フロンティアが販売するGHLシリーズ「FRGHLMB650/WS0309」のレビューを行った。Ryzen 7 9800X3D×Radeon RX 9070 XT搭載のハイエンドモデルだ。325,800円まで価格が下がり評価を上げている。この性能帯で最安値クラスの一台となった。メモリDDR5 32GB、SSD 1TB Gen4 NVMeと充実した構成を持つ。
メモリがシングルチャネルへとダウングレードされているが、ゲームプレイにおいてそこまでマイナスはない。価格が抑えられている分選びやすいように思う。今回フロンティア様より実機をお借りしてレビューを行っている。本体カラーは白と黒の2色が用意されている。メモリ構成が気になる方は当ページのベンチマークも参考にしてほしい。
「ゲーミングPCにメモリは何GB必要なのか?」そして「シングルチャネルは本当に性能が落ちるのか?」 今回は、メモリ8GB・16GB・32GBの各容量でゲーム性能の徹底検証を行った。特に注目したいのが、16GBでの「シング …
フロンティアはヤマダ電機グループのBTOメーカーだ。ショップの強みは、コスパの高いモデルが揃うお得なセールだ。毎週金曜日の15時に更新される週間セールと、月間セールが実施されている。基本的には週間セールの方がお得だ。ゴールデンウィークや年末年始にはよりお得な福箱が販売される。
FRGHLMB650/WS0309などハイクラス以上のモデルは他社を圧倒している。ドスパラなどの主要国内BTOメーカーと比べるとサポート面はやや弱い印象を受ける。電話サポートは10:00-19:00に限定される。それでも土日祝でも利用できるので極端に利便性が劣るわけではない。
- 長所
-
- 最高評価のコストパフォーマンスを誇る
- 最新ゲームにも対応できる高い性能を持つ
- CPUの発熱量が低く扱いやすい
- ケースデザインが秀逸
- RX 9070 XT搭載モデルでは敵なし
- 短所
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- クリエイティブ作業の適正がやや低い
- カスタマイズ性が低い
- ショップのサポートはやや弱い
- こんな方におすすめ
-
- 高コスパなRX 9070 XT搭載モデルを探している方
- 予算を350,000円以下で組んでいる方
- 最新のゲームも快適にプレイしたい方
FRGHLMB650/WS0309のスペック

| ブランド名 | フロンティア |
|---|---|
| 製品名 | FRGHLMB650/WS0309 |
| 価格 | 325,800円(+送料3,300円) |
| CPU | Ryzen 7 9800X3D |
| CPUクーラー | 空冷(CPS RT400-BK) |
| グラボ | Radeon RX 9070 XT |
| メモリ | DDR5 32GB (シングルチャネル) |
| SSD | 1TB Gen4 NVMe |
| 電源 | 750W 80PLUS PLATINUM |
| マザーボード | チップセットB650 (無線Wi-Fi対応) |
| おすすめ度 | Sランク |
| 評価 | ・コスパ 10.0 ・ショップ評価 9.3 ・納期 5営業日 |
FRGHLMB650/WS0309のカスタマイズ項目を評価
| ケース | 好みで選択 +0円 |
|---|---|
| OS | 変更なし |
| CPUクーラー | SilverStoneサイドフローCPUクーラー ブラック 【Hydrogon D120 ARGB-V2】 +5,500円 |
| CPUグリス | AINEX JP-DX2 ナノダイヤモンドグリス +2,970円 |
| メモリ | 32GB(16GB×2) DDR5 +14,300円 |
| NVMe SSD[2nd] | 1TB NVMe SSD +45,100円 |
| ハードディスク | 変更なし |
| グラフィックス | 【ASRock製】AMD Radeon RX 9070 XT グラフィックス 16GB [ホワイト]【HDMI x1 / DisplayPort x3】+0円 |
| 電源 | 【静音電源】1000W ATX3.1電源80PLUS PLATINUM (日本コンデンサ仕様) +13,200円 |
| Steamアプリ | Steamクライアントソフトウェア +0円 |
| 保証 | プレミアム保証(標準1年+2年延長保証)+32,480円 |
本機は初期構成が優れていて、基本的にカスタマイズを考えなくてもいい。カスタマイズをするとすればCPUクーラー・グラフィックス・電源ユニットの3つだ。CPUクーラーのアップグレードは冷却性能を高めるのはもちろんのことだが、一番はRGBライティングに対応した派手さの演出だ。クリアサイドパネル採用ケースでは、CPUクーラーのLEDは影響が大きい。LEDの光で派手さを演出するなら変更を推奨したい。
グラフィックスは無償でホワイトカラーに変更できる。通常ホワイトカラーの方が高く設定されているのでお得感がある。電源は750W 80PLUS PLATINUMを採用している。構成的に電源は変更しなくても問題はない。先々CPUやグラフィックボードなどを交換して長く使用することを想定するなら、電源容量は1000W以上をおすすめする。Radeon 9070 XTよりも高い性能を持つグラフィックボードは、次世代のものであっても消費電力は大きくなりやすい。電源の交換は手間がかかるので、先に変更しておくと手間がない。
ストレージは標準で1TBあるので十分だと思う。必要に応じて2ndストレージを追加しよう。保証については好みで選択しよう。基本保証が1年間で、+32,480円で3年間の延長保証に加入できる。これは本体価格の10%と相場だ。将来の出費を絶対に抑えたいと考えるユーザーは検討してほしい。
FRGHLMB650/WS0309の特徴&注意点
充実の構成で高コスパを誇る
| ブランド名 | FRONTIER | NEXTGEAR |
|---|---|---|
| イメージ | ![]() | ![]() |
| 製品名 | FRGHLMB650/WS0309 | NEXTGEAR JG-A7A7X (ホワイト) |
| ケースサイズ | 230×465×500mm | 220×418×410mm |
| 価格 | 325,800円 | 364,800円 |
| 送料 | 3,300円 | 無料 |
| CPU | Ryzen 7 9800X3D (8コア16スレッド) | Ryzen 7 9800X3D (8コア16スレッド) |
| CPUクーラー | 空冷 | 水冷(240mm) |
| GPU | RX 9070 XT | RX 9070 XT |
| メモリ | DDR5 32GB (シングルチャネル) | DDR5-5600 16GB (シングルチャネル) |
| SSD | 1TB NVMe Gen4 | 1TB NVMe Gen4 |
| 電源 | 750W PLATINUM | 850W GOLD |
| マザボ | B650 | A620A |
| 納期 | 約5営業日 | 約6営業日 |
| 保証(延長) | 1年間 (最長3年間) | 3年間(-) |
| 電話サポート | 10:00-19:00 | 24時間365日 |
| 公式 | 公式 | 公式 |
構成面ではメモリとチップセットのグレードを除けばNEXTGEAR JG-A7A7Xの方が優れている。マウスコンピューター製品は基本保証が3年間と長いのも大きなメリットだ。構成を揃えると、CPUクーラーが+22,000円、電源ユニット850W PLATINUMが+3,300円、3年保証が+35,110円で60,410円かかり価格差は逆転する。マウスコンピューターでメモリ32GBへアップグレードすると+86,900円とかなり高額な費用がかかってしまうのでメモリ32GBが必須ならFRGHLMB650/WS0309を選ぶ方がよい。価格を重視するか構成や保証を重視するかで決めよう。
ゲームへの対応力が高い
| Apex Legends | フォートナイト | モンハンワイルズ | マイクラ |
|---|---|---|---|
![]() ・200fps ・144fps |
![]() ・200fps ・144fps |
![]() ・120fps ・60fps |
![]() ・影Mod ・通常 |
FRGHLMB650/WS0309はCPUにRyzen 7 9800X3Dを、GPUにRadeon RX 9070 XT搭載のハイエンドモデルでゲーム性能は高い。CPUにゲームに特化したRyzen 7 9800X3Dを搭載している。Radeon RX 9070 XTと組み合わせることでハイエンドクラスに匹敵するパフォーマンスを発揮できる。この組み合わせなら画質を求めながら高いフレームレートを引き出せそうだ。高いフレームレートを求める本格的なスタイルから、美麗な映像を求めるスタイルまでカバーしている。ゲームジャンルを問わない対応力は、コアなゲーマーにもおすすめだ。
「Apex Legends」や「フォートナイト」といった対人要素の強いゲームでは、フルHDで240fpsを目指せる。快適で有利な環境を構築できることから、プロ志向のゲーマーにとって理想的なモデルとなる。
「モンスターハンターワイルズ」のような最新ゲームでも、フレーム生成を利用すれば最高設定で快適にプレイできる。特にRadeon RX 9000シリーズとの相性がよいタイトルでNVIDIA製モデルと比べても優位性がある。さらに、VRAM 16GBが推奨されるDLC「高解像度テクスチャパック」も適用可能だ。高いフレームレートと鮮やかなグラフィックを両立できる贅沢な性能を有している。
高い負荷のかかる環境ではなくても性能を活かしやすい。要求スペックの低い「マインクラフト」ではオーバースペックながら、影Modやマルチサーバーなどに余裕を持って対応できる。マイクラは攻略情報をブラウザで表示しながらプレイしたり、動画を視聴したりすることが多いはずだ。ゲーム単体なら負荷は軽くても、複数のアプリケーションを起動すると負荷は高くなる。どういった環境でも快適にプレイできる余裕のある性能は、じっくりマイクラの世界を楽しめるはずだ。
AMD最上位のRadeon RX 9070 XTとゲーム性能最高峰のRyzen 7 9800X3Dの組み合わせなら、プレイできないゲームを探す方が難しい。強いて言えば高解像度でのゲームプレイだろうか。対応力はあっても、WQHD(2560×1440)を基準に考えたい。ゲームによっては4Kの最高設定も実現可能だが、すべてのゲームが4Kで快適にプレイできることを保証できない。
FRGHLMB650/WS0309は、あくまでもハイエンドに近いハイクラスのゲーミングPCだ。高すぎる負荷や環境に完璧な対応はできない。それでも、多くの方が理想とするゲーム毎の環境を実現できる性能がある。
CPUの発熱量は低く、標準ファンでも冷却性能は必要十分


CPUファンは空冷クーラーを採用している。市販価格3,000円程度の安価なモデルだが、Ryzen 7 9800X3Dの通常運用においては必要十分な冷却性能を持つ。非常に扱いやすいCPUといえる。上記グラフは、FF14のゲームプレイ時の温度推移をまとめたものだ。最高温度は63.4℃(最低温度40.4度)、平均温度は55.6℃と安定して推移していることがわかる。Ryzen 7 9800X3Dの限界温度である95℃からみても余裕がありきわめて良好な状態だ。安心してゲームを楽しめるだろう。PL2の引き上げなどを考えているなら水冷クーラーへのアップグレードを推奨する。
クリエイティブ性能はトップクラスではない

上記グラフは各CPUのマルチコア性能(クリエイティブ性能)をまとめたものだ。ゲーム性能は文句なしでトップクラスだが、マルチコア性能となるとそうはいかない。Core Ultra 7 265K(F)よりも15%以上スコアが低い。ゲーム性能・マルチコア性能共に重視するならRyzen 9 9950X3D・Ryzen 9 9900X3Dが優れている。それでも従来モデルのRyzen 7 7800X3Dよりも15%以上性能が向上している。Ryzen 7 9700Xと比べても性能は高い。8コア16スレッドというスペックでは健闘しているだろう。ゲーム実況などもある程度対応できる。
同価格帯のフロンティア製ゲーミングPCと比較
| ブランド | FRONTIER | FRONTIER |
|---|---|---|
| イメージ | ![]() |
![]() |
| 製品名 | FRGHLMB650/WS0309 | FRGHLMB650/WS0406 |
| 価格 | 325,800円+送料3,300円 | 384,800円+送料3,300円 |
| CPU | Ryzen 7 9800X3D (8コア16スレッド) |
Ryzen 7 9800X3D (8コア16スレッド) |
| CPUクーラー | 空冷 (CPS RT400-BK) |
空冷 (CPS RT400-BK) |
| GPU | RX 9070XT | RTX 5070 Ti |
| メモリ | DDR5 32GB (シングルチャネル) |
DDR5 32GB (シングルチャネル) |
| SSD | 1TB NVMe Gen4 | 1TB NVMe Gen4 |
| 電源 | 750W PLATINUM | 750W PLATINUM |
| マザーボード | B650 | B650 |
| 無線 | ◯ 対応 | ◯ 対応 |
| 公式 | 公式 | 公式 |
+59,000円でGeFroce RTX 5070 Ti搭載モデルが選択可能だ。価格差は大きいが、ゲーム性能がアップすることを考えれば十分比較対象になるはずだ。Radeon RX 9070 XTが得意なのはフォートナイト・モンハンワイルズで、GeForce RTX 5070 Tiが得意なのはCyeberpunk 2077・FF 15・Far Cry 6などだ。どのタイトルをプレイしたいのかを基準に考えるとよさそうだ。迷ったらGeForce RTX 5070 Ti搭載モデルがおすすめだ。総合性能が高い上に、レイトレーシング性能・DLSSといったソフト面も優れているからだ。
FRGHLMB650/WS0309のゲームベンチマーク紹介

今回フロンティア様より実機をお借りしてベンチマークを計測した。標準構成であるメモリシングルチャネルに加えて、デュアルチャネル構成でもベンチマークを計測している。なお、グラフ記載の検証機とは、当サイトが別に用意しているベンチマーク検証機のことだ。
フォートナイト
フルHD環境においては、設定を落とせばかなりのフレームレートを出せる。GeForce RTX 5080搭載モデルを上回るほどだ。設定を上げるにつれてややフレームレートは落ち込むものの性能は高い。GeForce RTX 5070 Ti搭載モデルよりは大きく上回る。フォートナイトはCPU性能も重要だ。3D V-Cache搭載モデルとの相性がよい。デュアルチャネル構成と比べると5%前後フレームレートは低くなっている。
FF14
フルHD環境では247.3fps、WQHD環境で175.0fps、4K環境で85.4fpsと高いフレームレートが出ている。4K環境を除けばGeForce RTX 5070 Ti搭載モデルを上回る。メモリのチャネル構成でもパフォーマンスは変わらない。32GB×1枚で問題ないことを証明してくれる。
フライトシミュレーター
単純にAMD製グラフィックボード全般において、フライトシミュレーターとの相性はよくない。GeForce RTX 50シリーズを選ぶのが吉だ。GeForce RTX 5070搭載モデルと比べて最大で40%もフレームレートが低い。GeForce RTX 5070 Ti搭載モデルと比べても性能差は大きい。
モンスターハンターワイルズ
モンスターハンターワイルズは得意としている。GeForce RTX 5080と同等以上のフレームレートが出ている。メモリ構成による性能差はほとんどないといえそうだ。
Cyberpunk 2077
4K環境でもまずまずのフレームレートが出せる。GeForce RTX 5070と比べてもパフォーマンスは上だ。おおよそGeForce RTX 5070 Tiと同水準にある。Cyberpunk 2077でもチャネル構成で大きくフレームレートが変わることはない。
Cyberpunk 2077 RT+FSR 3.1
レイトレーシング性能はやはり競合に劣ってしまう。GeForce RTX 5070搭載モデルと比べても20%以上もフレームレートが下がる。それでもフレームレートの絶対値自体が低いわけではなく、問題なくゲームを楽しめる。高リフレッシュレート対応モニターも活かせるはずだ。
FRGHLMB650/WS0309のクリエイティブ性能紹介
Cinebench 2024
マルチコアは1,266ptで、シングルコアは131ptだ。Ryzen 7 9700Xと比べてもマルチコア性能が高い。従来モデルのRyzen 7 7800X3Dと比べるとマルチコアが20%高く、シングルコアも20%弱高くなっている。これは3D V-Cacheの配置変更による恩恵だ。Core Ultra 7 265Kと比べるとマルチコアが38%程度低いが、シングルコアは10%弱高い。
Handbrake
エンコードに掛かる時間を計測した。H.264で2分50秒、H.265で6分17秒だ。Ryzen 7 9700Xと比べると同等程度となる。Ryzen 7 7800X3Dと比べると大幅にパフォーマンスが引き上げられている。一方で、競合のCore Ultra 7 265Kと比べるとH.264で1分8秒遅く、H.265でも1分50秒遅い。性能差はやや大きいといえる。メモリのチャネル構成による影響はほとんどない。
7-Zip
7-Zipはメモリチャネル構成による差が顕著に表れる。デュアルチャネル構成と比べると展開速度は同等だが、圧縮速度では7%弱遅くなる。デュアルチャネル構成の検証機と比べてもそれは明らかだ。競合のCore Ultra 7 265Kと比べると展開速度は10%遅く、圧縮速度も23%弱遅い。物理コアの差が出ている形だ。
フロンティアGHLケースレビュー
フロンティアのセールモデルに採用されるGHLケースの詳細を見ていこう。白色と黒色のケースが選べる。今回はLEDの光がよく映える人気の黒色ケースをお借りした。ミドルタワーで拡張性の高い内部スペースに注目したい。シンプルなケースに見えて、電源オン/オフで受ける印象は大きく異なる。LEDファンをうまく活用したケースと言える。
正面の3連ファンも圧巻だが、ガラスパネルから見える内部も美しい。鮮やかなLEDの光が合わせやすいケースだ。このまま使用するよりも、自分なりにカスタマイズしておしゃれなケースとして運用するのもよさそうだ。遊び心のあるゲーミングPCケースである。
正面

フロントはメッシュパネルとなっている。防塵フィルターと兼用なようでメンテナンス性は少し落ちそうだ。メッシュから覗く3連ファンが存在感を示す。丈夫に小さくFRONTIERのロゴがあるデザインを崩さず3連ファンの光も邪魔しない位置だ。これがFRONTIERのケースだと、ロゴではなくデザインで主張するかのようだ。

落ち着いた発色でもこれだけ存在感を示している。黒色のケースはLEDの光をより映えさせる効果がありそうだ。LEDの光で輪郭がにじみ、より大きなLEDファンのように見える。大人しいフロントマスクを採用するケースも増えているが、これだけはっきりと主張していればインパクトも大きい。
左サイド

左サイドは大きなガラスパネルを採用している。ただ、全面が透明なガラスパネルというわけではない。ボトムカバーより下や上下左右に黒く縁取り加工がされている。モニターのヴェゼル(縁)のような形だろうか。この黒い縁がガラスパネルを重厚に見せている。パソコンを真横に置いたときに、フロントファンの光がダイレクトに目に届かない効果もある。もっとも、リアケースファンのLEDはダイレクトに届くのでデザイン的な役割が主だろう。
最近のゲーミングPCはボトムカバーを搭載したモデルが主流になりつつある。その流れに沿って、ほとんどのゲーミングPCのガラスパネルは全面透明ではなくなり、ボトムカバーの中を隠すようなデザインになった。ボトムカバーの天井部分とガラスパネルの黒い縁がぴったりと合わさり、内部スペースが大きく見える。ミニタワーと違い、ミドルタワーでは特に大きくすっきり見える。
とてもボトム部分にストレージベイや電源ユニットがあるようには見えない。内部をスタイリッシュに見せる工夫なのだろう。主に光り輝くLED採用パーツが存在する部分は露出し、そうではないパーツはボトムに隠す形だ。派手でありながらも、ごちゃごちゃしないスタイルがGHLケースの魅力と言える。

電源を入れるとフロント・リアのケースファンが光り輝く。それと同時に、ボトムカバーに設置された直線のLEDライトが発色する。LEDによる縁取りがスタイリッシュなケースを演出し、GHLケースの特徴となっている。完全に見栄えのための装飾でありながら、ミドルケースの内部を明るく照らす。フロント・リアのケースファンだけでは光源が足りず内部は意外と暗い。この縁取る直線のLEDが存在感のあるケースに仕上げていると言っても過言ではない。
右サイド

右サイドパネルは特に何の装飾もないカバーだ。完全に壁側に向ける設計のようだ。こちら側からはLEDの光が届かない。PC本体を向かって右側に設置することを前提としている。左サイドのガラスパネルを眺めることになる。右側は反対方向に光が漏れないようにしているので、オフライン大会などでチームメイトが並んでも眩しくない。基本的にデザイン性の高いPCケースは右サイドパネルに装飾を施さない。シンプルでメリハリがきっちりしている印象だ。
天板

天板には大型のエアホールが用意されている。これは水冷ファンのラジエーターを搭載することはもちろん、天板にケースファンを取り付けることも想定している。防塵フィルターも用意されているので、ケースの特性を活かす意味でも増設を行いたい。水冷ファンの場合は360mmの3連ファンラジエーターにも対応している。ミドルタワーならではの拡張性の高さが見て取れる。
比較的フラットな形状をしているため、ケースファンや水冷ファンを搭載していなければ一時的に物を置くスペースとしても使えそうだ。広げた布のようなものでエアホールを塞ぐようなことをしなければエアフローにも影響を与えにくい。小さすぎるものはエアホールから内部に落下してしまう可能性がある。CPUファンやグラフィックボードのファンに接触すると破損するおそれがあるので注意したい。
フロントI/Oパネル

天板にはI/Oパネルが搭載されている。奥からUSB Type-A 3.2(3.1/3.0) Gen1(Max 5Gbps) x1・USB Type-C 3.2(3.1/3.0) Gen1(Max 5Gbps) x1・ヘッドセット接続端子(CTIA4極ミニプラグ)x1・リセットボタン・電源ボタンとなっている。USB端子は選択するモデルで規格が変わる。I/Oパネルとしては少し物足りない装備にも思う。
また、向かって右側に設置することが前提のケースであることから、天板右側のI/Oパネルは少し扱いにくい。机の上に設置すると、高さ50cmは座ったまま操作がむずかしい。誤ってリセットボタンや電源ボタンに触れてしまうと再起動やシャットダウンされる。フロントI/OパネルのUSBは無線デバイスの受信機など挿しっぱなしで使用できるものが相性はよさそうだ。
背面

背面はオーソドックスながら、マザーボードのI/Oパネルやグラフィックボードを除けば黒で統一されている。PCIカバーなどシルバーを採用するケースも多い中で、黒を意識しているのがわかる。それ以外の部分はオーソドックスな形状だ。特筆すべき箇所は見当たらない。背面は奇をてらったものは扱いにくく、普段見えない場所なのでこのくらいでよさそうだ。
背面I/Oパネル

背面I/OパネルはATX規格のマザーボードによく見られる充実した装備だ。上からフラッシュBIOSボタン・HDMI・DisplayPort・USB Type-A 3.2(3.1/3.0) Gen2(Max 10Gbps) x3・2.5Gbps LAN(RJ-45) x1・USB Type-C 3.2(3.1/3.0) Gen2x2(Max 20Gbps )x1・USB Type-A 3.2(3.1/3.0) Gen1(Max 5Gbps) x4・無線LANアンテナコネクター・マイク入力端子 x1・ライン入力端子(3極) x1・フロント出力端子(3極) x1・リアサラウンド出力端子(3極) x1・サイドサラウンド出力端子(3極) x1・センター&サブウーファー出力端子(3極) x1だ。

文字だけを並べてもわかりにくいので場所を示した。フラッシュBIOSボタンはCPUなどのパーツを取り付けず、電源だけでBIOSの更新を可能にするスイッチだ。おそらく使用することはないと思われるので気にしなくてよい。その他の入出力ポート・端子は使用するマザーボードによって変わるため、必ずしも同じではない。今回使用しているマザーボードはMSI社製のAMD B650だ。メーカーが変わってもパネルの装備が変わるので参考程度にしてほしい。

背面I/Oパネル上部のHDMI/DisplayPort出力端子は接続禁止のテープで封がされている。背面I/Oパネルはマザーボードに搭載されているため、ここに接続してしまうとオンボードかCPU内蔵グラフィックスに接続することになる。グラフィックボードに接続しなければグラフィックボードの性能が活かせない。そのため、ゲーミングPCでは背面I/Oパネルにテープで封をするようになった。
HDMIやDisplayPortは必ずグラフィックボードに接続しなければならない。それを示すように封がされている。おそらく、背面I/Oパネルに接続して、性能がうまく発揮されない、画面が映らないという問い合わせが多かったのだろう。使用できないわけではないものの、使用するメリットがないことから接続禁止という親切な仕様である。。
底面

最近はオーソドックスとなった底面の形状だ。底面リア側に防塵フィルターが搭載されている。これは電源の真下に位置している。底面から吸気し、背面へ排気する構造だ。底面はどうしても埃が溜まりやすく、埃ごと吸気してしまう。底面の防塵フィルターは定期的にメンテナンスしておきたい。四隅に足がついており、少し高めの足となっているようだ。少しでも地面と距離を取り、埃を吸気しにくい構造にしているのだろう。

防塵フィルターは後方からスライドして引き抜ける。ただ、スライドして引き抜くとなれば、壁の近くに設置していると一度パソコンを前に引っ張り出してから底面の防塵フィルターを引き抜かなくてはならない。このメンテナンス性を向上させる防塵フィルターの手入れが少し手間なのは気になる。ベストは前面から引き出せることだ。それがむずかしいなら左右からスライドして取り外せるようになっていれば印象は違った。
後方からしか取り外せないとなれば、一度シャットダウンをしてメンテナンスすることになる。電源を入れっぱなしで防塵フィルターを外そうとしたときに電源コネクタに触れてしまい、電源が落ちることもある。メンテナンスを容易にできる構造が理想であるたけに、少し残念である。
内部

ガラスパネルを外した状態だ。配線がしっかり隠されていてすっきりとしている。グラフィックボードのサイズにも余裕があり、ハイエンドクラスのグラフィックボードも余裕を持って搭載できる。ただ、グラフィックボードを支えるサポートステイが取り付けられるかはわからない。オーソドックスなケース下部で支えるタイプは取り付けできなさそうだ。
ハイエンドクラスを取り付けるスペースはあっても、サポートステイが取り付けられなければ不安が残る。グラフィックボード全体を包むタイプのサポートが前提となるかもしれない。ボトムカバーの天板部分はエアホールが空いている。この隙間を利用して固定するタイプなら問題ないだろう。
内部中央付近はフロント・リアのLEDファンの光があまり届いていないように見える。CPUファンもLEDタイプに変更するか、水冷ファンに変更してLEDファン採用のラジエーターに交換すれば見栄えはさらによくなりそうだ。ぱっと内部を見ただけでも自分好みにカスタマイズしたいと思えるほど空間にゆとりがある。ボトムケースの内部には電源ユニットとストレージベイが見える。左サイドからはアクセスできないようだ。

内部をややフロント側から見るとこのようになっている。フロントケースファンとマザーボードの隙間を上手く有効活用したいものだ。何かパーツよりもフィギュアやぬいぐるみのようなアクセントとなるアイテムを設置したくなる。埃まみれになりそうなのでその点は注意したい。こうして見るとCPUファンが大人しく見える。やはりLEDタイプに変更した方がケースの特性を活かしやすい。
内部スペースに余裕があるケースでは、LEDの光がごちゃごちゃしにくい。ARGBライティングに対応していれば規則性のある発光色やパターンにもできる。そういった視点で見ると遊びを生み出せそうなケースだ。配線の色を変えてみるのも面白そうだ。あまりカスタマイズや増設しないなら少しもったいなく感じてしまう。

右サイドカバーを外した内部だ。内部の配線はボトムカバーの中や背面を通っているのがわかる。右サイドの内部は言わば舞台裏だ。華やかな左サイドから見る内部と違い、パソコンが精密機器であることを示しているかのようだ。配線を隠す技術もメーカーの腕の見せ所だ。これだけLEDパーツを採用しながら、うまく配線を隠しているのはFRONTIERの強みとも言える。配線のまとめ方もきれいだ。

ボトムカバー内部にはストレージベイと電源ユニットがある。それ以外はこれといってパーツが搭載されているわけではない。表面を綺麗にするための舞台裏だ。ストレージも最近はM.2が主流で3.5インチのHDDや2.5インチのSSDを搭載することは少ない。増設するならストレージベイが右サイドパネルからアクセスできると覚えておくくらいでよさそうだ。
電源ユニットの交換を行うには、電源ユニットから伸びる配線をすべて覚えておく必要がある。一度配線を外し、新しい電源ユニットを搭載したら同じように配線を通さなければならない。この手間があるからこそ電源ユニットの交換を行う可能性があるならカスタマイズで変更しておく方がよい。電源の配線がそれぞれ独立したタイプであればその手間も少しは省けるが、このモデルに搭載された750W 80PLUS GOLDは一体式のようだ。

ストレージベイは内部にスライド機構がなく、そのまま固定するタイプのようだ。これはあまり利便性がよくなく、取り付けにも手間がかかる。向かって左側のネジ穴はフロントファンが邪魔して固定しにくいように思う。とりあえず用意しただけで使用することは想定されていないのだろうか。もっとも、デスクトップPCは持ち運ぶことはほとんどなく、揺れ動くこともないので固定せず底面に置くだけでもよい。
そうなればますますストレージベイの存在意義が問われる。ストレージベイの上に置いた方がアクセスも簡単でメンテナンスも行いやすい。ファンの風も当たることを考えれば台座のように考えた方がよいのかもしれない。あって困るものではないのでマイナスにはならないはずだ。

ちなみに右サイドパネルはケースにあるくぼみに、パネル側から飛び出たネジを引っ掛ける構造だ。これは他のメーカーではあまり見られない特殊な機構と言える。パネルの突起を引っ掛けるタイプに比べて、曲がったり破損したりしにくい。地味ながら意外と優秀な機構に思える。
ケースまとめ
FRONTIERのGHLケースは、今の主流に沿ったデザインだ。よくある量産型のケースというわけではなく、個性的な特徴も持ち合わせたケースだ。ボトムカバーを隠すガラスパネルに、ボトムカバーの隅に直線に伸びるLEDライトがケースの価値を大きく高めている。シンプルでありながら、LEDに対する強いこだわりを感じる。
フロントマスクは電源のオンオフではっきりと顔を変え、電源が入っていない状態ではビジネス向けPCのような見た目をしている。しかし、電源を入れた瞬間に一気に主張をはじめ存在感を示す。がらりと変わる雰囲気は、パソコンの電源とともにモチベーションが上がる感覚がある。
ゲーミングPCの中身はメーカーごとに大きな違いはなくても、ケースの見た目はすべてのメーカーに個性がある。その中でもGHLケースはLEDの位置や使い方がうまい。ケース本体で光る部分はボトムトップに埋め込まれたLEDライトくらいで、あとはLEDファンによる光源だ。拡張性も高いことから、標準構成をベースに自分好みの光り方を追求できるのも素晴らしい。
メーカーがすべてを決め、すべてを組み上げると個性がなくなる。拡張する余地を残し、ユーザーの好みにLEDファンの増設・拡張を行い、空いたスペースを埋める工夫で唯一無二のケースに昇華できる。この遊び心こそGHLケースの魅力だ。もちろん、標準のままでも十分きれいだ。初心者の方はまず標準構成を楽しみ、増設に抵抗がなくなってからケースを自由に彩ると楽しいはずだ。
ゲーミングPCのパーツの交換・増設の第一歩として、LEDで遊ぶのはよい経験になりそうだ。性能は変わらなくても、見た目が変わればそれだけでパソコンに対する愛着やオリジナリティは一気に変わる。上級者向けに見えて、実は初心者にもパソコンの奥深さを味わえるエントリー向けのケースと言えるかもしれない。他のゲーマーに差をつける自分だけのケースに仕上げてみよう。
管理人による総評
Ryzen 7 9800X3D×Radeon RX 9070 XT搭載のハイエンドモデルだ。399,800円から325,800円まで価格下がり評価を上げている。最安値279,800円から見ればまだまだ高いが、現在の市場では割安だ。充実の構成が評価を下支えしている。メモリDDR5 32GB・SSD 1TB Gen NVMeと圧倒的だ。ゲーム側の要求スペックも上がりメモリ32GBというのは時代の流れに沿っている。同様にデータ容量も増加傾向にありストレージ容量は多いに越したことはない。
| 価格 | CPU | グラボ |
|---|---|---|
| 325,800円 | 7 9800X3D | RX9070XT |
| メモリ | SSD | チップセット |
| DDR5 32GB | 1TB | B650 |


































