当記事では、ドスパラが販売するゲーミングPCである「GALLERIA ZA9C-R49」の詳細レビューをまとめている。Core i9-14900KF×RTX 4090搭載のフラグシップモデルだ。これまで弱点だった構成もリニューアルによって強化されて最上位モデルにふさわしい一台となっている。価格が高めなのでコストパフォーマンスを重視するなら避けた方がよい。ガレリアブランドに魅力を感じる方なら選択して後悔することはないだろう。
GALLERIA ZA9C-R49のスペック解説
メーカー | ドスパラ |
---|---|
ブランド名 | GALLERIA |
製品名 | GALLERIA ZA9C-R49 |
価格 | 547,800円 |
CPU | Core i9-14900KF(水冷) |
GPU | GeForce RTX 4090 |
メモリ | DDR5-4800 32GB |
SSD | 1TB Gen4 NVMe |
HDD | 非搭載 |
電源 | 1000W 80PLUS GOLD |
マザーボード | チップセットZ790 |
おすすめ度 | Bランク |
評価 | ・コスパ 8.3 —–内訳—– ・コスパ(CPU・GPUメイン) 6.5 ・構成 9.5 ・品質/サポート 9.0 |
各タイトルの対応表
FF15 | Apex Legends | FORTNITE |
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![]() ・4K ・WQHD |
![]() ・240fps ・144fps |
![]() ・240fps ・144fps |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
GALLERIA ZA9C-R49はCore i9-14900KFとGeForce RTX 4090を搭載したハイエンドクラスのゲーミングPCだ。今選択できるゲーミングPC全体で、トップクラスの性能を有している。特に、グラフィックスのGeForce RTX 4090の性能は圧倒的だ。Apex LegendsはWQHD環境で240Hz環境に、フォートナイトは360Hz環境に対応可能だ。その性能の高さから、最新ゲームを4K解像度でプレイできる。高解像度でこそ真価を発揮するため、画質を重視したい方に適した性能と言える。もっとも、ゲームを選ばないので、楽しみ方に制限はない。
GALLERIA ZA9C-R49の性能まとめ
ゲーミングPCとは、グラフィックボードやCPUなどのPCパーツの集合体だ。ここでは特に重要なグラフィックボードとCPUについて分解して細かく見ていく。
PC初心者の方がスペックを見て性能をイメージすることは難しいだろう。一体として見るよりも一つずつのパーツを見ていくと理解がしやすいと考えている。
Core i9-14900KF(CPU)
GALLERIA ZA9C-R49で採用されているのは、Intel第14世代のフラグシップモデルであるCore i9-14900KFだ。従来モデルのCore i9-13900Kと比べてわずかにゲーム性能が向上している。24コア32スレッドというスペックでマルチコア性能も高い。ゲーム実況動画作成・画像編集・3D CADなど幅広い用途に対応可能だ。Ryzen 7000X3Dと比べるとゲーミング性能は劣ってしまうもののクリエイター用途とのバランスに優れているのが強みだ。ゲームだけではなく他の作業も行いたいと考えているユーザーにぴったりだ。
GeForce RTX 4090(GPU)
当該モデルではグラフィックスにAda Lovelace世代のGeForce RTX 4090を搭載している。2024年1月時点でトップのグラフィックス処理性能を誇る。二番目のRadeon RX 7900 XTXと比べて25%程度性能が高い。旧世代のRX 3090 Tiと比べても45%以上も性能が向上している。これだけの性能を持つモデルなので、基本的には4Kやレイトレーシング有効化でのゲームプレイが前提となる。WQHDモニターを持っている方なら高リフレッシュレートを目指すこともできる。長く使い続けることができるモデルだと言える。
GALLERIA ZA9C-R49の特徴
圧倒的な性能が特徴のモデル
GALLERIA ZA9C-R49はグラフィックスにハイエンドのGeForce RTX 4090を搭載していて、その性能の高さが最大の特徴だ。同じハイエンドクラスのGeForce RTX 4080よりも25%以上性能が高く、頂点に君臨する性能を有している。ゲームプレイだけに絞れば、GALLERIA ZA9C-R49で快適にプレイできないゲームはないだろう。仮に、カクつきを感じることがあったとしても、現行のゲーミングPCで対応できるモデルはほぼ存在していない。
GALLERIA ZA9C-R49であれば、ゲームのスペックを確認する必要がない。最新のタイトルの中には、GeForce RTX 4070クラスの性能が求められるものもある。徐々にゲームプレイに必要な性能が高くなり、ハイクラス以下のモデルでは対応しづらいタイトルも増えている。GeForce RTX 4090が推奨環境となるゲームは登場していない。
また、レイトレーシングを用いたゲームプレイでも、GeForce RTX 4080が推奨されている。例えば、レイトレーシングが前提となるPORTAL RTXのULTRA設定でGeForce RTX 4080が指定されている。GeForce RTX 4080が推奨されている時点で尋常ではない。特殊なゲームタイトルであるPORTAL RTXだからこその要求だ。そのような特殊な環境でもGeForce RTX 4090を搭載しているGALLERIA ZA9C-R49なら余裕を持って対応できる。
性能が高いことはゲームへの対応力以外にも、長く使用できるというメリットがある。この先、GeForce RTX 50シリーズが登場しても、GeForce RTX 4090の性能がいきなりミドルクラスに落ちるようなことはない。1世代前のフラグシップモデルであるGeForce RTX 3090がGeForce RTX 4070 Tiと同程度になったように、悪くてもハイクラスは維持できる。
加えて、GeForce RTX 4070 Tiが求められるゲームはほとんど存在しない。仮にランクが落ちたとしても、ほぼ全てのゲームを最高設定でプレイできるはずだ。これまでの性能の伸びを見る限り、2年後の最新のゲームであっても、ほぼハイエンドの性能で快適にプレイできる。圧倒的な性能を有しているからこそ長く使える。
購入時の負担は大きくなるが、次回買い替えまでの期間が伸びる。ミドルハイクラスを2回買い替えるよりも安く抑えられる。ゲームプレイのメリット以外にも、高い性能を有するモデルを選択する恩恵は大きい。GALLERIA ZA9C-R49があれば、数年はゲームのスペックを無視することができるだろう。
リニューアルで構成が強化された
GALLERIA ZA9C-R49には構成が弱いという明確な弱点があった。それはGALLERIAブランドはシリーズで構成が統一されていて、結果的にGeForce RTX 4090搭載モデルもGeForce RTX 4060搭載モデルでもシリーズが同じなら構成もほとんど変わらなかったのだ。消費電力の関係で電源が強化されていたくらいだ。メモリは共通で16GBであり、ミドルクラスにはよくても、高性能なGALLERIA ZA9C-R49には物足りなかった。
それがリニューアルにより改善され、メモリ32GB標準搭載となった。GeForce RTX 4090搭載モデルとしては、32GBでも少ないと感じる。それでも、16GBに比べると大きな進歩である。PORTAL RTXのULTRA設定では、メモリの要求スペックが32GBだ。販売されているゲームの中で最も要求スペックの高いゲームであっても、GALLERIA ZA9C-R49ならカスタマイズなしで対応可能だ。
構成の向上はGALLERIAの上位シリーズであるGALLERIA Zシリーズに望まれていたことだ。ハイエンドクラスではとくに期待されていた。これまで、GALLERIA ZA9C-R49の評価を大きく下げていたのは構成によるところが大きい。とても標準構成ではおすすめできなかったモデルだ。今ではそれなりの評価に落ち着いており、予算が合うならおすすめできる水準にまできている。
ただし、電源は規格がPLATINUMからGOLDへダウンしている。容量自体は変わらないため、メモリ容量倍増の方が恩恵があると考えている。総合的に見て評価は大きく向上している。リニューアルで構成が評価されているのは、構成アップに伴い価格が安くなっているところにもある。構成アップで値上げではなく、値下げされているのは素晴らしい。いっそのこと価格据え置きでメモリ64GBを目指してもらいたいところだ。
それはカスタマイズで対応の方が無難だろうか。ハイエンドクラスらしくない構成が一転して、ハイエンドらしい構成になった。ざっくり言えば、メモリ容量倍増と電源規格ダウンである。このたった2箇所の変更で評価もおすすめ度も大きく変化した。今やメモリは32GBが標準的と言える未来が見え始めている。それだけに、標準で32GBになったことは、小さく見えても大きなことだ。GALLERIA ZA9C-R49は、ようやくおすすめできるモデルになった。
競合モデルとの比較
ブランド | GALLERIA | LEVEL∞ |
---|---|---|
イメージ | ![]() | ![]() |
製品名 | GALLERIA ZA9C-R49 | LEVEL-R779-LC149KF-XL3X |
ケース | ミドル | ミドル |
価格 | 579,980円 | 528,800円 |
送料 | 3,300円 | 2,200円(会員無料) |
CPU | Core i9-14900KF (240mm水冷) | Core i9-14900KF (360mm水冷) |
GPU | RTX 4090 | RTX 4090 |
メモリ | DDR5-4800 32GB | DDR5-4800 32GB |
SSD | 1TB Gen4 NVMe | 1TB Gen4 NVMe |
電源 | 1000W GOLD | 1000W PLATINUM |
マザボ | Z790 | Z790 |
標準保証 (延長) | 1年間 (5年間) | 1年間 (4年間) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
GALLERIA ZA9C-R49がリードしているところはケースデザインくらいだ。ガラスサイドパネルを採用したケースは遊びが多い。LEVEL-R779-LC149KF-XL3Xもカスタマイズでガラスパネルに変更はできる。しかし、ケースに採用されているLEDは少なく、LEDファンを選択することもできない。派手さを演出したり、見た目を意識したりするならGALLERIA ZA9C-R49だ。
性能・構成・価格ではLEVEL-R779-LC149KF-XL3Xがリードしている。見た目を重視していたとしても無視しにくい。GALLERIA ZA9C-R49はケースの遊びや見た目でしか上回る要素がない。このクラスになると、構成や価格はあまり重視されないようにも感じる。LEVEL-R779-LC149KF-XL3Xの方がおすすめではあるものの、後から変えの利かないデザインに優れるGALLERIA ZA9C-R49も悪くない。
パソコンケースレビュー
正面
新しいケースはユーザー目線に立ったモデルだ。GALLERIAのロゴが真ん中に位置している。吸気口が正面下部から両サイドに変わり排熱効率が大幅にアップしている。グラフィックボードなどのパーツの高性能化による発熱量をカバーするのに十分だ。
I/Oパネル
I/Oパネルは本体の上部に斜めに配置されている。USB端子も豊富で利便性が高い。ゲーミングヘッドセットを使う際にもコードが曲がらず使い勝手がよい。天板にものを置くことも可能だ。
右側面
本体右側はシンプルだ。前面のメッシュ部分には青色のシートが内部に貼り付けられている。
左側面
本体サイドには吸気口が見える。また、クリアガラスパネルを採用していてゲーミングPCらしさが演出されている。高級感のあるデザインは評価も高い。
下側
本体下側にもファンが見える。メッシュパネルはワンタッチで取り外すことができてメンテナンス性に優れている。
背面
背面は参考として見て欲しい。搭載するグラフィックボードによって変わる可能性がある。
管理人による総評(GALLERIA ZA9C-R49)

GALLERIA ZA9C-R49は、GALLERIA Xシリーズの最上位モデルだ。ミドルタワーケースを採用していて高いデザイン性から人気がある。Core i9-14900KF×RTX 4090と現行最強のパーツを選択している。ゲーミング性能は高く4K環境でのゲームプレイが前提だ。解像度を落とすと宝の持ち腐れとなってしまう。価格は税込547,800円とかなり高価だ。コストパフォーマンスを重視するなら競合モデルの方が優れている。
リニューアルによって構成が強化されたのはプラスだ。メモリDDR5-4800 32GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと上位モデルらしい構成だ。特にメモリはパフォーマンスに直結する部分で32GBあるのは心強い。電源ユニットも1000W GOLDと大容量で不足はなしだ。ここまでの価格帯になると選択肢も豊富なので色々なモデルを吟味するとよい。
価格 | CPU | グラボ |
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547,800円(税込) | Core i9-14900KF | RTX4090 |
メモリ | SSD | HDD |
DDR5 32GB | 1TB | 非搭載 |