
紅の砂漠の必要スペックと推奨PCを検証していく。広大なフィールドで繰り広げられるオープンワールド・アクションアドベンチャーだ。2026年3月20日登場したばかりの最新タイトルとなる。要求スペックは控えめながら、表記されるスペックが少し古いCPU・グラフィックボードでわかりにくい部分がある。推奨環境から考えるとミドルクラス程度の性能でも対応できそうだ。
これまでにない広大なフィールドを持つゲームタイトルであるため、実際にプレイするとミドルクラスでは性能が十分とは言えないかもしれない。そこはDLSSなどのAI技術で補えるだろう。一部地域では負荷が高くなったり、アップデートで微妙に負荷が高くなったりもすると考えれば、ミドルクラスよりも余裕をもたせた方が無難だ。おすすめのゲーミングPCについて早く知りたい方は「紅の砂漠向けおすすめのゲーミングPC」を参考にして欲しい。
紅の砂漠の必要&推奨環境【公式発表】
| 項目 | 最低 | 低 | 推奨 | 高 | ウルトラ |
|---|---|---|---|---|---|
| プリセット | Minimum | Low | Medium | High | Ultra |
| 基準 | 900pベース 30fps | 1080p 30fps | 1080p 60fps 4K 30fps | 1440p 60fps | 4K 60fps |
| CPU | Ryzen 5 2600X Core i5-8500 | Ryzen 5 5600 Core i5-11600K | Ryzen 5 7600X Core i5-12600K | Ryzen 7 7700X Core i5-13600K |
|
| GPU | RX 5500 XT GTX 1060 | RX 6500 XT GTX 1660 | RX 6700 XT RTX 2080 | RX 7700 XT RTX 4070 | RX 9070 XT RTX 5070 Ti |
| メモリ | 16GB | ||||
| OS | Windows 10 64bit 22H2 以上 | ||||
ゲームの性質上、激しいアクション要素もあるため30fpsでは不満に感じやすい。最低でも60fps以上は確保しておきたい。推奨のスペックを満たしていればプリセットを下げることで高いフレームレートも確保できるはずだ。また、DLSSなどでフレームレートを高めることで、低環境でも60fpsは現実的になると見ている。
ゲームのアップデートは負荷やストレージ容量が高まるばかりではない。場合によっては最適化が進み負荷が軽くなることもある。もちろん、希望的観測でスペックを低く見積もるのは避けたい。DLCの登場やマルチプレイ環境の拡充など、アップデートの幅を考えると負荷が高くなると考えるのが自然だ。
MMORPGとは比べ物にならない広大なフィールドを目玉にした紅の砂漠はミドルハイクラスを中心に考える方が無難だ。フルHDの推奨環境はRyzen 5 5600とGeForce RTX 2080が指定されている。現在販売されているモデルのスペックに置き換えればRyzen 7 5700XとGeForce RTX 5060でクリアできる。現行のミドルクラスで対応できるゲームだからこそ、少し余裕を持たせたミドルハイクラスを選択肢に加えたい。
紅の砂漠はグラフィックの鮮やかさも持ち味だ。WQHDや4Kのような高解像度でのゲームプレイも検討したい環境と言える。その場合はRyzen 7 7800X3DとGeForce RTX 5070 Ti以上の環境が求められる。最低限プレイするにはロークラスでも対応できるが、最高の環境を求めるとハイエンドクラスに到達する。最新のゲームらしく要求スペックが高い。一方で、プレイするためのハードル自体は低い。
幅広い環境に対応できるのもまた、最新のゲームの特徴だ。公式の動作環境ではDLSSに対応していないグラフィックボードが指定されているが、紅の砂漠はDLSSに対応しているため、実際にはミドルクラスでも余裕はあるかもしれない。激しいアクション要素のあるゲームなので、高いフレームレートであることに越したことはない。
意外にもメモリ容量は16GBで固定されている。このクラスになると推奨環境は16GBでも高解像度になると32GB程度は要求されるかと考えていた。メモリの高騰が続く現在の状況から、ユーザーにとってクリアしやすいハードルのように感じる。最近はVRAMの容量を指定するゲームも多い。GeForce RTX 2080はVRAM 8GBだ。推奨環境でもVRAMの容量はそこまで気にしなくてよさそうだ。
PlayStation 5との比較
| 項目 | パフォーマンス設定 | バランス設定 | 品質設定 |
|---|---|---|---|
| PS5 | 1080p 60fps | アップスケール4K 1280pベース 40fps |
アップスケール4K 1440pベース 30fps |
| PS5 Pro |
アップスケール4K 1080pベース 60fps |
アップスケール4K 1440pベース 40fps |
4K 30fps |
| PC基準 | 推奨設定相当 1080p 60fps 4K 30fps | ||
参照外部サイト:(Pearl Abyss公式,2026)
各コンシューマー機の設定環境も発表されている。ここではコンシューマ機の中でも比較的スペックの高いPlayStation 5/Proがパソコンの環境ではどの程度なのかを確認していこうと思う。結論から言えば、PlayStation 5/Proともにパソコンの推奨設定と同等のパフォーマンスを発揮できる。PlayStation 5/Proはアップスケーリングを用いた4Kでのゲームプレイを想定しているようだ。フルHDであればもう少し余裕がありそうな気はする。
また、レイトレーシングの設定もそれぞれ異なるため、純粋にパソコンの推奨環境と同等とするのはむずかしい。パソコンはレイトレーシングのオンとオフの設定しかないからだ。画質で比べるとパソコンの推奨設定か高設定で考えた方がよさそうだ。
パソコンもコンシューマー機も60fpsをひとつの上限に公式は考えているようだ。ゲーム性を考えるともう少し高いフレームレートを目指してもよいと思う。より高いフレームレートを目指すならパソコンに適正がある。推奨設定を満たしたパソコンでプリセットなど設定を下げればより高いフレームレートで安定するからだ。
PlayStation 5/Proはアップスケーリングを前提としていることから、あまり高解像度に適正はない。PlayStation 5 Proの品質設定はアップスケーリングなしの4Kだが、目標パフォーマンスは30fpsとゲームプレイには満足しにくい。PlayStation 5のパフォーマンス設定ではフルHDで60fpsが目指せるようだ。フルHD以下なら120fpsも夢ではないのではないだろうか。
画質の高さを求めたり、120fpsを超えるフレームレートを目指したりするならパソコンがよい。フルHDで60fpsならPlayStation 5、少しフレームレートを求めるならPlayStation 5 Proという選択がベストだろうか。すでにPlayStation 5/Proを所持していて画質を求めない場合は、パソコンに買い替える必要はないだろう。
今後ModやDLCが登場すると状況が変わる可能性はある。徹底解剖の推奨環境は推奨設定を基準としているため、品質設定には対応できない。パソコンは幅広い設定に対応できる反面、相応に高い性能が求められる。何もしらずに現行のロークラスを購入してしまうと、最低設定でも60fpsを実現するのが難しくなる。
PlayStation 5/Proと同等の環境を築くには、パソコンは推奨設定を満たせる性能が必要だ。さらに高い解像度で高いフレームレートを目指すにはより優れた性能を持つパソコンが必要になる。アップデートで負荷が少しずつ高くなることを考慮するとパソコンの方が対応しやすい。長くプレイするのであれば適性はパソコンの方が高い。
紅の砂漠推奨モデル選びのポイント
Ryzen 5 7500F×GeForce RTX 5060を基準に考えよう
| フルHD 60fps | フルHD 144fps | |
|---|---|---|
| CPU | Ryzen 5 7500F | Ryzen 7 7700 |
| GPU | GeForce RTX 5060 | GeForce RTX 5060 Ti 8GB |
| メモリ | 16GB | 16GB以上 |
公式の推奨環境を基準にして、徹底解剖が推奨するスペックをまとめた。フルHDのプリセットMediumとなる。WQHDや4Kに関しては、公式のスペックが現行に近いため、そのまま参考にした方がわかりやすい。フルHDではRyzen 5 5600とGeForce RTX 2080が指定されている。CPUは稀に見かける程度で、グラフィックボードは搭載モデルがすでに販売されておらずどのくらいの性能なのかわかりにくいはずだ。
60fpsではRyzen 5 7500FとGeForce RTX 5060の組み合わせがよい。オーソドックスなミドルクラスで、価格を抑えたコストパフォーマンスモデルとして注目だ。GeForce RTX 2080はGeForce RTX 5060よりも少し性能が低い。GeForce RTX 5060はDLSSに対応していることからも、フレームレートを伸ばしやすいのも魅力だ。
最新技術を用いるという点ではGeForce RTX 5050でも対応は可能だ。GeForce RTX 5060とあまり価格差がないため、あえてGeForce RTX 5050を選ぶ必要はないと判断してGeForce RTX 5060を推奨している。画質もフレームレートもそこまで求めないなら十分だ。
144fpsではRyzen 7 7700とGeForce RTX 5060 Ti 8GBのミドルハイクラスである。こちらもDLSSの恩恵でフレームレートが伸ばしやすい。プリセットMediumから少し設定を高くしても144fpsは可能だ。場面によっては大きく落ち込むことがある。許容できる範囲で設定を変更するとよい。
CPUとグラフィックボードのバランスを重視

紅の砂漠は要求されるCPUがやや高めな印象がある。多くのゲームに見られるグラフィックボードに重きを置いた動作環境ではない。紅の砂漠はどちらにも偏っていないバランスのよいスペックが要求される。WQHDや4Kのような高解像度は、CPUの性能が影響しにくい。そのため、グラフィックボードに対してボトルネックが生じない程度のスペックを選ぶのも悪くない。
フルHDに関してはCPUを軽視するとフレームレートに大きな影響を与える可能性がある。ミドルクラスやミドルハイクラスで人気のRyzen 7 5700Xはあまり適していないように感じる。最低でもRyzen 5 7500Fは見ておきたい。いかによいグラフィックボードを搭載していても、その性能を発揮できないCPUでは苦しい。グラフィックボードに合わせるだけのCPUを選ぶのも少し違う。
これから登場してくるゲームは、CPUとグラフィックボードのバランスが求められる。それは2025年以降に登場した負荷の高いゲーム全般に言えることだからだ。特に、フルHDでのゲームプレイはフレームレートを高くしやすいことがメリットにもなっている。CPUを妥協するなら、グラフィックボードのグレードをひとつ下げてでもCPUとバランスを取りたい。
もちろん、過度に神経質になる必要はない。Ryzen 5 4500とGeForce RTX 5070 Tiのような組み合わせやRyzen 7 7800X3DとGeForce RTX 3050 6GBのように極端な組み合わせを避ければ問題ないはずだ。グラフィックボードを基準にゲーミングPCを選ぶとしても、CPUを軽視してはいけないというだけだ。
高解像度でのゲームプレイはメモリ容量に注意
紅の砂漠の動作環境はすべての解像度でメモリ16GBとなっている。紅の砂漠を高解像度でプレイするなら、余裕を持たしつつ将来性を確保する意味でも32GBがおすすめだ。フルHDでは問題なくても、WQHDや4Kになると少し不安要素がある。メモリの必要容量は年々大きくなっているのは間違いない。紅の砂漠をはじめ、今後登場するゲームにメモリ16GBは十分な容量というよりも最低限の容量になると考えておきたい。
紅の砂漠のゲームクライアントだけの起動なら気にしなくてもよい。動画を視聴したり、別のアプリケーションを起動したりしながらのゲームプレイでは要注意だ。ほぼすべてのゲームでフルHDと4Kとでは消費するメモリ容量が違う。同じ16GBでもフルHDには余裕があり、4Kではギリギリになっているかもしれない。ゲームのアップデートで容量が少し増えれば16GBを超えてしまうだろう。
韓国産のゲームは16GBの次に指定される容量が32GBであることが多い。高解像度でのゲームプレイを想定している場合は、先を見据えて32GBを推奨する。フルHDで紅の砂漠をプレイ予定なら、公式の動作環境通りの16GBでも十分だ。注意したいのは、最新のゲームの中にはメモリ32GBを推奨環境に挙げるタイトルが増えていることだ。
ゲーミングPCにメモリ16GBが当たり前になった頃、PCゲームのほとんどがメモリ16GBに満たない容量を推奨環境としていた。今は16GBを超えるゲームは散見されるだけだ。それでも、ほとんどのゲームがメモリ16GBを推奨するようになっている。
紅の砂漠の概要
延期も納得の高品質なグラフィック

紅の砂漠(Crimson Desert)は、その名を聞いたときに多くのゲーマーが耳を疑ったのではないだろうか。ご想像の通り、黒い砂漠(Black Desert)と同じ開発・運営のPearl Abyssが展開する最新のゲームだ。当初は2021年に登場予定だったゲームで、延期に次ぐ延期で5年越しのリリースとなった。
この間にも自社開発のエンジン「BlackSpace Engine」によりグラフィックは当初予定されていたものよりもクォリティが大幅にアップしている。オープンワールドの特性を活かしたシームレスな移動は、区切りされていない世界を作り出す。マップが切り替わると季節感や世界観も変わってしまうような突飛な設計ではない。徐々に自然な形で風景が変わっていく様は、車窓から眺める紅葉のような、いつまでも楽しめてしまう圧倒的なグラフィックが実現している。
グラフィックのよさを考えると要求スペックは低いのではないか。この性能でこれだけのグラフィックを実現できるのか。ゲームの進化をまざまざとみせつけられるだろう。レイトレーシングにより草木は風邪に揺れ、雪道には足跡が残る。小さなアクセントが豊かでリアルな世界を創造する。
金属や革の質感にもこだわりが見える。雨や水に濡れた際の質感や作り込み、霧や光の差し込みなどしっかりと表現されている。それは戦いの最中にも見える。戦闘中の建物などの破壊は物理法則に従っている。大雑把な処理ではなく綺麗にそしてリアルに崩れていく。
雨の中移動すれば、衣服が濡れて徐々に重くなるように見える。細かな部分にグラフィックのこだわりがある。あまり気付けない部分にも手を抜いていない。たとえば髪の毛一本一本の動きもしっかり揺れ動き、視線にも違和感がない。ここまでの作り込みとグラフィックの進化があるなら繰り返される延期にも納得だ。
黒い砂漠と共通した部分がある

発表時、紅の砂漠は世界的に人気を博した黒い砂漠の続編に近いポジションだった。時系列でいうと紅の砂漠は黒い砂漠の前日譚を描いたMMORPGとして予定されていた。延期を繰り返すうちに、いつの間にかシングルプレイの本格的なアクションRPGのような設計に変更された。
結果として、黒い砂漠とは同じ世界観を持つまったく異なるストーリーを持つゲームとなった。それでも、黒い砂漠でお馴染みのブラックストーンや一部大陸・都市名が共通しているようだ。黒い砂漠の前日譚ではなくなったものの、前日譚として作成していた名残のようなものが存在している。イースターエッグのような感覚で楽しめる要素とも言えるかもしれない。黒い砂漠をプレイしていた方は、思わずにやりとしてしまうこともあるだろう。
最大の特徴である戦闘は、それこそ黒い砂漠のようなスタイリッシュなアクション要素が受け継がれている。ただスキルを乱発すればよいというものではない。相手の攻撃を見極め、自分のスキルの特徴をしっかり判断しながら戦い抜くことになる。黒い砂漠とまったく同じシステムではないものの、操作に違和感を覚えないくらいには共通したものがある。
紅の砂漠は、グラフィックとゲーム性が進化したシングルプレイの黒い砂漠のようなゲームだ。重厚な物語とテンポのよい戦闘は、シングルプレイのゲームに適したコンセプトだ。もしかすると、今後シリーズ作品として紅の砂漠の続編が登場するかもしれない。そういった展開にも期待している。元々前日譚として始まった紅の砂漠は、最終的に前日譚ではなくなった。シリーズ化すれば、いつの日か黒い砂漠と紅の砂漠が交わるような展開になっていくことも考えられる。
マルチプレイ要素の追加
紅の砂漠はシングルプレイのアクション・アドベンチャーというジャンルだ。しかし、シングルプレイをメインにしつつも、マルチプレイのコンテンツ追加を検討しているとのことだ。協力してダンジョンを攻略するMORPGの要素やPvPが追加されると予想される。
これまでシングルプレイのゲームがマルチプレイに対応した事例は多くあるが、RPGというジャンルではかなり珍しいように感じる。マルチプレイに対応するなら最初から実装するからだ。Euro Track Simulator 2は後からマルチプレイを実装したが、マルチプレイ自体がそこまでゲーム性を向上させる要素ではなかった。同じフィールド内に他のプレイヤーがいてもやることは変わらないからだ。NPCの他にプレイヤーがいるだけで協力して攻略が容易になることはない。
紅の砂漠は開発時点でMMORPGとして設計していたこと、黒い砂漠のノウハウがあることでマルチプレイへの対応がやりやすい。RPGやアクション系のゲームはマルチプレイに対応することでゲーム性が大きく向上する。シングルプレイでは難易度的に攻略がむずかしいダンジョンの実装など、エンドコンテンツの拡充にもつながる。
最初から実装しない理由として、ストーリーをじっくり楽しんでもらった後にプレイしてほしいという考えもありそうだ。シングルプレイのRPGはDLCやModでコンテンツを広げなければ、クリアした段階でやることがなくなる。長く楽しんでもらうためにもマルチプレイの実装は歓迎だ。登場時点では未実装なので注意してほしい。
紅の砂漠のプレイレポート
不親切さを感じる操作とストーリー

紅の砂漠は黒い砂漠をプレイしていた筆者も期待のタイトルだ。発売と同時に購入してプレイした。ダウンロードとインストールに思った以上に時間を要した。こんなことなら徹夜などせずにダウンロード中に一眠りしておけばよかった。ゲームパッド推奨ではあるものの、黒い砂漠はキーボード・マウスでプレイしていたのでゲームパッドは使用しなかった。もしかするとこれがいけなかったのかもしれない。
スタートするとチュートリアルのようなストーリーが始まる。移動がもっさりしているように感じて、少し嫌な予感がした。夜の森の景色はとてもよかったが、グラフィックの品質が上げすぎたハードルを超えることはなかった。はっきりと言ってしまえば、この程度かと少し残念にさえ感じた。グラフィック設定はウルトラ以上だ。
ここだけ台風でも直撃しているのかと思うくらいバサバサと風に煽られ大きく揺れる草木には、木に擬態したモンスターなのではないかと思うほどの異様さがあった。発売前の情報では、独自エンジンにより草木が風に揺れる表現を実装したという触れ込みだった。そんな生易しいものではなく、きれいなはずの風景が不気味に映るほどだ。
もっさりした徒歩移動で仲間の元に向かい会話が始まる。どこに行って誰と話せばよいのかわからないまま、ミニマップに示された場所に向かう。勝手にムービーや会話が始まるわけでもなく、会話を始めるボタンもすこしわかりづらかった。こういった部分を体験させることで操作を理解させるのはチュートリアルらしいなとも思っていた。
ここから一気に怒涛の展開で戦闘開始となる。戦闘自体はチュートリアルらしく、操作方法を懇切丁寧に教えてくれる。ただ、教えてくれるだけだ。実際に指定された行動ができているのかはわからなかった。とりあえず敵を片っ端から倒さなければならず、終わった頃には左クリックと右クリックしか使っていないことに気づく。
こういう操作をしろと言われても、その通りに行った攻撃と通常の左クリック攻撃の違いがわからない。一度教えたことはもう繰り返して教えてくれないので、少しずつ戦闘が進む度に細かな操作が不要なクリック攻撃だけで終わってしまった。何をどうすればよいのか。どういった攻撃なのかわからないままチュートリアルが終了した。
少し残念だったのはストーリーの急展開だ。正直なところ、発売前に様々なメディアから発表されていた「傭兵団のリーダー」という立場を知らなければ、チュートリアルの展開は理解できなかっただろう。事前に情報を知らないとストーリーが難解なのはRPGでは没入感を薄めるようにも感じた。MMORPGではよくあることで、突然ほっぽり出されてお使いやイベントムービーで強制的に先に案内されていく展開に近い。
中盤以降はもしかしたら改善されるかもしれない要素として、持久力(スタミナ)が挙げられる。他のゲームと比べて極端に少なく、移動で使用し続けるのは現実的ではない。緊急回避などを想定されているようで、これも戦闘中のもっさり感につながっている。
ゲームボリュームは価格以上
紅の砂漠はSteamで定価9,680円とフルプライスと呼ばれる価格帯だ。気軽に購入しようとはならず、じっくり吟味しているゲーマーも多いのではないだろうか。紅の砂漠は広大なオープンワールドを魅力としているだけに、コンテンツやゲームボリュームは十分過ぎるくらいにある。
このゲームの最大の難関は序盤だ。チュートリアルを終えて、しばらく進めていかなければ世界の広さや謎解き、拠点の運営などが始まらない。序盤を超えてしまえばできることの多さ、世界の広さを感じられるようになるはずだ。現在Steamの評価は賛否両論となっている。それだけ序盤を超えられなかったゲーマーが多いということでもある。
グラフィック品質がそこまでよくなかったと感じたものの、高所からの見晴らしや夜の雰囲気はとてもよかった。できることが増えると、風景をじっくり眺めることは少なくなり、移動中などに見切れていく風景を横目で見るような感覚だ。そのとき、紅の砂漠のもつグラフィック品質の高さを感じることがある。じっくり見るよりも、なんとなく映る風景の魅力を高めるような品質だ。
RPGではおなじみのお使いクエストをこなしていき、操作を含めてUIやシステムに慣れた頃、できることが多くなっていた。無理やり投げ込まれたようなストーリーも結びつきはじめ、RPGとしてとてもおもしろくなってくる。しかしながら、筆者はできることの多さに面白さや喜びを感じるよりも絶望を味わっていた。
全体的に説明不足なのだ。一度説明したことは説明しない。どこかのマーダーミステリー系のゲームを彷彿とさせる。本当に説明したのか、まだ説明を受けていないのかわからなくなっていく。拠点運営も慣れてくるととても恩恵の大きいシステムのようだが、できることの多さに何をすればよいのかわからない。何から手をつけるべきかと考えている間に、メインのストーリーを進めるしかなくなった。
ボリュームたっぷりで何でもできるというのは、何をすればよいかという疑問の答えにはならない。散々迷走した挙げ句、立ち止まってしまった。普段シングルプレイのRPGをプレイしないだけに、一方通行の道筋がなければ進めなくなっていた。これは飽きるより先に疲れそうだと思った。
紅の砂漠は今後もアップデートが続き、不満の多い箇所は改善していくと発表された。全体で言えばまだまだ序盤でこうも身動きが取れなくなると先が思いやられるものだ。はっきり言えるのは、飽きるには相当な時間を要するということだ。定価9,680円なら安いと思えてしまうゲームボリュームである。
全体的に慣れが必要

操作にしてもUIにしても、紅の砂漠はこういうものだと慣れてしまえば十分やりこみできるゲームだ。ここまで様々な良い点・悪い点を述べてきたが、悪い点に関しては慣れてしまえば問題なくなるだろう。発売から時間が経てば情報も多く出てきて、わかりにくい部分を解明してくれる情報サイトも出てくるはずだ。
発売初日に200万本、4日で300万本を達成した紅の砂漠は、これからどんどん最適化されていくだろう。それは公式のアップデートやゲームユーザーの情報共有を含めてだ。マルチプレイも始まれば、困難な状況を乗り越えやすくなり、シングルプレイでは攻略不可能とも思える強敵の登場を予感させる。
Steamに登場するビッグネームは、最初期の評価が「賛否両論」に落ち着きやすい。紅の砂漠も「賛否両論」だ。ユーザーからのフィードバックで様々な改善を行うと発表しているので今後はプラスに傾くと見ている。それこそ、PEARL ABYSSが運営する黒い砂漠もかなり柔軟な対応を見せた。登場時は回復職無し、テレポートで拠点移動するようなシステムは無いと公言していたが、ユーザーからの不満が高まると難なく実装した。
ユーザーの声を反映する運営だと考えれば、慣れる頃には不満を生み出す要素はなくなるかもしれない。根本的な部分は変更されないと考えている。たとえば操作のレスポンスやもっさり感のある移動や戦闘だ。このあたりは慣れなければどうしようもない部分だ。
慣れで対応するか、改善を待つ部分かの判断でゲームの良し悪しは変わる。不満に思う部分はあるが、改善される可能性も十分ある。それならまだ楽しめる部分の方が大きいと考える。登場したての紅の砂漠は、まだ完成されたわけではないのだろう。よく言えば、ユーザーと完成に向かって作り上げていくゲームだ。
パソコンの要求スペックは比較的軽め

筆者のパソコンスペックはCore i9-12900KにGeForce RTX 4080 SUPERを組み合わせた性能だ。グラフィックボードの性能は高いものの、CPUのゲーム性能は現行のCore Ultra 5 245KやRyzen 5 7600Xと同等だ。グラフィックボードの性能に偏ったゲーミングPCを使用している。フルHDでウルトラ設定や最上位のシネマティック設定で快適にプレイできた。
昨今のゲームはCPUの性能も求められる傾向にある。公式の動作環境はウルトラ設定でもRyzen 7 7700Xと控えめながら、蓋を開けるともっと高い性能を求められることも珍しくない。紅の砂漠はしっかり最適化されているようで、公式の動作環境で問題ないようだ。
ウルトラ設定の動作環境はRyzen 7 7700Xの他にCore i5-13600Kが指定されている。このCore i5-13600Kは、筆者のCore i9-12900Kより僅かにゲーム性能が高い。ほぼ同等といったところだろうか。つまり、公式のPC動作環境より少し低くてもウルトラ設定で快適な動作が可能ということだ。
序盤はウルトラ設定で進め、チュートリアル終了後から最上位のシネマティック設定でプレイした。負荷がかかる場面はあっても、カクつくこともなければ操作にラグを感じることもなかった。一定のCPU性能があればグラフィックボードの性能の方が重要なのかもしれない。そういった意味ではオーソドックスなPCゲームで、特別な対策は必要なさそうだ。
画像は少し見にくいが、シネマティック設定で206.81fpsも出ている。VRAM消費量は4.76GBなので、やはり8GB未満のVRAM搭載のグラフィックボードでも余裕を持って対応できそうだ。ゲームプレイ中のメモリ消費量もそこまで多くはなかったので、PC動作環境通り16GBを基準に考えたい。注意点としては、今後のアップデートで徐々に要求されるスペックが高まり、PC動作環境が更新される頃に16GBで十分かどうかわからない。
登場間もない時点では、負荷も軽く要求スペックもPC動作環境通りであることの方が多い。数回の大型アップデートが適用された後から、PC動作環境と実際に要求されるスペックに差が出てくるものだ。現時点ではしっかり最適化された遊びやすいゲームという印象だ。
紅の砂漠向けおすすめのゲーミングPC
LEVEL-M155-R57X-DEX (パソコン工房)
価格:189,800円 143,800円+送料2,200円
CPU:Ryzen 7 5700X
GPU:Radeon RX 7600
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
マザボ:チップセットB550
コスパ:8.8
紅の砂漠の推奨環境には満たないが、本機なら設定を下げれば快適にプレイできる。画質やフレームレートを求めず、予算を抑えたい方には優秀な選択肢になる。場合によっては解像度をフルHDより下げてアップスケーリングで拡大するなど、60fpsを確保する手段はいくつもある。画質が魅力の紅の砂漠をプレイするには少し物足りなさはあるものの、ゲームを楽しむならLEVEL-M155-R57X-DEXで十分と言える。
THIRDWAVE AD-R7X56A-01W Ryzen7 5700X搭載 (ドスパラ)
価格:164,980円+送料3,300円
CPU:Ryzen 7 5700X
GPU:GeForce RTX 5060 GeForce RTX 5060 Ti 8GB
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
マザボ:チップセットB550
コスパ:9.3
4月1日までキャンペーンでグラフィックボードがGeForce RTX 5060からGeForce RTX 5060 Ti 8GBへ無償アップグレードされている。通常のGeForce RTX 5060であれば推奨環境程度で、比較的価格を抑えたモデルとしておすすめだ。無償アップグレードされている状態では、推奨環境を満たしつつ、プリセットを高く設定したり解像度を上げたりしても対応できる性能だ。紅の砂漠を遊び尽くすには最適なモデルだ。
THIRDWAVE AD-R5A56A-01W Ryzen5 7500F搭載 (ドスパラ)
価格:184,980円+送料3,300円
CPU:Ryzen 5 7500F
GPU:GeForce RTX 5060 GeForce RTX 5060 Ti 8GB
メモリ:DDR5-4800 16GB(シングルチャネル)
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
マザボ:チップセットA620A
コスパ:調査中
CPUのランクを一つ上げたモデルだ。Ryzen 5シリーズながらZen 4アーキテクチャになり大幅にゲーム適性が向上している。GPUとのバランスを考えるなら好ましい選択といえる。紅の砂漠だけではなく幅広いタイトルに対応しやすい。メモリDDR5-4800 16GB、SSD 500GB Gen4 NVMeと構成は平凡だ。電源は650W BRONZEとなる。
THIRDWAVE AD-R7D57A-01W Ryzen7 7800X3D搭載 (ドスパラ)
価格:289,980円+送料3,300円
CPU:Ryzen 7 7800X3D
GPU:GeForce RTX 5070
メモリ:DDR5-4800 16GB(シングルチャネル)
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
マザボ:チップセットA620
コスパ:8.8
徹底解剖の推奨環境144fpsと公式動作環境の高設定を満たしている。紅の砂漠長くプレイするために必要な性能を持ったモデルだ。大型アップデートやDLCで負荷が増大した際に、求められるVRAM容量が増えるかもしれない。性能は足りていてもVRAM容量が不足する事態に備えた将来を見据えたモデルだ。公式の動作環境では推奨設定のひとつ上の高設定に対応できる。WQHDで60fps以上のパフォーマンスを発揮できる。プリセットを下げれば4Kにも対応できるのが本機だ。紅の砂漠を長く遊び尽くすならおすすめだ。
NEXTGEAR JG-A7A7X(ホワイト)(マウスコンピューター)
価格:329,800円+送料無料
CPU:Ryzen 7 7800X3D(水冷 240mm)
GPU:GeForce RTX 5070
メモリ:DDR5-5200 16GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:850W 80PLUS GOLD
マザボ:チップセットA620A
コスパ:9.5
公式動作環境のウルトラを満たしたハイエンドクラスと言ってもよい性能を持つモデルだ。圧倒的なゲーム性能で4K環境にも対応できる。環境を選ばず、スペックを気にせずプレイできる。フルHDやWQHDであれば144fpsを超えるフレームレートでプレイできるだろう。紅の砂漠に限らず、既存のゲームをすべてプレイできる。さらに今後登場するゲームにも抜群の対応力を誇る。紅の砂漠で対人コンテンツが実装されて本気で取り組むにも困らない性能だ。価格は少し高めだが、それに見合った恩恵を受けられるモデルである。
参照外部サイト
- PC/コンソール/Macパフォーマンス情報のご案内(Pearl Abyss, 2026)











