画像引用元:https://www.newegg.com/
当ページでは、Ryzen 5 5500の性能ベンチマーク&搭載ゲーミングPCを紹介している。長らく低価格帯のモデルを支えたRyzen 5 3500の後継モデルだ。6コア12スレッドとハイパースレッディングに対応となりより高いパフォーマンスを期待できる。低価格帯のゲーミングPCの購入を考えている方は必見だ。
Ryzen 5 5500は、上位モデルのRyzen 5 5600(Vermeer)と同じZen 3アーキテクチャを採用しているが、Cezanneシリコンを採用しているCPUだ。つまり、Ryzen 5 5600Gと同じアーキテクチャでiGPUの機能を取り除いたものとなっている。Vermeerとは大きな差があるという認識でよい。発売から2年近くの期間が経過しているが今でも新品で購入することができる。
搭載ゲーミングPCに興味のある方は「Ryzen 5 5500搭載おすすめゲーミングPC」で解説している。Zen 2アーキテクチャを採用したRyzen 5 4500もチェックしておこう。Ryzen 5 5500搭載モデルよりも価格が安く人気が高い。Ryzen 5 5500の$159という価格的にIntel製CPUの競合モデルは、Core i3-12100($122)あるいはCore i5-12400F($174)だ。Intel製CPUは性能が大きく引き上げられて価格的な優位性を見出さないと厳しい状況だ。
Ryzen 5 5500の基本情報
コードネーム | Zen 3(Cezanne) |
---|---|
プロセス | 7nm |
コア/スレッド数 | 6コア / 12スレッド |
コア定格/最大クロック | 3.7 GHz/ 4.2 Ghz |
L3キャッシュ | 16MB |
TDP | 65W |
発売日 | 2022年04月15日 |
MSRP | $159 |
国内価格 | 16,600円 *2024/10時点 |
特徴 | (+)低価格が特徴のRyzen 5 3500の後継モデル (+)6コア12スレッドとハイパースレッディングに対応 (-)ゲーミング性能はCore i3シリーズに劣る (-)搭載ゲーミングPCのラインナップが少ない |
評価 | ・総合評価 6.5 ・ゲーム評価 5.5 |
当ページの目次
Ryzen 5 5500の基本情報
基本スペック
Ryzen 5 5500 | Ryzen 5 5600 | Ryzen 5 5600G | Ryzen 5 3500 | |
---|---|---|---|---|
コードネーム | Zen 3(Cezanne) | Zen 3(Vermeer) | Zen 3(Cezanne) | Zen 2 |
プロセス | 7nm | 7nm | 7nm | 7nm |
トランジスタ数 | 107億 | 41.5億 | 107億 | - |
ダイサイズ | 180 mm² | 81 mm² | 180 mm² | - |
コア | 6 | 6 | 6 | 6 |
スレッド数 | 12 | 12 | 12 | 6 |
定格クロック | 3.7 GHz | 3.5 GHz | 3.9 GHz | 3.6 GHz |
最大クロック | 4.2 GHz | 4.4 GHz | 4.4 GHz | 4.1 GHz |
オーバークロック | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
L3キャッシュ容量 | 16MB | 32MB | 16MB | 16MB |
対応メモリ | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
内蔵グラフィックス | 非搭載 | 非搭載 | Radeon Vega 7 | 非搭載 |
CPUクーラー | Wraith Stealth | Wraith Stealth | Wraith Stealth | Wraith Stealth |
PCI Express | PCIe 3.0 | PCIe 4.0 | PCIe 3.0 | PCIe 4.0 |
TDP | 65W | 65W | 65W | 65W |
MSRP | $159 | $199 | $259 | $129 |
国内販売価格 | 14,780円 | 18,846円 | 25,200円 | *7,980円 |
発売日 | 2022/04/04 | 2022/04/04 | 2021/04/13 | 2020/02/22 |
Ryzen 5 5500は、Ryzen 5 5600Gと同じCezanneアーキテクチャを採用している。Vermeerと比べるとL3キャッシュ容量が少ないなどスペックダウンが図られている。プロセス・トランジスタ数・ダイサイズは共通だ。定格クロックは5%低く、最大クロックも5%低い。L3キャッシュ容量・対応メモリも同じだ。Ryzen 5 5500では内蔵グラフィックスが外されている。PCI Expressも3.0サポートと共通だ。TDPは65Wに抑えられている。価格差は$100だ。内蔵グラフィックスが搭載されている分だけRyzen 5 5600Gの価格が高い。
上位モデルのRyzen 5 5600はVermeerアーキテクチャを採用している。これはRyzen 5 5600XやRyzen 7 5800Xなどの上位モデルと同じものだ。プロセスは7nmを採用している。トランジスタ数は64%少なく、ダイサイズも82%小さい。これはCPU内蔵グラフィックスがないからだ。コア/スレッドは共通だ。定格クロックはRyzen 5 5500の方が6%高く、最大クロックはRyzen 5 5600の方が5%高い。
L3キャッシュ容量は倍の32MBだ。ゲームプレイなどにおいてはこのL3キャッシュ容量の多さがポイントとなる。CPUクーラーはWraith Stealthで同じだ。PCIe 4.0をサポートしている。TDPは65Wと共通だ。価格差は$40となる。
国内での販売価格は14,780円だ。上位モデルのRyzen 5 5600との価格差は4,066円とやや大きい。Ryzen 5 3500はすでに新品での購入は難しく中古のみだ。中古価格は7,980円とかなり安い。Ryzen 5 5600Gは25,200円となる。もっともRyzen 5 5600Gはゲーム適性が低くゲーミングCPUとしてはおすすめしづらい。ビジネスPC向けのCPUだ。15,000円という予算ならRyzen 5 5500は魅力的なモデルと言えるだろう。
Core i3シリーズと比較
Ryzen 5 5500 | Core i3-12100 | |
---|---|---|
コードネーム | Zen 3(Cezanne) | Alder Lake |
プロセス | 7nm | 10nm |
トランジスタ数 | 107億 | - |
ダイサイズ | 180 mm² | 163 mm² |
コア | 6 | 4 |
スレッド数 | 12 | 8 |
定格クロック | 3.7 GHz | 3.3 GHz |
最大クロック | 4.2 GHz | 4.3 GHz |
オーバークロック | ◯ | × |
L3キャッシュ容量 | 16MB | 12MB |
対応メモリ | DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 |
内蔵グラフィックス | 非搭載 | UHD Graphics 730 |
CPUクーラー | Wraith Stealth | ◯ |
PCI Express | PCIe 3.0 | PCIe 5.0 |
TDP | 65W | 60W |
MSRP | $159 | $122 ($104) |
国内価格 | 14,780円 | *15,980円/通常 *12,480円/F |
発売日 | 2022/04/04 | 2022/01/04 |
Core i3-12100は最新の規格であるDDR5-4800に対応しているのも強みだ。旧世代のDDR4-3200もサポートしている。Core i3-12100には内蔵GPUにUHD Graphics 730が搭載されている。どちらのCPUもCPUクーラー同梱だ。Core i3-12100はPCIe 5.0に対応していて、Ryzen 5 5500のPCIeよりも2世代も進んでいる。TDPはCore i3-12100の方が7%低く60Wだ。価格差は$27でCPU内蔵グラフィックス非搭載のCore i3-12100Fとなら$55となる。Core i3-12100は価格的にかなり優位な立場にある。
Core i3-12100は中古でのみ購入可能だ。Ryzen 5 5500の新品価格よりも500円高い。CPU内蔵グラフィックス非搭載のCore i3-12100Fなら13,480円と2,510円安価だ。Core i3-12100Fと十分比較検討するとよい。ゲーミング性能を重視するならCore i3-12100Fは強力なライバルだ。
Ryzen 5 5500の最新評価【2024年】
Ryzen 5 5500のゲーム性能スコアは21,713だ。旧世代のRyzen 5 4500よりも4%弱パフォーマンスが高い。2世代前のRyzen 5 3500と比べると10%程度性能が高くなっている。現行のRyzen 5 7500Fと比べると25%程度劣る。2024年時点でもある程度ゲーミングCPUとして検討してもよさそうだ。価格が抑えられていて選びやすいからだ。
新品価格16,600円は評価できる。この性能帯で新品で購入できるCPU自体希少だ。同性能帯のRyzen 7 3700Xの中古価格が13,980円~なのでお買い得感がある。新品なら保証面でも有利だ。物理コアの違いがあるもののゲームプレイだけを考えればデメリットはない。価格だけを追求するならRyzen 7 3700Xも選択肢として悪くないだろう。
搭載ゲーミングPCはかなり少ない。新興BTOメーカーのMDL.makeから「Ryzen5 5500 × RTX 4060」が販売されている。ずば抜けたコストパフォーマンスの高さから注目している。下位グレードのRyzen 5 4500搭載モデルでも実現できない水準だ。
Ryzen 5 5500の特徴&注意点【発売時点】
待望のRyzen 5 3500の後継モデルが登場
Ryzen 5 5500は、低価格帯で人気の高かったRyzen 5 3500の後継モデルだ。多くのユーザーがRyzen 5 3500の後継モデルを待ちわびていたはずだ。Ryzen 5 5500ではアーキテクチャが最新のZen 3になって、さらに6コア12スレッドとハイパースレッディングに対応となった。BTOメーカーが販売するモデルも最安値クラスのモデルならRyzen 5 3500を搭載している。それはRyzen 5 5500登場した今でも変わらない。
今後は随時Ryzen 5 5500搭載モデルへと切り替えられるだろう。Ryzen 5 5500は、Ryzen 5 3500よりも性能が高くその上位モデルであるRyzen 5 3600以上のパフォーマンスを発揮する。すでに23,000円前後で販売されていて魅力的な選択肢となっている。特にマルチスレッド性能を重視している方におすすめだ。従来モデルのRyzen 5 3500あるいは2世代前のRyzen 5 2600からの買い替えなら性能差を体感できる。
2023年2月時点でRyzen 5 3500搭載モデルはなくなっている。Ryzen 5 5500が低価格帯で人気のモデルになるかと思いきや、一世代前のRyzen 5 4500が台頭した。型番的にはRyzen 5 4500がRyzen 5 3500の直接の後継モデルだ。Ryzen 5 4500は、Ryzen 5 5500の半額程度で購入できる。サードウェーブ(ドスパラ)では税込8万円台で搭載モデルがリリースされている。Ryzen 5 5500は価格的にやや苦しい状況だと言える。Ryzen 5 4500かRyzen 5 7600の間に挟まれてやや中途半端と言えるかもしれない。
ゲーム適性はやや低くCore i3シリーズに劣る
Ryzen 5 5500は、ゲーム適性の高いCPUとは言えないのがデメリットだ。やはりCezanneベースでL3キャッシュ容量が16MBと少ないのが響いているのだろう。ゲーミング性能については上位モデルであるRyzen 5 5600との差がかなり大きく、競合モデルであるCore i3-12100にも劣ってしまう。
Core i3-12100の方がL3キャッシュ容量は少ないが、ゲーム適性はRyzen 5 5500を上回る。Alder Lake世代になってIPCが改善してそれがプラスに働いているということだろう。AMD製CPUの場合はこのL3キャッシュ容量が重要な役割を果たしている。最大クロック周波数が高いのも強みだ。
搭載ゲーミングPCはまだ販売されていない
2022年4月時点でRyzen 5 5500を搭載したゲーミングPCは販売されていない。上位モデルであるRyzen 5 5600搭載モデルが販売されていることを考えるともう少し時間が経てばドスパラ・パソコン工房・フロンティアなどのショップが搭載モデルをリリースするのではないかと思う。
低価格帯のゲーミングPCを購入したいと考えている方は必見だ。ただし、Core i5-12400やCore i3-12100搭載モデルと十分比較検討する必要がある。Intel製CPUにゲーム適性で劣ってしまうため価格的な優位性がない限り選ぶ理由はないだろう。
その後パソコン工房やTSUKUMOなどで搭載モデルがリリースされた。比較的価格が抑えられていて選びやすいと言える。
Ryzen 5 5500のゲームベンチマーク一覧
Far Cry 6
Hitman 3
Horizon Zero Dawn
Watch Dogs: Legion
その他アプリケーションのベンチマーク
Cinebench R23
7-Zip
Handbrake
Adobe Premiere and Photoshop
Corona 1.3
Ryzen 5 5500搭載おすすめゲーミングPC
Ryzen5 5500 × RTX 4060(MDL.make)
130,800円 109,800円(送料込)
CPU:Ryzen 5 5500
GPU:GeForce RTX 4060
メモリ:16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:調査中
Ryzen 5 5500×GeForce RTX 4060搭載のミドルクラスのゲーミングPCだ。フルHD環境でのゲームプレイに適している。CPUにRyzen 5 4500ではなくRyzen 5 5500を搭載していて税込10万円台は圧巻だ。セール期間中にぜひ入手しておきたい。メモリ16GBと必要十分だ。ゲームプレイにおいて不足はない。ストレージはSSD 500GB NVMeとなる。複数のタイトルを保存することが可能だ。電源ユニットは650W BRONZEを採用している。
LEVEL-M7P5-R55-NAX(パソコン工房)
CPU:Ryzen 5 5500
GPU:GeForce RTX 3050
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:700W BRONZE
グラフィックスにAmpere世代のエントリークラスであるRTX 3050を搭載したゲーミングPCだ。GTX 1660 SUPERよりも少しだけ性能が高い。その上でレイトレーシング・DLSSに対応しているのがポイントだ。性能的にそれほど活かせる機会はないかもしれないが試してみるのによいだろう。メモリ16GB、SSD 500GBという構成だ。
G-GEAR GA5A-B230/B(TSUKUMO)
CPU:Ryzen 5 5500 *カスタマイズ
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
電源:500W BRONZE
RTX 3060搭載のミドルクラスのゲーミングPCだ。ミドルタワーケースを採用していて拡張性が高い。Ryzen 5 5500とのバランスも良好だと言える。メモリ16GB、SSD 500GBと平均的な構成だ。電源ユニットは500W BRONZEを採用している。税込17万円台という価格はやや高く感じてしまう。Core i5-12400搭載モデルの方がゲーム向きだ。
LEVEL-M7P5-R55-SAX(パソコン工房)
CPU:Ryzen 5 5500
GPU:GeForce RTX 3060 Ti
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:700W BRONZE
グラフィックスにハイクラスのRTX 3060 Tiを搭載したゲーミングPCだ。Ryzen 5 5500とのバランスはやや取りづらいものの大きな問題とはならない。メモリ16GB、SSD 500GBと構成は平均的だ。電源ユニットは500W BRONZEを採用している。RTX 3060搭載モデルに+11,000円と考えるとこちらの方がコストパフォーマンスが高い。
管理人による総評(Ryzen 5 5500)
Ryzen 5 5500は、Zen 3アーキテクチャ(Cezanne)を採用したローエンドクラスのCPUとなっている。旧世代で人気の高かったRyzen 5 3500の後継モデルだ。$159という価格でIntel Core i3-12100やCore i5-12400Fが競合となる。アーキテクチャが変わっただけではなく6コア6スレッドから6コア12スレッドへとスペックが強化されてより高い性能を持つ。
上位モデルであるRyzen 5 5600はVermeerベースでRyzen 5 5500とは異なる。どちらかというとすでに発売されていたAPUであるRyzen 5 5600GのiGPUを無効化したものだと考えるとわかりやすい。Ryzen 5 5600と比べるとL3キャッシュ容量が半減などパフォーマンス面でやや不利だ。現時点でパソコン工房とTSUKUMOから搭載モデルがリリースされている。
参照外部サイト
- CPU市場でインテルがシェア拡大! 3年ぶりの高水準を記録(BCN+R, 2021)
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