パソコン工房が販売する「LEVEL-M1P5-R45-DEX」のレビューを行った。Ryzen 5 4500×Radeon RX 7600搭載のローエンドクラスのゲーミングPCだ。Radeon RX 6600及びGeForce RTX 3050 6GB搭載モデルの販売を終了した中で今後パソコン工房の低価格帯を担う存在だ。ゲーム性能はローエンドクラスで悪くない。フルHD環境なら対応しやすいが、CPU性能の低さがネックとなることもある。性能をしっかりと理解した上で選択してほしい。
- 長所
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- 価格が安く選びやすい
- キャンペーン中は10,000ptを獲得できる
- ロークラスの中ではゲームへの対応力が高い
- 短所
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- 構成が古く平凡
- こんな方におすすめ
-
- 予算を抑えたモデルを探している方
- 安くても性能を少し気にする方
- 予算が100,000円前後の方
LEVEL-M1P5-R45-DEXのスペック解説
メーカー | パソコン工房 |
---|---|
ゲーミングブランド | LEVELθ |
製品名 | LEVEL-M1P5-R45-DEX |
価格 | 114,800円 |
CPU | Ryzen 5 4500(レビュー) |
CPUクーラー | 空冷 |
GPU | GeForce RX 7600(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
SSD | 500GB NVMe |
電源 | 650W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットB550 |
おすすめ度 | Aランク |
評価 | ・コスパ 7.4 ・ショップ評価 9.6 |
LEVEL-M1P5-R45-DEXのカスタマイズ評価
パーツ | おすすめ度 | 詳細 |
---|---|---|
「プラチナITパスポート」会員加入 (店舗受け取り限定) |
月額750円~ | |
延長保証 | 3年保証 +11,479円 | |
OS | 変更なし | |
表計算・ワープロソフトウェア | 変更なし | |
アンチウィルス・セキュリティ対策ソフト | 変更なし | |
カラーバリエーション | 好みで選択 +0円 | |
CPU冷却グリス | 【熱伝導率: 16W/m・K】 ナノダイヤモンドグリス JP-DX1 塗布サービス +2,500円 |
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CPUクーラー | 変更なし | |
メインメモリ | 変更なし | |
1stストレージ[OSインストール] | 1TB SSD / NVMe M.2 +5,000円 | |
ゲーミングデバイスキット | 【ホワイト】ゲーミングデバイスキット キーボード・マウス・ヘッドセットの3点セット 【キーボードのみ別送】 +10,500円 |
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外付けカードリーダー | 変更なし | |
ネットワーク機器 | 【無線LAN子機】Wi-Fi 5対応/Bluetooth® 4.2/USB接続 Wi-Fi子機 [TP-Link Archer T2UB nano] +1,900円 |
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オプション | 変更なし |
一般的なBTOパソコンで人気のカスタマイズについては黄色のマーカーで示している。LEVEL-M1P5-R45-DEXはカスタマイズの幅が狭い。ストレージはメインストレージのみで、電源の変更もできないなどデメリットも多い。もっとも比較的低価格のLEVEL-M1P5-R45-DEXにとってはそれほどマイナスにならない。初期構成のままで十分だからだ。
重要なのはSSDくらいだ。SSDは標準の500GBから1TBへの容量アップがおすすめだ。旧世代のモデルであることから、SSDの接続規格もGen4ではなくGen3だ。そのおかげでカスタマイズにかかる費用が5,000円と低額なのは嬉しい。カスタマイズに必要な箇所が少ないこともあり、ある程度理想を追っても価格が跳ね上がることはない。
メインメモリは16GBのままでいい。32GBまでは無駄にならないが、32GBを必要とする場面に対応するには性能が心もとない。ロークラスは価格だけではなく性能も控えめだ。充実させ過ぎても扱いきれない。メモリは16GBが最低限になりつつあり32GBも一般的になってきているが、LEVEL-M1P5-R45-DEXには16GBがベストな容量だ。
カラーバリエーションは好みのものを選択しよう。ライティングを後から変更することはできない。このカラーバリエーションと付き合っていくことになる。どれも費用はかからないので好みに合ったものを選択すればよい。見た目の選択肢が広い反面、デザイン性を向上させるカスタマイズがない。カラーバリエーションがデザインのすべてだ。
LEVEL-M1P5-R45-DEXのゲーム性能
Ryzen 5 4500(CPU)
CPUにはZen 2アーキテクチャのRyzen 5 4500を搭載している。2022年4月に発売されたモデルで3世代も前のモデルだ。ゲーム性能はそれほど高くスコアは21,026となる。IntelのエントリーモデルであるCore i3-14100と比べてもゲーム性能は下だ。CPUボトルネックが発生しやすく場合によってはフレームレートが低くなってしまうことは理解しておこう。最低限のゲーム性能は有している。価格を重視したいユーザー向けであることは間違いない。
Radeon RX 7600(GPU)
GPUには1世代前のミドルクラスであるRadeon RX 7600を搭載している。2025年時点だとエントリークラスといえそうだ。Radeon RX 6600が終売となり、GeForce RTX 3050 6GBも在庫がなくなり次第販売が終了しそうな状況だ。これらのモデルの代わりに低価格帯を支えるグラフィックボードとなる。GeForce RTX 5050と比べると5%弱性能が低いが、価格を考えれば魅力的なモデルだ。レイトレーシング・アップスケーリング技術については競合のNVIDIA製モデルに劣ることを理解しておこう。Ryzen 5 4500とのバランスはまずまずといったところだ。
LEVEL-M1P5-R45-DEXの特徴
低価格で選びやすいゲーミングPC
LEVEL-M1P5-R45-DEXは、税込114,800円で販売されている低価格帯のゲーミングPCだ。これまで低価格帯といえばRyzen 5 4500とGeForce RTX 3050 6GBの組み合わせが多かったが、より性能の高いRadeon rX 7600を採用したモデルが登場した。Radeon RX 6600が市場から消えそれに置き換わった形だ。低価格帯のラインナップに一石を投じるモデルとなる。予算を抑えたい方に新たな選択肢を提案するモデルだ。
パソコン工房のLEVELθはキャンペーンやセール対象になりやすく、お得な変化が適用されやすいモデルである。タイミングによっては他を圧倒するモデルになり得るので注目したい。現在は10,000円分のポイントが付与(購入月の翌月10日頃)されるキャンペーンが展開されている。購入予定のものがあるなら有用なキャンペーンと言える。理想を言えば値引きの方がよかった。
ゲーミングPCで最も人気のある価格帯は150,000円前後だ。次いで200,000円前後になっていて、ある程度の性能を求める方が多い。一方で、学生など予算を多く組めない方にとって100,000円前後のモデルは魅力的に映るだろう。LEVEL-M1P5-R45-DEXをはじめとする低価格帯のモデルは、予算を抑えて組みたい方に有力な候補となるはずだ。
ただ、少し前と比べてゲーミングPC全体の価格が下がり始めている。それはロークラスのモデルも例外ではない。LEVEL-M1P5-R45-DEXも登場時は圧倒的なコストパフォーマンスを有していたが、今では標準よりも高い程度に落ち着いている。競合製品の低価格化が進んだことで、LEVEL-M1P5-R45-DEXの価格は唯一無二とは言えなくなったからだ。キャンペーン実施中の今なら悪くない。
ゲーム性能はそこまで高いわけではない
モンハンワイルズ | Apex Legends | フォートナイト | マイクラ |
---|---|---|---|
![]() ・120fps ・60fps |
![]() ・144fps ・60fps |
![]() ・144fps ・60fps |
![]() ・影Mod ・通常 |
LEVEL-M1P5-R45-DEXは世代落ちしたRyzen 5 4500とRadeon RX 7600を搭載したモデルでそこまで性能が高いわけではないことは理解しておく必要がある。話題を集めたモンハンワイルズは推奨環境を満たせない。それでも設定を中設定にすればゲームプレイ自体は可能だ。比較的Radeonシリーズの相性がよいタイトルなのが幸いした。比較的新しくボリュームの大きいゲームに関しては全く適していない。
Apex LegendsやフォートナイトなどGPU負荷の軽いタイトルではCPUがボトルネックになってしまう。60fpsを基準にすれば問題ないが、100fpsなど高リフレッシュレートでのゲームプレイには不向きだ。カジュアルに遊ぶなら問題なくても、本格的にプレイするならおすすめできない。
プレイできるゲームは多くても、メインゲームにするには性能が足りない。そういうゲームが多くなってしまうのがLEVEL-M1P5-R45-DEXのゲーム性能だ。解像度をフルHD以下にし、画質設定を大きく下げて60fpsを維持することは簡単だ。それ以上の環境を求めると性能が足かせになってしまうだろう。幅広いゲームジャンルをプレイするには性能が心もとない。
LEVEL-M1P5-R45-DEXは、特定のゲームをメインにプレイする方におすすめだ。少し古いゲームを長くプレイしていて、性能不足を感じつつも予算を抑えて組みたい方に適している。マイクラがその例だ。影Modは少しカクつく場面はあるが、快適と言える水準でプレイできる。いいところが無いように見えるかもしれない。
LEVEL-M1P5-R45-DEXの性能を理解し、プレイしたいゲームに対応できるかが焦点となる。気になったPCゲームをすべてプレイしたいという要望には応えられない。負荷が軽く、長く遊べるゲームをメインに考えるなら最適だ。性能を理解しなければならないという点で、価格は初心者向けでも性能は上級者向けとも言える。万人に受け入れられるモデルではないので注意してほしい。
同じパソコン工房製品との比較
ブランド名 | LEVELθ | LEVELθ |
---|---|---|
イメージ | ![]() |
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製品名 | LEVEL-M1P5-R45-DEX | LEVEL-M1A6-R75F-SLX |
ケース | ミニタワー | ミニタワー |
価格 | 114,800円 | 134,800円 |
キャンペーン | 10,000pt | 10,000pt |
送料 | 2,200円(会員無料) | 2,200円(会員無料) |
CPU | Ryzen 5 4500 (6コア12スレッド) |
Ryzen 5 7500F (6コア12スレッド) |
CPUクーラー | 空冷 | 空冷 |
GPU | RX 7600 | RTX 4060 Ti 8GB |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR5 16GB |
SSD | 500GB NVMe | 500GB NVMe |
電源 | 650W BRONZE | 650W BRONZE |
マザボ | B550 | A620 |
納期 | 2~7日後 | 2~7日後 |
保証(延長) | 1年間(最長4年間) | 1年間(最長4年間) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
同じパソコン工房のLEVEL-M1A6-R75F-SLXをピックアップした。LEVEL-M1P5-R45-DEXの弱点であるCPUを強化しようとした場合Ryzen 5 7500F×GeForce RTX 4060 Ti 8GB搭載モデルと価格が変わらなかったのでより性能の高いこちらが好ましいと考える。価格差は20,000円で健闘する価値はありそうだ。Ryzen 5 7500Fは、同じRyzen 5シリーズでもアーキテクチャーがZen 4と2世代進みゲーム適性は大きく向上する。グラフィックスのGeForce RTX 4060 Ti 8GBもミドルハイクラスとしてツーランク高い性能を得られる。実質124,800円なら検討してもよさそうだ。
似ているゲーミングPCとの比較
ブランド名 | LEVELθ | THIRDWAVE-G |
---|---|---|
イメージ | ![]() |
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製品名 | LEVEL-M1P5-R45-DEX | Lightning-G AT5RW Ryzen5 4500搭載 (発光非対応モデル) |
ケース | ミニタワー | ミニタワー |
価格 | 114,800円 | 94,980円 |
キャンペーン | 10,000pt | なし |
送料 | 2,200円(会員無料) | 3,300円 |
CPU | Ryzen 5 4500 (6コア12スレッド) |
Ryzen 5 4500 (6コア12スレッド) |
CPUクーラー | 空冷 | 空冷 |
GPU | RX 7600 | RX 7600 |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | 500GB NVMe | 500GB NVMe |
電源 | 650W BRONZE | 550W BRONZE |
マザボ | B550 | A520 |
納期 | 2~7日後 | 翌日出荷 |
保証(延長) | 1年間(最長4年間) | 1年間(最長5年間) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
ドスパラのLightning-G AT5RWと比較していく。LEVELθと同じくコストパフォーマンスを重視した廉価ブランドだ。価格差は19,820円も安い。ここにポイント還元10,000ptと送料無料(会員登録後)を考慮すると実質の価格差は6,520円となる。LEVELθはTHIRDWAVE-Gを意識した価格設定をしている印象が強い。同等の性能を持つモデルが明らかに安く展開されているのを無視するとは考えにくい。もしかするとLEVEL-M1P5-R45-DEXはここから大きな変化を見せるかもしれない。
構成面ではLEVEL-M1P5-R45-DEXが優れている。電源容量とチップセットで上回る。電源はともかく、チップセットはカスタマイズで変更できないパーツだ。マザーボードのグレードが上がれば拡張性やUSBポートなどでリードできる。ただ、ロークラスでは性能に直結しにくいこと、利便性に大きな差が生じない。むしろチップセットのグレードを下げてでも価格を抑えられる方が魅力的となるはずだ。価格が安い間はLightning-G AT5RWをおすすめする。価格が逆転すればLEVEL-M1P5-R45-DEXも検討したい。光るゲーミングPCというのも選ぶ理由になるかもしれない。
パソコンケースレビュー
LEVELθは2023年12月7日に登場した新しいシリーズだ。ミニタワーケースを採用しており、ゲーミングPCらしいデザインが特徴だ。最大240mmの水冷クーラーも搭載可能で、拡張性にも優れたケースである。
正面
これまでのLEVEL∞シリーズを踏襲したような、真ん中にLEVELθのロゴがあるシンプルなデザインだ。下部にThermaltakeのロゴがあるように、Thermaltake製のS100 TGシリーズをベースとしている。白色に溶け込むような目立たないロゴが、ケースのよさを引き出しているように見える。
左側面
左側面は中身を全て確認できる大きなガラスパネルを採用している。LEDファンとの相性もよく、5割程度がガラスパネルのケースと違って見栄えがよい。白色ケースではLEDファンは青色発光になる。光を反射する白色によく合うカラーだ。
Ver.2になりブラックの縁がホワイトへ変更されている。より統一感が出たように思う。
左側面カバー
左側面はスウィングドアになっており、簡単に開閉ができる。増設などで内部を触る機会が多い方にとっては、有用な開閉システムと言える。一方で、スライド方式と違い、カバーを開くスペースが必要になる。PCワゴンのようなところに設置すると、開閉に一手間あるかもしれない。設置場所に少し気を遣う必要があるのはデメリットとなるかもしれない。
カバーの内部もホワイトカラーとなる。
右側面
右側面にはとくに何もない。フロント側にエアホールがあるくらいだ。
天板
本体上部の天板には2基のLEDファンと防塵フィルターがある。フロントファンは増設できるが、主なエアフローはこの天板部分のファンから行う。少し特殊な構造ながら、冷却性能の評価は高い。I/Oパネルも天板部分に設置されている。天板のほとんどはフィルターに覆われていることからわかるように、比較的大きめのファンも取り付けられそうだ。
メッシュカバーもホワイトで統一されている。ここはかなり気になった部分なのでこの変更は評価できる。
I/Oパネル
天板のI/Oパネルには、電源・リセットボタン・USB3.0 x1・USB 2.0 x2・イヤホンマイクの入出力端子がある。構成は標準的だ。気になるのはフロント部分に横一列に設置されているところだ。パソコンの設置場所によっては少し邪魔になるかもしれない。とくに、上部にスペースのない場所では、USBを接続することが難しくなる。ケース正面はすっきりするが、利便性は少し落ちるかもしれない。
背面
LEVELθの白色ケースの魅力は、この背面部分も白に統一されている点だ。多くの白色ケースは、普通に設置すると見えない背面部分の色が黒や銀色である。しっかりと白く塗装されているのは評価したい。排気ファンのあるメッシュ部分も白く、PCIeスロットカバーも白い。背面I/Oパネルと電源部分は搭載するマザーボードと電源の色となる。背面I/Oパネルは銀色、電源は黒になりやすい。それを差し引いても、背面全体が白色に統一されているのは素晴らしい。
底面
本体底面はよくある構造だ。電源部分は天板と同じハニカム構造に防塵フィルターだ。四隅の足に滑り止めがついているので、設置面を気にしなくていい。基本に忠実といったところだろうか。
管理人による総評

税込114,800円で販売されている低価格帯のゲーミングPCだ。キャンペーン中は10,000pt還元で実質104,800円となる。コストパフォーマンスも良好だ。Ryzen 5 4500×Radeon RX 7600搭載で価格帯を考えれば性能は高い。フルHD環境で標準設定を基準にすればある程度ゲームプレイにも対応できる。競合モデルと合わせて確認しておくとよい。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
114,800円 | 5 4500 | RX7600 |
メモリ | SSD | チップセット |
DDR4 16GB | 500GB | B550 |