マウスコンピューターが販売する「NEXTGEAR JG-A7G6T (7 5700X×RTX 5060 Ti 16GB)」のレビューをまとめた。CPUに旧世代のRyzen 7 5700Xを選択することで価格を抑えている。Core i5-14400Fと比べると5%前後ゲーム性能は劣るものの体感できるほどではない。GeForce RTX 5060 Ti 16GBの性能を引き出すのに十分な性能を有している。
コストパフォーマンスの評価は9.4と優秀だ。GeForce RTX 5060 Ti 16GB搭載モデルは、最新のゲームに対応しやすいことから注目度が高い。Ryzen 7 5700Xと組み合わせることで価格を抑えている。充実した構成も合わさって評価が高い。何かに特化しているわけではなく、総合的に優れたバランスが持ち味のモデルである。
- 長所
-
- コストパフォーマンスがよい
- 最新ゲームへの対応力が高い
- VRAM容量が多く高設定への適性がある
- 構成が充実している
- 短所
-
- 高解像度でのゲームプレイが苦手
- ゲーム以外の用途は競合に劣る
- こんな方におすすめ
-
- フルHDでゲームをプレイする方
- 最新のゲームをプレイしたい方
- 20万円以下で予算を組んでいる方
NEXTGEAR JG-A7G6T (7 5700X×RTX 5060 Ti 16GB)のスペック解説
メーカー | マウスコンピューター |
---|---|
ブランド名 | NEXTGEAR |
製品名 | NEXTGEAR JG-A7G6T (7 5700X×RTX 5060 Ti 16GB) |
価格 | 174,900円(税込) |
CPU | Ryzen 7 5700X(レビュー) |
CPUクーラー | 水冷(240mmラジエーター) |
グラボ | GeForce RTX 5060 Ti 16GB |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
SSD | 1TB NVMe Gen4 |
電源 | 750W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットB550 |
おすすめ度 | Aランク |
評価 | ・コスパ 9.4 ・ショップ評価 9.7 |
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NEXTGEAR JG-A7G6T (7 5700X×RTX 5060 Ti 16GB)のカスタマイズを評価
パーツ | おすすめ度 | 詳細 |
---|---|---|
OS | 変更なし | |
オフィスソフト | 変更なし | |
CPUグリス | 変更なし | |
メモリ | 32GB メモリ [ 16GB×2 ( DDR4-3200 ) / デュアルチャネル ] 14,300円 | |
SSD (M.2) | 変更なし | |
外付けストレージ | 変更なし | |
光学ドライブ(外付け) | 変更なし | |
電源 | 750W 電源 ( 80PLUS(R) GOLD ) +5,500円 | |
UPS | 変更なし | |
無線LAN | Wi-Fi 6E ( 最大2.4Gbps ) 対応 IEEE 802.11 ax/ac/a/b/g/n準拠 + Bluetooth 5内蔵 +6,380円 |
|
外付け拡張デバイス | 変更なし | |
ケース | 【NEXTGEAR】ブラックミニタワーケース 強化ガラスサイドパネル 青色LEDケースファン ( 前面×3 / 上面×2 / 背面×1 搭載 ) +5,500円 |
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ウイルス対策・セキュリティソフト | 変更なし | |
ソフトウェア1(プリインストール) | 変更なし | |
ソフトウェア2(バンドル) | 変更なし | |
パソコン引越しソフト | 変更なし | |
パソコン下取りサービス | 変更なし | |
データ復旧サービス | 変更なし | |
各種出張サービス | 変更なし | |
サポートサービス選択 | 変更なし | |
電話サポート | 変更なし | |
破損盗難保証サービス | 変更なし | |
HUB | 変更なし | |
USB周辺機器 | 変更なし | |
LANケーブル | 変更なし | |
サプライ | 変更なし |
一般的なBTOパソコンで人気のカスタマイズについては黄色のマーカーで示している。おすすめ度はこのモデルでの評価だ。NEXTGEAR JG-A7G6Tのカスタマイズは、メモリとケースがおすすめだ。構成が充実しているモデルであるため、カスタマイズが重要な箇所は少ない。SSDは容量的に変更不要で、電源は標準で750Wの容量があるので必須ではない。性能に影響を与えるメモリ容量とデザイン性を大きく変更するケースは変更の恩恵が大きい。
メモリ32GBが必要な場面に対応できる性能を有している。そのため、メモリの容量を変更することは対応力を向上させることにつながる。Windows 11は起動しているだけでメモリを多く消費するようになったように感じる。16GBでは様々な場面で不足するはずだ。ブラウザを開きながら、動画をみながらのゲームプレイではメモリ容量がすぐに不足する。プレイスタイルやゲーム環境を整える意味でも32GBへの変更はおすすめだ。
PCケースはLEDファンに変更し、ファンの数も追加する。デザイン性の向上と合わせて、PCケース内部のエアフローの強化も同時に行える。性能が不足してもパーツ交換で対応し、PCケースは変更せず長く使用するようになるだろう。また、強力な性能のパーツに変更してもエアフローが強化されているので冷却性能も安心だ。デザイン性よりも、将来を見据えたカスタマイズだ。選択するカラーは好みでよいので変更しておきたい。
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NEXTGEAR JG-A7G6T (7 5700X×RTX 5060 Ti 16GB)のゲーム性能を解説
AMD Ryzen 7 5700X(CPU)
Ryzen 7 5700Xは8コア16スレッドというスペックを持つCPUだ。2世代前のモデルでCore i5-14400やRyzen 5 7500Fと近いゲーム性能を有している。60番台のグラフィックボードとの組み合わせがおすすめだ。マルチコア性能はそこそこである程度クリエイティブ作業にも対応できるがお仕事での使用を想定しているなら上位モデルを選択するべきだろう。ゲームがメインの方なら旧世代でもそこまでのデメリットはない。
GeForce RTX 5060 Ti 16GB(GPU)
GeForce RTX 5060 Ti 16GBはBlackwell世代の現行グラフィックボードだ。ミドルハイクラスの性能を持ちメインターゲットはフルHDとなる。VRAM容量が多いことでモンハンワイルズなどの最新タイトルでも高画質でプレイしやすい。基本的なラスタライズ性能はGeForce RTX 5060 Ti 8GBと変わらないが、今後もVRAM消費量の多いタイトルが増えてくると予想される。将来性を考えれば悪くない選択肢といえるだろう。
NEXTGEAR JG-A7G6T (7 5700X×RTX 5060 Ti 16GB)の特徴
バランスがよくおすすめしやすいモデル
NEXTGEAR JG-A7G6Tは、相場通りの174,900円で販売されているゲーミングPCだ。GeForce RTX 5060 Ti 16GB搭載モデルは、VRAM 8GB版と比べて価格が高めに設定されている。プレミアム価格だと考えてもよいかもしれない。特に、Ryzen 7 5700Xとの組み合わせは、モデルごとに価格が大きく異なる。。15万円台を切るモデルがあったり、20万円を超えるモデルがあったりと様々だ。
174,900円は高くも安くもない価格である。少し前まで17万円台は相場よりも少し安く、選びやすいモデルとして注目を集めていた。GeForce RTX 5060 Ti 16GBも登場から時間が経過しており、価格が少しずつ安くなってきている。NEXTGEARシリーズは大幅な値引きが行われず、パーツの価格低下に合わせた調整程度にとどまることが多い。今回は4,900円の値引きとインパクトは少ない。
他メーカーの製品は10,000円以上の値引きも適用されている。それでもコストパフォーマンスの評価は高い。その理由は後述する構成にある。単に価格が安いだけではコストパフォーマンスの評価は高くならない。弱点の少ないバランスが取れたモデルは評価も高まる傾向にある。その代表とも言えるのがNEXTGEAR JG-A7G6Tだ。
突出した部分もないが、これといった弱点もない。それでいて平均的なモデルよりも全体的に高い水準でバランスが取れている。性能・構成・価格が平均より少し高い。全体で見れば優秀なモデルになる。NEXTGEAR JG-A7G6Tは誰が選んでも後悔しにくい無難なモデルという印象だ。注目を集めるモデルは価格に特化したモデルばかりになってきている。性能・構成は平均的、もしくは平均以下で価格だけが突出して抑えられているモデルだ。
多くのメーカーが似たようなモデルを展開する中、NEXTGEAR JG-A7G6Tはしっかりと個性を出している。それはサポート面にも及んでいる。ほぼすべてのゲーミングPCが1年保証を標準としている中で、マウスコンピューターの製品はほとんど延長保証なしの3年が標準だ。さらに送料も無料なのでカスタマイズしなければ表示価格で購入可能だ。この親切な設計は初心者の方も安心して選べるはずだ。どこを取っても平均以上となり、総合力ではトップクラスなのがNEXTGEAR JG-A7G6Tのよいところである。
充実した構成がポイント
NEXTGEAR JG-A7G6Tをおすすめする理由として、構成が優れていることも挙げられる。価格を抑えたゲーミングPCの大半はSSDの容量を500GBに抑えている状況において、標準で1TBのSSDを搭載しているのはありがたい。一昔前なら500GBでも十分だったかもしれない。しかし、最近のゲームは100GBや200GBの容量が必要になるものも少なくない。
今やストレージ容量は1TBが基本と言っても過言ではない。つまり、500GB搭載のモデルは1TBへのカスタマイズが必須に近い。その必須級のカスタマイズを行わなくてよい構成はマウスコンピューターの強みだ。SSDの重要性は年々高まっており、オンラインゲームではアップデート毎に必要な容量は高まっている。1TB標準搭載のNEXTGEAR JG-A7G6Tは現在のゲーム事情に最適化されたモデルだ。
CPUファンに水冷式を採用しているのも見逃せないポイントだ。Ryzen 7 5700Xに水冷ファンはオーバースペックに感じるが、高い冷却性能を持っていることはプラスになるだろう。夏場の使用やPPTの引き上げでも耐えられるパフォーマンスを得られる。先々CPUの交換を行ったとしても、水冷CPUファンがあれば、冷却性能の高いCPUファンを別途用意する必要がない。ただし、水冷クーラーは有寿命製品であることは理解しておこう。
メモリ規格はDDR4-3200で、チップセットはB550だ。採用されているパーツは最新ではないものの、必要な箇所はしっかり充実している。コストカットをしつつも、不足を感じないよう構成はゲーマー視点のモデルだ。電源もよくある650W 80PLUS BRONZEではなく750W 80PLUS BRONZE搭載だ。電源容量に余裕があり、グラフィックボードの交換をしてもハイクラスまでならそのまま運用できる。
CPUファンや電源容量からもわかる通り、長く使用することも意識しているモデルだ。将来性という点でも優秀だ。先々困りそうな部分がない。そういった意味では完成度の高い。カスタマイズに余計な費用をかけなくてよいモデルである。
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マウスコンピューターの同性能帯モデルとの比較
ブランド名 | NEXTGEAR | NEXTGEAR |
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製品名 | NEXTGEAR JG-A7G6T (7 5700X×RTX 5060 Ti 16GB) |
NEXTGEAR JG-A7G6T (7 7700×RTX 5060 Ti 16GB) |
ケース | ミニタワー | ミニタワー |
価格 | 174,900円 | 194,800円 |
送料 | 無料 | 無料 |
CPU | Ryzen 7 5700X (8コア16スレッド) |
Ryzen 7 7700 (8コア16スレッド) |
CPUクーラー | 水冷(240mmラジエーター) | 水冷(240mmラジエーター) |
GPU | RTX 5060 Ti 16GB | RTX 5060 Ti 16GB |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR5-5200 16GB |
SSD | 1TB Gen4 NVMe | 1TB Gen4 NVMe |
電源 | 750W BRONZE | 750W BRONZE |
マザボ | B550 | A620 |
備考 | ・メモリスロット 4つ ・キーボード/マウス Mini DIN 6ピン ・背面ポート USB 2.0 Type-A×2 USB 3.0 Type-A×4 USB 3.1 Type-C×1 USB 3.1 Type-A×1 |
・メモリスロット 2つ ・キーボード/マウス USB利用 ・背面ポート USB 2.0 Type-A×2 USB 3.0 Type-C×1 USB 3.0 Type-A×2 |
納期 | 約6営業日 | 約6営業日 |
保証(延長) | 3年間(延長なし) | 3年間(延長なし) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
上位モデルでRyzen 7 7700搭載のNEXTGEAR JG-A7G6Tと比較していく。価格差は19,900円だ。これでCPUが次世代のRyzen 7 7700になり、メモリ規格がDDR5-5200となる。価格設定的には悪くない。一方で、マザーボードのチップセットは廉価グレードのA620となる。メモリスロットの数や背面ポートの充実度では劣ってしまうが、そこまで大きなデメリットがあるわけではない。
A620は現行のソケットAM5となり将来性が高い。Ryzen 9 9950X3DやRyzen 7 9800X3Dへアップグレードしたり、次世代モデルへ換装したりといったことが実現する。+20,000円程度であればどちらを選んでも満足度は高いように思う。価格と性能のバランス的にはRyzen 7 5700X×GeForce RTX 5060 Ti 16GBが少し上かもしれない。
他社BTOメーカーのモデルと比較
ブランド名 | NEXTGEAR | THIRDWAVE-G |
---|---|---|
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製品名 | NEXTGEAR JG-A7G6T (7 5700X×RTX 5060 Ti 16GB) |
Lightning-G AV-Ti7XW Ryzen7 5700X/RTX5060Ti 16GB搭載 (発光非対応モデル) |
ケース | ミニタワー | ミニタワー |
価格 | 174,900円 | 149,980円 |
送料 | 無料 | 3,300円 |
CPU | Ryzen 7 5700X (8コア16スレッド) |
Ryzen 7 5700X (8コア16スレッド) |
CPUクーラー | 水冷 (240mmラジエーター) |
空冷 |
GPU | RTX 5060 Ti 16GB | RTX 5060 Ti 16GB |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | 1TB NVMe Gen4 | 500GB NVMe Gen4 |
電源 | 750W BRONZE | 650W BRONZE |
マザボ | B550 | A520 |
納期 | 約6営業日 | 最短翌日出荷 |
保証(延長) | 3年間(延長なし) | 1年間(最長5年間) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
ドスパラのLightning-G AV-Ti7XWと比較していく。価格は送料込み21,620円も安い。性能は同等なので、単純に価格あたりの性能をコストパフォーマンスとすると圧倒的である。同じ性能帯でこの差はかなり大きく予算を抑えたい方には魅力的なモデルと言える。
もちろん、、NEXTGEAR JG-A7G6Tと比べれば構成はかなり抑えられている。チップセットのグレードは下がり、SSD容量も半減する。電源容量やCPUファンも落ちることから、構成では比べ物にならないほどの差が生じている。これらの構成の差から、総合的に見ると価格差はあってもNEXTGEAR JG-A7G6Tもおすすめできる。
NEXTGEAR JG-A7G6Tでは予算オーバーになってしまう方に、Lightning-G AV-Ti7XWがおすすめだ。予算に余裕があればNEXTGEAR JG-A7G6Tの方が満足度は高い。また、ストレージ容量や保証の長さをそれほど重視しない方にもLightning-G AV-Ti7XWが適している。大きなデメリットとメリットを併せ持つだけに、クセの強いモデルという印象がある。無難な選択肢としてNEXTGEAR JG-A7G6Tも候補に加えておこう。
パソコンケースレビュー
カスタマイズで赤色LEDケースファンを選択している。
梱包
非常にシンプルだ。説明書と電源ケーブルがついている。
かなりきれいに梱包されている。
正面
NEXTGEARを表したピンクのNGというデザインロゴが黒いケースに映える。2世代前のNEXTGEAR-Microを彷彿とさせる強力なフロントファンが、エアフローの強さを感じさせる。確認しづらいが、フロントファンは3連ファンとなっており、吸気性能は非常に高いことがわかる。右下には小さくNEXTGEARのロゴも見える。シンプルでありながら、ゲーミングPCとしての存在感のある重厚でスタイリッシュなデザインに仕上がっている。
ライトアップ
カスタマイズで変更可能な赤色LEDファンをライトアップ。カスタマイズなしはLEDファン非搭載なので注意。ゲーミングPCらしい派手なライトアップはガラスサイドパネル採用ケースには映える。従来のケースと異なり、サイドパネルを変更した上でLEDファンへ変更ではない。標準でガラスサイドパネル採用のケースである。単にLEDファンに変更するだけなので、コストも抑えられており、デザインを意識した選択がしやすくなっている。
I/Oパネル
I/Oパネルは最近のゲーミングPCに多い天板に搭載されている。USB 3.0が2つにイヤホン・マイクの入出力端子が1つのオーソドックスなものだ。一般的にUSBの接続端子が黒色はUSB 2.0を指すが、NEXTGEARのケースでは黒色でも3.0となっている。背面の黒色は2.0、青色は3.0となっているので少しややこしく感じる。天板部に黒色のUSB 3.0を採用したのはデザインを重視してのことだろう。
イヤホンマイクの入力端子にしても、I/Oパネルがケース全体の雰囲気を損なわない工夫だ。電源スイッチが黒く四角いタイプであることもケースデザインやカラーの基調に合わせたものだ。小さなところかもしれないが、こういった工夫がゲーミングPCのデザインと言える。
また、天板部には取り外し可能な防塵フィルターが装着されている。天板にも2基のファンがあり、吸気の強さを感じさせる。その分だけ埃の吸入も多くなるので、防塵フィルターの存在はありがたいものだ。パソコン内部に埃がたまりにくくなれば、それだけ長く使い続けることができる。本当によく考えられたケースであり、NEXTGEAR-Microの正当な後継機と言えそうだ。
右側
NEXTGEARのケースの右側はエアホールのないカバーのみとなっている。左側がガラスサイドパネルであることを考えると、空気の出入りは左右から行われない構造である。吸気が強いことで、空気が横に流れずに正しいエアフローを構築するような形だ。フロント3基、天板2基のファンのよさを損なわないカバーである。
右側内部
右側パネルの中は背面通しが可能なケーブルマネジメント機構となっている。ボトムカバーと合わせて、ケーブルを見せずにすっきりさせる形状となっている。また、2つの2.5インチシャドウベイも右側パネルの中にある。SATA SSDを搭載する際は、ここに固定することで表からはSATAケーブルのみ見える形になる。すっきりするだけでなく、接続しにくい電源ケーブルに近いことでセットアップが容易になる。
搭載されているファンが多いことで、少しケーブルがごちゃごちゃして見えるかもしれない。しかし、表からは見えないようにすっきりさせるというポイントはしっかり抑えられている。意外とこういった形状は管理がしやすく、ケーブルの破損も少ないので合理的なものだ。
左側内部
ガラスサイドパネルを外しての撮影だ。これだけすっきりしていると、ガラスサイドパネルを外さなくてもパソコン内部を確認できる。できるだけケーブルを見せないことで、各パーツの視認性が上がり、取り外しも非常に容易になる。3.5インチベイを採用しないことで、フロント部の余分なスペースを上手く利用できている。ファンを搭載し、3.5インチベイや2.5インチベイにエアフローを阻害されることがない。
ボトムカバーを採用しており、電源周辺のケーブルもうまく見えなくしている。また、デザインの重さを下部に集中させ、3.5インチベイや2.5インチベイを廃止したことで、上部まで広くすっきりして見える。スペースを広く確保しつつ、ボトムカバーで底上げをすることで、ケーブルに光が吸収されにくく、しっかりとLEDが反射しやすくなる。単にLEDファンを設定できるだけではない。LEDファンを搭載することを前提としているからこそできたケース内部だ。最近のデザイン偏重のケースにも負けないスタイリッシュな内部だ。水冷クーラーのラジエーターも設置できることから、実用性の高さもうかがい知れる。
背面
背面ははっきり言ってデザインを台無しにしやすい。ケース全体が黒なのに背面は銀色というのはよくある。ケースのしっかり合わせたカラーと形状をしており、評価を高めている。剛堅さを感じさせるフォルムに、使い勝手のよさを思わせる構造がある。
気になったのは背面ファンの取り付け位置だ。可変式の固定具があり、位置やサイズをあまり気にせず取り付けられそうだ。天板にファンを搭載しているケースにはよくあることだが、14cmファンなどの大きなタイプは干渉して取り付けられないことがある。それを考えてか、取り付け位置を上下に調整できるようになっている。これは天板のファンを交換することがあると恩恵を受けられる。大型、特殊なファンや機構を天板に取り付けると、設置できる背面ファンが限定されてしまいがちだ。それを防ぎ、幅を広げられている。デザインや機能を活かす機構が備わっているのは素晴らしい。
もう一つの注目点はPCIEカバーの留め具というのだろうか。スロットカバーを固定する箇所だ。内部にネジで固定するのではなく、外部の留め具に固定することで取り外しがしやすくなる。その留め具部分がしっかりケースと一体化しているのに驚く。実用的にもデザイン的にも軽視されやすい箇所を、しっかりとデザインの一部にしている。こほど完成度の高い背面は見たことがない。間違いなくNEXTGEARのケースは歴代のマウスコンピューター製品で最高峰の傑作である。
底
底面はマウスコンピューターの得意分野であると言える。おなじみのマグネット付きの防塵フィルターで、埃の吸引を抑えている。底面に関して少しても衝撃はあった。それは、底面の吸気箇所が完全に電源に集約されていることだ。G-Tuneのミニタワーは底面全体にエアホールがあり、全体を覆う防塵フィルターを採用していた。それをNEXTGEARでは実用性に完全に割り振っている。フロント3基、天板2基の吸気ファンは底面にも影響を与えていたのだ。
電源部分にのみ吸気口を用意しており、防塵フィルターもその部分だけにしている。これは完全に電源のためのスペースとして準備されている。電源の冷却と防塵のみを考えており、電源のパフォーマンスを安定させる構造だと言える。それはケース底面四隅の足を見てもわかる。一般的なパソコンやゲーミングPCはあまり高くないゴム足が採用されている。
そのため、底面はメンテナンスがしにくく、埃もたまりやすい環境になる。当然埃の吸入も多くなり、電源へのダメージは大きい。これだけの高さのあるNEXTGEARなら、電源は安定した吸気が可能となる。さらに、防塵フィルターの存在で電源へのダメージは軽微になるはずだ。ただ、防塵フィルターは定期的に水洗いして乾かすなどのメンテナンスが必要になる。
管理人による総評

マウスコンピューターが販売するミドルハイクラスのゲーミングPCだ。174,900円と20万円以下で購入できるのが嬉しい。CPUにはRyzen 7 5700Xを、GPUにはGeForce RTX 5060 Ti 16GBを搭載している。CPUクーラーは水冷式だ。この性能帯では珍しく充実した装備を持つ。VRAM容量が多いモデルで高いゲーム適性を持つ。モンハンワイルズなどのタイトルにも対応しやすい。構成もメモリDDR4-3200 16GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと平均以上だ。競合モデルと比較して検討するとよいだろう。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
174,900円 | 7 5700X | RTX5060Ti 16GB |
メモリ | SSD | チップセット |
DDR4 16GB | 1TB | B550 |