当記事では、GALLERIA UL7C-AA2 USの評判とレビューをまとめている。2022年11月25日に発売されたIntel Arc A730M搭載のゲーミングノートPCだ。CPUには人気の高いCore i7-12700Hを搭載している。サードウェーブとインテルの共同設計モデル第3弾ということになる。Core i7-11800H×RTX 3060 Mobile搭載の「GALLERIA UL7C-R36」は長らく人気モデルとして君臨していた。
Intel Arc A550M搭載の「GALLERIA UL7C-AA3 US」も追加されている。インテルとの共同設計モデルではこれまでとは違ってグラフィックスもインテル製モデルで統一されてより面白い製品に仕上がっている。従来モデルと同様デザイン性が高くビジネスモデルとして考えられるのも魅力的なポイントだ。ゲーミングノートPCらしさがないのが強みと言えるかもしれない。なお、発売から少し経ち英語版キーボードに変更されている。また、ストレージがSSD 1TB→500GBと半減となり、価格が12,000円引き下げられた。従来の日本語配列キーボード搭載モデルは在庫切れで購入できない。もしかしたら今後再販される可能性もある。
当ページの目次
GALLERIA UL7C-AA2 USのスペック
ブランド名 | GALLERIA |
---|---|
製品名 | GALLERIA UL7C-AA2 US |
液晶サイズ | 15.6インチ 144Hz |
重さ | 約2.00kg |
バッテリー駆動時間 | 約6.3時間 |
価格 | 119,980円(税込) |
CPU | Core i7-12700H(レビュー) |
グラボ | Intel Arc A730M |
メモリ | DDR5-4800 16GB |
SSD | 500GB Gen4 NVMe |
HDD | 非搭載 |
コスパ | 8.1 |
GALLERIA UL7C-AA2 USのゲーミング性能
Core i7-12700H(CPU)
Core i9-12900HK | |
Core i9-12900H | |
Core i7-12700H | |
Core i7-12650H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 9 6900HS | |
Core i5-12500H | |
Ryzen 7 6800H | |
Core i9-11980HK | |
Core i7-11800H | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 7 4800H | |
Core i7-10875H |
GALLERIA UL7C-AA2 USで採用されているのはIntel第12世代の人気モデルであるCore i7-12700Hだ。モバイル向けハイパフォーマンスモデルとして高いパフォーマンスを発揮する。ハイパースレッディング対応で14コア20スレッドと高いスペックを誇る。6つのPコアと8つのEコアを搭載している形だ。
旧世代のCore i7-11800Hと比べて50%程度処理性能が向上している。動画編集・エンコード・画像編集などのクリエイター作業にも最適だ。ゲーム適性も高く必要十分な性能を持つ。Intel第12世代でもっとも採用されることの多いモデルとなる。Intel Arc A730Mならボトルネックの心配も不要だ。
Intel Arc A730M(GPU)
RTX 3060 Desktop | |
RTX 3060 Mobile | |
RTX 2070 Mobile | |
RTX 2060 Mobile | |
RTX 3050 Desktop | |
GTX 1660 Ti Mobile | |
RTX 3050 Ti Mobile | |
Intel Arc A730M | |
RTX 3050 Mobile | |
GTX 1650 Ti Mobile | |
GTX 1650 Mobile | |
GTX 1050 Mobile |
当該モデルではグラフィックスにIntel Arc A730Mを搭載している。市場でもまだまだ珍しいIntel製グラフィックボードだ。ゲーミング性能的にはエントリークラスで、RTX 3050 Mobileに匹敵する性能を誇る。フルHD環境で設定を下げればゲームプレイに対応可能だ。ただし、ドライバーがまだ不安定でプレイするタイトルによっては不安定な挙動を見せることがある。これは熟成されたNVIDIAやAMDのドライバーと比べて弱みになる。不安定さに関してある程度寛容である必要がある。もう少し時間が経てば改善されていくだろう。
GALLERIA UL7C-AA2 USの特徴&注意点
GALLERIAで最も売れているゲーミングノートPC
GALLERIA UL7C-AA2 USは、GALLERIAのゲーミングノートのラインナップで最も売れているモデルだ。国産ブランドにこだわりたい方ならチェックしておいて損はない。人気の秘密はやはり税込119,980円という価格の安さにある。昨今の市場的に税込12万円前後で購入できるモデルはほとんどない。円安の影響は多くのモデルに影響を受けているのだろう。GALLERIA UL7C-AA2 USは、新生活おおすすめ特選品として紹介されていて新生活応援祭のキャンペーンモデルと捉えることもできそうだ。
GALLERIA UL7C-AA2 USについては価格が安い割には性能も必要十分でコストパフォーマンスが高い。Core i7-12700H×Intel Arc A730Mの組み合わせなら満足度も高い。わかりやすい例としてはCore i7-12700H×RTX 3050 Ti Mobileだ。フルHDなら設定を下げることである程度のゲームに対応可能だ。動画編集・動画エンコードなどのクリエイター作業にも最適だ。さらに、メモリやストレージなど構成も充実していておすすめしやすい。
その後他のモデルの台頭で売れ筋ランキングから圏外となった。下位モデルの「GALLERIA UL7C-AA3 US」が人気急上昇中だ。グラフィックスにIntel Arc A550を搭載したモデルだ。性能的には5%-10%程度低くなるが、99,980円で購入できる。10万円を切る価格は魅力的だろう。
インテル NUC ソフトウェア・スタジオが便利
GALLERIA UL7C-AA2 USにはシステムなどの各種設定を行えるインテル NUC ソフトウェア・スタジオがプリインストールされている。Microsoft Storeで取得できるインテル® NUC ソフトウェア・スタジオは使用できない。プリインストールされているソフトを使用しよう。直感的に操作ができる使い勝手のよいソフトウェアだ。パソコンの慣れていない方でも簡単に利用できる。より快適にゲームを楽しみたいならパフォーマンスの調整を行っておくとよい。
- システム構成
- パフォーマンスの調整
- ディスプレイの設定
- キーボード
- オーディオ・チューニング
- システムモニター
WIndowsキーのON/OFF・ファンクションキーのロック・トラックパッド切り替えなどの変更を行える。
パフォーマンスについては、パフォーマンス・バランス化(初期設定)・バッテリー節電機能の3つから選択できる。初期設定ではバランス化となっているが、このモデルのパフォーマンスを最大限に引き出すにはパフォーマンスに変更しておこう。特にゲームプレイや動画編集などの負荷の掛かるときには大きな差が生まれる。ベンチマークモードをONにするとファンの回転数が上がりより他界パフォーマンスを発揮できる。
各種ディスプレイの設定を変更できる。スタンダード・ゲーム・ビデオ・読書・カスタムから選択可能だ。色々な設定を実際に行ってみて好みのモードを見つけよう。
キーボードのLEDのON/OFF・明るさ(AC電源及びバッテリー駆動時)について変更できる。詳細設定ではカラーを変更可能だ。
入力デバイスの選択及びボリューム調整、出力デバイスの選択・プロファイル・モード・プリセット・ボリュームの変更が可能だ。
システムモニターでは、プロエッサー・iGPU・dGPU・メモリ・ストレージ・バッテリーなどの現状を確認できる。
まだまだグラフィックスドライバーが不安定
Intel Arc A730Mを含むIntel製グラフィックボードのドライバーはまだまだ不安定だ。グラフィックス処理性能自体はRTX 3050 Ti Mobileに匹敵するもののプレイするタイトルによっては極端にパフォーマンスが落ち込んでしまうことになる。すでに豊富な経験があるNVIDIAやAMDのドライバーに比べるとIntel製グラフィックボードのドライバーは発展途上にある状況だ。
安定性を求めるなら素直にNVIDIAやAMD製グラフィックボードを搭載したモデルを選択するべきだろう。もちろん、Intelの将来性に期待している方なら現段階で購入しても問題ないだろう。ドライバー自体徐々に改善されていくはずなので、長い目で見ておく必要がある。
負荷が掛かるとファンの音が大きくなる
GALLERIA UL7C-AA2 USはCPUやGPUに負荷が掛かるとファンの稼働音が大きくなるという点は事前に知っておく必要がある。もちろんファンの稼働音が大きくなるというのはGALLERIA UL7C-AA2 USだけの問題というわけではなくゲーミングノートPC全体の課題だ。デスクトップパソコンと比べてエアフローに制限があり、ファンを稼働させてできる限り熱を排出するしかない。
この音が人によっては気になってしまうかもしれない。より高いゲーミング性能を引き出すために、パフォーマンスモードを選択するべきで当然そうなるとファンの音がより目立つようになってしまう。妥協すべきポイントと考えておくのがよいだろう。ゲームなど負荷の掛かる作業をしていない時はインテル NUC ソフトウェア・スタジオからバランス化やバッテリー節電機能を選択しておけばファンの稼働を軽減できる。
競合モデルとの比較
ブランド | GALLERIA | ASUS |
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イメージ | ||
型番 | GALLERIA UL7C-AA2 US | TUF Gaming F15 FX507ZC4 |
納期 | 最短翌営業日 | 3-7営業日 |
価格 | 119,980円(税込) | 119,800円(税込) |
送料 | 3,300円(税込) | 770円(税込) |
液晶サイズ | 15.6インチ 144Hz | 15.6インチ144Hz |
重量 | 約2.00kg | 約2.20kg |
バッテリー駆動時間 | 約6.1時間 | 約7.5時間 |
CPU | Core i7-12700H (14コア20スレッド) | Core i5-12500H (12コア16スレッド) |
GPU | Arc A730M | RTX 3050 |
メモリ | DDR5-4800 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | 500GB Gen4 NVMe | 512GB NVMe |
HDD | 非搭載 | 非搭載 |
公式 | 公式 | 公式 |
同じ価格帯のモデルとしてASUS TUF Gaming F15 FX507ZC4をピックアップした。価格差は180円でTUF Gaming F15 FX507ZC4の方が少し安い。送料も安いのでトータルの価格差は2,710円だ。液晶サイズは15.6インチ144Hzで共通だ。本体重量はGALLERIA UL7C-AA2 USの方が9%軽い。バッテリー駆動時間はTUF Gaming F15 FX507ZC4の方が23%長くなっている。
TUF Gaming F15 FX507ZC4ではCPUにIntel第12世代のCore i5-12500Hを搭載している。12コア16スレッドというスペックだ。グラフィックスはRTX 3050 Mobileを搭載している。CPU・GPU共にGALLERIA UL7C-AA2 USが上だ。メモリ規格もDDR5で、ストレージもGen4 NVMe接続で上位規格のものが採用されている。2,710円の価格差を埋めるのに十分だ。Intel Arc A730Mの不安定さを考慮してもGALLERIA UL7C-AA2 USがおすすめだ。
GALLERIA UL7C-AA2 USの本体レビュー
正面
洗練されたデザインで人気を博すゲーミングノートPCだ。ぱっと見ただけではゲーミングノートPCには見えないのではないだろうか。そこがこのモデルの特徴だと言える。
天板
天板にはロゴもなくすっきりとした印象を受ける。本体が薄く持ち運びもしやすい。
左側面
本体左側面にはセキュリティスロット、LANポート、USB 3.2 Gen1 Type-A×2、マイク入力・ヘッドフォン出入力共用端子が配置されている。
右側面
本体右側面にはThunderbolt 4、USB 3.2 Gen1 Type-A、HDMI 2.1、電源入力が配置されている。Thunderbolt 4とHDMI 2.1を利用すれば本体を含めて最大3画面での出力が可能だ。ビジネス用途にも通用するモデルとなる。
キーボード
キーボードは英語配列となっている。Enterキーが押しやすかったり、刻印がシンプルだったりとメリットがある。一方で、日本語配列に慣れている方だとタイピングしづらく感じてしまうだろう。RGBバックライトはインテルソフトウェアスタジオから変更できる。手が大きい方は少し窮屈に感じてしまうかもしれない。
管理人による総評(GALLERIA UL7C-AA2 US)
GALLERIA UL7C-AA2 USは、サードウェーブとインテルの共同設計モデル第3弾のゲーミングノートPCだ。英語配列キーボード搭載として生まれ変わっている。現在日本語版配列モデルは在庫切れ中だ。Core i7-12700H×Intel Arc A730M搭載とIntel製パーツで揃えている。
グラフィックスについてはドライバーの不安定さがあるものの第三の勢力が誕生したことは長い目で見てゲーマーにとってプラスだ。グラフィックス処理性能はRTX 3050 Ti Mobileに匹敵する。フルHD環境でも設定を下げれば十分ゲームプレイが可能だ。メモリDDR5-4800 16GB、SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も充実している。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
119,980円(税込) | i7-12700H | Arc A730M |
メモリ | SSD | HDD |
16GB | 500GB | 非搭載 |
MinecraftがArcは不安定でGPU使用率が0%になってしまうという情報もあるのですがある程度ドライバーが最適化された今はどうなのでしょう
Minecraftに限らず、Arcは不具合が目立ちますね。
使用率が突如100%になり、動作が不安定になるという症状も確認しています。
あえて今不安定なArcを選択するのは少し勇気が必要です。
強いこだわりがなければ、Arcは避けてNVIDIAやAMDのGPUを選択した方が賢明だと考えています。
もちろん発売された頃と比べるとドライバの更新による最適化は進み、ある程度改善されているように感じます。
今後使用しているうちに不具合も気にならなくなっていく可能性は高いですが、
他にも選択肢がある中であえて今Arcをおすすめするのは難しいというのが本音です。