Core Ultra 7 265Kの性能比較&ベンチマーク検証を行った。2024年10月25日に発売されたCore Ultra 200Sシリーズの倍率ロックフリーモデルだ。Core Ultra 9 285Kに次いで高い性能を持つ。Core i7-14700Kの後継モデルとなる。Arrow Lake世代では、様々な要因からハイパースレッディングを廃止している。スペック的には20コア28スレッドから、20コア20スレッドとスペックダウンだ。IPCの改善などでより高いパフォーマンスを期待できる。
型番がCore Ultra 7 275Kではなく、Core Ultra 7 265Kとなったのは興味深い。このグレードで”6”が付されるのはSandy BridgeのCore i7-2600K以来だ。価格帯的に競合となるのはRyzen 9 9900Xだ。将来的には価格が下がりRyzen 7 9800X3DやRyzen 7 9700Xが競合となる流れになるだろう。搭載ゲーミングPCは、「Core Ultra 7 265K搭載おすすめゲーミングPC」で紹介している。こだわりがないなら今選択するのはおすすめできない。
Core Ultra 7 265Kの基本情報
コードネーム | Arrow Lake |
---|---|
プロセス | 3nm |
コア/スレッド数 | 20コア(8P+12E)/ 20スレッド |
定格/最大クロック(P) | 3.9 GHz / 5.5 GHz |
定格/最大クロック(E) | 3.3 GHz / 4.6 GHz |
L2キャッシュ | 36MB |
L3キャッシュ | 30MB |
PBP | 125W |
MTP | 250W |
ソケット | LGA1851 |
MSRP | $399 |
価格 | 69,800円~ *2024/11時点 (67,980円/Fモデル) |
発売日 | 2024年10月24日 |
特徴 | (+)20コア20スレッドというスペックを持つ (+)省電力性が向上している (+)内蔵GPUの性能が向上している (+)内蔵GPU非搭載モデルも選択可 (-)ゲーム性能は低くなっている (-)マザーボードの買い替えが必要 (-)単体CPUとしての価格が高い (-)搭載ゲーミングPCの価格が高い |
評価 | ・総合評価 9.0 ・ゲーム評価 6.5 |
当ページの目次
Core Ultra 7 265Kの基本スペック
Core i7-14700Kと比較
Core Ultra 7 265K | Core Ultra 9 285K | Core i7-14700K | |
---|---|---|---|
メーカー | Intel | Intel | Intel |
コードネーム | Arrow Lake | Arrow Lake | Raptor Lake-R |
プロセス (コンピュートタイル) | 3nm | 3nm | 10nm |
SoCタイル | 6nm | 6nm | - |
グラフィックスタイル | 5nm | 5nm | - |
I/Oタイル | 6nm | 6nm | - |
トランジスタ数 | 178億 | 178億 | - |
ダイサイズ | 243 m㎡ | 243 m㎡ | 257 m㎡ |
コア/スレッド数 | 20(8P+12E)/ 20 | 24(8P+16E)/ 24 | 20(8P+12E)/ 28 |
定格クロック(P) | 3.9GHz | 3.7GHz | 3.4GHz |
最大クロック(P) | 5.5GHz | 5.7GHz | 5.6GHz |
定格クロック(E) | 3.3GHz | 3.2GHz | 2.5GHz |
最大クロック(E) | 4.6GHz | 4.6GHz | 4.3GHz |
L2キャッシュ | 36MB | 40MB | 28MB |
L3キャッシュ | 30MB | 36MB | 33MB |
対応メモリ | DDR5-6400 | DDR5-6400 | DDR5-5600 DDR4-3200 |
内蔵GPU | Intel Graphics | Intel Graphics | Intel UHD 770 |
グラフィックス周波数 | 2.00GHz | 2.00GHz | 1.60GHz |
内蔵NP | Intel AI Boost | Intel AI Boost | - |
CPUクーラー | 非同梱 | 非同梱 | 非同梱 |
PCI-Express | Gen 5, 20 Lanes | Gen 5, 20 Lanes | Gen 5, 16 Lanes |
PBP | 125W | 125W | 125W |
MTP(PL2) | 250W | 250W | 253W |
ソケット | LGA1851 | LGA1851 | LGA1700 |
MSRP | $394 | $589 | $409 |
国内価格 | 69,800円~/通常 67,980円~/Fモデル | 115,800円~ | 58,880円~/無印 55,480円~/Fモデル |
発売日 | 2024/10/24 | 2024/10/24 | 2023/10/17 |
コンピュートタイル以外はプロセスの微細化による恩恵を受けづらく、旧世代のプロセスを採用することでコストを抑える効果がある。不具合があってもタイルごとに考えればよくモノリシックよりもリスクを分散しやすい。Core Ultra 7 265Kのトランジスタ数は178億で、ダイサイズは243m㎡だ。Core i7-14700Kよりも少しだけ小さい。コア・スレッドは20コア20スレッドとハイパースレッディングに非対応となり、8スレッド少ない。もちろん少なくなった分はIPCの改善などでカバーされている。
PコアはRaptor CoveからLion CoveになりIPCは9%改善された。同様に、EコアもGracemontコアからSkymontコアになりIPCが32%も改善されている。また、プロセスの微細化の恩恵もあって、クロック周波数が引き上げられている。Pコアの定格クロックは0.5GHz高く、最大クロックは0.1GHz低い。Eコアの定格クロックは0.8GHz高く、最大クロックも0.3GHz高い。L2キャッシュは8MB多い一方で、L3キャッシュは3MB減少となっている。
対応メモリはDDR5-5600とより高クロックなメモリをサポートしている。Core i7-14700Kで対応していたDDR4メモリは非対応だ。内蔵GPUは、Intel UHD 770からIntel Graphicsへと変更されている。Intel Arc(4コア)なので性能は大きく向上していると考えられる。AI処理用のIntel AI Boostを搭載しているのもポイントだ。今後対応アプリケーションが増えれば魅力は増すだろう。PCI-ExpressがSSD(Gen 5 NVMe)分だけ増えている。ソケットはLGA1851になり、LGA1700との互換性はない。プラットフォームの一新が必要となる。PBPは125Wと共通だが、MTPは3W低くなっている。MSRPは$15安い。Core Ultra 7 265Kの国内価格は69,800円~だ。Core i7-14700Kよりも11,000円高い。
Core Ultra 200SシリーズのフラグシップモデルであるCore Ultra 9 285Kとスペックを比較していく。プロセスなどのアーキテクチャは共通だ。Eコアが4基増えて24コア24スレッドとなる。Pコアの定格クロックは0.2GHz低く、最大クロックは0.2GHz高い。Eコアの定格クロックは0.1GHz低く、最大クロックは同等だ。
L2キャッシュは40MBで、L3キャッシュは36MBとなる。それぞれ4MB・6MB多い。内蔵GPUや内蔵NPは共通だ。PBPやMTPにも違いはない。実働では差が生まれるはずだ。MSRPは$195となる。国内価格は115,800円~とCore Ultra 7 265Kよりも46,000円高い。Core Ultra 9 285Kについては品薄状態が続いて入手ハードルは高い。
Ryzen 9 9900Xと比較
Core Ultra 7 265K | Ryzen 9 9900X | Ryzen 7 9700X | |
---|---|---|---|
メーカー | Intel | AMD | AMD |
コードネーム | Arrow Lake | Zen 5 (Granite Ridge) | Zen 5 (Granite Ridge) |
プロセス | 3nm | 4nm | 4nm |
トランジスタ数 | 178億 | 166.3億 | 83.15億 |
ダイサイズ | 243 m㎡ | 2×70.6m㎡ | 70.6m㎡ |
I/Oプロセス | 6nm | 6nm | 6nm |
I/Oトランジスタ数 | - | 34億 | 34億 |
I/Oダイサイズ | - | 122m㎡ | 122m㎡ |
SoCタイル | 6nm | - | - |
グラフィックスタイル | 5nm | - | - |
コア/スレッド数 | 20(8P+12E)/ 20 | 12/24 | 8/16 |
定格クロック(P) | 3.9GHz | 4.4GHz | 3.8GHz |
最大クロック(P) | 5.5GHz | 5.6GHz | 5.5GHz |
定格クロック(E) | 3.3 GHz | - | - |
最大クロック(E) | 4.6 GHz | - | - |
L2キャッシュ | 36MB | 12MB | 8MB |
L3キャッシュ | 30MB | 64MB | 32MB |
対応メモリ | DDR5-6400 | DDR5-5600 | DDR5-5600 |
内蔵GPU | Intel Graphics | Radeon Graphics | Radeon Graphics |
グラフィックス周波数 | 2.00GHz | 2.20GHz | 2.20GHz |
CPUクーラー | 非同梱 | 非同梱 | 非同梱 |
PCI-Express | Gen 5, 20 Lanes | Gen 5, 24 Lanes | Gen 5, 24 Lanes |
PBP | 125W | 120W | 105W |
MTP(PL2) | 250W | 162W | 142W |
MSRP | $394 | $499 | $359 |
国内価格 | 69,800円~/通常 67,980円~/Fモデル | 80,449円~ | 59,800円~ |
発売日 | 2024/10/24 | 2024/08/15 | 2024/08/08 |
Ryzen 9 9900Xも、Core Ultra 7 265Kと同じように複数のダイ(タイル)を組み合わせたチップレット構造となっている。CPUコアダイとI/Oダイの2つで、Core Ultra 7 265Kよりもシンプルだ。根幹部分であるCPUコアダイのプロセスは4nmで、I/Oプロセスは6nmとなる。これもコストの面から重要度の低いダイでは従来のプロセスを活用している形だ。ダイサイズは263.2m㎡となる。
コア・スレッドは12コア24スレッドだ。全てPコア相当のコアでハイパースレッディング(SMT)に対応している。スレッド数はCore Ultra 7 265Kよりも4スレッド多い。定格クロックは4.4GHzで、Core Ultra 7 265Kよりも0.5GHz高い。最大クロックも0.1GHz高くなっている。L2キャッシュは12MBでCore Ultra 7 265Kよりも24MB低い、一方で、L3キャッシュは64MBで、Core Ultra 7 265Kの2倍以上だ。
対応メモリはDDR5-5600となっている。内蔵GPUはRadeon Graphicsだ。AMDはメインストリームにおいてそこまで内蔵GPUの性能を重視しておらずここはCore Ultra 7 265Kが優勢だ。PCI-Expressは、Gen 5, 24 Lanesとなる。PBPは120W、MTPは162Wだ。MSRPは$499とCore Ultra 7 265Kよりも$105高く実売価格は10,649円の差がある。
将来的にはRyzen 7 9700Xが競合になる可能性がある。MSPRでは$35安い。現時点での国内価格では10,000円も安く購入できるが、今後Core Ultra 7 265Kもこのぐらいの価格まで下がるのではないかと思う。Ryzen 7 9700Xは8コア16スレッドの高性能モデルだ。定格クロックは3.8GHz、最大クロックは5.5GHzとなる。CCXが1基のみなのでゲームプレイなどにおいて有利なCPUだ。L2キャッシュは8MBで、L3キャッシュは32MBとなる。PBPは105Wで、MTPは142Wだ。
Core Ultra 7 265Kの特徴&注意点
ゲーム性能はi7-14700Kに劣る
Core Ultra 7 265Kのゲーム性能は33,283ptだ。最新のCPUとしては物足りないスコアといえるだろう。前世代のCore i7-14700Kと比べて13%程度パフォーマンスが低い。次世代モデルの方が性能が低くなってしまうというのは異例中の異例だ。下位モデルであるCore i5-14600Kにも及ばない。評判が悪くなってしまうのは仕方がないだろう。プロセスの微細化などアーキテクチャが進化してもパフォーマンスが落ちてしまっては本末転倒だ。
競合のRyzen 7 9700Xと比べても7%弱低いスコアとなっている。Ryzen 7 9800X3Dなどの3D V-Cache搭載モデルとの差は広がるばかりだ。Core Ultra 200SシリーズのフラグシップモデルであるCore Ultra 9 285Kでもそこまでスコアが伸びず苦戦している。Intelとしても想定外の結末(HotHardware, 2024)だったようだ。近い将来アップデートでゲーム性能の改善を図るということで今後ゲーム性能が向上する可能性がある。
今回のスコアはあくまでも記事執筆時点のものであることを理解して欲しい。正直、現時点でCore Ultra 7 265Kを購入するのはおすすめできない。筆者のようなレビュワーあるいはYoutuber向けの方といえそうだ。いくら将来的に改善されるとはいえどうなるかわからない。今ならCore i7-14700K(F)を購入する方が満足できるだろう。プラットフォームコストも抑えられる。数世代前のCPUを使用していてせっかくなら最新のLGA1851プラットフォーム環境を構築したいならアップデートを待とう。
省電力性が著しく向上している
CPUの総合性能に関しては後退ということはないが、従来モデルのCore i7-14700Kとほとんど変わらない性能だ。Arrow Lake世代のハイライトは、プロセスの微細化やハイパースレッディングの廃止などによる省電力性の向上にある。実際Core i7-14700Kと比べて30%程度消費電力が抑えられている。同等の性能を持っていることを考慮すれば省電力性が高くなったことが証明できる。
消費電力一覧
ゲーム性能に対するコスパが低い
製品名 | コア/スレッド | ゲーム性能 | 価格 | コスパ | 発売日 |
---|---|---|---|---|---|
Ryzen 7 9800X3D | 8/16 | 45,025 | 86,800 | 0.519 | 2024/11/15 |
Ryzen 9 7950X3D | 16/32 | 42,444 | 116,800 | 0.363 | 2023/03/03 |
Ryzen 7 7800X3D | 8/16 | 42,174 | - | - | 2023/04/06 |
Core i9-14900K | 24/32 | 38,957 | 80,470 | 0.484 | 2023/10/17 |
Core i9-14900KF | 24/32 | 38,957 | 76,980 | 0.506 | 2023/10/17 |
Core i7-14700K | 20/28 | 38,356 | 58,878 | 0.651 | 2023/10/17 |
Core i7-14700KF | 20/28 | 38,356 | 55,480 | 0.691 | 2023/10/17 |
Ryzen 9 9950X | 16/32 | 34,729 | 111,800 | 0.311 | 2024/08/23 |
Ryzen 9 9900X | 12/24 | 34,153 | 80,449 | 0.425 | 2024/08/23 |
Core Ultra 9 285K | 24/24 | 34,385 | 111,580 | 0.308 | 2024/10/24 |
Core Ultra 7 265K | 20/20 | 33,283 | 69,800 | 0.477 | 2024/10/24 |
Core Ultra 7 265KF | 20/20 | 33,283 | 67,980 | 0.490 | 2024/10/24 |
Ryzen 7 9700X | 8/16 | 35,636 | 59,800 | 0.596 | 2024/08/08 |
上記テーブルはゲーム性能に対するコストパフォーマンスをまとめたものだ。コストパフォーマンスの高い順に並べるとわかるとおり、Core Ultra 7 265K(F)のコストパフォーマンスは最悪だ。前世代のCore i7-14700K(F)と比べると30%程度コストパフォーマンスが低くなっている。何よりもゲーム性能が低いのがネックだ。ゲーム性能が改善されない限り今後いくら価格が下がってもおすすめできない。
Core Ultra 7 265Kのゲームベンチマーク一覧
グラフィックボードにGeForce RTX 4090を搭載したベンチマーク機でのフレームレートをまとめた。当然GPUのランクが落ちればCPU性能の差は縮まる。また、高解像度になりGPU負荷が上がってもCPU性能の差は縮まると認識しておいて欲しい。将来的にはGPUボトルネックを解消させるために、フルHD環境でのベンチマークをメインに行うかもしれない。その上で設定を下げてかつDLSSの有効化で極限までGPU負荷を下げる。
FF14 黄金のレガシー
FF14でのベンチマーク結果は悲惨なものだ。4K解像度を除けば2世代前のCore i9-12900Kよりもフレームレートが低い。前世代のCore i7-14700Kと比べると、フルHDで13%低く、WQHDで6%低くなっている。Ryzen 7 9700Xと比べると14%-16%程度低い。Ryzen 7 9800X3Dと比べるとフルHD環境で25%程度もフレームレートが低くなっている。仕様的にゲーム適性が低めのRyzen 9 9950XやRyzen 9 9900Xにも及ばないのは残念だ。さすがに異常ともいえる結果だろう。
Forza Horizon 5
Forza Horizon 5はGPU負荷の高いタイトルの一つでCPU性能の差は現れづらい。それでも従来モデルのCore i7-14700Kと比べて、1%-2%程度フレームレートが低い。Ryzen 7 9700Xと比べても1%-2%程度低くなっている。上位モデルのCore Ultra 9 285Kでもほとんどフレームレートが変わらない。Forza Horizon 5は比較的3D V-Cacheが有効なタイトルで、Ryzen 7 9800X3Dになると6%程度フレームレートが高い。
Cyberpunk 2077
Cyberpunk 2077では世代あるいはグレードで大きな差が出ていることがわかる。上位はRyzen 7 9700X以上のモデルで、Ryzen 9シリーズ・Core Ultra 200Sシリーズと続く。Core Ultra 7 265KはフルHDで平均fpsが118.4fpsと最下位に沈んだ。WQHD及び4K環境でも同様だ。従来モデルであるCore i7-14700Kと比べると25%-32%も劣る。2世代前のCore i9-12900Kと同程度に留まる。これだけ差が出るとなにか不具合が生じているのかと疑ってしまった。最新の3D V-Cache搭載のRyzen 7 9800X3Dと比べると40%近くも劣る。Zen 5アーキテクチャに完敗だ。
Far Cry 6
Far Cry 6でも厳しい結果となっている。このラインナップで最下位となった。Core i7-14700Kと比べると最大で12%もフレームレートが低くなっている。高解像度でも差は広がるばかりだ。最新のRyzen 7 9800X3Dと比べるとフルHD・WQHD・4Kとそれぞれ37%・30%・21%もフレームレートが低い。いくらウルトラハイエンドのGeForce RTX 4090を搭載しているとはいってもこれだけの差が出れば無視できない。GPUのランクを落としてもそこそこの差が生じることが予想される。
PC向けアプリケーションのベンチマーク
Cinebench 2024
Core Ultra 7 265Kのマルチコアは2,027で、シングルコアは139だ。従来モデルのCore i7-14700Kと比べてマルチコアが3%高く、シングルコアが15%高い。特にシングルコアの伸びが著しく、従来モデルのフラグシップモデルであるCore i9-14900Kを上回っている。Core Ultra 9 285Kになるとさらにマルチコアが19%高く、シングルコアも3%高い。Arrow Lake世代でしっかりと性能の底上げが行われていることがわかる。
Cinebench R23
Cinebench R23は、Cinebench 2024のリリース前に一般的だったベンチマークソフトだ。傾向としては似ている。Core Ultra 7 265kのマルチコアは35,288で、シングルコアは2,290だ。従来モデルのCore i7-14700Kと比べてマルチコアが7%弱高く、シングルコアも10%弱高い。世代が変わりしっかりとスコアを伸ばしていることがわかる。ハイパースレッディングを廃止してこのスコアは圧巻だ。IPCの改善などが大きく寄与しているのだろう。
Blender
Blenderでのスコアも順当といえる。Core i7-14700Kよりも4%弱高くなっている。Ryzen 9 9900Xに匹敵するスコアは期待通りだ。Ryzen 7 9700Xと比べると75%も高い。Core i9-12900Kと比べても33%も上回っている。
7-Zip
Zipファイルの展開及び圧縮速度はやや見劣りする結果となった。Core i7-14700Kと比べて展開速度が6%遅く、圧縮速度も17%遅い。上位モデルのCore Ultra 9 285Kも苦戦している。Ryzen 7 9700Xと比べると展開速度が30%速く、圧縮速度も33%速い。コアが多い分だけ有利になっているようだ。
Handbrake
動画のエンコード速度をまとめている。Core Utra 7 265KはH.264でもH.265でも十分な速度が出ている。Core i7-14700Kと比べて1%-3%程度速い。Ryzen 9 9900Xと比べてもH.264で20%弱速く、H.265でも2%速くなっている。アプリケーションによってはArrow Lake世代のCPUは高いパフォーマンスを発揮する。
Adobe Photoshop(PugetBench)
Photoshopのスコアは10,102だ。Core i7-14700Kと比べると4%程度スコアが低くなっている。Ryzen 9000シリーズと相性のよいソフトウェアで、トップはRyzen 7 9800X3Dで12,526と頭一つ抜け出ている。Core i9-14900Kでも10,719とそこまで高いわけではない。
Adobe Premiere Pro(PugetBench)
Adobe Premiere ProではおおよそCore i7-14700と同程度のスコアが出ている。Core i7-14700Kとの差もそれほど大きくない。Core i9-14900Kがトップで、その差は6%程度だ。Ryzen 7 9700Xと比べると11%もパフォーマンスが高いのは評価できる。
Core Ultra 7 265K搭載おすすめゲーミングPC
LEVEL-R78P-LC265K-VEX(パソコン工房)
CPU:Core Ultra 7 265K(水冷)
GPU:Radeon RX 7800 XT
メモリ:DDR5 16GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
ミドルタワーケースを採用していて拡張性が高い。Radeon RX 7800 XTを搭載したハイクラスのゲーミングPCだ。GeForce RTX 4070と同等の性能を持ち、WQHD環境でのゲームプレイに適している。CPUクーラーは簡易水冷式で360mmラジエーター搭載だ。オーバークロックにも対応できる高い冷却性能が魅力といえる。マザーボードのチップセットはZ890だ。メモリはDDR5 16GB搭載だ。ストレージはSSD 1TB Gen4 NVMeとなる。電源ユニットは750W GOLD採用だ。構成的にある程度価格が上がってしまうのは仕方がない。
G-GEAR GE7J-F247/ZB(TSUKUMO)
CPU:Core Ultra 7 265K(水冷)
GPU:GeForce RTX 4070
メモリ:DDR5-5600 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:850W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
Core Ultra 7 265K×GeForce RTX 4070搭載のハイクラスの一台だ。プレミアムミドルタワー採用モデルとなる。GeForce RTX 4070は、Ada Lovelace世代におけるハイクラスの一台で高いゲーム性能を持つ。高解像度にも対応できるポテンシャルを持つ。CPUクーラーは水冷式(120mmラジエーター)だ。ラジエーターサイズが小さいので、冷却性能は空冷式+αで考えておこう。カスタマイズで240mmラジエーター搭載モデルへ変更してもよい。高性能なNoctua製空冷クーラーもおすすめだ。メモリはDDR5-5600 32GBと大容量だ。ストレージはSSD 1TB Gen4 NVMeを搭載している。電源ユニットは850W GOLD採用だ。高性能なゲーミングPCでも通用する。
GALLERIA ZA7C-R47 Intel Core Ultra搭載(ドスパラ)
CPU:Core Ultra 7 265K(水冷)
GPU:GeForce RTX 4070
メモリ:DDR5-5600 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
Core Ultra 7 265K×GeForce RTX 4070搭載のハイクラスのゲーミングPCだ。CPUクーラーは水冷式の「DEEPCOOL GAMMAXX L240 V2」となる。RGBライティング対応でクリアガラスパネル採用のガレリアにふさわしい。GeForce RTX 4070は高性能なグラフィックボードでWQHD環境がメインターゲットだ。DLSSの活用で高いフレームレートを実現できる。メモリはDDR5-5600 32GBと大容量だ。ストレージはSSD 1TB Gen4 NVMeを搭載している。電源ユニットは750W GOLDだ。マザーボードのチップセットはZ890となる。水冷クーラーを搭載していることもありオーバークロックにも対応できる。ただし、オーバークロックは保証対象外の行為となる点は理解しておこう。
GALLERIA ZA7C-R47S Intel Core Ultra搭載(ドスパラ)
CPU:Core Ultra 7 265K(水冷)
GPU:GeForce RTX 4070 SUPER
メモリ:DDR5-5600 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
GPUにGeForce RTX 4070 SUPERを搭載したハイクラスのゲーミングPCとなる。Core Ultra 7 265Kの性能を考えれば十分バランスを取れる。高解像度にも対応できる高い性能が魅力だ。DLSSの活用で高リフレッシュレートを実現しやすい。メモリDDR5-5600 32GB・SSD 1TB Gen4 NVMeとGALLERIA Zシリーズならではの充実した構成を持つ。電源ユニットは750W GOLDとなる。マザーボードのチップセットはハイエンドのZ890でオーバークロックにも対応できる。
LEVEL-R68P-LC265K-UTX [RGB Build](パソコン工房)
CPU:Core Ultra 7 265K(水冷)
GPU:GeForce RTX 4070 Ti SUPER
メモリ:DDR5 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:850W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
Core Ultra 7 265K×GeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載のゲーミングPCだ。4K環境にも対応できるポテンシャルを持つ。CPUクーラーは360mmラジエーター搭載の水冷式だ。オーバークロックにも耐えうる一台だ。パソコン工房が販売するモデルで、特徴的なPCケースを採用している。前面×3基、背面×1基、上面×3基のRGBファン搭載だ。サイドクリアガラス採用で魅せる一台だ。メモリDDR5 32GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと十分な構成を持つ。電源ユニットは850W GOLD採用だ。
参照外部サイト
- Exclusive: Intel Exec Promises Arrow Lake Fixes For Major Performance Gains(HotHardware, 2024)
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Core Ultra 7 265Kのベンチマーク検証機材
モデル | ベンチマーク検証機Intel ソケットLGA1851 |
---|---|
CPU | Ryzen 7 9800X3D etc. |
GPU | GeForce RTX 4090 |
メモリ | DDR5-5600 32GB (Crucial CP2K16G56C46U5) |
ストレージ | SSD 1TB Gen4 NVMe (Crucial P3 Plus CT1000P3PSSD8JP) |
マザーボード | ASRock Z890 Pro RS WiFi |
電源 | 玄人志向 1200W PLATINUM KRPW-PA1200W/92+ |