ゲーミングPCにおすすめの電源ユニットを解説していく。電源ユニットはパソコンの各パーツに電源を供給してくれる重要なパーツだ。システムの消費電力に合わせて電源規格/容量を考える必要がある。あとは価格・メーカー・デザインなどの好みを考慮するとよい。
まずはグラフィックボードの推奨電源容量を確認しよう
型番 | 総合性能 | 推奨電源 | TDP |
---|---|---|---|
RTX 5090 | 72,150 | 1000W | 575W |
RTX 4090 | 59,731 | 850W | 450W |
RTX 5080 | 52,994 | 850W | 360W |
RTX 4080 SUPER | 48,008 | 750W | 320W |
RX 7900 XTX | 47,069 | 850W | 355W |
RTX 5070 Ti | 46,573 | 750W | 300W |
RX 9070 XT | 44,982 | 750W | 304W |
RTX 4070 Ti SUPER | 42,652 | 750W | 285W |
RX 7900 XT | 41,531 | 750W | 300W |
RX 9070 | 41,093 | 650W | 220W |
RTX 5070 | 39,624 | 650W | 250W |
RTX 4070 SUPER | 38,098 | 650W | 220W |
RX 7800 XT | 34,828 | 650W | 263W |
RTX 4070 | 34,714 | 650W | 200W |
RX 7700 XT | 30,998 | 650W | 245W |
RTX 4060 Ti 16GB | 28,061 | 550W | 165W |
RTX 4060 Ti | 28,036 | 550W | 160W |
RTX 3060 Ti | 25,613 | 600W | 200W |
RX 7600 XT | 22,782 | 650W | 190W |
RTX 4060 | 22,620 | 550W | 115W |
RX 7600 | 20,864 | 550W | 165W |
RX 6600 | 17,900 | 550W | 132W |
RTX 3050 8GB | 14,734 | 500W | 130W |
RTX 3050 6GB | 11,724 | 450W | 75W |
GTX 1650 | 9,506 | 350W | 75W |
RX 6400 | 9,392 | 350W | 53W |
搭載するグラフィックボードの推奨電源を基準にするのがおすすめだ。ハイエンド(80番台)で850W以上、ハイクラス(70番台)で750W以上、ミドルクラス(60番台)で550W以上、エントリークラス(50番台)で350W以上となる。Core Ultra 9 285K/Core i9-14900K/Ryzen 9 9950X3D/Ryzen 9 9950XなどハイエンドのCPUを組み合わせるならもう少し余裕を持たせると安全だ。
人気ゲーミングPCの電源ユニットを検証
製品名 | レビュー | 価格 | 電源 | CPU | GPU |
---|---|---|---|---|---|
NEXTGEAR JG-A5G60 | レビュー | 129,800 | 750W(B) | 5 4500 | RTX4060 |
Magnate-G MV-TiW | レビュー | 184,980 | 650W(B) | i5-14400F | RTX4060Ti |
Victus 15L パフォーマンス | レビュー | 149,800 | 500W(B) | i7-14700F | RTX4060 |
Lightning-G AF7W Ryzen7 7700搭載 | レビュー | 239,980 | 750W(G) | 7 7700 | RTX5070 |
Victus 15L コンベンショナル | レビュー | 89,800 | 500W(B) | 5 5500 | RTX3050 6GB |
FRGHLMB650/WS309 | 準備中 | 349,800 | 850W(G) | 7 7800X3D | RX9070XT |
GALLERIA XA7C-R57 Intel Core Ultra搭載 | レビュー | 314,800 | 750W(G) | 7 265F | RTX5070 |
LEVEL-M1P5-R45-DPX | レビュー | 104,800 | 650W(B) | 5 4500 | RX6600 |
G-Master Spear X870A | レビュー | 301,860 | 750W(G) | 7 9700X | RTX4060 |
NEXTGEAR JG-A7A7Xコラボ | レビュー | 189,800 | 750W(B) | 7 5700X | RX7700XT |
Magnate-G MVW | レビュー | 154,980 | 650W(B) | i5-14400F | RTX4060 |
LEVEL-M2P5-R57X-RLX | レビュー | 144,800 | 650W(B) | 7 5700X | RTX4060 |
G TUNE FG-A7G80 | 準備中 | 569,800 | 1200W(P) | 7 9800X3D | RTX5080 |
G-GEAR GE7A-C250/BH | 準備中 | 369,800 | 750W(G) | 7 9800X3D | RX9070XT |
FRGKB760/WS209/NTK | 準備中 | 264,800 | 750W(G) | i7-14700F | RTX5070 |
ZEFT R60BL | 準備中 | 381,480 | 850W(G) | 7 9800X3D | RX7800XT |
BTOメーカーが販売するゲーミングPCで搭載されている電源ユニットを見ていこう。基本的には推奨電源に準拠している。G TUNEブランドのハイエンドモデル(GeForece RTX 5080搭載)だと1200W PLATINUMが選択されている。GeForce RTX 5070だと750W GOLDが中心だ。ミドルクラスのGeForce RTX 4060だと500W BRONZE~750W BRONZEまで幅がある。これはBTOメーカーの特徴が出るところだ。海外メーカーは電源ユニットにそれほどコストを掛けないのかもしれない。
BTOパソコンでは電源のカスタマイズを行うユーザーが多い。容量が不足していると不安に感じてしまうのだろう。あとはメーカーを指定したいという気持ちがあるのかかもしれない。BTOパソコンでは時期によって搭載パーツが変わるためメーカーや型番が記載されていてどの製品が選択されるかは手元に届くまでわからない。もちろんメーカー側で動作確認を行った上での設定なので初期構成のままでも問題が生じることはない。
ゲーミングPCの電源ユニット選びのポイント
容量/規格・価格
容量 | 規格 | 相場 |
---|---|---|
2050W | PLATINUM | 82,000円~ |
1650W | TITANIUM | 79,218円~ |
1650W | GOLD | 34,496円~ |
1500W | PLATINUM | 64,600円~ |
1350W | GOLD | 28,812円~ |
1300W | PLATINUM | 33,350円~ |
1200W | PLATINUM | 24,980円~ |
1200W | GOLD | 22,560円~ |
1000W | GOLD | 20,980円~ |
850W | PLATINUM | 25,920円~ |
850W | GOLD | 14,518円~ |
750W | PLATINUM | 15,980円~ |
750W | GOLD | 12,980円~ |
750W | SILVER | 9,980円~ |
750W | BRONZE | 7,280円~ |
650W | GOLD | 11,980円~ |
650W | BRONZE | 6,980円~ |
550W | BRONZE | 6,980円~ |
400W | STANDARD | 5,420円~ |
まずは容量と規格を考えよう。グラフィックボードの推奨電源ユニットを基準にするとわかりやすい。ハイエンドのCPUを選択するなら+100W~200Wで容量を選択するとよい。規格は容量が上がれば上位になる。BRONやGOLD規格が人気だ。ハイエンド構成ならPLATINUM規格もよいだろう。最上位のTITANIUMはそこまで見かけない。容量と規格が決まったらおおよその価格は自動的に決まる。上記テーブルでまとめているので参考にして欲しい。
メーカー
メーカーは完全に好みだ。好きなブランドや聞きなれたブランドがあればメーカー基準に選ぶのも悪くない。あとは自作PCなら他のパーツとブランドをそろえるのも気持ちがいい。人気メーカーとしてはNZXT・MSI・ANTEC・COUGAR・FSP・ASRock・Corsair・玄人志向・SUPERFLOWER・SILVERSTONE・ASUS・Thermaltakeなどが挙げられる。グラフィックボードなどと比べるとメーカー基準で選ぶ人は少ないように思う。
デザイン
電源ユニットでのデザインと言えばカラーぐらいだ。そこまでメーカーごとに違いがあるわけではない。ホワイトカラーが人気だが、ブラックカラーと比べると割高になっていることが多く選びづらさがある。
ゲーミングPCにおすすめの電源ユニット
単体で電源ユニットの購入を考えている方向けにおすすめのモデルを紹介しておく。
NZXT C750 Bronze PA-7B2BB-JP(750W BRONZE)
画像出典:https://nzxt.com/

玄人志向 KRPW-GA850W/90+(850W GOLD)
画像出典:https://www.kuroutoshikou.com/

CPU …i5-12400F
メモリ…16GB
Cドライブ…1TB(SSD)
Dドライブ…6TB(HDD)
GPU…RTX3050
の構成を考えているのですが、電源容量は600Wで足りるでしょうか?
コメントありがとうございます。RTX 3050の推奨電源容量が550Wなので600Wなら足りると言えます。
ストレージが増えても消費電力はそれほど大きく変わりません。
今後CPUやグラフィックボードの換装などを考えているなら700W or 750Wの電源を視野に入れても良いでしょう。
初めてゲーミングpcを購入するのですが、
CPU:Corei7-10700F
GPU:RTX3060tI
HyperX® FURY DDR4 メモリ 16GB
の組み合わせの場合どのくらいの
電源容量にすればいいですか?
PCを作ろうと思っているのですが
CPU:Corei7-9700K
GPU:GTX1070
メモリ:DDR4 16GB×2
マザーボード:ROG STRIX Z390-F GAMING
の組み合わせの場合どのくらいの
電源容量にすればいいですか?
コメントありがとうございます。
その構成ですと600Wもあれば十分だと思います。
オーバークロックを検討しているのであれば700Wほど見ておくと安心です。
規格はBRONZE以上なら好みと予算に合わせた選択で良さそうです。
よろしくお願いいたします。
返信ありがとうございます。
ご指摘いただいたメーカーの600Wの電源狙いで行きたいと思います。なかなかCPUとGPU以外のパーツの消費電力が見当つかなかったのでとても参考になりました。ありがとうございました。
わざわざお礼を頂戴し恐縮でございます。
また何かありましたらお気兼ねなくご連絡いただければと思います。
それでは今後共当サイトをよろしくお願い致します。
初めまして。色々な記事を参考にさせていただいています。
初めて自作パソコンを作ろうと考えているのですが、電源の容量をどれぐらいにすればいいのか悩んでいます。
CPU:Corei7 6700
GPU:Geforce GTX 970
メモリ:DDR4 16GB
マザーボード:ASUS H170 PRO
SSD 250GB
で組もうと思っています。今の所、V750 Semi-Modular RS750-AMAAG1-JPを考えているのですが、750GBもこの構成で必要なのか分かりません。是非アドバイスお願いします。
コメントをいただきありがとうございます。私の考えをまとめさせていただきましたので参考にしていただければと思います。
結論としては750Wまでは必要はなく500W~600W程度で十分だと考えます。
主要部品であるCPUとグラフィックボードの消費電力(TDP)を調べると分かりやすいかと思います。今回想定されるCPUとグラフィックボードは下記の通りです。
・i7-6700 TDP 65W
・GTX970 TDP 145W
この二つでの消費電力は210Wです。
メモリはそこまで消費電力に大きく影響してこないのであまり気にする必要はないでしょう。メモリのオーバークロックや動作速度の優れた製品を搭載予定ですと消費電力は少し高くなりますが、それでもまだ影響は低いでしょう。
マザーボードがH170ということなのでメモリはDDR4-2133になると思います。マザーボードの他にも光学ドライブや社外製のCPUファンや増設する可能性のあるHDDなどを考慮していくと多少ズレてしまいます。
しかしながら、それらのパーツがCPU+グラフィックボードの合計消費電力に迫ることはそうそうありません。細かく正確な数値は出せませんが、理想は500W以上で450Wあれば動作は可能でしょう。電源容量はギリギリを狙うよりも少し余裕を持たせたほうが良いです。
例えば400W消費するとして、使用率80%となる500Wよりも使用率約57%となる700Wのほうが稼働率は抑えられます。
それにより熱を抑える効果も期待できますので、選択肢にある750Wというのもあながち無駄というわけではありません。ただ、750Wも必要なのかと言われると必要ではありません。
CoolerMasterやSeasonic、SilverStone辺りはとても優秀で人気がありますから、理想的な選び方をされていると思います。コストパフォーマンスを考慮するなら500W~600W辺り、今後増設や交換を検討するかもしれないのであれば650W~くらいでいいかもしれません。
以上が私の考えです。参考になれば幸いです。