サイコムが販売するG-Master Velox II Intel Editionの詳細レビューをまとめている。初期構成でCore i5-14400F×GeForce RTX 5060を搭載しているゲーミングPCだ。サイコムの通常のモデルよりもカスタマイズが限定的で初心者の方でも購入しやすいという特徴がある。2025年8月時点で売れ筋ランキング第8位となっている。PCケースには「Fractal Design Pop Silent White TG Clear Tint ガラスパネル」が選択されている。オプションでRGB LEDを追加すればクールなデザインにもできる。初期構成のままだと内部は光らないので注意しよう。
コストパフォーマンスは4.8と標準よりも少し低い。G-Master Velox II Intel Editionはコストパフォーマンスを求める方には一切おすすめできないモデルだ。構成を自在にカスタマイズして、理想的なゲーミングPCに仕上げられる。自由度の高いモデルの中ではコストパフォーマンスの評価が高めだ。フルカスタマイズ可能モデルとして選びやすそうだ。
- 長所
-
- 構成を自由に変更できる
- ケースデザインがよい
- 短所
-
- 価格が高い
- 標準構成のおすすめ度が低い
- こんな方におすすめ
-
- BTOメーカーの製品にはない個性的なモデルを探している方
- コストパフォーマンスよりも理想を追い求める方
G-Master Velox II Intel Editionのスペック解説
メーカー | サイコム |
---|---|
ブランド名 | G-Master |
製品名 | G-Master Velox II Intel Edition |
価格 | 182,180円(税込) |
CPU | Core i5-14400F(レビュー) |
GPU | GeForce RTX 5060 MSI製(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
SSD | 1TB Gen4 NVMe |
電源 | 650W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | ASRock B760 Pro RS |
おすすめ度 | Aランク |
評価 | ・コスパ 4.8 ・ショップ評価 8.3 |
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G-Master Velox II Intel Editionのカスタマイズ項目を評価
パーツ | おすすめ度 | 詳細 |
---|---|---|
ベースモデル(CPU選択) | Intel Core i5-14600KF [3.5GHz/14コア(Pコア6+Eコア8)20スレッド/TDP125W] +15,490円 | |
CPUクーラー | DeepCool AK400 [空冷/CPUファン] -3,130円 | |
メモリ | 32GB[16GB*2枚] DDR4-3200 [メジャーチップ・8層基板] Dual Channel +5,210円 | |
SSD | 変更なし | |
増設 HDD / SSD2 | 変更なし | |
ビデオカード | GeForce RTX5060 8GB Manli製Nebula GeForce RTX 5060 8GB GDDR7 -4,230円 | |
無線LAN(Wi-Fi)拡張カード | 無線LANカード :Intel Dual Band AC 3168 [Wi-Fi IEEE802.11ac/a/b/g/n + Bluetooth] +3,870円 | |
ケース | 変更なし | |
ケースオプション | ARGB発光システム(LEDストリップ2本) +2,140円 | |
電源 | SilverStone SST-DA750R-GMA [750W/80PLUS Gold] +7,220円 | |
OS | 変更なし | |
オフィスソフト | 変更なし | |
セキュリティーソフト | 変更なし | |
外付け光学ドライブ | 変更なし | |
延長保証(有償) | 希望する(プラス2年) +9,100円 | |
訪問設置サービス | 変更なし |
一般的なBTOパソコンで人気のカスタマイズについては黄色のマーカーで示している。G-Master Velox II Intel Editionはカスタマイズをしてこそ輝くモデルだ。すべての項目で検討の余地があると言っても過言ではない。今回はより重要度の高い箇所に限定しているが、上位のCPUやグラフィックボードを選択するのもありだ。
CPUをCore i5-14400FからCore i5-14600KFへカスタマイズするのは実用面からしてもおすすめだ。スペックが10コア16スレッドから14コア20スレッドと引き上げられる。クロック周波数も高くなる。マルチコア性能もゲーム性能も大きく向上する。他のメーカーではCPUの変更はなかなかできない。CPUを変更してこそサイコム製ゲーミングPCの本領発揮だ。
次にグラフィックボードだ。同じGeForce RTX 5060でも、Manli製に変更すれば4,320円安くなる。OC(オーバークロック)モデルから通常モデルになるものの体感できるものの性能差はない。価格を抑えられることで他のカスタマイズが行いやすくなる。
メモリと電源は好みだ。メモリ容量32GBは実用面を考えても悪いものではない。ただ、ゲームにおいて32GBが求められる場面で、ミドルクラスの性能では対応できないことが多い。作業やブラウザのタブを多く開く方などにはおすすめだ。電源もミドルクラスでは650W 80PLUS BRONZEで十分だ。電源はカスタマイズ率が高く、こだわる方も多いので人気のSilverStone製をピックアップした。変更を検討しているならおすすめだ。
G-Master Velox II Intel Editionのカスタマイズ例
初期構成 | カスタマイズ | 価格差 | |
---|---|---|---|
ブランド名 | G-Master | G-Master | – |
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– |
製品名 | G-Master Velox II Intel Edition | G-Master Velox II Intel Edition (カスタマイズ版) *構成をコピーできます |
– |
価格 | 182,180円 | 204,880円 | +22,700 |
CPU | Core i5-14400F (10コア16スレッド) |
Core i5-14600KF (14コア20スレッド) |
+15,490 |
CPUクーラー | Noctua NH-U12S redux | DeepCool AK400 | -3,130 |
マザーボード | ASRock B760 Pro RS/D4 | ASRock B760 Pro RS/D4 | 0 |
メモリ | 16GB[8GB*2枚] DDR4-3200 | 32GB[16GB*2枚] DDR4-3200 | 5,210 |
SSD | Crucial P310 CT1000P310SSD8 | Crucial P310 CT1000P310SSD8 | 0 |
増設 HDD / SSD2 | 非搭載 | 非搭載 | 0 |
ビデオカード | GeForce RTX5060 8GB MSI製GeForce RTX 5060 8G SHADOW 2X OC |
GeForce RTX5060 8GB Manli製Nebula GeForce RTX 5060 8GB GDDR7 |
-4,230円 |
ケース | 【白】Fractal Design Pop Silent White TG Clear Tint [ガラスパネル] |
【白】Fractal Design Pop Silent White TG Clear Tint [ガラスパネル] |
0 |
ケースオプション | なし | ARGB発光システム(LEDストリップ2本) | 2,140 |
電源 | Antec CSK650 [650W/80PLUS Bronze] |
SilverStone SST-DA750R-GMA [750W/80PLUS Gold] |
7,220 |
OS | Microsoft Windows11 Home (64bit) DSP版 |
Microsoft Windows11 Home (64bit) DSP版 |
0 |
大きな変更を加えず、ミドルクラスに収まるカスタマイズに留めている。CPUをCore i5-14600KFに変更して性能を伸ばし、グラフィックボードをOCモデルから非OCモデルに変更してコストを抑えた。非OCモデルになることでグラフィックス処理性能はわずかに落ちるが、低価格というメリットを引き出している。カスタマイズ費用が他のBTOメーカーより安価なので、+22,700円で満足のいく一台になっている。
G-Master Velox II Intel Editionは標準価格が控えめで、コストパフォーマンスもそれほど悪くない。そこに着目し、構成を充実させて実用性を向上させるのが目的だ。メモリ32GB、電源750W 80PLUS GOLDへの変更は、将来的に性能アップを目指してパーツ交換した際に対応できるようにしている。最初から高性能なモデルを目指すなら、グラフィックボードをGeForce RTX 5060 Ti 8GBに変更するのもありだ。
CPUに関してはCore i7やCore i9など将来的に交換する必要のないところまで持っていくのはおすすめしない。CPUとグラフィックボードはバランスが重要だ。CPUだけ高性能にしても受けられる恩恵はそれほど高くない。また、マザーボードの変更ができないため、オーバークロックができなかったり、高機能な装備がなかったりする。これらのことから、G-Master Velox II Intel Editionは高性能を目指すモデルではなく、ミドル~ミドルハイクラスが適正だ。それを踏まえて今回はカスタマイズの例とした。性能を伸ばすよりも、構成を底上げする方が適したカスタマイズと言えそうだ。
G-Master Velox II Intel Editionの特徴
サイコムの初心者向けゲーミングPC
G-Master Velox II Intel Editionは、中上級者向けモデルの多いサイコムのラインナップの中で初心者の方をターゲットにしたモデルだ。Intel EditionではチップセットB760を搭載していてIntel第14世代Core iシリーズを選択できる。カスタマイズ項目を厳選することで敷居を下げている形だ。それでもこだわりのモデルに仕上げることができる。例えばBTOパソコンでは珍しいCore i5-14600KFを選択できるのは強みだ。
サイコムの他モデルと同様にCPU・CPUクーラー・メモリ・SSD・グラフィックボードなどを選択できるが、パーツの種類が厳選されていて選びやすくなっている。また、カスタマイズの難易度が高いマザーボードについては固定されているのもポイントだ。大雑把にCPUとグラフィックボードの性能と価格を重視した選択をしても後から困るようなことがない。
ベースがミドルクラスのモデルは選択肢がそれほど広くない。コストを抑える意味でも、最新・最上位のパーツは少ない。そういった設計だからこそ、無理なカスタマイズができずほどほどに収まる。サイコムのゲーミングPCの中ではエントリークラスと言える立ち位置かもしれない。
初期構成ではミドルクラス相当のゲーム性能を持つ
グラフィックボードはBlackwell世代のGeForce RTX 5060を搭載している。OCモデルなのでここの数値より1%程度高くなると見てよい。人気の60番台のモデルで高い処理性能を持つ。従来モデルの上位グレードであるGeForce RTX 4060 Ti 8GBに匹敵する性能は圧巻だ。GeForce RTX 4060と比べると23%も処理性能が向上している。レイトレーシング・DLSSといった機能も進化している。特にDLSSはマルチフレーム生成に対応していて高いフレームレートを実現しやすい。
CPUにはIntel第14世代のCore i5-14400Fを搭載している。Ryzeen 5 7600やRyzen 5 7500Fと同等のゲーム性能を持つ。GeForce RTX 5060とのバランスもよくボトルネックの心配は不要だ。カスタマイズでCore i5-14600KFを選択すれば20%以上性能が高くなる。将来的にグラフィックボードのカスタマイズを検討しているなら候補に入れてもよい。BTOパソコンでCore i5-14600KF搭載モデルは希少性がある。
予算に余裕のあるユーザー向け
サイコムのゲーミングPCはコストパフォーマンスで選ぶべきではない。いくら初心者をターゲットにしたモデルとはいっても、大手BTOメーカーのモデルと比べると価格は高い。価格が高い理由としては、市販製品を採用していることやプレミアムメーカーというショップとしてのスタンスが挙げられる。
G-Master Velox II Intel Editionも他のモデルと同様にカスタマイズが前提となっている。自分好みの構成にカスタマイズするとどうしても価格が高くなる。ある程度予算に余裕がないとおすすめしづらい。標準構成でも高めの価格設定なので、予算を抑えたいユーザーには適さないショップと言える。品質や構成にこだわりたいならサイコムの製品は優秀な選択肢となる。
品質や構成はもちろん、見た目にこだわりを持っていても対応しやすい。ガラスサイドパネルにRGB対応のパーツ・電飾を選択できる。派手な見た目から地味な見た目まで幅広くカスタマイズができるのも強みだ。ゲーミングPCの性能や構成だけでなく、見た目もカスタマイズできるのはサイコムの特徴と言える。
当然価格は高くなるので、個性を出すにはそれなりの予算が求められる。予算内でできるだけ性能の高いモデルを求めるなら別のショップがいい。これだけは覚えておいてほしい。予算内でこだわりの構成を実現したいならサイコムは最高のショップだ。ある意味でコストパフォーマンスを度外視していなければ選びにくい。
少なくとも初心者にはあまりおすすめすることはできない。ある程度パーツに詳しくなってこそ魅力が理解できるようになるはずだ。前述のようにG-Master Velox II Intel Editionは標準構成での選択は推奨していない。見た目にこだわるなら悪くないかもしれないが、カスタマイズをしないのであれば魅力は半減だ。これを活用せずして本領を発揮することはない。
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競合モデルとの比較
ブランド名 | G-Master | GALLERIA |
---|---|---|
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製品名 | G-Master Velox II Intel Edition | GALLERIA RM5C-R56T |
ケース | ミドルタワー | ミニタワー |
価格 | 182,180円 | 159,980円 |
送料 | 2,920円 *キャンペーン時無料 |
3,300円 |
CPU | Core i5-14400F (10コア16スレッド) |
Core i5-14400F (10コア16スレッド) |
CPUクーラー | 空冷 | 空冷 |
GPU | RTX 5060 | RTX 5060 Ti 8GB |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR5-4800 16GB |
SSD | 1TB Gen4 NVMe | 500GB Gen4 NVMe |
電源 | 650W BRONZE | 650W BRONZE |
マザーボード | B760 | B760 |
納期 | 最大16営業日 | 翌日出荷 |
基本保証 (延長保証) |
1年間 (最長3年間) |
1年間 (最長5年間) |
電話サポート | 平日10:00-12:00 13:00-17:00 |
24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
ドスパラのGALLERIA RM5C-R56Tと比較していく。価格差は22,200円でGALLERIA RM5C-R56Tの方が安い。送料を考慮すると21,820円となる。GALLERIA RM5C-R56Tは、GPUに上位のGeForce RTX 5060 Ti 8GBを搭載している。GeForce RTX 5060 Ti搭載モデルの方が価格で大きくリードしているという現実は、G-Master Velox II Intel Editionにとって大きな障壁となりそうだ。
構成はG-Master Velox II Intel Editionが優れている部分はあるものの、性能差を覆すほどのものではない。カスタマイズでGeForce RTX 5060 Tiに変更するには14,890円かかり、価格差をさらに広げてしまう。純粋にコストパフォーマンスで比較するとGALLERIA RM5C-R56Tの圧勝だ。
ただ、G-Master Velox II Intel Editionは自由自在に構成を変更し、自分好みにカスタマイズできるのが魅力のモデルだ。コストパフォーマンスで勝負すること自体がお門違いだ。パソコンに詳しい方はG-Master Velox II Intel Editionに魅力を感じるはずだ。対して、コスパを重視している方にとってはGALLERIA RM5C-R56Tに魅力を感じることだろう。これら2製品に関してはそれでいい。魅力を感じる方を選ぶのが正しい選び方だ。
パソコンケースレビュー
カラーバリエーション
PCケースは「Fractal Design Pop Silent White TG Clear Tint」だ。ミニタワーモデルで対応マザーボードはMicroATXとMini-ITXだ。サイドクリアガラスパネルを採用している。カラーは、白と黒の2色から選択可能だ。
正面
シンプルなデザインだ。最近人気の高いホワイトが選択されている。本体下部には小物入れがあってUSBやSDカードなどを収納できる。
右側面
シンプルなデザインだ。
左側面内部
左側面はクリアガラスパネルを採用している。オプションでARGB発光システム(LEDストリップ2本)を選択すると画像のようにライトアップされる。
前面ケースファン
本体前面にはAspectファン120mmが2台搭載されている。
CPUクーラー
CPUクーラーにはサイドフロー型のNoctua NH-U12S reduxが採用されている。空冷タイプながら冷却性能は高い。
RGBライト
ケースオプションのRGBライトを選択するとオシャレなゲーミングPCへと変貌する。
I/Oパネル
I/Oパネルは本体上部に配置されている。電源・ヘッドセット・マイク端子・USB 3.0×2、USB 3.1 Gen2 Type-Cが利用可能だ。サイコムではオプションのType-C USBが選択されている。
背面
初期構成では上記の通りだ。選択するマザーボードやグラフィックボードで仕様が変更される。
管理人による総評(G-Master Velox II Intel Edition)

G-Master Velox II Intel Editionは、サイコムが販売するBTO初心者向けのゲーミングPCだ。カスタマイズの幅をあえて狭めることでBTOに慣れていない方でも購入しやすくなっている。初期構成ではCore i5-14400F×GeForce RTX 5060搭載だ。もちろんこのまま購入してもよいが、せっかくサイコムのモデルを購入するならカスタマイズを検討したいところだ。基本的にはカスタマイズをする方がコストパフォーマンス指標は上がる。色々カスタマイズのページを触っているとおもしろいはずだ。じっくり吟味して欲しい。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
182,180円 | i5-14400F | RTX5060 |
メモリ | SSD | チップセット |
DDR4 16GB | 1TB | B760 |