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当ページでは、GeForce GTX 750 Tiのスペック&性能ベンチマークを検証している。2014年2月に登場したグラフィックボードだ。2024年時点での評価と合わせて発売当時の評価をまとめている。GTX 750 Tiの登場で税込10万円以下で最低限通用する性能を持つゲーミングPCが購入できるようになった。
そういう意味では画期的なグラフィックボードだったと言える。もちろん今となってはかなり厳しいのが現状だ。最新タイトルをプレイするには苦しい。負荷の低いゲームなら対応できる。今GTX 750 Tiを使用している方や単純にこのグラフィックボードに興味のある方まで満足していただける記事になったと考えている。後継モデルはMaxwell世代のGeForce GTX 950だ。
当ページの目次
GeForce GTX 750 Tiのゲーム性能
その後リリースされたGTX 950はGTX 750 Tiに比べて30%以上性能が高い。しかし、GTX 950はメモリ周りがやや弱く負荷の高いゲームでは同程度の性能にまで落ちることがある。こういった弱点は早くから指摘され、結果的にポジションを奪うまでには至らなかった。実際長い期間GTX 950とGTX 750 Tiが併用されていたのだ。価格的な差別化もしやすかったのだろう。
GTX 750 Tiについて、性能的に現在も通用するかは非常に微妙なところである。GPUメモリ容量2GBというのがネックとなる可能性が高い。一部のゲームでは最低環境にGTX 970が要求される時代だ。GTX 750 Tiでプレイできないゲームが登場し始めている。場合によっては設定だけではなく、解像度を下げることが必要になる。
視認性が下がるゲームではマイナス要素となるだろう。そうなると、快適にゲームをプレイするのは難しい。快適にプレイできないゲームの登場が、その製品の製品寿命を示す指標である。GTX 750 Tiは性能的に、2024年時点で限界だと言える。スコア10,000を基準に考えるとよい。今なら最低でもGTX 1650以上を選択したい。それでもストレスを感じてしまうこともある。
基本スペック
GTX 750 Ti | GTX 650 Ti | GTX 950 | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | 第1世代 Maxwell | Kepler | 第2世代 Maxwell |
GPU | GK106 | GM107 | GM206 |
プロセス | 28nm | 28nm | 28nm |
CUDA CORE | 640基 | 768基 | 768基 |
コアクロック | 1020MHz | 928MHz | 1024 MHz |
ブーストクロック | 1085MHz | - | 1188 MHz |
GPUメモリ | GDDR5 2GB / 4GB | GDDR5 1GB / 2GB | GDDR5 2GB |
メモリクロック | 1350 MHz | 1350 MHz | 1653 MHz |
メモリバス幅 | 128 bit | 128 bit | 128 bit |
メモリ帯域 | 86.4 GB/s | 86.4 GB/s | 105.6 GB/s |
FLOPS | 1,389 GFLOPS | 1,425 GFLOPS | 1.825 TFLOPS |
TDP | 60W | 110W(6pin) | 90W (6pin) |
MSRP | $149 | $149 | $159 |
中古価格 | 3,980円 | 2,480円 | 5,480円 |
発売日 | 2014年2月18日 | 2012年10月10日 | 2015年8月20日 |
アーキテクチャについて
GTX 750 Tiのアーキテクチャは第1世代Maxwellだ。GTX 700シリーズの主流はKepler世代だが、1つ先のアーキテクチャを採用している形だ。GTX 750 Tiと同様に下位モデルのGTX 750もMaxwellだ。GTX 760以上のモデルについてはKepler世代となっている。様々なアーキテクチャが混在している。中にはGTX 500シリーズや一部のGTX 600シリーズに採用されたFermi世代を採用されたモデルもあり複雑だ。
GTX 750 Tiを含めてこのシリーズはプロセスも統一されていない珍しいシリーズとなっている。GTX 750 Tiは、GTシリーズを含まないGTX 700シリーズの中で最後に登場したモデルだ。次世代のアーキテクチャ採用により異質の存在だった。GTX 650 Tiの後継機という位置付けである。GTX 600シリーズは非常に特殊なモデルケースだ。
ブーストクロックについて
実はGTX 650 TiシリーズにはGTX 750のような50番台(GTX 650)のラインナップはない。GTX 650 Tiが2種類あるのだ。ブーストクロック機能を持たないGTX 650 Tiとブーストクロックを持つGTX 650 Ti Boostだ。枠組みで考えるとGTX 650 TiはGTX 650の役目で、GTX 650 Ti boostが比較対象になる。しかし、GTX 650 Ti Boostは上位モデルであるGTX 660と争うポジションだった。
今で言うところのGTX 1660とGTX 1650 SUPERに近い。そのため、比較はGTX 650 Tiと行おうと思う。ブーストクロックを持たないGTX 650 Tiは処理速度でGTX 750 Tiには届かない。コアクロックもGTX 750 Tiの方が10%高くなっている。GPUメモリ容量もGTX 750 Tiの方が多い。それぞれGPUメモリ容量の異なるモデルがあるが一般的なのは2GBと1GBだ。メモリ容量以外のメモリ周りは同等だ。
基本性能を表すFLOPSではGTX 750 Tiを上回っている。計算したところ、GTX 650 Tiは1.42、GTX 750 Tiは1.38だった。FLOPSはコア数が多い方が数値が高くなる傾向にある。CUDA COREの数がGTX 650 Tiの方が多いことが数値に良い影響を与えているのだろう。ただし、実際にはGTX 750 Tiの方が性能が高い。あくまでも基本的な性能と考えておいてもらいたい。
省電力性の高さではGTX 750 Tiが突き抜けている。GTX 950でさえ補助電源を必要としているのに対して、GTX 750 Tiは補助電源無しの60Wである。長らくGTX 750 Tiが使用されてきたのは、この省電力性の高さによるものなのだ。また、登場時はGTX 650 Tiよりも安価であった事で、ライトユーザーが選択しやすかったことも影響していそうだ。
GTX 950との比較
GTX 750 Tiの後継モデルに位置付けられるGTX 950は上位モデルのGTX 960に追いつくほど性能が非常に高い。しかし、GTX 960同様にメモリ周りが弱点である。バス幅はGTX 650 Ti、GTX 750 Tiと同じで、メモリ帯域が20%ほど上昇している。メモリバス幅が同じで帯域が高くなるということは、負荷がかかると処理性能が落ちるということだ。
メモリ帯域は制限速度、メモリバス幅は車線で例えられる事が多い。負荷が軽い時は制限速度が高いので処理速度が速い。負荷がかかると道は渋滞状態になる。そうなると、GTX 650 Ti、GTX 750 Tiと同じ車線では処理速度が同じにまでなる。これがGTX 960とGTX 950に共通してある弱点だ。そのため、実際の数値よりも性能が低く感じる事が多い。GTX 950はGTX 750 Tiの人気を超える事はできなかった。
GeForce GTX 750 Tiの評価【2024年時点】
長寿のグラフィックボードGTX 750 Ti
GTX 750 TiはGTX 700シリーズで最も評価されたグラフィックボードだ。2014年2月に登場し、GTX 1050が登場する2016年10月まで搭載モデルが存在していた。GTX 950が登場してからも人気を維持し続けた。これほど長く販売されたモデルは珍しくその後はなかったように思う。
GTX 700シリーズが消え、GTX 900シリーズ一色に染まっても高い人気で販売され続けていた。GTX 950搭載モデルより安いモデルとして、GTX 750 Ti搭載モデルはメインラインナップに並んでいたのだ。2世代後の時代まで生き残ったグラフィックボードはNVIDIA史上最高傑作と言われたGTX 295以来である。
搭載モデルの販売時期で言えば、そのGTX 295よりも長い。その要因となったのは、ゲーム以外の用途で使用しやすいグラフィックボードだったからだ。例えば、モニターを4枚以上接続する場合である。GTX 700シリーズではGT 710などのGTシリーズが販売されていた。GTX 700シリーズより後の世代ではGT 1030のみである。
そこで数多く中古市場に流れたGTX 750 Tiが注目を集めた。長く人気だった要因はゲーム以外での用途で使えることが挙げられる。GTX 10シリーズが登場するまでは補助電源を使用しないグラフィックボードで最も性能が高かった事も一つの要因だろう。
タマが多く中古市場を沸かせた
販売されていた時期が長かかったということもあって、GTX 750 Tiは中古市場に多く流れた。ゲームをプレイしないユーザーにも選ばれていたように思う。前述の通り、ゲーム以外の用途に適したライトなグラフィックボードである「GeForce GTシリーズ」は、GTX 900シリーズではラインナップが用意されたなかったのだ。
GTX 600シリーズで15製品、GTX 700シリーズで13製品のグラフィックボードが登場している。これがGTX 900シリーズになるとわずか6製品にまで減少している。次世代のGTX 1000シリーズでは13製品だ。これまでのロースペック帯を支える製品ではなく、ハイスペックを刻む形で登場している。意外とロークラス以下の製品はカバーできていない。
GT 1030ほど性能は必要がなく、機能面だけを重視するならGTX 750 Tiは需要があった。中古市場にも多く残っていた事で2018年時点でも選ばれるグラフィックボードだったと言える。このことで、GT 1030登場後もグラフィックパフォーマンスを求めない用途で中古市場で人気を博していた。
GTX 10シリーズ登場後はGTX 900シリーズも中古市場に多く登場した。そしてGTX 750 Tiは3,000円台にまで価格が下がっている。GT 1030よりも安く需要を満たせる製品として選ばれ続けていたと言える。今でもオークション等ではなかなかの数が揃っている。ただし、登場から9年以上経っていることで徐々にタマを減らしている。1つ前の世代のGTX 600シリーズがほとんど中古市場にないことからGTX 700シリーズもその時が来るのは早そうだ。
この中古市場を沸かせた時期も考えると、実に4年以上も愛され、選ばれたグラフィックボードである。ゲーム用途としての役目を終えた今でも、ゲーム以外の用途では重宝するユーザーは多い。当時のローエンド帯を支え、以降のゲーム以外の用途を支えた文句無しの名機である。将来性が高いわけではないこともあって900番台以降(GTX 970以上)のモデルの購入を推奨したい。より新しいモデルならGTX 1060 3GB/GTX 1650あたりがおすすめだ。
GeForce GTX 750 Tiのベンチマーク
Battlefeild 4
R9 270 | |
GTX 660 | |
GTX 650 Ti Boost | |
GTX 750 Ti | |
R7 260X | |
GTX 650 Ti |
Assasin’s Creed Ⅳ:Black Glag
R9 270 | |
R7 260X | |
GTX 660 | |
GTX 750 Ti | |
GTX 650 Ti Boost | |
GTX 650 Ti |
Far Cry 3
R9 270 | |
GTX 660 | |
GTX 650 Ti Boost | |
GTX 750 Ti | |
R7 260X | |
GTX 650 Ti |
GTX 900番台登場時の評価【2015年時点】
900番台登場後も販売されていた人気モデル
GeForce GTX 750 Tiは、2014年に発売されたグラフィックボードでGTX 900番台の前身モデルとなっている。一世代前のモデルのため価格がかなり抑えられているのが特徴だ。性能的にはゲームをプレイする上で必要最低限だと言える。GTX 750 Ti搭載ゲーミングPCの価格帯は80,000円台からある。当時としては画期的な価格が実現した形だ。
今でも多くのBTOショップで搭載ゲーミングパソコンが販売されているので、一定の需要があると考えてよいだろう。しかし、GTX 950またはGTX 960と価格がほとんど変わらないため、あえて選択する必要はないかもしれない。性能的にも見劣りしてしまうのは事実だ。セールやキャンペーンなどで大幅値引きがないと選びづらさがある。
GeForce GTX 750 Tiは、GTX 950よりもさらにワンランク低い性能を持ったグラフィックボードで非常に安価なのが魅力だ。GTX 950が登場する前はGTX 960の下位モデルと存在していただけに、未だ現役で使用されている。性能は確かにGTX 950より低いが、その性能差よりも価格差が大きくコストパフォーマンスは非常に優れていると言える。
CPUとのバランスが難しい
CPUがCore i5-6500(i5-4460)やCore i5-6600(i5-4590)の構成よりも上になってしまうと、価格が上昇してしまいGTX 960搭載モデルに手が届いてしまう。GTX 750 Tiの低価格というメリットが構成の自由度を奪い、ほぼ固定された構成になってしまっているのが難点だ。
それでもGTX 950よりも低い価格で、なんと9万円を下回るモデルも存在している。当然、ゲームプレイを目的としたゲーミングPCとしてはあまりおすすめできないが・・・グラフィックボードはGTX 750 Tiが最低ラインであり、ゲームをプレイする人に選ばれるべきパソコンとしてはギリギリのラインだ。
注意点として、性能がどうしても低めになっていることから、ローエンドの位置づけでありほとんどのゲームを最低設定にしてプレイできるレベル。快適かどうかはゲームによるが、最新のゲームに対応するのは非常に難しい。
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