源及びモニターケーブルを差し込んで電源ボタンをON「-」にする。
ドライバーをインストールする
ドライバーのインストールを行おう。GeForce Experienceをインストールすれば簡単にドライバーのインストールが行える。
再起動をして動作確認を行う
ドライバーをインストールしたら一度再起動をして動作確認を行おう。
グラフィックボード交換時のよくある不具合など
モニターに何も映らない
モニターに何も映らないケースも多い。まずはマザーボード側でエラーランプが点灯していないか確認しよう。私はグラフィックボードを交換した際にメモリエラーが出たことがある。一度メモリを取り外して再度取り付けを行えばエラーが解消されて問題なくモニターに映った。
フレームレートが低い
フレームレートが伸びない場合はモニターケーブルがグラフィックボード側に接続されているか確認しよう。マザーボード側に接続されているとフレームレートが上がらなくなる。接続に問題がなければ最新ドライバーを当てるとよい。