マウスコンピューターが販売する「NEXTGEAR JG-A7G6T」の詳細レビューをまとめている。Ryzen 7 5700X×RTX 4060 Ti搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCだ。最新のケースを採用し、装いも新たにミドルハイクラスで注目を集めるモデルが登場した。
NEXTGEARブランドは見た目も構成も優れている。1万円の値引きが適用となり評価上昇中だ。マウスコンピューターの製品は、3年保証や24時間365日の電話サポート付きで誰にとっても選びやすいのが魅力である。G-Tuneブランドのモデルと比べてもコストパフォーマンスが高い。今後セール・キャンペーン対象になればより魅力的なモデルになるはずだ。
当ページの目次
NEXTGEAR JG-A7G6Tのスペック解説
ブランド名 | NEXTGEAR |
---|---|
製品名 | NEXTGEAR JG-A7G6T |
価格 | 169,800円(税込) |
CPU | Ryzen 7 5700X(レビュー)(水冷) |
グラボ | GeForce RTX 4060 Ti(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
ストレージ | SSD 1TB NVMe |
電源 | 750W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットB550 |
おすすめ度 | Sランク |
評価 | ・コスパ 9.0 —–内訳—– ・コスパ(CPU・GPUメイン) 10.0 ・構成 7.0 ・品質/サポート 10.0 |
NEXTGEAR JG-A7G6T(スターター5点セット)について
ゲーミングモニター・ゲーミングマウス・ゲーミングキーボード・ゲーミングヘッドセットがセットになったNEXTGEAR JG-A7G6T(スターター5点セット)が登場した。これからPCゲームを始めるにあたり、ゲーミングPC一式を揃える必要があるなら選択肢に入れてもよいのではないかと思う。ただし、お得かと言われるとそれほどお得ではないというのが答えになる。
標準モデルのNEXTGEAR JG-A7G6Tに、同じデバイスを追加した際の価格は211,270円だ。5点セットの209,800円は通常よりも1,470円安いだけとなる。また、デバイスの変更は通常のカスタマイズより少しだけ割高だ。たとえば、マウスのG304は通常時3,960円、G402は4,730円だ。5点セットのG304をG402へ変更する際は990円必要で通常よりも220円高い。モニターに至っては、通常時の価格差が1,980円差のものを選択すると13,530円かかる。
このように、変更自体はできるが、お得に選択できるとは限らない。通常時よりもセットの方が1,470円安いので、この1,470円の差以内に収まるように変更する方が無難だ。NEXTGEAR JG-A7G6T(スターター5点セット)はお得に選択するためのセットではない。何を選べばいいかわからない方用のエントリーセットと言ったところだろう。ゲーミングPC本体と周辺機器4つが合わさった5点セットは、お得なセットではなく迷わないセットだ。
また、それぞれのデバイスの価格からわかるように、本格的なゲーミングデバイスというわけではない。モニターは165Hz対応なので優秀だが、その他は安価なゲーミングデバイスだ。それが悪いわけではないが、高価なデバイスと比べると、操作性などに違和感を覚える可能性がある。ゲーミングキーボードは、ゲーミングと謳っているもののメンブレン方式を採用している。メカニカルキーボードのようなタッチ感はない。
初心者へ向けたセットというのが強調されているように感じる。初めから高価なデバイスはよくない。まずはゲーミングデバイスがどういったものかを知るためのものだ。さらに、この周辺機器の中に1つでも不要なものがあると注意してほしい。通常モデルをカスタマイズした価格差は1,470円だ。仮に一番安価なマウスが不要だとしても3,960円だ。
何か一つデバイスが不要なだけで、通常モデルをカスタマイズした方が安くなる。NEXTGEAR JG-A7G6T(スターター5点セット)は初心者向けではある。実際には初めてのゲーミングPC向けという面が強い。パソコンには慣れていないが、すでに所持しているような初心者にはおすすめしにくい。そのままの意味でエントリー向けのモデルなのでその点は理解しておこう。
カスタマイズ検証
徹底解剖推奨カスタマイズ解説
ブランド | NEXTGEAR | NEXTGEAR |
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イメージ | ![]() | |
製品名 | NEXTGEAR JG-A7G6T | 徹底解剖推奨 |
ケース | ミニ | ミニ |
価格 | 169,800円(税込) | 189,600円(税込) |
CPU | Ryzen 7 5700X | Ryzen 7 5700X |
GPU | RTX 4060 Ti | RTX 4060 Ti |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 32GB |
SSD | NVMe 1TB | NVMe 1TB |
電源 | 750W BRONZE | 750W GOLD |
マザボ | B550 | B550 |
NEXTGEAR JG-A7G6Tは現行のミドルハイクラスの性能を持つゲーミングPCだ。その性能を活かすために、メモリ容量と電源をアップグレードした。メモリは最新のゲームへの対応を考えて倍の32GBに変更している。推奨環境で16GBを要求するゲームも珍しくなくなってきていて、メモリ容量は多いに越したことはない。
電源の容量は標準で750W 80PLUS BRONZEで十分だ。しかしながら、GOLDへの変更には4,400円と比較的安価であるため、余裕があれば変換効率のよいGOLDを選択してもよい。電源の変更に関しては完全に好みと言える。メモリよりも重要度は低いと考えているものの、価格の安さと恩恵のバランスを考えるとありだ。
基本的なカスタマイズながら、Ryzen 7 5700XとRTX 4060 Tiの組み合わせではベストな変更はこの2点だろう。ストレージの変更は非常に高価なので、追加も含めてあまり推奨はしていない。必要であれば別途追加するか、外付けタイプのものを別途購入する方がいい。
その他おすすめカスタマイズ解説
- 電源
- メモリ
- SSD
- 無線LAN
電源は標準の選択肢は狭く、標準の750W 80PLUS BRONZE、750W 80PLUS GOLD、850W 80PLUS GOLDの3つから選択することになる。構成的には750Wあれば電力制限の解除も、GPUのオーバークロックのようなことも可能だ。選べる幅が狭いのはマイナスとも言えるが、元々の容量に余裕があるので目をつむりたい。
価格はそれなりなので好みの容量と規格の電源を選びくらいでいい。電源は重要なパーツである。しかし、前述のように十分な容量で事足りているため、変更の優先度はそれほど高くない。気になるなら変更する程度がちょうどよさそうだ。
メモリの選択肢は標準の16GB、32GB、64GBの3つだ。実用面では32GBを上限に考える方がいいだろうか。ゲームによっては16GBが推奨されるものも多い。推奨環境に対してピッタリよりも余裕を持つ方が安定することから、ゲームをメインにプレイするなら32GBがおすすめだ。
64GBは少しオーバースペックに感じるのと、価格が少し高めに設定されているのでおすすめしにくい。32GBだと16GB x 2となるので、2レーン余ることになる。32GBで足りなければメモリを追加して対応できる。メモリスロットに余裕のあるカスタマイズということもあり32GBを推奨している。
NEXTGEARのカスタマイズでは、内蔵ストレージの追加がなくなったようだ。今あるストレージを強化するか、外付けタイプのものを追加するしかない。M.2タイプのSSDはもちろん、HDDの追加さえできなくなっている。また、ストレージの強化もかなり費用が高く感じる。ストレージのカスタマイズはあまりおすすめできない。
ただ、ストレージのカスタマイズは、ゲーミングPCのカスタマイズで最も適用される箇所の一つだ。気になる方も多いはずだ。ストレージは不足したら追加するくらいに考えた方がいい。少なくともカスタマイズでの追加はコストパフォーマンスを著しく低下させるので注意してほしい。
多くのG-Tune製品はWi-FiとBluetoothが標準対応している。しかし、NEXTGEAR JG-A7G6Tは標準で対応しておらず、カスタマイズで追加しなければならない。Wi-FiやBluetoothを必要とするなら追加するのもよさそうだ。ただ、どちらか一方でよかったり、それほど品質の高いものが必要でない場合は別の選択肢もある。
たとえば、USBタイプの受信機だ。内蔵タイプと異なり、安価に入手することができる。内蔵タイプは品質は高いものの、同時に価格も高くなっている。価格か性能かの二択だ。Wi-Fiが必要なら内蔵タイプ、Bluetoothが必要ならUSBタイプをおすすめする。どちらも必要なら内蔵タイプを選んでおけば間違いない。
各タイトルの対応表
FF15 | Apex Legends | FORTNITE |
---|---|---|
![]() ・4K ・WQHD | ![]() ・240fps ・144fps | ![]() ・240fps ・144fps |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
NEXTGEAR JG-A7G6TはRyzen 7 5700XとRTX 4060 Tiを搭載したミドルハイクラスのゲーミングPCだ。扱いやすい性能で、現行の主流となりそうな組み合わせだ。FF15を高解像度でプレイすることも、Apex Legendsやフォートナイトのような人気タイトルを、高リフレッシュレートでプレイすることも可能だ。非常に幅の広いゲーム環境に対応できるのが魅力の性能だ。
NEXTGEAR JG-A7G6Tの性能まとめ
ゲーミングPCは、CPUやグラフィックボードなどのPCパーツを集めてできている。ゲーミングPCの性能で最も重要なのはCPUとGPU(グラフィックボード)の性能だ。この2つのスペックをより詳しく見ていこう。
ゲーミングPCの性能を知るには、CPUとGPU(グラフィックボード)の性能を見ると理解しやすい。あまりパソコンに詳しくない初心者の方にとってもわかりやすいはずだ。
AMD Ryzen 7 5700X(CPU)
Core i7-13700 | |
Core i7-12700K | |
Core i7-12700 | |
Ryzen 7 7700X | |
Core i5-12600K | |
Core i5-13400 | |
Ryzen 7 5800X | |
Core i7-11700K | |
Ryzen 7 5700X | |
Core i5-12400 | |
Ryzen 7 3700X | |
Ryzen 5 5600X | |
Core i7-11700 | |
Ryzen 5 5600 | |
Ryzen 5 3600X | |
Core i5-11400 | |
Ryzen 7 2700X |
NEXTGEAR JG-A7G6Tには、AMDのRyzen 7 5700Xが搭載されている。8コア16スレッドで、基本とも言えるスペックを持っている。一世代前のRyzen 7 3700Xと比べて8%程度処理性能が高くなっている。Ryzen 7 5700XはZen 3アーキテクチャを採用しており、登場から1年以上経過した旧世代のCPUだ。
現行から見てRyzen 7 5700Xは一世代落ちるCPUである。しかしながら、その分価格が下がっていて選びやすさがある。性能も価格に見合っていて、同価格帯にある現行のCore i5-13400よりも選びやすさと性能の高さでリードしている。コストパフォーマンスを活かした選びやすさこそがRyzen 7 5700Xの魅力だ。同じ価格帯でRyzen 7 5700Xより優れたCPUはない。
その事実だけで選択にためらいが出ることはないだろう。現行のRyzen 7 7700XはRyzen 7 5700Xよりも20%ほど性能が高い。価格も高くなるので、価格帯も異なるので単純な比較は難しい。このことから、旧世代となった今でもRyzen 7 5700Xを選択するメリットは大きい。
GeForce RTX 4060 Ti 8GB(GPU)
RTX 4070 | |
RTX 3080 10GB | |
RX 6800 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 3070 | |
RTX 4060 Ti | |
RTX 2080 Ti | |
RX 6700 XT | |
RTX 3060 Ti | |
RTX 3060 | |
RTX 2060 SUPER | |
RTX 2060 | |
GTX 1660 SUPER |
GeForce RTX 4060 Tiは、2023年5月24日に発売された最新のGPU(グラフィックボード)だ。一世代前のRTX 30シリーズでは、圧倒的な人気を誇ったRTX 3060 Tiの後継機に位置している。処理性能は従来のRTX 3060 Tiと比べて16%ほど高く、価格帯は大きく変わっていないので、純粋に上位互換として選べるグラフィックボードだ。フルHDが主体だったRTX 3060 Tiと違い、WQHDへの高い対応力で注目を集めている。
次世代のゲームはフルHDを超える環境を前提としているものもある。その点で、時代に沿った性能を持つGPU(グラフィックボード)と言える。幅広いプレイ環境に対応できることで、これまでこの性能帯に興味がなかった方にも選びやすいモデルになった。RTX 3060 Tiからの買い替えはあまりメリットを見出だせないが、RTX 3060 Tiよりも性能の低いグラフィックボードからの買い替えであるなら、その性能の違いを体感できるはずだ。
NEXTGEAR JG-A7G6Tの特徴
1万円の値引きで圧倒的なコスパトを実現
NEXTGEAR JG-A7G6Tは登場時から価格を抑えたモデルとして当サイトでも注目していた。Ryzen 7 5700XとRTX 4060 Tiを搭載したモデルの中で最安値モデルだ。NEXTGEARシリーズはコストパフォーマンスに特化したモデルが多い。方向性を変更する前のG-Tuneのような特性を持っている。価格を強みにこの性能帯のモデルを牽引してきた。
そんなコストパフォーマンスに優れたNEXTGEAR JG-A7G6Tに1万円引きが適用されている。1万円はそれほど大きな金額に感じないかもしれない。しかし、この1万円は他のモデルを突き放すには十分だ。Ryzen 7 5700Xは価格を抑えやすいCPUである。それでも、他ショップでは17万円台に到達できていないモデルは多い。
価格と構成のバランスに優れ、誰にでもおすすめしやすいモデルだ。市場ではRTX 4060 Ti搭載モデル全体の価格は下落傾向にあるのも事実だが、NEXTGEAR JG-A7G6Tほど低価格を推し進めるモデルは少ない。他社BTOメーカーのセール・キャンペーンモデルに匹敵する価格設定だ。この価格帯では最強クラスのモデルと言えるのではないだろうか。
コストパフォーマンスの高さは、何も価格が安ければ到達できるというわけではない。NEXTGEAR JG-A7G6Tはこの価格帯には珍しく、しっかりした構成を持っている。価格を抑えるために構成を削っているわけではないのが素晴らしい。他の低価格モデルとは一線を画すモデルである。
低価格のモデルはチップセットA520を採用することが多い中、当該モデルではワンランク上のB550を採用している。電源も750W BRONZEと容量に余裕がある。SSD容量も1TBと現在の主流に乗っている形だ。価格は抑えても、構成までは削らない。それがNEXTGEAR JG-A7G6Tのコストパフォーマンスの高さにつながっている。最大の魅力は水冷式のCPUファンを搭載していることだ。Ryzen 7 5700Xに水冷はオーバースペックながら、豪華な構成と言える。
扱いやすい性能は上級者にもおすすめ
NEXTGEAR JG-A7G6Tの性能はミドルハイクラスに属している。フルHDなら240Hz環境を構築しやすく、最新のゲームでも144Hz環境を維持できるほどの性能だ。誰にとっても使いやすく、性能が無駄になりにくいのが特徴だ。強いて言えば60Hz環境でプレイする方にはオーバースペックになりやすいくらいだろうか。仮に60Hz環境であっても、最新のゲームを快適にプレイできるという点で優れた選択肢となり得る。
性能を無駄にせず、幅広い環境に対応していることから、初心者のみならず上級者にもおすすめしやすい。選びやすい価格・扱いやすい性能は万人に受け入れられやすい要素だ。迷ったらとりあえずNEXTGEAR JG-A7G6Tを選んでおけば間違いないと言えるモデルだ。もちろん、この価格帯でゲーミングPCを探している方に限るのは言うまでもない。RTX 4060 Tiの性能があれば、WQHDや4Kのような解像度でも快適なゲームプレイができる。
WQHDでは一部ゲームで240Hz環境が実現できる。4K解像度では60fpsでの安定を狙いやすい。人それぞれプレイ環境は異なるが、NEXTGEAR JG-A7G6Tは幅広く対応できるのでおすすめしやすい。ミドルクラスでは実現しにくい最高設定144Hzや240Hzを目指せるのも強みだ。ただし、240Hz環境に対応できても、240fpsでの張り付きが実現できるとは限らない。
おおむね200fps前後での安定は見込める。ゲームによっては240fpsの張り付きも可能だが、どこまでが満足のラインなのか人によって異なるので断言はできない。これまでミドルクラスを中心にゲーミングPCを選んできたなら、NEXTGEAR JG-A7G6Tの性能はワンランク上を確実に体験できる。
初めてなら期待通りの快適さを実現可能なモデルと言える。注意したいのはRyzen 7 5700Xのゲーム性能はCore i5-13400を下回るということだ。CPU性能が求められるゲームでは、それほどパフォーマンスを引き出せないこともある。それでも、RTX 4060 Tiの性能であれば十分カバーできる範囲だと見てよいだろう。
競合モデルとの比較
ブランド | NEXTGEAR | GALLERIA |
---|---|---|
イメージ | ![]() | ![]() |
製品名 | NEXTGEAR JG-A7G6T | GALLERIA XA7R-R46T |
ケース | ミニ | ミドル |
価格 | 169,800円(税込) | 169,980円(税込) |
送料 | 無料 | 3,300円(税込) |
CPU | Ryzen 7 5700X(水冷) | Ryzen 7 5700X |
GPU | RTX 4060 Ti | RTX 4060 Ti |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 1TB | NVMe 1TB |
電源 | 750W BRONZE | 650W BRONZE |
マザボ | B550 | B550 |
納期 | 最短翌営業日 | 最短翌営業日 |
基本保証 | 3年間 | 1年間 |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
今は構成的にNEXTGEAR JG-A7G6Tの方が上だが、GALLERIA XA7R-R46Tの価格が安くなればそれだけで選ぶ理由になりそうだ。NEXTGEAR JG-A7G6Tは、送料無料+基本保証が3年間とサポートが手厚いことは忘れてはいけない。NEXTGEAR JG-A7G6Tの購入を考えている方は同時にGALLERIA XA7R-R46Tもチェックしておきたい。
パソコンケースレビュー
画像は「NEXTGEAR JG-A5G1D」のものだ。CPUクーラー・グラフィックボードなどに違いがある点はご了承いただきたい。また、カスタマイズで赤色LEDケースファンを選択している。
梱包
非常にシンプルだ。説明書と電源ケーブルがついている。
かなりきれいに梱包されている。
正面
NEXTGEARを表したピンクのNGというデザインロゴが黒いケースに映える。2世代前のNEXTGEAR-Microを彷彿とさせる強力なフロントファンが、エアフローの強さを感じさせる。確認しづらいが、フロントファンは3連ファンとなっており、吸気性能は非常に高いことがわかる。右下には小さくNEXTGEARのロゴも見える。シンプルでありながら、ゲーミングPCとしての存在感のある重厚でスタイリッシュなデザインに仕上がっている。
ライトアップ
カスタマイズで変更可能な赤色LEDファンをライトアップ。カスタマイズなしはLEDファン非搭載なので注意。ゲーミングPCらしい派手なライトアップはガラスサイドパネル採用ケースには映える。従来のケースと異なり、サイドパネルを変更した上でLEDファンへ変更ではない。標準でガラスサイドパネル採用のケースである。単にLEDファンに変更するだけなので、コストも抑えられており、デザインを意識した選択がしやすくなっている。
I/Oパネル
I/Oパネルは最近のゲーミングPCに多い天板に搭載されている。USB 3.0が2つにイヤホン・マイクの入出力端子が1つのオーソドックスなものだ。一般的にUSBの接続端子が黒色はUSB 2.0を指すが、NEXTGEARのケースでは黒色でも3.0となっている。背面の黒色は2.0、青色は3.0となっているので少しややこしく感じる。天板部に黒色のUSB 3.0を採用したのはデザインを重視してのことだろう。
イヤホンマイクの入力端子にしても、I/Oパネルがケース全体の雰囲気を損なわない工夫だ。電源スイッチが黒く四角いタイプであることもケースデザインやカラーの基調に合わせたものだ。小さなところかもしれないが、こういった工夫がゲーミングPCのデザインと言える。
また、天板部には取り外し可能な防塵フィルターが装着されている。天板にも2基のファンがあり、吸気の強さを感じさせる。その分だけ埃の吸入も多くなるので、防塵フィルターの存在はありがたいものだ。パソコン内部に埃がたまりにくくなれば、それだけ長く使い続けることができる。本当によく考えられたケースであり、NEXTGEAR-Microの正当な後継機と言えそうだ。
右側
NEXTGEARのケースの右側はエアホールのないカバーのみとなっている。左側がガラスサイドパネルであることを考えると、空気の出入りは左右から行われない構造である。吸気が強いことで、空気が横に流れずに正しいエアフローを構築するような形だ。フロント3基、天板2基のファンのよさを損なわないカバーである。
右側内部
右側パネルの中は背面通しが可能なケーブルマネジメント機構となっている。ボトムカバーと合わせて、ケーブルを見せずにすっきりさせる形状となっている。また、2つの2.5インチシャドウベイも右側パネルの中にある。SATA SSDを搭載する際は、ここに固定することで表からはSATAケーブルのみ見える形になる。すっきりするだけでなく、接続しにくい電源ケーブルに近いことでセットアップが容易になる。
搭載されているファンが多いことで、少しケーブルがごちゃごちゃして見えるかもしれない。しかし、表からは見えないようにすっきりさせるというポイントはしっかり抑えられている。意外とこういった形状は管理がしやすく、ケーブルの破損も少ないので合理的なものだ。
左側内部
ガラスサイドパネルを外しての撮影だ。これだけすっきりしていると、ガラスサイドパネルを外さなくてもパソコン内部を確認できる。できるだけケーブルを見せないことで、各パーツの視認性が上がり、取り外しも非常に容易になる。3.5インチベイを採用しないことで、フロント部の余分なスペースを上手く利用できている。ファンを搭載し、3.5インチベイや2.5インチベイにエアフローを阻害されることがない。
ボトムカバーを採用しており、電源周辺のケーブルもうまく見えなくしている。また、デザインの重さを下部に集中させ、3.5インチベイや2.5インチベイを廃止したことで、上部まで広くすっきりして見える。スペースを広く確保しつつ、ボトムカバーで底上げをすることで、ケーブルに光が吸収されにくく、しっかりとLEDが反射しやすくなる。単にLEDファンを設定できるだけではない。LEDファンを搭載することを前提としているからこそできたケース内部だ。最近のデザイン偏重のケースにも負けないスタイリッシュな内部だ。水冷クーラーのラジエーターも設置できることから、実用性の高さもうかがい知れる。
背面
背面ははっきり言ってデザインを台無しにしやすい。ケース全体が黒なのに背面は銀色というのはよくある。ケースのしっかり合わせたカラーと形状をしており、評価を高めている。剛堅さを感じさせるフォルムに、使い勝手のよさを思わせる構造がある。
気になったのは背面ファンの取り付け位置だ。可変式の固定具があり、位置やサイズをあまり気にせず取り付けられそうだ。天板にファンを搭載しているケースにはよくあることだが、14cmファンなどの大きなタイプは干渉して取り付けられないことがある。それを考えてか、取り付け位置を上下に調整できるようになっている。これは天板のファンを交換することがあると恩恵を受けられる。大型、特殊なファンや機構を天板に取り付けると、設置できる背面ファンが限定されてしまいがちだ。それを防ぎ、幅を広げられている。デザインや機能を活かす機構が備わっているのは素晴らしい。
もう一つの注目点はPCIEカバーの留め具というのだろうか。スロットカバーを固定する箇所だ。内部にネジで固定するのではなく、外部の留め具に固定することで取り外しがしやすくなる。その留め具部分がしっかりケースと一体化しているのに驚く。実用的にもデザイン的にも軽視されやすい箇所を、しっかりとデザインの一部にしている。こほど完成度の高い背面は見たことがない。間違いなくNEXTGEARのケースは歴代のマウスコンピューター製品で最高峰の傑作である。
底
底面はマウスコンピューターの得意分野であると言える。おなじみのマグネット付きの防塵フィルターで、埃の吸引を抑えている。底面に関して少しても衝撃はあった。それは、底面の吸気箇所が完全に電源に集約されていることだ。G-Tuneのミニタワーは底面全体にエアホールがあり、全体を覆う防塵フィルターを採用していた。それをNEXTGEARでは実用性に完全に割り振っている。フロント3基、天板2基の吸気ファンは底面にも影響を与えていたのだ。
電源部分にのみ吸気口を用意しており、防塵フィルターもその部分だけにしている。これは完全に電源のためのスペースとして準備されている。電源の冷却と防塵のみを考えており、電源のパフォーマンスを安定させる構造だと言える。それはケース底面四隅の足を見てもわかる。一般的なパソコンやゲーミングPCはあまり高くないゴム足が採用されている。
そのため、底面はメンテナンスがしにくく、埃もたまりやすい環境になる。当然埃の吸入も多くなり、電源へのダメージは大きい。これだけの高さのあるNEXTGEARなら、電源は安定した吸気が可能となる。さらに、防塵フィルターの存在で電源へのダメージは軽微になるはずだ。ただ、防塵フィルターは定期的に水洗いして乾かすなどのメンテナンスが必要になる。
管理人による総評(NEXTGEAR JG-A7G6T)

NEXTGEAR JG-A7G6Tは、Ryzen 7 5700X×RTX 4060 Ti搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCである。最新のケースを搭載したゲーミングPCであり、これまでのG-Tune製品とは違ったコンセプトを感じるモデルに感じる。性能・構成・価格・サポートを充実させており、新しいゲーミングPCの形を生み出そうとしているようにすら見える。
Ryzen 7 5700XとRTX 4060 Tiを搭載したモデルは人気になりつつある。その中で、NEXTGEAR JG-A7G6Tは間違いなく頭一つ抜けた存在である。特に、手厚いサポートは初心者ユーザーにも受け入れやすい。充実した構成は性能を上手く引き出せるようになっている。
フルHDのみならず、WQHDをも視野に入れた性能だ。CPUクーラーに水冷式を搭載したことで、CPUの冷却性能は非常に高くなった。CPU負荷の高い用途に関しても、問題なく安定したパフォーマンスを発揮できる。用途を選ばない高い対応力を持ったゲーミングPCと言える。低評価が続いたマウスコンピューター製品にも、圧倒的な存在感を放つモデルが登場した。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
169,800円(税込) | 7 5700X | RTX4060Ti |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 16GB | 1TB | 非搭載 |