wsuirei画像引用元:https://game.watch.impress.co.jp/

CPUとグラフィックボードのダブル水冷ゲーミングPCについて紹介していく。CPU及びグラフィックボードの発熱量が上がり、これまで以上にダブル水冷にお金を掛ける価値があるのではないかと思う。Intel第13世代Core iシリーズもGeForce RTX 40シリーズもアーキテクチャが進化して省電力性が向上しているとは言っても比較的消費電力が大きく、発熱量も大きい。

夏場の暑い時期などは特に意識する必要があるだろう。様々な熱対策の中でもゲーミングPCの水冷化は効果が大きいと言える。ネックとなるのはコストと故障リスクだろう。空冷タイプと比べてパーツの点数が増えるのである程度は仕方がない。パフォーマンス・価格・故障リスクを天秤にかけて選択する必要がある。あなた自身が何を重視するかを考えて購入を検討しよう。搭載モデルについては、「おすすめのダブル水冷のゲーミングPCを紹介」で紹介している。ダブル水冷パソコンはサイコムが得意としている分野だ。

ダブル水冷パソコンの概要

ダブル水冷パソコンとは?

sycomwsuirei画像引用元:https://www.sycom.co.jp/bto/Hydro/

ダブル水冷パソコンとは、水(クーラント液)でCPUとグラフィックボードをダブルで冷却できるシステムが組み込まれたパソコンのことだ。PCパーツの中で最も発熱量の大きいCPUとGPUを冷却できるのはメリットが大きい。熱によるパフォーマンス低下を軽減できるというのが特徴だと言える。CPUに水冷クーラーを搭載したモデルというのはよく見るが、BTOパソコンの中でもダブル水冷は非常に珍しくあまりラインナップにない。どちらかというとグラフィックボードの水冷化が希少だ。

2023年時点でダブル水冷モデルは、サイコムでのみ販売されている。上記の画像はサイコムのW水冷のイメージ画像だ。一時はマウスコンピューターのゲーミングブランドであるG-Tuneから販売されていたが消滅してしまった。ゲーミングノートPC向けの水冷ボックスを販売しているのは興味深い。ノートパソコンにも高品質な冷却システムが求められる時代だ。ちなみにサイコムでは言葉として”デュアル水冷”が使用されている。目新しいものがなかった最近ではとても注目度の高いモデルだと言える。

ダブル水冷モデルは基本的に高性能なパーツを採用していて性能も高く、構成もパーフェクトに近いことが多く通常版と比べてもおすすめしやすい。性能が低いからゲームプレイに支障をきたすということはないだろう。熱に悩まされる環境ならば水冷の魅力も分かるだろうしおすすめだ。水冷に魅力を感じない人には少し割高に感じられるだろう。環境にもよるが、熱に困らないのであれば通常版を推奨する。

ゲームプレイの安定に繋がる

ダブル水冷の優れているポイントは何を置いてもやはりこの水冷によるCPUとGPUの冷却性能の高さだ。夏場の暑い時期でも温度のコントロールができるため安定したゲームプレイが実現する。特に風通しの悪い場所に設置すると、内部の熱は排熱されにくくなり悪循環を招く。そんな環境でも対応できるようになっているのは嬉しい。

もちろんダブル水冷パソコンでも風通しが良い場所であるほうが好ましく、より高い平均クロック周波数を実現しやすくなる。水冷CPUクーラーの効果を検証した結果、やはりハイエンドのモデルであれば水冷クーラーの方が好ましいことがわかった。CPUもGPUもこのクロック周波数を高く維持できれば理論上は高いパフォーマンスが発揮できているということになる。絶対的な性能は変わらないが、時間当たりのパフォーマンスで考えれば十分な向上と言えるだろう。排熱効率の高いサイコムのミドルケースと合わさると、もはや熱による弊害をカットできるレベルだ。

ダブル水冷パソコンを選ぶ際の注意点

通常モデルよりも価格が高い

ダブル水冷パソコンは、通常のモデルと比べて7万円~8万円程度高くなってしまう。当然水冷化のパーツが増えたこととそれに合わせてケースを選定する必要が出てくるので仕方のない部分だ。電源ユニットにもコストは掛かってしまうだろう。また、ハイクラス以上のゲーミングPCで採用されることが多くCPUとグラフィックボードの価格自体も上がってしまう。

これを高いと見るか安いと見るかで評価が変わる。機能性の高さを見れば特段高いと感じることはないと思う。パソコンは性能が高くなることで、パフォーマンスを低下させる原因となる熱の問題が付いて回る。夏場はどうしても温度が上昇しやすく、それによってパフォーマンスの著しい低下が見られるものだ。その問題を解決するのが、このダブル水冷モデルだ。精神的にストレスを感じることもなくなるのではないかと思う。

パーツの交換時にリスクが伴う

水冷パソコンの場合CPUやグラフィックボードを交換することが難しくなる。新しいパーツが出たから交換しようと気軽に行うことはできない。交換自体ができても水冷化がうまくできなかったり、故障の原因となったりしてしまう。特注品を使っている場合は交換自体不可能と考えておこう。だからこそハイエンドクラスのモデルを選択しておきたい。

デメリットに関しては人によるところが大きく、ハイエンドモデルである以上少なくとも早々に交換する必要はなさそうだ。基本的にダブル水冷パソコンでは水漏れの心配もなく耐久性も高いので基本的な面での不安はない。それでも空冷式と比べると故障リスクは高い。故障してしまうと修理に時間とコストが掛かってしまうことになる。当然ダブル水冷という特殊性から購入した店舗での修理となるので、近くのパソコンショップに持ち込みというのは厳しい。

おすすめのダブル水冷のゲーミングPCを紹介

G-Master Hydro Z790 Mini/D4(サイコム)

G-Master Hydro Z790 MiniD4価格:384,660円(税込)
CPU:Core i7-14700K
GPU:GeForce RTX 4070 Ti
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中

公式サイト

サイコムでもデュアル水冷モデルがある。驚くことにG-Master Hydro Z790 Mini/D4はミニタワーなのだ!通常ダブル水冷パソコンの場合パーツを搭載するために大型のケースが採用されることが多い。このモデルについてはコンパクトでありながら十分な拡張性を持ち高いパフォーマンスを発揮する。Core i7-14700K×RTX 4070 Tiを搭載していて高解像度や高リフレッシュレートでのゲームプレイに対応することが可能だ。WQHD環境でのゲームプレイに適している。Core i7-14700Kは20コア28スレッドと高スペックでマルチスレッド性能が高い。従来モデルのCore i7-13700KよりもEコアが4基増えた形だ。動画編集などのクリエイター作業を考えている方にもおすすめだ。これをベースモデルにあなた好みの一台に仕上げて欲しい。

G-Master Hydro X670A(サイコム)

G-Master Hydro X670A価格:487,350円(税込)
CPU:Ryzen 7 7700X
GPU:GeForce RTX 4080
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:1TB Gen4 NVMe
HDD:非搭載
電源:850W 80PLUS GOLD

公式サイト

Ryzenシリーズを採用した水冷モデルもある。当該モデルはミドルタワーケースを採用している。Ryzen 7 7700Xは8コア16スレッドとマルチスレッド性能の高さが魅力だ。動画編集・RAW現像などクリエイター作業も得意としている。グラフィックボードにはRTX 4080を搭載している。4K環境をメインターゲットとできる高い性能が魅力となっている。ベースモデルとして最適な一台だ。CPUやグラフィックボードをカスタマイズしたり、好みのメーカー製パーツに交換したりと楽しめるはずだ。ダウングレードにも対応している。

G-Master Hydro Z790/D5(サイコム)

G-Master Hydro X570A II価格:528,850円(税込)
CPU:Core i7-14700K
GPU:GeForce RTX 4080
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:1TB Gen4 NVMe
HDD:非搭載
電源:850W 80PLUS GOLD

公式サイト

ミドルタワーのゲーミングPCだ。CPUにはハイクラスのCore i7-14700Kを採用している。フラグシップモデルのCore i9-14900Kを選択することも可能だ。ゲームだけではなく、動画編集やエンコードなどでも高い性能を発揮する。グラフィックスにはGeForce RTX 4080を搭載している。電源も高品質な850W GOLD認証を採用し抜群の安定性を誇る。GeForce RTX 4090にアップグレードするもよしストレージを強化するもよし。GeForce RTX 4090にアップグレードする場合電源ユニットも同時にカスタマイズが必要だ。ぜひあなた好みの一台に仕上げて欲しい。

G-Tune H6-I9G80BK-A(G-Tune)

G-Tune H6-I9G80BK-A価格:439,800円(税込)
液晶:16.0インチWQXGA 240Hz
CPU:Core i9-13900HX
GPU:GeForce RTX 4080 Mobile
メモリ:DDR5-4800 32GB
SSD:1TB Gen4 NVMe
HDD:非搭載

公式サイト

+11,000円で外付け水冷BOX付属となる。ダブル水冷というわけではないが、ゲーミングノートPCで水冷クーラーを搭載したモデルは珍しいので紹介しておく。熱対策がキーとなるゲーミングノートPCでは理にかなったモデルだと言える。Core i9-13900HX×RTX 4080 Mobile搭載でデスクトップパソコンと比べても見劣りしないパフォーマンスを誇る。高リフレッシュレートでのゲームプレイにも対応可能だ。もちろん水冷クーラーのおかげで通常よりも高いパフォーマンスを期待できる。メモリ32GB、SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も充実している。水冷ボックスなしでの本体重量は約2.34kgと性能から見ると軽い。持ち運びにも対応できそうだ。

G-Tune XP-Z-LC(G-Tune)

masterpiece価格:571,780円(税込)
CPU:Core i9-11900K
GPU:GeForce RTX 3090
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:2TB NVMe
HDD:4TB
電源:1000W 80PLUS TITANIUM

RTX 3090を搭載したハイエンドクラスのゲーミングPCだ。CPUとGPUのダブル水冷搭載モデルとなっている。ゲーム性能に関しては現行最強と言っても過言ではない。4K解像度にも対応できるポテンシャルを持っている。ただし、ゲームプレイだけを考えるとGeForce RTX 3080 TiやGeForce RTX 3080でもよいのではないかとも思う。フラグシップモデルにこだわりたい方向けだ。構成も圧倒的でメモリ64GB、SSD 2TB、HDD 4TBとなる。電源ユニットも1000W PLATINUMと万全だろう。価格は税込50万円オーバーと選びやすいとは言えないが、まだまだ数が少ないGeForce RTX 3090を搭載した貴重なモデルだ。

G-Tuneのダブル水冷パソコンの仕組み【販売終了】

G-Tuneが過去に販売していたダブル水冷パソコンの仕組みを見ていく。今は販売終了となっているため参考として読み進めていただければと思う。

ラジエーター1つで両パーツを冷却

ここではG-tuneのモデルを例にダブル水冷の仕組みについて見ていく。CPUやグラフィックボードを水冷化するにはそれぞれラジエーターを使うことになる。品質の高さを誇るG-tuneはクイックコネクトと呼ばれる接続方式を採用し、質の高い水冷クーラーを搭載することに成功した。これによって省スペース化が実現してケースなどの制約がなくなったのが大きい。

具体的には通常ラジエーターはCPU及びグラフィックボードにそれぞれ一つずつ用意する必要があった。つまり、ケース内にそれなりの余裕がないと搭載すること自体が不可能だったのだ。それがクイックコネクトというG-Tuneの独自技術によって1つのラジエーターで二つのパーツに対応できるようになった。ある程度ケースの柔軟性が上がった。

また、ラジエーターの数が減ったことで静音性と効率化を両立できるようになった。結果的に、これまでできなかったSLI接続によるミドルタワーでのW水冷を実現。メンテナンスフリーで最低でも5年は品質の低下は見られないほど質の高い水冷クーラーだということだ。

品質の高さが売りとなっているG-tuneの今後の展望は様々でこれからも注目したい。また、ノートパソコンとデスクトップパソコンの両方の良いところを凝縮したパソコンの開発も進んでいるとのことだ。このW水冷とは、ただの水冷クーラー搭載モデルとは一味違うのだ。G-tuneが始めるゲーミングPCのパフォーマンス向上と品質向上を両立した新しい何かを生み出す一歩だ。ハイタワーPCでしか実現しなかったW水冷をミドルタワーで実現したのだから、もはや不可能なことはないだろう。

すっきりした中身で拡張も可能

内部を見ると水冷のチューブが目立つくらいでスペースにはまだ余裕がある。取り外しも簡単なので水冷対応のグラフィックボードなんかが登場すれば、付け替えもできる優れもの。オーバークロックに対応したCPUやグラフィックボードということもあり、オーバークロックの問題である発熱の問題も簡単にクリアしている。

より高みを見れる構成は通常のW水冷なしと比較して約2万円の差でしかない。これを高いと見るか安いと見るかは、ユーザーが求めているものによって変わってくるだろう。通常のモデルと同じくメモリスロットは4つあり、8GBを2枚使用した16GB構成で最大32GBまで搭載することが可能となっている。HDDを3~4台追加したり、サウンドカードやその他スロットを埋めるほどの拡張を行うには最適なダブル水冷。

ただし、CPUとグラフィックボードのみの冷却に特化しているため、ファンの交換や増設も一応検討したほうが良さそうだ。CPUとグラフィックボードからの発熱を大きく軽減させることができるので、よほどのことがない限り大丈夫だとは思うが・・・電源は500Wなので、増設を行うときはなるべく電源の見直しもしておきたい。

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