NEXTGEAR JG-A7G6T


マウスコンピューターが販売する「NEXTGEAR JG-A7G6T」の詳細レビューをまとめている。Ryzen 7 5700X×GeForce RTX 4060 Ti搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCだ。最新のケースを採用し、装いも新たにミドルハイクラスで注目を集めるモデルが登場した。迷ったらこのモデルを選んでおけばいいと言えるほど優等生的な存在と言える。NEXTGEARブランドは見た目も構成も優れている。

マウスコンピューターの製品は、3年保証や24時間365日の電話サポート付きで誰にとっても選びやすいのが魅力である。G-Tuneブランドのモデルと比べてもコストパフォーマンスが高い。価格推移は179,800円→169,800円→184,800円→179,800円と元の価格に戻った。その後NEXTGEAR JG-A7G6Tは長らく変化がなくやや面白みに掛ける状態だ。ここ最近は強力なモデルがいくつか登場している。

NEXTGEAR JG-A7G6Tのスペック解説

nextgear

メーカー マウスコンピューター
ブランド名 NEXTGEAR
製品名 NEXTGEAR JG-A7G6T
価格 179,800円(税込)
CPU Ryzen 7 5700X(レビュー)(水冷)
CPUクーラー 水冷CPUクーラー(240mmラジエーター搭載)
グラボ GeForce RTX 4060 Ti(レビュー)
メモリ DDR4-3200 16GB
ストレージ SSD 1TB Gen4 NVMe
電源 750W 80PLUS BRONZE
マザーボード チップセットB550
おすすめ度 Aランク
評価 ・コスパ
7.0

—–内訳—–
・ショップ評価
8.9

NEXTGEAR JG-A7G6Tは、179,800円で展開されているゲーミングPCだ。Ryzen 7 5700X×GeForce RTX 4060 Ti搭載のミドルハイクラスの一台だ。ポイントはCPUクーラーに水冷式モデルを採用していることだろう。他のメーカーではあまり見かけない構成だ。メモリはDDR4-3200 16GBを搭載している。ストレージはSSD 1TB Gen4 NVMeだ。電源ユニットは750W BRONZEを採用している。マザーボードのチップセットはB550だ。おすすめ度はAランクだ。コスパ指標は7.0となる。ショップ評価も8.9と高い。24時間365日の電話サポートは3年間の基本保証は強力だ。

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おすすめカスタマイズを解説

  • CPU ×
  • CPUファン –
  • CPUグリス ×
  • メモリ △
  • SSD ×
  • 電源 △

当該モデルについては手を加える箇所が少ない。まずCPUは価格が高く、割に合わない。確かにRyzen 7 5700X3Dはゲーム適正が高いCPUだが、コスパ重視のNEXTGEAR JG-A7G6Tで選ばなくてもいい。CPUグリスはRyzen 7 5700Xは体感できるほどの差がなく、発熱量からしても必要性がない。CPU周りは変更しない方が無難だ。

メモリはGeForce RTX 4060 Tiの性能を活かせる32GBまでは悪くない。ただ、ゲームのみで32GBが必要になる場面はそう多くない。32GBが必要となる環境は、GeForce RTX 4060 Tiでは対応しにくいのが実情だ。14,300円という高額なカスタマイズ費用も足かせとなる。

ゲームをしながら動画を見たり、複数のゲームやアプリケーションを起動したりする際には重要になる。使い方によって有用性が変わるため、好みに近い選択になりそうだ。SSDは標準で1TB搭載されており、多くのユーザーにとって必要十分だろう。2TBがどうしても必要だという場合を除き、後から追加できることもあってカスタマイズでの増量はおすすめしない。動画を撮影し、保存し続けるくらいしなければ2TBを使い切るのはむずかしい。

電源は標準で750W 80PLUS BRONZEを搭載している。Ryzen 7 5700XとGeForce RTX 4060 Tiの組み合わせなら十分だ。より安定性を求めるなら750W 80PLUS GOLDは悪くないが、グリス同様体感しにくい部分だ。お守り程度に考えておくほうがいいだろう。将来的にグラフィックボードの換装を考えているなら悪くないが、CPU性能的にGeForce RTX 4060 Ti以上となるとボトルネックが心配だ。

NEXTGEAR JG-A7G6Tの派生モデル紹介

NEXTGEAR JG-A7G6T(スターター5点セット)

NEXTGEAR-JG-A7G6Tstarter

  • 価格:219,800円(税込)
  • おすすめ度:Aランク
  • コスパ:7.2

ゲーミングモニター・ゲーミングマウス・ゲーミングキーボード・ゲーミングヘッドセットがセットになったNEXTGEAR JG-A7G6T(スターター5点セット)が登場した。これからPCゲームを始めるにあたり、ゲーミングPC一式を揃える必要があるなら選択肢に入れてもよいのではないかと思う。ベースであるNEXTGEAR JG-A7G6Tの価格が変化しても、スターター5点セットの価格は変わらない。このことから、NEXTGEAR JG-A7G6Tの価格が高いほどお得なセットになりやすい。NEXTGEAR JG-A7G6Tのモデルが169,800円あるいは184,800円だった時も、今の179,800円でも変わらず209,800円だ。

NEXTGEAR JG-A7G6Tが169,800円の頃は、それぞれのデバイスを追加しても211,270円にしかならなかった。セット価格の209,800円よりも1,470円高い程度で、セットモデルにそれほどお得さがなかった。15,000円の値上げが適用されて184,800円になったタイミングでは235,290円で、25,490円もお得なセットモデルに化けた。これはセットモデルの内容が変化したことも影響している。現時点では20,490円お得なセットで、選択するメリットは変わらず大きい。

NEXTGEAR JG-A7G6Tを候補に入れている方や、何を選べばいいかわからない方用のエントリーセットから、お得なゲーミングデバイスセットに昇華された。セットのモニターも165Hz対応でゲーミングモニターとして十分だ。ただし、その他は安価なゲーミングデバイスだ。それが悪いわけではないが、高価なデバイスと比べると、操作性などに違和感を覚える可能性がある。ゲーミングキーボードは、ゲーミングと謳っているもののメンブレン方式を採用している。

メカニカルキーボードのようなタッチ感はない。初心者へ向けたセットというのが強調されているように感じる。初めから高価なデバイスはよくない。まずはゲーミングデバイスがどういったものかを知るためのものだ。さらに、この周辺機器の中に1つでも不要なものがあると注意してほしい。通常モデルをカスタマイズした価格差は1,470円だ。仮に一番安価なマウスが不要だとしても3,960円だ。

何か一つデバイスが不要なだけで、通常モデルをカスタマイズした方が安くなる。NEXTGEAR JG-A7G6T(スターター5点セット)は初心者向けではある。実際には初めてのゲーミングPC向けという面が強い。パソコンには慣れていないが、すでに所持しているような初心者にはおすすめしにくい。そのままの意味でエントリー向けのモデルなのでその点は理解しておこう。

NEXTGEAR JG-A7G6T(ホワイトカラーモデル)

NEXTGEAR-JG-A7G6Twhite

  • 価格:187,500円(税込)
  • おすすめ度:Bランク
  • コスパ:5.9

NEXTGEAR JG-A7G6Tにホワイトカラーモデルが登場した。通常ケース採用モデルよりも価格が7,700円高くなる。通常のNEXTGEAR JG-A7G6Tのケースをカスタマイズしてホワイトカラーを選択すると、9,900円かかるので2,200円お得ということになる。

ただ、パソコン工房などの他ショップでは黒か白かを選択できる形で、価格に差がないことを考えると割高感は否めない。少し前はホワイトカラーの方が10,000円高かった。少し安くなった分マシだろうか。実はシークレットモデルならかなり安く購入できる。

ゲーミングPCは黒い箱と揶揄されるように、黒いケースが圧倒的に多い。汚れが目立たないなど、黒いケースが採用される無難な理由もある。NEXTGEARのケースは登場したばかりであり、ゲーミングPCらしいスタイリッシュで華やかなデザインだ。ケースカラーが白色になるだけで、その印象もまた大きく変わる。重厚さよりも繊細さを感じるケースデザインに見える。

ゲーミングPCの白色ケースは人気だが、選択肢はほとんどないのが現状だ。大手ショップでは数える程度だ。NEXTGEARシリーズでも、全てのモデルに白色ケースが用意されているわけではない。今後、徐々に増え、価格も通常の黒色ケースと変わらなくなる可能性はある。個人的にはそういった変化を期待している。ケース内部も当然白く、LEDの光が綺麗に反射する。黒いケースよりもLEDの光が広く反映される印象がある。

一方で、黒いケースはケース内部が暗く見えることで、LEDの光が大きく見える。受ける印象はどちらも素晴らしく、好みは分かれるだろう。黒と白のケースで価格差がなければ、白色ケースの方が人気になったはずだ。価格差はあると言っても、選べることに今は感謝したい。いくらLEDで派手になったと言っても、ケースカラーが変わるほどのインパクトはない。大人しく見える白色ケースは、やはり一般的でないことから派手に見える。

性能や構成に違いはないので完全に好みだ。予算内であるなら見た目で選ぶのも悪くない。ケースはどのパソコンパーツよりも長く使うことになるからだ。デザインがよければ、パーツの交換で対応したくもなる。買い替え時期を伸ばすことにもつながり、モチベーションの向上にもなる。あえて、ゲーミングPCを見た目で選ぶというのも面白い。

NEXTGEAR JG-A7G6T(シークレットモデル)

NEXTGEAR-JG-A7G6Twhite2

  • 価格:179,800円(税込)
  • おすすめ度:Aランク
  • コスパ:7.0

シークレットモデルは、上述のホワイトカラーモデルの価格を抑え、通常のNEXTGEAR JG-A7G6Tと同じ価格に仕上げたモデルだ。マウスコンピューターの製品は、黒いケースから白いケースへ変更すると9,900円かかる。そのため、ホワイトカラーモデルのような少しお得なモデルが人気だ。特別モデルは、価格を通常モデルと同じにすることで、より選びやすくなっている。

価格を抑えられた理由は簡単だ。通常モデルと比べて構成がダウングレードしているからだ。具体的にはCPUファンと電源ユニットだ。CPUファンが水冷式から空冷式に変更されている。必ずしも水冷がよいとは言えないものの、これはがっかりする方も多いのではないだろうか。もっとも、Ryzen 7 5700Xに水冷式は確実にオーバースペックだ。空冷式になったからと言って大きなマイナスにはならないだろう。

電源容量は750W 80PLUS BRONZEから、550W 80PLUS BRONZEへ下がっている。電源容量を抑えてのコストカットは斬新だ。Ryzen 7 5700XとGeForce RTX 4060 Tiの組み合わせで550W 80PLUS BRONZEを採用しているモデルは少ない。つまり、容量に余裕があるとは言えない状態だ。このように、電源とCPUファンを変更することで価格を抑えている。

ホワイトカラーモデルよりも7,700円安い理由は、7,700円分のコストカットが行われているからだ。そのため、NEXTGEAR JG-A7G6T特別モデルでは、カスタマイズは一切おすすめしていない。コストパフォーマンスを活かすためのダウングレードで、カスタマイズして価格が上がってしまっては本末転倒だ。

この特別モデルはお得なモデルというよりも、見た目を重視する方に向けた新しいアプローチである。ケースカラーのコストを電源容量のカットで打ち消す。これなら黒いケースの通常モデルで我慢すればよいのではないかとも思ってしまう。しかし、白色ケースの人気は確かなもので、通常のホワイトカラーモデルの価格に納得できない方なら、この特別モデルの素晴らしさが伝わるのではないだろうか。

性能・構成・コストパフォーマンスを重視するゲーマーではなく、見た目にこだわりたい方の新しい選択肢だ。NEXTGEAR JG-A7G6Tを候補に加えていたなら、選択肢に入ってくるはずだ。注意点として、これはマウスコンピューター内で検索しても出てこない特別なモデルだ。販売終了になったと考えず、当サイトを確認してほしい。

各タイトルの対応表

Apex Legends フォートナイト パルワールド マイクラ
Apex-Legends
・240Hz


・144Hz
fortnite
・240Hz


・144Hz
palworld
・144Hz


・60Hz
minecraft1
・通常


・影Mod

★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。

NEXTGEAR JG-A7G6Tは、Ryzen 7 5700XとGeForce RTX 4060 Tiを搭載したミドルハイクラスのゲーミングPCだ。プレイできないゲームはないほど優れた性能が持ち味だ。負荷の高い環境にも対応しやすく、本格的なゲームプレイを想定する方にも選ばれている。

Apex Legendsなら200fps以上を安定させられる。240fpsの張り付きは少し厳しいが、それに近い数値を目指せる。240Hz環境に対応できると言える水準だ。同ジャンルのフォートナイトは、Apex Legendsと比べて負荷が小さい。そのため、240fpsの張り付きも目指せる。フォートナイトを240Hz環境で快適にプレイするならベスト性能である。

一時期話題となったパルワールドは、快適にプレイできるが144Hzのような高リフレッシュレート環境への対応はむずしい。推奨環境にメモリ32GBが指定されているように、中終盤のフィールドは負荷が大きく、フレームレートが不安定になりやすい。マルチプレイを行うならさらに負荷が増大するので注意したい。

今やPCゲームの定番となったMinecraftは、要求スペックが低く、快適にプレイできる。Modを導入しても安定する性能はある。ただし、グラフィック品質を向上させる影ModのようなModを導入すると、やや安定性に欠ける場面が出てくる。設定を少し下げて対応したい。

NEXTGEAR JG-A7G6Tの性能まとめ

ゲーミングPCは、CPUやグラフィックボードなどのPCパーツを集めてできている。ゲーミングPCの性能で最も重要なのはCPUとGPU(グラフィックボード)の性能だ。この2つのスペックをより詳しく見ていこう。あまりパソコンに詳しくない初心者の方にとってもわかりやすいはずだ。

AMD Ryzen 7 5700X(CPU)

ryzen75700x-gamescore20243

NEXTGEAR JG-A7G6Tには、AMDのRyzen 7 5700Xが搭載されている。8コア16スレッドで、基本とも言えるスペックを持っている。一世代前のRyzen 7 3700Xと比べて8%程度処理性能が高くなっている。Ryzen 7 5700XはZen 3アーキテクチャを採用しており、登場から1年以上経過した旧世代のCPUだ。

現行から見てRyzen 7 5700Xは一世代落ちるCPUである。しかしながら、その分価格が下がっていて選びやすさがある。性能も価格に見合っていて、同価格帯にある現行のCore i5-13400よりも選びやすさと性能の高さでリードしている。コストパフォーマンスを活かした選びやすさこそがRyzen 7 5700Xの魅力だ。同じ価格帯でRyzen 7 5700Xより優れたCPUはない。

その事実だけで選択にためらいが出ることはないだろう。現行のRyzen 7 7700XはRyzen 7 5700Xよりも20%ほど性能が高い。ただし、価格帯が異なるので純粋な比較対象とはならない。このことから、旧世代となった今でもRyzen 7 5700Xを選択するメリットは大きい。

GeForce RTX 4060 Ti 8GB(GPU)

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GeForce RTX 4060 Tiは、2023年5月24日に発売された最新のGPU(グラフィックボード)だ。一世代前のGeForce RTX 30シリーズでは、圧倒的な人気を誇ったGeForce RTX 3060 Tiの後継機に位置している。処理性能は従来のGeForce RTX 3060 Tiと比べて16%ほど高く、価格帯は大きく変わっていないので、純粋に上位互換として選べるグラフィックボードだ。フルHDが主体だったGeForce RTX 3060 Tiと違い、WQHDへの高い対応力で注目を集めている。

次世代のゲームはフルHDを超える環境を前提としているものもある。その点で、時代に沿った性能を持つGPU(グラフィックボード)と言える。幅広いプレイ環境に対応できることで、これまでこの性能帯に興味がなかった方にも選びやすいモデルになった。GeForce RTX 3060 Tiからの買い替えはあまりメリットを見出だせないが、GeForce RTX 3060 Tiよりも性能の低いグラフィックボードからの買い替えであるなら、その性能の違いを体感できるはずだ。

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NEXTGEAR JG-A7G6Tの特徴

長らく変化がなく競合モデルに埋もれる

NEXTGEAR JG-A7G6Tは、コストパフォーマンス指標が7.0とまずまずの評価を得ているモデルだ。15,000円の値上げから5,000円の値下げで印象は悪くない。円安の影響は小さくなりつつあるのかもしれない。Ryzen 7 5700X搭載モデルの魅力はコストパフォーマンスのよさだ。強みを活かす変化は誰もが歓迎するものだ。もちろんNEXTGEAR JG-A7G6Tはおすすめだが、他にも多くの選択肢があることを知ってほしい。

純粋な性能あたりの価格をコストパフォーマンスとすれば、上回るモデルがいくつか見つかるはずだ。例えば、CPUで言えばRyzen 5 7500FやCore i5-14400Fなどが挙げられる。どちらもRyzen 7 5700X搭載モデルと近い価格で提供されるようになっている。Ryzen 5 7500FやCore i5-14400Fと比べると性能面で遅れを取ってしまう。すでに2世代落ちるRyzen 7 5700Xは、破格とも言える価格設定でなければデメリットになる。NEXTGEAR JG-A7G6Tは、CPUファンに水冷クーラーを採用するなど、構成面を強化して評価をカバーしている。

競合モデルとして挙げたRyzen 5 7500F搭載のパソコン工房「LEVEL-M17M-144F-SLX」以外にも魅力的なモデルある。例えば、Core i5-14400F搭載のフロンティア「FRGKB760/WS1202/NTK」や同じRyzen 7 5700X搭載のMDL.make「【1周年限定モデル|翌日出荷】 Ryzen7 5700X × RTX 4060 Ti」など強力な競合モデルが存在している。十分に比較検討して購入を決断しよう。

優れた構成はポジティブ要素だ

NEXTGEAR JG-A7G6Tの特徴の一つとして充実の構成が挙げられる。例えば、Ryzen 7 5700Xに対して、水冷式のCPUファンを搭載しているのは珍しい。Ryzen 7 5700X自体発熱量が大きいCPUではなく、水冷式はオーバースペックなのではないかと思える。それでも冷却性能が高い事自体デメリットにはならないだろう。夏場など厳しい環境下においてもパフォーマンスを発揮しやすい。

マウスコンピューターはモデルのチェックに余念がない。長く使うために、少しでも懸念される材料を取り除きたかったのだろう。水冷式CPUファンを搭載していることは、他のメーカーにはない強みでもある。ただし、水冷式は有寿命のパーツなので長く使う上でマイナスと捉えることもできる。しかしながら、基本保証が3年間と長くそのデメリットを払拭できるだろう。

SSD容量が1TBと大容量なのも強みだ。Gen4 NVMe接続のSSDストレージは今となっては割とポピュラーなもので珍しさはなくなってきたが、500GBよりも余裕が生まれるのは事実だ。コストパフォーマンス重視型のモデルとして見れば、有用な構成であるという印象だ。搭載されていて当然なパーツはしっかり妥協せず搭載する。変にコストカットを行わず、利便性も追求しているのがよくわかる。

電源は750W 80PLUS BRONZE搭載だ。多くのGeForce RTX 4060 Ti搭載モデルで採用されている650W 80PLUS BRONZEよりもワンランク上だ。電源容量が大きければ、電源使用率に差が出てくる。電源にかかる負荷が軽減され、耐久性も高くなる。水冷式のCPUファンに続き、電源も長く使うために必要な構成になっている。そこまで珍しい構成を持っているわけではないが、NEXTGEAR JG-A7G6Tと同等の構成を持つモデルは少ない。

価格でリードするモデルはあっても、構成まで含んだ総合的な評価で上回るモデルはほとんどない。セール・キャンペーンモデルでもない限りむずかしいはずだ。おすすめしやすいゲーミングPCは、なにかに特化したモデルだ。NEXTGEAR JG-A7G6Tは価格だけでなく、構成にも優れたモデルだ。強みが複数あるモデルもおすすめしやすい。

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競合モデルとの比較

メーカー マウスコンピューター パソコン工房
ブランド NEXTGEAR LEVELθ
イメージ nextgear LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITE2
製品名 NEXTGEAR JG-A7G6T LEVEL-M17M-144F-SLX
ケース ミニ ミニ
価格 179,800円 179,800円
送料 無料 2,200円(会員無料)
CPU Ryzen 7 5700X
(8コア16スレッド)
Core i5-14400F
(10コア16スレッド)
CPUクーラー 水冷(240mm) 空冷
GPU RTX 4060 Ti RTX 4060 Ti
メモリ DDR4-3200 16GB DDR5-4800 16GB
SSD 1TB Gen4 NVMe 500GB NVMe
電源 750W BRONZE 650W BRONZE
マザーボード B550 B760
納期 約6営業日 2日後
基本保証
(延長保証)
3年間
(延長なし)
1年間
(最長4年間)
電話サポート 24時間365日 24時間365日
公式 公式 公式
レビュー 当ページ レビュー
比較対象はパソコン工房のLEVEL-M17M-144F-SLXだ。NEXTGEAR JG-A7G6Tと同じ価格で展開されている。LEVEL-M17M-144F-SLX-WHITE2は、CPU性能・メモリ規格でリードする性能型のモデルだ。対するNEXTGEAR JG-A7G6Tは、CPUファンに水冷クーラーを採用していたり、SSDの容量と接続規格・電源容量が優れていたりとバランス型のモデルである。双方に特色があり、何を重視するかで選択肢が変わる。NEXTGEAR JG-A7G6Tの強みは構成だけではない。

基本保証3年という強力な武器がある。パソコン工房を含めた多くのメーカーでは、3年保証への変更はモデル価格の10%が費用としてかかる。サポート特化型と言っても過言ではない。しかしながら、性能は後から手にしにくい要素でもあるのでLEVEL-M17M-144F-SLXも選択肢に入ってくる。純粋に性能を求めるならLEVEL-M17M-144F-SLX-WHITE2、総合的なバランスを求めるならNEXTGEAR JG-A7G6Tだ。どちらを選んでも後悔しないはずだ。

パソコンケースレビュー

画像は「NEXTGEAR JG-A5G1D」のものだ。CPUクーラー・グラフィックボードなどに違いがある点はご了承いただきたい。また、カスタマイズで赤色LEDケースファンを選択している。

梱包

NEXTGEAR-konpou
非常にシンプルだ。説明書と電源ケーブルがついている。

NEXTGEAR-konpou2
かなりきれいに梱包されている。

正面

NEXTGEAR-syoumen
NEXTGEARを表したピンクのNGというデザインロゴが黒いケースに映える。2世代前のNEXTGEAR-Microを彷彿とさせる強力なフロントファンが、エアフローの強さを感じさせる。確認しづらいが、フロントファンは3連ファンとなっており、吸気性能は非常に高いことがわかる。右下には小さくNEXTGEARのロゴも見える。シンプルでありながら、ゲーミングPCとしての存在感のある重厚でスタイリッシュなデザインに仕上がっている。

ライトアップ

NEXTGEAR-lightup
カスタマイズで変更可能な赤色LEDファンをライトアップ。カスタマイズなしはLEDファン非搭載なので注意。ゲーミングPCらしい派手なライトアップはガラスサイドパネル採用ケースには映える。従来のケースと異なり、サイドパネルを変更した上でLEDファンへ変更ではない。標準でガラスサイドパネル採用のケースである。単にLEDファンに変更するだけなので、コストも抑えられており、デザインを意識した選択がしやすくなっている。

I/Oパネル

NEXTGEAR-iopanel
I/Oパネルは最近のゲーミングPCに多い天板に搭載されている。USB 3.0が2つにイヤホン・マイクの入出力端子が1つのオーソドックスなものだ。一般的にUSBの接続端子が黒色はUSB 2.0を指すが、NEXTGEARのケースでは黒色でも3.0となっている。背面の黒色は2.0、青色は3.0となっているので少しややこしく感じる。天板部に黒色のUSB 3.0を採用したのはデザインを重視してのことだろう。

イヤホンマイクの入力端子にしても、I/Oパネルがケース全体の雰囲気を損なわない工夫だ。電源スイッチが黒く四角いタイプであることもケースデザインやカラーの基調に合わせたものだ。小さなところかもしれないが、こういった工夫がゲーミングPCのデザインと言える。

また、天板部には取り外し可能な防塵フィルターが装着されている。天板にも2基のファンがあり、吸気の強さを感じさせる。その分だけ埃の吸入も多くなるので、防塵フィルターの存在はありがたいものだ。パソコン内部に埃がたまりにくくなれば、それだけ長く使い続けることができる。本当によく考えられたケースであり、NEXTGEAR-Microの正当な後継機と言えそうだ。

右側

NEXTGEAR-right
NEXTGEARのケースの右側はエアホールのないカバーのみとなっている。左側がガラスサイドパネルであることを考えると、空気の出入りは左右から行われない構造である。吸気が強いことで、空気が横に流れずに正しいエアフローを構築するような形だ。フロント3基、天板2基のファンのよさを損なわないカバーである。

右側内部

NEXTGEAR-rightinside
右側パネルの中は背面通しが可能なケーブルマネジメント機構となっている。ボトムカバーと合わせて、ケーブルを見せずにすっきりさせる形状となっている。また、2つの2.5インチシャドウベイも右側パネルの中にある。SATA SSDを搭載する際は、ここに固定することで表からはSATAケーブルのみ見える形になる。すっきりするだけでなく、接続しにくい電源ケーブルに近いことでセットアップが容易になる。

搭載されているファンが多いことで、少しケーブルがごちゃごちゃして見えるかもしれない。しかし、表からは見えないようにすっきりさせるというポイントはしっかり抑えられている。意外とこういった形状は管理がしやすく、ケーブルの破損も少ないので合理的なものだ。

左側内部

NEXTGEAR-leftinside
ガラスサイドパネルを外しての撮影だ。これだけすっきりしていると、ガラスサイドパネルを外さなくてもパソコン内部を確認できる。できるだけケーブルを見せないことで、各パーツの視認性が上がり、取り外しも非常に容易になる。3.5インチベイを採用しないことで、フロント部の余分なスペースを上手く利用できている。ファンを搭載し、3.5インチベイや2.5インチベイにエアフローを阻害されることがない。

ボトムカバーを採用しており、電源周辺のケーブルもうまく見えなくしている。また、デザインの重さを下部に集中させ、3.5インチベイや2.5インチベイを廃止したことで、上部まで広くすっきりして見える。スペースを広く確保しつつ、ボトムカバーで底上げをすることで、ケーブルに光が吸収されにくく、しっかりとLEDが反射しやすくなる。単にLEDファンを設定できるだけではない。LEDファンを搭載することを前提としているからこそできたケース内部だ。最近のデザイン偏重のケースにも負けないスタイリッシュな内部だ。水冷クーラーのラジエーターも設置できることから、実用性の高さもうかがい知れる。

背面

NEXTGEAR-haimen
背面ははっきり言ってデザインを台無しにしやすい。ケース全体が黒なのに背面は銀色というのはよくある。ケースのしっかり合わせたカラーと形状をしており、評価を高めている。剛堅さを感じさせるフォルムに、使い勝手のよさを思わせる構造がある。

気になったのは背面ファンの取り付け位置だ。可変式の固定具があり、位置やサイズをあまり気にせず取り付けられそうだ。天板にファンを搭載しているケースにはよくあることだが、14cmファンなどの大きなタイプは干渉して取り付けられないことがある。それを考えてか、取り付け位置を上下に調整できるようになっている。これは天板のファンを交換することがあると恩恵を受けられる。大型、特殊なファンや機構を天板に取り付けると、設置できる背面ファンが限定されてしまいがちだ。それを防ぎ、幅を広げられている。デザインや機能を活かす機構が備わっているのは素晴らしい。

もう一つの注目点はPCIEカバーの留め具というのだろうか。スロットカバーを固定する箇所だ。内部にネジで固定するのではなく、外部の留め具に固定することで取り外しがしやすくなる。その留め具部分がしっかりケースと一体化しているのに驚く。実用的にもデザイン的にも軽視されやすい箇所を、しっかりとデザインの一部にしている。こほど完成度の高い背面は見たことがない。間違いなくNEXTGEARのケースは歴代のマウスコンピューター製品で最高峰の傑作である。

NEXTGEAR-soko
底面はマウスコンピューターの得意分野であると言える。おなじみのマグネット付きの防塵フィルターで、埃の吸引を抑えている。底面に関して少しても衝撃はあった。それは、底面の吸気箇所が完全に電源に集約されていることだ。G-Tuneのミニタワーは底面全体にエアホールがあり、全体を覆う防塵フィルターを採用していた。それをNEXTGEARでは実用性に完全に割り振っている。フロント3基、天板2基の吸気ファンは底面にも影響を与えていたのだ。

電源部分にのみ吸気口を用意しており、防塵フィルターもその部分だけにしている。これは完全に電源のためのスペースとして準備されている。電源の冷却と防塵のみを考えており、電源のパフォーマンスを安定させる構造だと言える。それはケース底面四隅の足を見てもわかる。一般的なパソコンやゲーミングPCはあまり高くないゴム足が採用されている。

そのため、底面はメンテナンスがしにくく、埃もたまりやすい環境になる。当然埃の吸入も多くなり、電源へのダメージは大きい。これだけの高さのあるNEXTGEARなら、電源は安定した吸気が可能となる。さらに、防塵フィルターの存在で電源へのダメージは軽微になるはずだ。ただ、防塵フィルターは定期的に水洗いして乾かすなどのメンテナンスが必要になる。

管理人による総評(NEXTGEAR JG-A7G6T)

nextgear

NEXTGEAR JG-A7G6Tは、Ryzen 7 5700X×RTX 4060 Ti搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCである。NEXTGEARブランドはコストパフォーマンスを重視していてこれまでのG-Tune製品とは違ったコンセプトを持つ。低評価が続いたマウスコンピューター製品にも、圧倒的な存在感を放つモデルが登場した。性能・構成・価格・サポートを充実させており、新しいゲーミングPCの形を生み出そうとしているようにすら見える。

充実した構成は性能を上手く引き出せるようになっている。フルHDのみならず、WQHDをも視野に入れた性能だ。CPUクーラーに水冷式を搭載したことで、CPUの冷却性能は非常に高くなった。CPU負荷の高い用途に関しても、問題なく安定したパフォーマンスを発揮できる。用途を選ばない高い対応力を持ったゲーミングPCと言える。

Ryzen 7 5700XとRTX 4060 Tiを搭載したモデルは人気になりつつある。その中で、NEXTGEAR JG-A7G6Tも存在感がある。ただし、競合メーカーも負けておらずどんどん平凡になりつつある。それでも評価が高いことに変わりはない。サポート面も強みだ。特に、24時間365日の手厚いサポートは初心者ユーザーにも受け入れやすい。基本保証が3年間と長いにも嬉しいポイントだ。

価格 CPU グラボ
179,800円 7 5700X RTX4060Ti
メモリ SSD HDD
DDR4 16GB 1TB 非搭載