GeForce RTX 3080 Ti画像引用元:https://jp.msi.com/

当記事では、GeForce RTX 3080 Tiのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。GeForce RTX 2080 SUPERの後継モデルだ。Ampere世代の新生モデルがリリースされた。GeForce RTX 3090に次ぐ性能を持ちゲーム向けモデルとしてはトップに位置するグラフィックボードだ。スペック的にはRTX 3090のGPUメモリ容量を半分にしたモデルだと考えてよい。

定価は$1,199とGeForce RTX 3090よりも$300安い。ただし、グラフィックボード価格高騰による影響で市場価格は25万円前後と定価よりも高く販売されている。ハイエンドモデルへの投資を惜しまないヘビーゲーマーの方は必見だ。搭載モデルについては、「GeForce RTX 3080 Ti搭載おすすめゲーミングPC」でまとめている。

GeForce RTX 3080 Tiの基本情報

アーキテクチャAmpere
プロセス8nm
CUDAコア10240
ベースクロック1365MHz
ブーストクロック1665MHz
GPUメモリ12GB GDDR6X
TDP350W
発売日2021年6月3日
価格$1,199
特徴 (+) ゲーミング向け最強グラフィックボード
(+) ほとんどRTX 3090と同等のスペックを持つ
(-) 目新しさがあるわけではない
(-) 定価よりも遥かに高い市場価格になっている
評価8.0

GeForce RTX 3080 Tiの基本スペック

RTX 3080 TiRTX 3090RTX 3080
コードネームAmpereAmpereAmpere
プロセス8n㎡8n㎡8n㎡
GPUGA102GA102GA102
SMs808268
ダイサイズ628m㎡628m㎡628m㎡
トランジスタ数283億283億283億
RTコア数80基82基68基
Tensorコア数320基328基272基
CUDAコア数10240104968704
ベースクロック1365 MHz1395 MHz1440 MHz
ブーストクロック1665 MHz1695 MHz1710MHz
GPUメモリ12GB GDDR6X24GB GDDR6X10GB GDDR6X
メモリクロック19.0 Gbps19.0 Gbps19.0 Gbps
メモリバス384 bit384 bit320 bit
帯域幅912.4 GB/s936.2 GB/s760.3 GB/s
TDP350W350W320W
価格$1199$1499$699
発売日2021/06/032020/09/242020/09/17
RTX 3080 Tiのスペックについて見ていこう。比較対象はフラグシップモデルであるRTX 3090と下位モデルのRTX 3080だ。スペック的にはRTX 3090に近い。Ampere世代ではTITANがリリースされていないが、ランク的にはRTX 3090が該当する。RTX 3090はGPUメモリ容量が大きくゲーマー向けというよりはクリエイター向けだと言える。

GPUはいずれもGA102を採用している

いずれのグラフィックボードでもGPUはGA102で統一されている。GPUの元となるシリコンの品質に応じて振り分けられる形だ。最も優れたものがRTX 3090へ、次に優れたものがRTX 3080 Tiへ、そして最階層のものがRTX 3080へということになる。フルスペックの84基のSMs(Streaming Multiprocessor)がある。

RTX 3090では2基が無効化されているが、RTX 3080 Tiでは4基が無効化されている。CUDAコアはそれぞれ10496(82×128)・10240(80×128)となる。RTX 3080 Tiは、RTX 3090のおよそ98%のスペックを誇るということだ。RTコアはSMsと同じ数だ。RTX 3080ではSMsが68基とワンランク落ちる。CUDAコアも8704だ。

GPUメモリ容量はRTX 3090の半分に留まる

RTX 3080 TiのGPUメモリ容量は12GBだ。RTX 3090の半分に抑えられているが、RTX 3080よりも20%多いことになる。RTX 3080 Tiがターゲットとする4K解像度でのゲームプレイにおいては12GBの容量があれば十分だ。フルHD環境になるとGPUメモリ容量が大いに越したことはない。それはRadeon RX 6000シリーズのフレームレートが高くなることからも容易に想像がつく。

ただし、RTX 3080 Tiの購入を考えている方がフルHD環境でのゲームプレイをメインにするとは考えにくい。この点からもメモリ容量の多いGeForce RTX 3090はクリエイター向けで、RTX 3080 Tiはゲーム向けとはっきりと区別されている。

RTX 3090との価格差は$300とお得

GeForce RTX 3090との価格差は$300でほぼ同等のゲーミング性能を得られることを考えるとコスパは高い。今は半導体不足の影響でグラフィックボードの価格が高騰しているため市場価格はかなり上がりそうだ。価格も考えるとRTX 3080の方が身近な存在になるだろう。場合によってはRadeon RX 6900 XTやRadeon RX 6800 XTを検討するのも悪くない。

GeForce RTX 3080 Tiの最新評価【2023年】

ゲーム性能スコア35,000超えで高い性能を持つ

rtx 3080 ti-gamescore

GeForce RTX 3080 Tiは、ゲーム性能スコア36,380と高い数値を叩き出している。発売から2年経過してもなおトップクラスの性能を誇る。上位モデルであるGeForce RTX 3090と比べて4%程度低いだけだ。価格帯を考えれば十分なモデルと言える。競合モデルであるRadeon RX 6950 XTにも少し及ばないが、価格帯を考えれば問題ない。レイトレーシング性能についてはRadeon RX 6000シリーズどころかRadeon RX 7000と比べても見劣りしない。次世代モデルのGeForce RTX 4080になると24%程度ゲーミング性能が高くなる。DLSS 3.5をサポートしているなど機能面でも大幅に強化されている。Ada Lovelace世代のGeForce RTX 4080やGeForce RTX 4070 Tiは価格が高くコスパ重視では選びづらい。

性能にするコストパフォーマンスは良好

製品名GPUメモリゲーム性能価格コスパ
RTX 408016GB44,812157,9800.284
RX 7900 XT20GB42,131123,8000.340
RTX 3090 Ti*24GB39,024127,9800.305
RTX 4070 Ti12GB38,219109,8000.348
RTX 3090*24GB37,89694,9900.399
RX 6950 XT*16GB37,22675,9800.490
RTX 3080 Ti*12GB36,38072,9800.498
RTX 3080 12GB*12GB36,03770,9800.508
RX 6900 XT*16GB34,95567,8000.516
RX 7800 XT16GB33,12881,2780.408
RTX 407012GB32,51484,7730.384
GeForce RTX 3080 Tiのコスパ指標(価格当たりの性能)は0.498とトップクラスだ。執筆時点での価格だと下位モデルのGeForce RTX 3080 12GBの方がコストパフォーマンスが高い。レイトレーシング・DLSSが必要でないのであればRadeon RX 6900 XTが魅力的なモデルとなる。GeForce RTX 3080 Tiと比べてグラフィックス処理性能(レイトレーシング性能含む)が劣るもののそれ以上に価格が安くお買い得だ。GPUメモリ容量33%多く16GBと価格帯を考えると大容量だ。

GeForce RTX 3080 Ti搭載ゲーミングPCの特徴【発売時点】

搭載モデルの価格は40万円~と高価

RTX 3080 Ti搭載モデルの購入を考えているなら予算は最低でも40万円が必要だ。グラフィックボード単体の価格が高いことはもちろんCPUも最上級のものが選択される。当然RTX 3080 Tiほどの性能を持つグラフィックボードならCPU性能を落とすメリットはない。事実BTOパソコンで選択されるCPUは、Core i7-11700K/Ryzen 7 5800X以上だ。できればCore i9-11900K/Ryzen 9 5900Xなどのフラグシップモデルを選択したい。

さらに、構成面でも妥協は見られない。メモリ16GB以上、SSD 1TB以上と充実の構成が嬉しい。惜しみなくカスタマイズをしたいところだ。電源ユニットも大容量・高規格だ。850W GOLDが最低クラスでモデルによっては1000Wの大容量モデルを採用している。PCケースも最上級のフルタワーとなっているモデルもある。これだけを考えれば40万円以上という価格設定にも納得できるはずだ。

今のところ各メーカーで在庫はありそう

半導体不足が深刻な状況となっているが、BTOメーカーのRTX 3080 Ti搭載モデルの在庫については当面の間大丈夫だろう。各BTOメーカーでラインナップが増えていることからも安心できる。そもそもこの性能帯のモデルは売れ筋というわけではないので心配は不要だ。ただし、単体のグラフィックボードとしての購入は難しくなる可能性がある。すでに価格の高騰は始めっているし売り切れが続出している。

GeForce RTX 3080 Tiのゲーミング性能

フルHD環境及び4Kでのフレームレートをまとめている。フルHD環境での計測ではCPUがボトルネックになる可能性が高く、GPUメモリ容量が多いモデルが有利なことが多い。RTX 3080 Tiのメインターゲットとなるのは4Kでのゲームプレイだ。基本的にそれ以下での環境の場合オーバースペックになってしまう。360Hzモニターを使っているという方は当てはまらないかもしれないが…

Borderlands 3

boarderland3

RX 6900 XT186.7
79.9
RX 6800 XT178.4
72.9
RTX 3090164.0
76.3
RTX 3080 Ti161.5
73.7
RTX 3080145.8
64.9
RTX 3070116.3
48.5
フルHD4K
フルHD環境ではRadeon RX 6900 XTやRadeon RX 6800 XTがトップを独占している。RX 6900 XTとのフレームレートの差は11%だ。4K解像度ではその差が9%と縮まる。RTX 3090との差は4%だ。下位モデルのRTX 3080と比べると14%も高い。フルHD環境でも11%の差がある。数値的に平均73.7fpsとある程度余裕を持ってゲームをプレイできそうだ。

Metro Exodus

Metro-Exodus-Title

RTX 3090131.3
77.0
RTX 3080 Ti129.0
75.3
RX 6900 XT124.1
68.2
RTX 3080123.9
66.9
RX 6800 XT119.6
63.6
RTX 307098.3
49.5
フルHD4K
Metro Exodusでは環境によらずNVIDIA製グラフィックボードが上位を占める結果となった。RTX 3080 Tiは、RTX 3080よりも4%-13%パフォーマンスが高い。高解像度になればなるほど差が広がる形だ。RTX 3090との性能差は2%前後でRTX 3090よりの性能を持っていると言える。Radeon RX 6900 XTよりも4%-10%高く高解像度になるほど差が広がる。これは解像度が低い環境だとボトルネックがCPUに移るからだ。

Red Dead Redemption 2

Red Dead Redemption 2

RX 6900 XT137.3
76.6
RTX 3090135.5
83.7
RTX 3080 Ti133.9
79.2
RX 6800 XT131.9
71.1
RTX 3080121.6
71.8
RTX 307096.9
53.9
フルHD4K
Red Dead Redemption 2ではフルHD環境においてRX 6000シリーズが高いフレームレートを計測している。これはGPUメモリ容量が大きいことが要因だろう。4KではやはりRTX 3000シリーズが強い。RTX 3080 TiとRTX 3090の差は2%-6%だ。RTX 3080との差は11%前後となっている。スペックからもわかる通りRTX 3090寄りの性能を持っていることがわかる。4K解像度での適性が高いグラフィックボードであることは間違いない。

GeForce RTX 3080 Tiのレイトレーシング性能

レイトレーシング性能についてもまとめている。第2世代となったRTX 30シリーズのレイトレーシング性能は飛躍的に向上している。Radeon RX 6000シリーズとの性能差は大きい。また、DLSS機能を使えばフレームレートが安定する。AMDのDLSSに該当するFidelityFX Super Resolutionはまだ実装されていないのでNVIDIA製グラフィックボードが圧勝だ。

Fortnite

fortnite

RTX 3080 Ti DLSS98.4
63.2
RTX 309057.4
35.7
RTX 3080 Ti56.7
35.0
RTX 308046.3
29.6
RX 6900 XT43.5
26.4
RX 6800 XT38.8
24.2
RTX 307034.0
21.5
フルHDWQHD
RTX 3080 Tiは、RTX 3080よりも20%程度フレームレートが高い。RTX 3090との差は1%-2%程度でほぼ同等の性能だと言える。DLSS機能を活用すればフレームレートは100fps近くまで引き上げられて快適さが増す。Radeon RX 6900 XTやRadeon RX 6800 XTが苦戦していることがわかる。RTX 3080 TiとRadeon RX 6900 XTとの差は30%以上と大きい。レイトレーシングを考えるならRTX 3080 Tiは魅力的なモデルだ。

Metro Exodus

Metro-Exodus-Title

RTX 3090116.8
94.6
RTX 3080 Ti115.0
90.0
RTX 3080108.1
81.2
RX 6900 XT91.7
68.5
RX 6800 XT88.4
65.9
RTX 307084.8
63.6
フルHDWQHD
Metro ExodusではRTX 3080よりも6%-10%フレームレートが高く、RTX 3090よりも1%-5%フレームレートが低い。RTX 3090に近いフレームレートを出せるのは期待通りだ。Radeon RX 6900 XTよりも25%-32%もフレームレートが高い。レイトレーシングを考えるならRTX 30シリーズを選択するべきだろう。

Shadow of the Tomb Raider

Shadow Of The Tomb Raider

RTX 3090134.1
98.6
RTX 3080 Ti132.6
95.4
RTX 3080122.5
88.3
RX 6900 XT113.8
80.9
RX 6800 XT106.9
76.7
RTX 307095.3
66.0
フルHDWQHD
RTX 3080よりも8%前後フレームレートが高い。RTX 3090との差は1%-3%程度だ。おおよそRTX 3090と同等のパフォーマンスが発揮できている。RX 6900 XTとの差は17%-18%だ。第2世代になったレイトレーシング性能は魅力的だと言える。

GeForce RTX 3080 Ti搭載おすすめゲーミングPC

OMEN by HP 45L ハイパフォーマンス価格.com限定(HP)

OMEN 45L Desktoptop価格:550,000円(税込) 340,700円(税込)
CPU:Core i7-12700K
GPU:GeForce RTX 3080 Ti
メモリ:DDR4-3733 32GB
SSD:2TB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:800W GOLD

CPUにはハイクラスのCore i7-12700Kを搭載している。CPUクーラーだけではなくケースに3つのファンを搭載して熱対策もしっかりと行われている。夏場の過酷な環境でも問題なくパフォーマンスを発揮できる。RTX 3080 Ti搭載モデルとして完成度は高い。メモリ32GB、SSD 2TBと構成も圧巻だ。電源ユニットが800W GOLDとやや抑えられているように思えるが一般的な用途であれば問題ない。カスタマイズができない点も注意しよう。あくまでも完成品として見ておく必要がある。

GALLERIA ZA7R-R38T(ドスパラ)

GALLERIA XA7C-R37T価格:379,980円(税込)
CPU:Ryzen 7 5800X
GPU:GeForce RTX 3080 Ti
メモリ:DDR4 16GB
SSD:1TB Gen4 NVMe
HDD:非搭載
電源:850W GOLD

CPUにRyzen 7 5800Xを搭載したゲーミングPCだ。8コア16スレッドの高パフォーマンスモデルとなっている。RTX 3080 Tiに合わせるにはやや物足りなさがあるもののその分価格が抑えられるだけ選びやすいと言える。高解像度でのゲームプレイを考えている方は必見だ。メモリ16GB、SSD 1TB NVMeという構成になっている。ガレリアZシリーズではこれが限界の構成だろう。

LEVEL-R769-LC129K-WAX(パソコン工房)

LEVEL-R969-LC129K-WAXsyoumen価格:397,980円(税込)
CPU:Core i9-12900K
GPU:GeForce RTX 3080 Ti
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
電源:850W 80PLUS GOLD

Core i9-12900K×RTX 3080 Ti搭載のゲーミングPCだ。エアフローや拡張性にも定評のあるミドルタワーケースを採用している。Core i9-12900Kは、16コア24スレッドとRyzen 9 5950Xを上回る性能を持っている。動画編集・画像編集・ゲーム実況などへの対応力も高い。オーバークロックができるのも心強い。メモリ16GB、SSD 1TBという構成だ。電源ユニットは850W GOLDを採用している。

GALLERIA ZA9C-R38T(ドスパラ)

GALLERIA XA7C-R37T価格:399,980円(税込)
CPU:Core i9-12900K
GPU:GeForce RTX 3080 Ti
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB Gen4 NVMe
HDD:非搭載
電源:850W GOLD

Core i9-12900K搭載のゲーミングPCだ。現行で最強のゲーミング性能を誇る。4K解像度でのゲームプレイを考えている方におすすめだ。ゲーム環境構築に妥協したくない玄人向けモデルだと言える。RGB対応の水冷CPUクーラーを搭載していて熱対策もばっちり行われている。メモリ16GB、SSD 1TB Gen4 NVMeを搭載していて構成も十分だろう。電源ユニットは850W GOLDと余裕がある。

FRGBZ690/SG2(フロンティア)

FRGH570WS38価格:424,800円(税込)
CPU:Core i7-12700KF
GPU:GeForce RTX 3080 Ti
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
電源:1000W GOLD

値上げされて40万円オーバーとなってしまった。CPUにCore i7-12700KFを搭載したゲーミングPCだ。12コア20スレッドと圧倒的なマルチスレッド性能を持っている。ゲームプレイだけで終わらせるのでは宝の持ち腐れとなる。ゲーム実況・動画編集・画像編集などのクリエイター作業をメインに考えている方向けだと言える。メモリ16GB、SSD 1TBと構成も充実しているが、このクラスになればメモリ容量を増やしてもよいかもしれない。メモリ規格がDDR5-4800なのもポイントだ。高規格の目盛り搭載はIntel第12世代Core i7シリーズならではの強みだ。

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