ryzen57500ftopRyzen 5 7500Fのスペックレビュー&性能ベンチマーク検証を行った。ついにZen 4アーキテクチャ採用でコストパフォーマンス重視のRyzen 5シリーズを入手できた。6コア12スレッドとスペックは平凡だが、アーキテクチャの進化でパフォーマンスの底上げが行われている。国内では単品販売はされておらず、基本的にはBTOメーカーなどのシステムに組み込まれている形でのみ手に入れられる。末尾のFはIntel製CPUと同様にCPU内蔵グラフィックス非搭載モデルを意味する。

Ryzen 5 3500(Zen +)→Ryzen 5 4500(Zen 2)→Ryzen 5 5500(Zen 3)と続く高コスパモデルだ。今でもRyzen 5 4500搭載モデルが販売されているが、次世代のRyzen 5 7500F搭載モデルが気になっているユーザーも多いはずだ。L3キャッシュ容量が増えてどこまでゲーム性能が向上しているかに注目したい。実は旧世代の上位モデルであるRyzen 7 5700Xよりもゲーム性能が高い。Ryzen 5シリーズの完成形に近づいているように思える。「Ryzen 5 7500F搭載おすすめゲーミングPC」で各モデルの特徴を解説している。ドスパラ・パソコン工房・マウスコンピューター・アークで取り扱いがある。Core i5-14400F搭載モデルとの価格差に注目したい。Core i5-14400Fはマルチコア性能で大きく上回っているため、価格が変わらないならRyzen 5 7500Fは不利だ。

Ryzen 5 7500Fの基本情報

コードネーム Zen 4(Raphael)
プロセス 5nm
コア/スレッド数 6コア / 12スレッド
定格/最大クロック 3.7 GHz / 5.0 GHz
L2キャッシュ 6MB
L3キャッシュ 32MB
PBP(TDP) 65W
MTP(PL2) 88W
ソケット AM5
発売日 2023年6月22日
MSRP $179
価格 国内販売なし
特徴 (+)6コア12スレッドの高コスパCPU
(+)大容量L3キャッシュを搭載している
(+)マルチコア・ゲーム性能が大きく向上している
(+)AM5ソケット対応で長く使い続けられる
(+)搭載モデルが豊富
(-)国内での単体販売がない
(-)搭載モデルに割安感はない
評価 ・総合評価
7.0

・ゲーム評価
7.5

Ryzen 5 7500Fのスペック

他のRyzen 5シリーズと比較

Ryzen 5 7500F Ryzen 5 7600 Ryzen 5 5500 Ryzen 5 4500
メーカー AMD AMD AMD AMD
コードネーム Zen 4(Raphael) Zen 4(Raphael) Zen 3(Cezanne) Zen 2(Renoir)
トランジスタ数 65.7億 65.7億 107.0億 98.0億
プロセス 5 nm 5 nm 7 nm 7 nm
ダイサイズ 71 mm² 71 mm² 180 mm² 156 mm²
I/Oダイプロセス 6 nm 6 nm
I/Oダイサイズ 122 mm² 122 mm²
CPUコア数 6 6 6 6
スレッド数 12 12 12 12
定格クロック 3.7 GHz 3.8 GHz 3.6 GHz 3.6 GHz
最大クロック 5.0 GHz 5.1 GHz 4.2 GHz 4.1 GHz
L2キャッシュ 6MB 6MB 3MB 3MB
L3キャッシュ 32MB 32MB 16MB 8MB
対応メモリ DDR5-5200 DDR5-5200 DDR4-3200 DDR4-3200
内蔵グラフィックス 非搭載 Radeon Graphics 非搭載 非搭載
PCI-Express Gen 5, 24 Lanes Gen 5, 24 Lanes Gen 3, 24 Lanes Gen 3, 16 Lanes
CPUクーラー Wraith Stealth Wraith Stealth Wraith Stealth Wraith Stealth
ソケット AM5 AM5 AM4 AM4
PBP(TDP) 65W 65W 65W 65W
MTP(PL2) 88W 88W
MSRP $179 $229 $159 $129
国内価格 販売なし 34,980円~ 15,480円~ 9,980円~
*中古価格
搭載PC価格 159,800円~
(RTX 4060 Ti)
219,980円~
(RTX 3060)
139,800円~
(RTX 4060 Ti)
発売日 2023年07月22日 2023年01月14日 2022年04月04日 2022年04月04日

Ryzen 5 7500Fは、Zen 4アーキテクチャを採用したCPUだ。型番のFはCPU内蔵グラフィックス非搭載モデルであることを意味する。トランジスタ数は65.7億だ。Ryzen 5 7500FはCPUダイとI/Oダイを組み合わせたチップレット構造で製造されている。プロセスはそれぞれ5nm・6nmだ。6コア12スレッドというスペックを持つ。基本的には上位モデルであるRyzen 5 7600のクロック周波数を引き下げたモデルとなる。

定格クロックはRyzen 5 7600よりも0.1GHz低く、最大クロックもRyzen 5 7600よりも0.1GHz低い。L2キャッシュは6MB・L3キャッシュは32MBだ。上位モデルと同じキャッシュ容量なのは心強い。対応メモリはDDR5-5200となる。Ryzen 5 7500Fは、Ryzen 5 7600とは違ってCPU内蔵グラフィックスは非搭載だ。外付けのグラフィックボード(dGPU)搭載が必須となる。TDPは65W・PL2は88Wだ。MSRPは$179で、Ryzen 5 7600よりも$50安い。搭載モデルは159,800円~購入可能だ。

旧世代のRyzen 5 5500と比較していく。Ryzen 5 5500はZen 3アーキテクチャを採用したモデルだ。トランジスタ数は107.0億とRyzen 5 7500Fよりも63%多い。プロセスは7nmで一世代古い。ダイサイズは180m㎡と、Ryzen 5 7500Fの193m㎡よりも6%小さい。CPUコア・スレッド数は6コア12スレッドと共通だ。定格クロックはRyzen 5 7500Fの方が0.1GHz(3%)高く、最大クロックもRyzen 5 7500Fの方が0.8GHz(20%)高い。

Ryzen 5 5500のL2キャッシュはRyzen 5 7500Fの半分で3MBだ。L2キャッシュも半減で16MBとなる。Ryzen 5 7500Fになってキャッシュ回りが強化されている。Ryzen 5 5500はDDR4-3200メモリをサポートしていてDDR5メモリには非対応だ。CPUクーラーはWraith Stealthと共通だ。PCI-ExpressはGen 3だ。TDPは65Wとなる。MSRPは$159でRyzen 5 5500の方が$20安い。国内価格は14,380円だ。搭載モデルは販売終了となっている。

最後に2世代前のRyzen 5 4500のスペックを見ていこう。トランジスタ数は98.0億だ。プロセスは7nmで、ダイサイズは156m㎡となる。6コア12スレッドとスペックは共通だ。定格クロックは3.6GHzでRyzen 5 7500Fよりも0.1GHz低く、最大クロックも4.1GHzでRyzen 5 7500Fよりも0.9GHz低い。L2キャッシュは3MBでRyzen 5 7500Fと比べて半減で、L3キャッシュは1/4で8MBとなる。対応メモリはDDR4-3200だ。CPUクーラーはWraith Stealthだ。

PCI-ExpressはGen 3, 16 Lanesだ。TDPは65Wと変わっていない。MSRPは$129でRyzen 5 7500Fよりも$50安い。国内価格は中古で10,000円前後だ。搭載モデルの価格は139,800円~となる。同じGPUを搭載していた場合の価格差は20,000円でRyzen 5 7500Fとの性能差を考えると妥当な価格設定ではないかと思う。

Core i5-13400と比較

Ryzen 5 7500F Core i5-13400 Core i5-14400
メーカー AMD Intel Intel
コードネーム Zen 4(Raphael) Raptor Lake Raptor Lake-R
トランジスタ数 65.7億
プロセス 5 nm 10 nm 10 nm
ダイサイズ 71 mm² 257 mm² 215 m㎡
I/Oダイプロセス 6 nm
I/Oダイサイズ 122 mm²
CPUコア数 6 10(6P+4E) 10(6P+4E)
スレッド数 12 16 16
定格クロック(P) 3.7 GHz 2.5 GHz 2.5 GHz
最大クロック(P) 5.0 GHz 4.6 GHz 4.7 GHz
定格クロック(E) 1.8 GHz 1.8 GHz
最大クロック(E) 3.3 GHz 3.5 GHz
L2キャッシュ 6MB 9.5MB 9.5MB
L3キャッシュ 32MB 20MB 20MB
対応メモリ DDR5-5200 DDR5-4800
DDR4-3200
DDR5-4800
DDR4-3200
内蔵グラフィックス Wraith Stealth 付属 付属
PCI-Express Gen 5, 24 Lanes Gen 5, 16 Lanes Gen 5, 16 Lanes
CPUクーラー Wraith Stealth 付属 付属
ソケット AM5 LGA1700 LGA1700
PBP(TDP) 65W 65W 65W
MTP(PL2) 88W 148W 154W
MSRP $179 $221 $221
国内価格 販売なし 35,860円~ 35,480円/通常
31,980円/Fモデル
搭載PC価格 159,800円~
(RTX 4060 Ti)
132,980円~
(GTX 1660 SUPER)
179,800円~
(RTX 4060 Ti)
発売日 2023年07月22日 2023/01/03 2024/01/08

価格帯の近い競合モデルであるCore i5-13400と比較していく。Core i5-13400はRaptor Lake世代の高コスパCPUだ。プロセスは10nmでダイサイズは257m㎡となる。モノシリックダイを採用しているのがポイントだ。Ryzen 5 7500Fは5nmと6nmプロセス採用のCPUコアダイとI/Oダイを組み合わせたチップレット構造となる。Core i5-13400はハイブリコアアーキテクチャ採用で10コア16スレッドとスペックが高い。

6つのPコアと4つのEコアを採用している。Pコアのみハイパースレッディングに対応している形だ。Ryzen 5 7500FはPコア相当のコアが6コアということになる。Eコアは非搭載だ。Pコアの定格クロックはRyzen 5 7500Fの方が1.2GHz(48%)高く、最大クロックもRyzen 5 7500Fの方が0.4GHz(9%)高い。Eコアのスペックを見ると、定格クロックが1.8GHzで最大クロックが3.3GHzとなる。Pコアよりはクロック周波数が抑えられている。

Core i5-13400はL2キャッシュが9.5MBと多いが、L3キャッシュはRyzen 5 7500Fの方が60%も多くなっている。Core i5-13400の対応メモリはDDR5-4800・DDR4-3200だ。DDRメモリをサポートしているのはコスト面で有利だ。Core i5-13400もCPUクーラー同梱だ。内蔵グラフィックスにはIntel UHD Graphics 730を搭載している。もちろんCPU内蔵グラフィックス非搭載のCore i5-13400Fも選択可能だ。

PCI-ExpressはGen 5, 16 Lanesとなる。Core i5-13400のPBPは65WとRyzen 5 7500Fと共通だが、MTPは148WとRyzen 5 7500Fよりも69%高くなっている。Core i5-13400のMSRPは$221だ。国内価格は35,860円~となる。搭載モデルの価格は132,980円~だ。搭載モデルの価格を見る限り価格的にはCore i5-13400が有利だ。なお、搭載モデルの場合はCPU内蔵グラフィックス非搭載のCore i5-13400Fが選択されることが多い。なお、次世代のCore i5-14400Fだと国内販売価格は31,980円~となっている。搭載モデルの価格はRyzen 5 7500Fよりも+20,000円程度見ておくとよい。

Ryzen 5 7500Fの特徴&注意点

Ryzen 5 7600に匹敵する高いゲーム性能を誇る

ryzen57500f-gamescore
Ryzen 5 7500Fのゲーム性能スコアは28,981とまずまずだ。フルHD環境×高リフレッシュレートなど一般的な用途であれば不満は感じないだろう。6コア12スレッドと昨今のコアインフレ事情からするとやや平凡だが、ゲーミング性能は高めでIntel第14世代のCore i5-14400と同等のスコアとなっている。

Ryzen 7 5700Xと比べても7%程度上回っている。旧世代のRyzen 5 5500と比べて34%もゲーム性能が高い。今でも搭載モデルが購入できる2世代前のRyzen 5 4500と比べても37%高い。Ryzen 5 4500と完全に置き換わることができれば間違いなく人気モデルになる。L3キャッシュ容量が32MBとRyzen 5 5500の2倍、Ryzen 5 4500の4倍と大幅に増えたことがゲームプレイにおいてプラスに働いている。

Ryzen 5シリーズのエントリークラスの弱点が克服された。これまではキャッシュ回りが弱くややゲームにおいてハンデがあったからだ。Ryzen 5 7500FはZen 4アーキテクチャ採用のラインナップの中でも後発のCPUだが、性能を見ればある程度納得できるように思う。国内で単体販売されていないのが残念だ。Ryzen 5 5500やRyzen 5 4500の後継モデルとして確固たる地位を築けたはずだ。

省電力性が高い

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Ryzen 5 7500Fは省電力性に優れたCPUとなっている。Ryzen 5 7500Fが優れているというよりもZen 4アーキテクチャが優れているといった方が正しいかもしれない。Core i5-13400と同等の消費電力に抑えられているのは評価できる。Ryzen 5 7600と比べても最大で10%も消費電力が低く650W 80PLUS BRONZEでも問題なく使用できる。Ryzen 5 5500やRyzen 5 4500と比べてもワットパフォーマンスが優れていることがわかる。性能の伸びに対して消費電力はそこまで高くなっていない。Ryzen 5 5500と比べてゲーム性能が30%以上高くなっているのに対して、消費電力は15%高くなったに過ぎない。アーキテクチャの凄さが浮き彫りになった。

搭載モデルのラインナップが豊富

2025年6月時点でもRyzen 5 7500Fを搭載したゲーミングPCのラインナップは豊富だ。ドスパラ・パソコン工房・マウスコンピューター・アークなどで取り扱いがある。前世代のRyzen 5 5500については搭載モデルもほとんどない状況だ。2世代前のRyzen 5 4500はまだ搭載モデルが販売されているが、価格帯・性能帯が異なるため気にしなくてもよいだろう。

ソケットAM5対応も大きなメリットだ。現行のRyzen 9000シリーズも対応していて次世代モデルも対応となる可能性が高い。つまり、今の段階ではRyzen 5 7500Fを選んでコストを抑えつつCPU性能が物足りなくなればRyzen 7 7800X3Dなど高性能なモデルへアップグレードできる。将来性が高いソケットを搭載しているのは強みになる。

ryzen57500flineup画像引用元:https://www.dospara.co.jp/TC973

悩ましいのは性能で上回るCore i5-14400F搭載モデルと価格がほとんど変わらないことだ。上記はドスパラの高コスパブランドTHIRDWAVE-Gシリーズのラインナップだ。グラフィックボードとの組み合わせ次第ではCore i5-14400搭載モデルの方が安い場合もある。AMD製CPUにこだわりがなければCore i5-14400を選ぶのもよい。ただし、次世代のCore Ultraシリーズ2ではソケットが変わるためアップグレードの柔軟性は劣る。

Ryzen 5 7500Fの最新ベンチマーク【2025年再計測】

2025年に改めてベンチマークを計測した。機材自体は「Ryzen 5 7500Fのベンチマーク検証機材」だが、グラフィックボードをより現実的な組み合わせでの最上位に当たるGeForce RTX 5070へと変更している。Ryzen 5 7500Fとの組み合わせで90番台のグラフィックボードを選択するユーザーはいないという判断だ。また、CPUについても今でも搭載BTOパソコンが販売されているモデルを中心にピックアップしている。

モンハンワイルズ(中設定)

MonsterHunterWILDStopryzen57500f-monsterhunterwilds

Ryzen 7 5700XとRyzen 5 4500を除けば各CPUが団子状態だ。GeForce RTX 5070までのモデルとの組み合わせならRyzen 5 7500Fで十分だということだ。Ryzen 7 9700XやCore i7-14700と同等のフレームレートを出せるという点でコスパに優れている。GPU負荷の高いタイトルなら一定以上の性能があれば十分だとわかる。

FF14

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FF14でもフレームレートは悪くない。Ryzen 7 5700Xと比べてフルHDでは6%程度フレームレートが高い。Ryzen 7 7700との性能差は2%とそれほど大きくない。Core i5-14400と比べても19%も上回っている。WQHD環境以上だと横並びといえる。Ryzen 5 7500Fはコストパフォーマンスの高いCPUだ。

フォートナイト

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フォートナイトでもまずまずのフレームレートが出ている。Ryzen 7 5700Xと比べると低設定で30%、高設定で44%、最高設定で31%もフレームレートが高い。Core i5-14400と比べると低設定では3%弱劣るものの、中設定以上では10%程度上回っている。Core Ultra 5 225と比べても同等だといえるだろう。上位のRyzen 7 7700になるとさらに25%程度フレームレートが向上する。GPU負荷を下げた低設定ではCPU性能の差が顕著に現れる。

Cyberpunk 2077

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Cyberpunk 2077ではWQHD及び4K環境ではCPU性能の差はほとんど出ない。フルHD環境でのフレームレートを見ると、Ryzen 7 5700Xよりも23%高く、Core i5-14400よりも12%高くなっている。Ryzen 7 7700と同等のフレームレートが出ているのは評価できる。

Forza Horizon 5

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Forza Horizon 5ではRyzen 7 5700XよりもフルHDで29%、WQHDで32%、4Kで39%もフレームレートが高い。一方でCore i5-14400と比べるとフルHDで10%、WQHDで9%、4Kで8%低くなっている。Ryzen 7 7700と同等以上のパフォーマンスには驚きだ。

Bright Memory

Bright Memoryryzen57500f-brightmemory

Bright MememoryではRyzen 5 4500以外のモデルで性能差が出ていない。Ryzen 5 7500FでもRyzen 7 7700でもRyzen 7 9700Xでも同等の性能が期待できる。

Black Myth

Black Mythryzen57500f-blackmyth

Black MythはAMD製CPUとの相性が抜群だ。Core i5-14400よりもフルHDで40%、WQHDで53%、4Kで49%もフレームレートが高い。Ryzen 7 5700Xと比べても最大で20%もフレームレートが高くなっている。

Ryzen 5 7500Fのゲームベンチマーク一覧【2023年計測】

GeForce RTX 4090との組み合わせでのパフォーマンスを計測している。

FF14

ff14画像引用元:https://www.playstation.com/ryzen57500f-ff14

FF14のベンチマーク結果を見ていく。Ryzen 5 7500Fは、従来モデルのRyzen 5 5500と比べて2%-4%程度フレームレートが向上している。Ryzen 5 4500と比べると最大で9%もフレームレートが高い。競合モデルのCore i5-13400と比べると同等のフレームレートが出ている。WQHDでは少しだけ上回っている。上位モデルであるRyzen 5 7600との差は1%-5%程度だ。

Blue Protocol

blueprotocolryzen57500f-blueprotocol

Blue Protocolでのパフォーマンスを見ていく。従来モデルのRyzen 5 5500と比べて5%-15%もフレームレートが向上している。特にフルHD環境で大きく性能が高くなった。競合モデルであるCore i5-13400と比べても6%-8%もパフォーマンスが高い。フルHD環境ではCore i5-13600Kに近い性能を有している。上位モデルであるRyzen 5 7600と比べて3%-4%程度低い。4K環境ではRyzen 5 7500Fの方がフレームレートが高くなっているのは謎だ。

Forza Horizon 5

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Forza Horizon 5でのフレームレートを見ていこう。従来モデルであるRyzen 5 5500と比べて最大で4%フレームレートが高い。Ryzen 5 4500と比べると最大7%フレームレートが高くなっている。競合モデルのCore i5-13400と比べてもパフォーマンスは上だ。Ryzen 5シリーズもしっかりと性能の底上げが行われている。

Cyberpunk 2077

Cyberpunk2077topryzen57500f-cyberpunk2077

Cyberpunk 2077でのパフォーマンスを見ていく。Ryzen 5 5500と比べてフルHDで11%・WQHDで9%・4Kで4%それぞれフレームレートが高い。Ryzen 5 4500と比べると最大で20%もフレームレートが高くなっていることがわかる。Ryzen 5シリーズも世代を重ねて着実に性能が引き上げられている。競合のIntel Core i5-13400と比べても見劣りしない水準にある。ゲーム=Intelという図式は過去のものだ。トップもAMDの3D V-Cache搭載のRyzen 7 7800X3Dであることからも判断できるだろう。

Far Cry 6

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最後にFar Cry 6のフレームレートを見ていこう。Ryzen 5 7500Fは、Ryzen 5 5500よりもフルHDで6%・WQHDで8%・4Kで1%それぞれフレームレートが高くなっている。Ryzen 5 4500と比べても最大で15%もフレームレートが高い。上位モデルであるRyzen 5 7600との性能差は最大で5%程度だ。競合モデルのCore i5-13400と比べてもゲーム性能は上だ。

Ryzen 5 7500Fのクリエイティブ性能ベンチマーク【2023年計測】

Cinebench 2024

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Cinebench 2024でのパフォーマンスを見ていく。2023年9月にCinebench R23の最新バージョンとしてリリースされた。最新アーキテクチャへの対応などでより正確なパフォーマンス計測が可能だ。Ryzen 5 7500Fのマルチコアは808、シングルコアは97となる。従来モデルのRyzen 5 5500と比べてマルチコアが37%高く、シングルコアも20%高くなった。2世代前のRyzen 5 4500と比べるとマルチコアが50%高く、シングルコアも35%高い。上位モデルであるRyzen 5 7600との性能差は3%程度とそれほど大きくない。競合モデルであるCore i5-13400と比べるとマルチコアは10%低く、シングルコアも8%低い。ハイブリッドコアアーキテクチャで10コア16スレッドとスペックが高いことが活きている。

Cinebench R23

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Cinebench R23でのパフォーマンスを見ていく。Ryzen 5 7500Fのマルチコアは14,481、シングルコアは1,800だ。マルチコアではRyzen 5 7600を上回る結果となっている。計測次第では当然逆転するはずだ。従来モデルのRyzen 5 5500と比べてマルチコアが36%高く、シングルコアも37%も高い。Zen 3→Zen 4になって大幅に性能が引き上げられていることがわかる。競合モデルであるCore i5-13400と比べるとマルチコアが9%低く、シングルコアもわずかに低い。Ryzen 5 ◯500シリーズとしては十分過ぎる性能を有している。

Blender

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Blenderでのベンチマーク結果をまとめた。Ryzen 5 7500Fのスコアは195.18とまずまずだ。上位68%以内に入る。旧世代のRyzen 5 5500と比べて38%高く、Ryzen 5 4500と比べても56%も高くなった。競合モデルであるCore i5-13400とのスコア差は9%でやや劣る。価格帯を考えると十分なレンダリング性能を持っている。

7-Zip

7zipryzen57500f-zip

Zipファイルの展開速度及び圧縮速度をまとめた。Core i5-13400と比べて展開速度が15%速く、圧縮速度も少しだけ速い。旧世代のRyzen 5 5500よりも展開速度が39%速く、圧縮速度も2%速い。上位モデルであるRyzen 5 7600と比べると展開速度が2%遅く、圧縮速度も14%遅くなっている。10コア16スレッドのCore i5-13400を上回っているのは驚きだ。

Handbrake

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Handbrakeで4分の4K動画をH.265及びH.264にエンコードした速度をまとめている。Ryzen 5 7500FはRyzen 5 5500と比べてH.264で21%速く、H.265でも22%速くなっている。Ryzen 5 4500と比べるとH.264で38%速く、H.265でも40%も速い。競合のCore i5-13400と比べるとH.264で8%遅く、H.265でも5%遅い結果だ。ここは物理コアの多いCore i5-13400が有利となる。

Adobe Photoshop(PugetBench)

photoshop

PugetBenchでのスコアを見ていく。Ryzen 5 7500Fのスコアは8,250だ。参考までにRyzen 7 7700Xが8,850、Ryzen 5 7600Xが6,326、Core i5-13500が6,994だ。グラフィックスによってパフォーマンスが異なる点は理解しておこう。Ryzen 5 7500Fのスコアを見る限り期待以上ではないかと思う。

Adobe Premiere Pro(PugetBench)

premierepro

Adobe Premiere Proのスコアは10525だ。グラフィックスの与える影響が大きいアプリケーションだ。参考としてRyzen 5 5600で5,243、Ryzen 5 5600Xで9,024、Core i5-13500で9,116だ。ミドルクラスのモデルとして十分なスコアが出ている。

Ryzen 5 7500F搭載おすすめゲーミングPC

Lightning-G AT5RW Ryzen5 7500F/Radeon RX6600搭載 (ドスパラ)

Magnate-G MTW12th価格:119,980円+送料3,300円
CPU:Ryzen 5 7500F
GPU:Radeon RX 6600
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
電源:550W 80PLUS BRONZE
コスパ:調査中

公式サイト

THIRDWAVE-Gブランドの中でCore i5-14400F搭載モデルよりも安く購入できる一台だ。Radeon RX 6600はローエンドクラスのモデルで、GeForce RTX 3050 6GBよりもワンランク高いパフォーマンスを得られる。Ryzen 5 7500Fとの組み合わせで11万円台は悪くない。メモリDDR5-4800 16GB・SSD 500GB Gen4 NVMeと構成も十分だろう。電源ユニットは550W BRONZEが選択されている。

LEVEL-M2A6-R75F-LAX(パソコン工房)

LEVEL-M27M-144F-SLX-WHITE価格:124,800円+送料2,200円
CPU:Ryzen 5 7500F
GPU:GeForce RTX 3050 6GB
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:調査中

公式サイト

Ryzen 5 7500F×GeForce RTX 3050 6GB搭載のエントリークラスの一台だ。GeForce RTX 3050 6GBはGeForce GTX 1650 SUPERに近い性能を持ちフルHD環境でのゲームプレイに適している。安価かつデザイン性の高いケースを探しているゲーマーの方は必見だ。最近流行りのピラーレスケースを採用している。RGB対応ケースファンが映える。パステルライラック、ミントシャーベット、さくら、ブルー、レッドと豊富なLEDカラーから選択できる。メモリDDR5-4800 16GB・SSD 500GB NVMeと構成も抜群だ。電源ユニットは650W BRONZEを採用している。

arkhive Gaming Custom GC-A5R96M(Ark)

arkhive Gaming Custom GC-A5R96M価格: 149,800円(送料込)
CPU:Ryzen 5 7500F
GPU:Radeon RX 9060 XT 8GB
メモリ:DDR5-5600 16GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:調査中

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アークが販売するゲーミングPCとなる。パソコン工房やマウスコンピューターと同じMCJグループに属するBTOメーカーだ。Ryzen 5 7500F×Radeon RX 9060 XT 8GB搭載のミドルクラスの一台だ。Radeon RX 9060 XT 8GBは現行のミドルクラスのモデルで競合のGeForce RTX 5060と同等の性能を持つ。構成はメモリDDR5-5600 16GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと平均以上だ。電源ユニットは650W BRONZEを搭載している。PCケースはZALMAN T3 PLUSだ。強化ガラス製サイドパネルを搭載したミニタワーケースとなる。シンプルなデザインで万人受けするモデルだといえる。

Lightning-G AV-Ti5W Ryzen5 7500F/RTX5060Ti 8GB搭載 (ドスパラ)

Magnate-G MTW12th価格:159,980円+送料3,300円
CPU:Ryzen 5 7500F
GPU:GeForce RTX 5060 Ti 8GB
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
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グラフィックボードにGeForce RTX 5060 Ti 8GBを搭載した一台だ。GeForce RTX 4060 Ti 8GBと比べて大幅に性能が向上したわけではないが、性能の底上げが行われフルHD環境で快適にゲームをプレイできる。マルチフレーム生成に対応するなど機能面が強化されている。構成はメモリDDR5-4800 16GB・SSD 500GB Gen4 NVMeと平均的だ。電源ユニットは650W BRONZEを搭載している。カスタマイズでLED対応ファンに変更すれば光るゲーミングPCに仕上げることが可能だ。

NEXTGEAR JG-A5G60(マウスコンピューター)

nextgear価格:164,800円(送料込)
CPU:Ryzen 5 7500F
GPU:GeForce RTX 5060
メモリ:DDR5-5200 16GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS BRONZE
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NEXTGEARはマウスコンピューターの廉価ブランドでコストパフォーマンスを重視しているラインナップを持つ。他社メーカーとは異なりCore i5-14400F搭載モデルがないため選びやすいように思う。Ryzen 5 7500F×GeForce RTX 5060搭載のミドルクラスのゲーミングPCだ。構成はメモリDDR5-5200 16GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと充実している。電源ユニットは750W BRONZEだ。送料無料かつ基本保証が3年間と長いため表面的な価格以上にお買い得なモデルとなっている。24時間365日の電話サポートも強力だ。

GALLERIA RM5R-R57 7500F搭載(ドスパラ)

GALLERIA XA7C-R36価格:219,980円+送料3,300円
CPU:Ryzen 5 7500F
GPU:GeForce RTX 5070
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
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GeForce RTX 5070搭載のハイクラスの一台だ。Ryzen 5 7500Fとのバランスがよいとはいえないが、グラフィック性能を重視したい方にとっては魅力的なモデルとなる。メモリDDR5-4800 16GB・SSD 500GB Gen4 NVMeと構成は平均的だ。電源ユニットは750W GOLDを採用している。ガレリアのケースは人気が高くユーザーから支持されている。中古市場でも需要の高いブランドだ。

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amd_benchmarkver1

モデル ベンチマーク検証機AMDソケットAM5
CPU Ryzen 5 7500F etc.
GPU GeForce RTX 4090
メモリ DDR5-5600 32GB
ストレージ SSD 1TB Gen4 NVMe
マザーボード ROG STRIX X670E-A GAMING WIFI
電源 玄人志向 1200W PLATINUM KRPW-PA1200W/92+