パソコン工房が販売する「LEVEL-M1P5-R45-LAX」のレビューを行った。税込99,800円とゲーミングPC全体で見ても低価格を実現しているのが特徴だ。Ryzen 5 4500×GeForce RTX 3050 6GBの組み合わせでゲーム性能は高くないが、価格が武器となることもあって評価は高い。LEVEL-M1P5-R45-LAXは、2023年12月に登場したパソコン工房のLEVELθというシリーズのモデルだ。
価格を抑えたコストパフォーマンス重視のLEVELθだからこそ、GeForce RTX 3050 6GB搭載モデルも日の目を見られるようになったと言える。LEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEの登場により、ゲーミングPC市場における新たな試みと形が誕生したと言ってもいい。低価格帯に割り込める価格で今後の期待値を含めて楽しみなモデルである。LEVELθが登場してから後を追う形でマウスコンピューターやドスパラも高コスパのゲーミングブランドが登場している。
2024年10月になって型番がLEVEL-M1P5-R45-LAXへと変更となった。左側面のガラスパネルがホワイトになり、本体上部のダストフィルターもホワイトになっている。よりケースデザインが洗練されたように思う。カスタマイズ画面でケースやLEDのカラーを選択できる。
カラーバリエーション
当ページの目次
LEVEL-M1P5-R45-LAXのスペック解説
メーカー | パソコン工房 |
---|---|
ゲーミングブランド | LEVELθ |
製品名 | LEVEL-M1P5-R45-LAX |
価格 | 99,800円(税込) |
CPU | Ryzen 5 4500(レビュー) |
GPU | GeForce RTX 3050 6GB(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 500GB |
電源 | 650W BRONZE |
マザーボード | チップセットB550 |
おすすめ度 | Sランク |
評価 | ・コスパ 10.0 —–内訳—– ・ショップ評価 8.5 |
税込99,800円で購入できるゲーミングPCだ。CPUにはRyzen 5 4500を、GPUにはGeForce RTX 3050 6GBを搭載している。どちらも現行モデルでは一番下のモデルだ。メモリはDDR4-3200 16GBを搭載している。ストレージはSSD 500GB NVMeを搭載している。電源ユニットは650W BRONZE採用だ。おすすめ度はSランクだ。コスパ指標も10とMAXとなっている。ビジネスモデルではなくゲーミングブランドで登場したのが評価の要因だ。
おすすめカスタマイズを考察
- CPU -
- CPUグリス ×
- CPUクーラー ×
- メモリ ×
- SSD ×
- 電源 –
LEVEL-M1P5-R45-LAXは、カスタマイズを行わない方がよいモデルだ。これはLEVEL-M1P5-R45-LAXに限らず、価格を重視したモデルは、カスタマイズで価格が高くなると評価が大きく落ちる。低価格であることが強みのLEVEL-M1P5-R45-LAXは、標準構成で選んでこそのモデルだ。LEVEL-M1P5-R45-LAXは5,000円引きとなり、99,800円で選べることが魅力といえる。
カスタマイズで構成を少しでも変更すれば100,000円を超えてしまう。例えば、カスタマイズ箇所で人気のあるSSD容量1TBへの変更は8,000円で、10万円台後半になる。価格が高まれば上位モデルが候補に入るため、カスタマイズのメリットよりもデメリットが大きくなってしまうだろう。LEVEL-M1P5-R45-LAXは、価格が何より魅力に感じて選択するモデルだ。その強みを損なうカスタマイズは非推奨だ。
各タイトルの対応表
Apex Legends | フォートナイト | パルワールド | マイクラ |
---|---|---|---|
・240Hz ・144Hz | ・240Hz ・144Hz | ・144Hz ・60Hz | ・影Mod ・通常 |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
LEVEL-M1P5-R45-LAXは、Ryzen 5 4500とGeForce RTX 3050 6GBを搭載したロークラスのゲーミングPCだ。ゲーム性能に関しては必要最低限という評価で、最新のゲームや高い負荷のかかる環境でのゲームプレイは得意とは言えない。設定は標準程度、あるいは少し下げた環境でのゲームプレイがおすすめだ。
Apex Legendsは、設定を下げさえすれば240Hz環境にも対応できる。ただし、144fps以上が出る場面があるという程度で、144Hz環境がベストだ。激しい交戦が続くとフレームレートが不安定になることから、完全な144Hz環境を構築するには最低設定も視野に入れるべきだろう。フォートナイトは負荷の軽い部類のゲームだ。基本的に240Hz環境でのゲームプレイも可能だ。ゲームモードによっては240fpsでの安定は難しく、200fps程度を目指すくらいになりそうだ。フォートナイトはアップデートで推奨環境が高くなっていることから、ある程度設定を下げることを前提にしたい。
パルワールドは要求スペックの高いゲームで、LEVEL-M1P5-R45-LAXの性能では負荷を感じる場面が多い。細かな設定で負荷を下げにくいゲームであるため、多少の妥協が求められそうだ。60fps程度を目指すことは難しくないため、高リフレッシュレートを想定していなければ必要十分だろう。Minecraftの負荷はかなり低めだ。LEVEL-M1P5-R45-LAXであっても余裕を持って対応できる。ただ、影Modのような、露骨に負荷が増大するModを導入する際は注意したい。設定をさげるなどして、負荷をさげなければラグが生じて致命的なミスに繋がる可能性がある。高画質Modを入れて画質を下げるというのは本末転倒にも思える。許容範囲は個人差があるので、必要十分と取るか物足りないと取るかは意見が分かれるところだ。
LEVEL-M1P5-R45-LAXのゲーミング性能まとめ
Ryzen 5 4500(CPU)
LEVEL-M1P5-R45-LAXで採用されているCPUは、Ryzen 5 4500だ。現行最低クラスのモデルとなる。旧世代のRyzen 5 3500と比べて6%程度伸びているだけに留まる。L3キャッシュ容量が半減したことでそこまでの伸びを得られなかった。GeForce RTX 3050 6GBとの組み合わせなら、ゲームプレイにおいてマイナスの影響はそれほどない。
性能が高くないことを理解し、ゲーム向けと割り切った使い方が適している。価格が安いので、性能が控えめであることも納得しやすい。低価格帯のモデルには最適なCPUである。ハイパースレッディングに対応したことで処理性能自体は大きく向上している。ただし、ゲーム実況や動画のエンコードのように処理性能が求められる用途は苦手だ。元々の性能が控えめであるため、伸び幅が大きくても実用面では物足りなさがある。
GeForce RTX 3050 6GB(GPU)
当該モデルで搭載されているGeForce RTX 3050 6GBは、一世代前にあたるAmpere世代のエントリークラスのGPUだ。GeForce GTX 1650の後継機で、性能はGeForce GTX 1650 SUPERに近い。RTコアを搭載したGeForce GTX 1650 SUPERのような立ち位置だ。GeForce RTX 3050 8GBモデルとの性能差は20%とやや大きい。GeForce GTX 1650の後継モデルとして見れば悪くない。レイトレーシング・DLSSをサポートしているのも強みだ。
CPUとGPUのバランス考察
Ryzen 5 4500とGeForce RTX 3050 6GBのバランスは抜群だ。控えめな性能のRyzen 5 4500は、性能の高いグラフィックボードの性能を引き出しにくい。GeForce RTX 3050 6GBくらいの性能ならボトルネックも生じにくい。控えめな性能同士ならではの相性のよさがある。ゲーム自体の対応力は高くないものの、Ryzen 5 4500とGeForce RTX 3050 6GBの組み合わせに不安になることはない。CPU性能を高めても、GeForce RTX 3050 6GBとの組み合わせなら、ゲーム性能が高まることはない。Ryzen 5 4500がベストというよりも、Ryzen 5 4500で十分というのが正直な感想だ。
LEVEL-M1P5-R45-LAXの特徴&注意点
10万円以下で購入できる高コスパモデル
一時は10万円台まで値上げされていたが、5,000円の値下げが適用となり10万円以下で購入できるようになった。低価格で最高評価10.0を叩き出したモデルはほとんど存在しない。円安の影響で10万円を切るモデルが激減し、LEVEL-M1P5-R45-LAXへの注目は再度高まっている。GeForce RTX 3050 6GB搭載モデルは、長らく円安で値上げ傾向にあったので久しぶりの登場である。
LEVEL-M1P5-R45-LAXより安価なGeForce RTX 3050 6GB搭載モデルは存在している。ただし、ゲーミングPCというカテゴリでは、一部の特殊なモデルくらいしかない。ケースデザインはビジネスモデルよりも明らかに優れている。クリアガラスパネルやLEDファン搭載は多くのユーザーを魅了しているはずだ。低価格のゲーミングPCでは、LEVEL-M1P5-R45-LAXがトップクラスのモデルとして君臨している。
LEVELθシリーズは、価格が大きく動かないのも魅力だ。LEVEL-M1P5-R45-LAXも、少し前に5,000円値下げされた程度だ。登場からこれまで価格は2回しか動いていない。これはメリットであり、デメリットでもある。キャンペーンやセールが適用されにくいことの裏返しともいえる。ゲーミングPCの値上げで価格が不安定なメーカーが多い。
安定して選べるため、今の状況では強みと言えそうだ。価格に対して強いこだわりが見える。今は最も評価の高い低価格帯のゲーミングPCである。市場の状況を上手く価格に反映できているモデルだ。LEVEL-M1P5-R45-LAXの武器はコストパフォーマンスや価格の安さにあると考えていた。今再度考えて見ると一定の価格で展開できる安定感こそが最大の強みではないだろうか。
円安の影響で値上げが続くゲーミングPC全体を見ていると、そう感じざるを得ない。11万円以下で選択できるモデルの中で、頭一つ抜けた存在だ。また、過去にセール対象になったことも評価したい。主力のミドルクラス・ミドルハイクラスのゲーミングPCはセール・キャンペーン対象になりやすい。しかし、15万円を下回るモデルになると、なかなか対象にならない現実がある。
この変化だけで、LEVEL-M1P5-R45-LAXにも力を入れているのがわかる。低価格帯のゲーミングPCは減少傾向にあり、予算を抑えてもなかなかよいモデルを選択できない。期間限定ながらも、低価格帯へのアプローチは嬉しい限りだ。パソコン工房は会員登録を行えば送料が無料になる。つまり、無料会員登録を済ませれば100,000円でお釣りがくるということだ。
99,800円や99,980円といったギリギリ10万円を下回るモデルは、カートに入れると送料が加算され、100,000円を超えてがっかりするということがよくある。LEVEL-M1P5-R45-LAXを選択するなら事前に会員登録を済ませておきたい。LEVEL-M1P5-R45-LAXを選択するなら、99,800円の今がチャンスだ。
ライトゲーマー向けの控えめな性能を持つ
LEVEL-M1P5-R45-LAXの価格が安い理由は、性能や構成を抑えているからだ。特に、性能に関してはゲーミングPCの中で最低クラスである。CPU性能は、ゲーミングPCに採用されるCPUの中で最も低い。グラフィックボードは、Ampere世代であるGeForce RTX 30シリーズで最も低いグレードとなっている。4K解像度や240Hz環境でのゲームプレイを行うには適していない。
LEVEL-M1P5-R45-LAXは、標準設定以下で60fpsが出せればよいというモデルである。本格的なゲームプレイや、ライバルに差をつける環境を構築することは難しい。古いゲームであっても144fpsで安定させるのが難しいこともある。価格のみならず、その性能からもエントリークラスと呼ぶに相応しいモデルだ。
最新のゲームを快適な環境でプレイするようなスタイルには合わない。基本無料系のゲームをみんなとわいわい遊べる性能だ。少し負荷の高いゲームをプレイすると、カクつきを感じる場面が出てくるだろう。はっきり言うと、多少の妥協が求められる性能だ。LEVEL-M1P5-R45-LAXは買い替え対象ではなく、初めてのゲーミングPCにおすすめのモデルだ。
PCゲームとはどういったものか、それを体験できるモデルである。少し古いハイクラスやハイエンドクラスからの買い替えでは、性能が下がった感覚に陥るだろう。2世代前くらいのミドルハイクラスからだと性能は下がる。LEVEL-M1P5-R45-LAXは選びやすいモデルである反面扱いにくいモデルだ。どの程度の性能があるか、初心者の方には理解しにくいはずだ。価
格だけを見て選択すると後悔する。Apex LegendsやVALORANTを240Hz環境でサクサクプレイすることはできない。あくまでも、エントリークラスだ。本格的なゲーム環境を構築することは難しいので、あまり高い期待を寄せるのは避けてほしい。悪く言えば価格相応のモデルである。
競合モデルとの比較
ブランド名 | LEVELθ | Lightning |
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イメージ | ||
製品名 | LEVEL-M1P5-R45-LAX | Lightning-G AT5W Ryzen5 4500搭載 |
ケース | ミニ | ミニ |
価格 | 99,800円 | 116,980円 |
送料 | 2,200円(会員無料) | 3,300円 |
CPU | Ryzen 5 4500 | Ryzen 5 4500 |
GPU | RTX 3050 6GB | RTX 3050 6GB |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | 500GB NVMe | 500GB Gen4 NVMe |
電源 | 650W BRONZE | 650W BRONZE |
マザーボード | B550 | B550 |
納期 | 2~7日 | 翌日出荷 |
保証 (延長) | 1年間 (最長4年間) | 1年間 (最長5年間) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
注意点としてLightning-G AT5WはカスタマイズでファンをRGB対応に変更(+3,000円~5,000円)しないと光らない。光るゲーミングPCにしたいなら価格差はさらに広がる形だ。メモリ・SSD・電源ユニットは共通だ。Lightning-G AT5Wの強みはガレリアブランドであることと納期が短いことぐらいだ。基本的にはLEVEL-M1P5-R45-LAXの方がおすすめしやすい。
パソコンケースレビュー
LEVELθは2023年12月7日に登場した新しいシリーズだ。ミニタワーケースを採用しており、ゲーミングPCらしいデザインが特徴だ。最大240mmの水冷クーラーも搭載可能で、拡張性にも優れたケースである。
正面
これまでのLEVEL∞シリーズを踏襲したような、真ん中にLEVELθのロゴがあるシンプルなデザインだ。下部にThermaltakeのロゴがあるように、Thermaltake製のS100 TGシリーズをベースとしている。白色に溶け込むような目立たないロゴが、ケースのよさを引き出しているように見える。
左側面
左側面は中身を全て確認できる大きなガラスパネルを採用している。LEDファンとの相性もよく、5割程度がガラスパネルのケースと違って見栄えがよい。白色ケースではLEDファンは青色発光になる。光を反射する白色によく合うカラーだ。
Ver.2になりブラックの縁がホワイトへ変更されている。より統一感が出たように思う。
左側面カバー
左側面はスウィングドアになっており、簡単に開閉ができる。増設などで内部を触る機会が多い方にとっては、有用な開閉システムと言える。一方で、スライド方式と違い、カバーを開くスペースが必要になる。PCワゴンのようなところに設置すると、開閉に一手間あるかもしれない。設置場所に少し気を遣う必要があるのはデメリットとなるかもしれない。
カバーの内部もホワイトカラーとなる。
右側面
右側面にはとくに何もない。フロント側にエアホールがあるくらいだ。
天板
本体上部の天板には2基のLEDファンと防塵フィルターがある。フロントファンは増設できるが、主なエアフローはこの天板部分のファンから行う。少し特殊な構造ながら、冷却性能の評価は高い。I/Oパネルも天板部分に設置されている。天板のほとんどはフィルターに覆われていることからわかるように、比較的大きめのファンも取り付けられそうだ。
メッシュカバーもホワイトで統一されている。ここはかなり気になった部分なのでこの変更は評価できる。
I/Oパネル
天板のI/Oパネルには、電源・リセットボタン・USB3.0 x1・USB 2.0 x2・イヤホンマイクの入出力端子がある。構成は標準的だ。気になるのはフロント部分に横一列に設置されているところだ。パソコンの設置場所によっては少し邪魔になるかもしれない。とくに、上部にスペースのない場所では、USBを接続することが難しくなる。ケース正面はすっきりするが、利便性は少し落ちるかもしれない。
背面
LEVELθの白色ケースの魅力は、この背面部分も白に統一されている点だ。多くの白色ケースは、普通に設置すると見えない背面部分の色が黒や銀色である。しっかりと白く塗装されているのは評価したい。排気ファンのあるメッシュ部分も白く、PCIeスロットカバーも白い。背面I/Oパネルと電源部分は搭載するマザーボードと電源の色となる。背面I/Oパネルは銀色、電源は黒になりやすい。それを差し引いても、背面全体が白色に統一されているのは素晴らしい。
底面
本体底面はよくある構造だ。電源部分は天板と同じハニカム構造に防塵フィルターだ。四隅の足に滑り止めがついているので、設置面を気にしなくていい。基本に忠実といったところだろうか。
管理人による総評(LEVEL-M1P5-R45-LAX)
LEVEL-M1P5-R45-LAXは、Ryzen 5 4500×RTX 3050 6GBを搭載したゲーミングPCだ。通常のGeForce RTX 3050 8GBのスペックダウンバージョンであるGeForce RTX 3050 6Gbを搭載している。ゲーム性能は控え目でフルHD環境でも設定調整は必須だ。高解像度への適性は低いといっていい。GeForce GTX 1660 SUPERの販売が終了して低価格帯のモデルが激減している。税込10万円以下という価格設定だけで評価は高くなる。新しい選択肢の登場で、ゲーミングPCの幅は広がった。LEVELθだからこそ活かせたモデルである。その後他社BTOメーカーからも同様のモデルが登場してきている。間違いなくパソコン工房が先行者だ。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
99,800円 | Ryzen 5 4500 | RTX3050 6GB |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 16GB | 500GB | 非搭載 |