当記事では、モバイル向けGeForce RTX 3080 Ti MobileのスペックとおすすめのゲーミングノートPCを紹介している。2022年1月に、RTX 3080 Mobileの後継モデルに当たるRTX 3080 Ti Mobileがリリースされた。Ampere世代におけるフラグシップモデルということになる。高リフレッシュレートや高解像度でのゲームプレイにこだわりたい方におすすめだ。
搭載モデルの価格が高く万人受けするわけではない。海外メーカーでのみ取り扱いがある。搭載モデルは「GeForce RTX 3080 Ti Mobile搭載おすすめゲーミングノートPC」で紹介している。なお、デスクトップ向けの「GeForce RTX 3080 Tiの性能スペック&おすすめゲーミングPC紹介」とは性能差が大きく同一に考えることはできない。モバイル向けモデルの場合消費電力の問題もあってパフォーマンスを落としているのだ。
当ページの目次
GeForce RTX 3080 Ti Mobileスペック比較
型番 | RTX 3080 Ti | RTX 3080 Ti | RTX 3080 |
---|---|---|---|
プラットフォーム | モバイル | PC | モバイル |
プロセス | 8nm | 8nm | 8nm |
GPU | GA103 | GA102 | GA104 |
トランジスタ数 | - | 283億 | 174億 |
ダイサイズ | 496 mm² | 628 mm² | 392 mm² |
SMs | 58基 | 80基 | 48基 |
CUDAコア | 7424基 | 10240基 | 6144基 |
RTコア | 58基 | 80基 | 48基 |
Tensorコア | 232基 | 320基 | 192基 |
定格クロック | 810 MHz-1230 MHz | 1365 MHz | 1110 MHz-1350 MHz |
最大クロック | 1260 MHz-1590 MHz | 1665 MHz | 1545 MHz-1710 MHz |
メモリ形式 | GDDR6 | GDDR6X | GDDR6 |
GPUメモリ | 16GB | 12GB | 8GB or 16GB |
メモリバス | 256 bit | 384 bit | 256 bit |
クロックスピード | 16 Gbps | 19 Gbps | 14 Gbps |
メモリバンド幅 | 512.0 GB/s | 912.4 GB/s | 448.0 GB/s |
消費電力 | 115W-150W | 350W | 115W-150W |
RTX 3080 Ti Mobileのスペックについて下位モデルであるRTX 3080 Mobile及びデスクトップ向けモデルであるRTX 3080 Tiと比較していく。RTX 3080 Ti Mobileは他のモバイル向けモデルと同じようにベンダー側で消費電力などの設定を変更できる。当然消費電力が高い=クロック周波数が高いということでより高いグラフィックス処理性能を得られる。ただし、排熱コストが掛かるため本体の価格は上昇傾向にある。
新しいGPUである「GA103」を採用している
RTX 3080 Ti MobileではRTX 3080 Mobileで採用されていたGA104ではなく新しいGA103を採用している。デスクトップ向けのRTX 3080 Tiで採用されていたGA102とGA104の間に収まる。ダイサイズはRTX 3080 Mobileよりも26%大きい。SMの数が21%増えて58基となる。CUDAコアは7424基(SMs 58×128)だ。RTコア・Tensorコアもそれぞれ21%増となる。
一方で、クロック周波数はRTX 3080 Mobileよりもダウンとなった。定格クロックは9%-26%低く、最大クロックは7%-19%低い。メモリ形式はGDDR6と共通だ。GPUメモリは16GBのみの設定となる。メモリバスは256 bitと共通だが、クロックスピードは16 Gbpsへと強化された。メモリバンド幅も14%広い。消費電力は115-150Wとなる。
デスクトップ向けモデルとのスペック差は大きい
デスクトップ向けのRTX 3080 Tiとのスペック差はかなり大きい。デスクトップ向けのRTX 3080 Tiでは、GPUに一回り大きいGA102を採用している。ダイサイズは26%大きい。SMsは38%多く80基だ。CUDAコアは10240基と38%多くなっている。RTコア及びTensorコアも多くなっている。定格クロックも11%高く、最大クロックも4%高い。
さらに、メモリ形式もGDDR6Xとワンランク上だ。GPUメモリ容量は12GBとモバイル向けモデルの方が多い。メモリバスはデスクトップ向けのRTX 3080 Tiでは384 bitでかつクロックスピードも19 Gbpsとなる。メモリバンド幅78%も広い。消費電力は2.3倍の350Wだ。
GeForce RTX 3080 Ti Mobileの最新評価【2024年】
GeForce RTX 3080 Ti Mobileのグラフィックススコアは26,029だ。赤色のグラフはデスクトップ向けモデルであることを意味する。下位モデルであるGeForce RTX 3080 Mobileと比べると8%弱スコアが高い。デスクトップ向けモデルだとGeForce RTX 3070とGeForce RTX 3060の間に収まる。80番台でもモバイル向けモデルはTDPが抑えられていることもあって性能は控えめだ。
販売ベンダーによってTDPが設定されこのグラフよりも低いモデルもある。それでもフルHD環境なら100fps以上も現実的といえる。残念ながら中古で販売しているショップはない。やはりハイエンドモデルで販売台数も少なく仕方がないように思う。
GeForce RTX 3080 Ti Mobile及び搭載モデルの特徴
RTX 3080 Mobileよりも7%程度パフォーマンスが高い
RTX 3080 Ti Mobileは、Ampere世代におけるフラグシップモデルのグラフィックボードだ。下位モデルであるRTX 3080 Mobileよりも7%程度高い処理性能を持っている。Radeon RX 6800Mと比べても25%以上性能で上回っている。その高い性能はWQHD環境でのゲームプレイにも対応可能だ。
最近はゲーミングノートPCでもWQHDモニターを搭載していることがあり高解像度でのゲームプレイにこだわりたい方におすすめだ。ただし、デスクトップ向けのグラフィックボードと比べるとRTX 3070と同等に留まる。モバイル向けモデルでは消費電力が抑えられていることもあって負荷によってはパフォーマンスが大きく落ち込むこともある。
搭載ゲーミングノートPCは海外メーカーが中心で価格が高め
RTX 3080 Ti Mobile搭載ゲーミングノートPCは、ASUS・Dell・MSIと海外メーカーが中心だ。いずれのモデルも税込50万円近い価格で誰もが簡単に購入できるわけではない。高性能なグラフィックボードには、高性能なCPUが選択されるため仕方がないかもしれない。RTX 3080 Ti Mobileは発熱量が多く、本体が大きくそして重くなる。
本体重量は2.0kgオーバーが当たり前だ。持ち運びがメインの方にはおすすめしづらく、自宅などでの使用を考えている方向けだ。ドスパラ・G-Tuneなどの国内BTOメーカーから販売される可能性は低いのではないかと思う。それはRTX 3080 Mobile搭載モデルのラインナップが販売されていないことからも想像に難くない。
GeForce RTX 3080 Ti Mobileのベンチマーク
Watch Dogs Legion
i5-10600K×RTX 3080(Desk) | |
i7-12700H×RTX 3080 Ti | |
i9-11980HK×RTX 3080 | |
9 5900HK×RTX 3070 | |
i7-11800H×RTX 3070 |
Metro Exodus
i5-10600K×RTX 3080(Desk) | |
i9-11980HK×RTX 3080 | |
9 5900HX×RX 6800M | |
i7-12700H×RTX 3080 Ti | |
9 5900HK×RTX 3070 | |
i7-11800H×RTX 3070 |
Red Dead Redemption 2
i5-10600K×RTX 3080(Desk) | |
i7-12700H×RTX 3080 Ti | |
i9-11980HK×RTX 3080 | |
9 5900HX×RX 6800M | |
9 5900HK×RTX 3070 | |
i7-11800H×RTX 3070 |
Horizon Zero Dawn
i5-10600K×RTX 3080(Desk) | |
i7-12700H×RTX 3080 Ti | |
i9-11980HK×RTX 3080 | |
9 5900HX×RX 6800M | |
9 5900HK×RTX 3070 | |
i7-11800H×RTX 3070 |
Cyberpunk 2077
i5-10600K×RTX 3080(Desk) | |
i9-11980HK×RTX 3080 | |
i7-12700H×RTX 3080 Ti | |
9 5900HX×RX 6800M | |
9 5900HK×RTX 3070 | |
i7-11800H×RTX 3070 |
GeForce RTX 3080 Ti Mobile搭載おすすめゲーミングノートPC
ALIENWARE X15 R2 ゲーミング ノートPC(ALIENWARE)
価格:437,981円(税込) 385,381円(税込)
モニター:15.6インチ FHD 165Hz
CPU:Core i9-12900H
GPU:GeForce RTX 3080 Ti Mobile
メモリ:DDR5-5200 32GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
ALIENWAREのフラグシップモデルとなっている。15.6インチ165Hz対応モニターを搭載している。カスタマイズでQHD 240HzモニターやFHD 360Hzにアップグレード可能だ。当該モデルの処理性能を考えるとアップグレードもおすすめだ。CPUには上位モデルのCore i9-12900Hを搭載している。Core i9-12900HKと比べるとパフォーマンスが劣るもののモバイル向けモデルとしてはトップクラスの性能を誇る。メモリ32GB、SSD 512GBという構成だ。ストレージについてはカスタマイズを検討してもよいかもしれない。
ROG Strix SCAR 17 SE G733CX(ASUS)
モニター:17.3インチFHD 360Hz
CPU:Core i9-12950HK
GPU:GeForce RTX 3080 Ti Mobile
メモリ:DDR5-4800 32GB
SSD:2TB+2TB Gen4 NVMe
HDD:非搭載
現在購入できるゲーミングノートPCの最高峰だ。17.3インチFHD 360Hz対応モニターを搭載している。高性能モニターを活かすのに十分なゲーミング性能を持つ。高リフレッシュレート対応モニターを搭載しているということもあってFPS向けのモデルだと言える。CPUにはCore i9-12950HKを搭載していて高いパフォーマンスを発揮する。16コア24スレッドとCore i9-12900HKよりもワンランク高いスペックを誇る。ハイエンドクラスのグラフィックボードとのボトルネックが生じにくく魅力的なCPUだ。メモリ32GB、SSD 4TB(2TB+2TB)と構成も充実している。ゲーミングノートPCとして圧倒的な一台だ。
ROG Zephyrus Duo 16 GX650RX(ASUS)
モニター:16.0インチWQXGA 165Hz
CPU:Ryzen 9 6900HX
GPU:GeForce RTX 3080 Ti Mobile
メモリ:DDR5-4800 64GB
SSD:2TB+2TB Gen4 NVMe
HDD:非搭載
16.0インチWQXGAディスプレイを搭載したゲーミングノートPCだ。2画面ノートパソコンとなる。セカンドディスプレイは14.0インチ(3,840×1,100ドット)のタッチスクリーンディスプレイとなる。ゲームプレイだけではなく、マルチタスクやクリエイティブ作業に最適だ。CPUにはRyzen 9 6900HXを、GPUにはRTX 3080 Ti Mobileを搭載している。Ryzen 9 6900HXはクロック周波数4.9 GHzと高い数値を記録している。RTX 3080 Ti Mobileとの組み合わせは最適だ。価格が799,800円とかなり高価なのがネックだ。さすがにこの価格帯のモデルを購入できる方は限られる。
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ベンチマークテスト環境
モデル | XMG GM7AG8M |
---|---|
CPU | Core i7-12700H |
GPU | Nvidia GeForce RTX 3080 Ti Laptop |
メモリ | 32GB DDR5-5200 |
ストレージ | – |