出典:https://asrock.com/
Radeon RX 7900 GREの性能ベンチマークの検証を行った。2024年2月26日にRadeon 7000シリーズの新しい仲間が加わった。実は2023年7月に中国を含む一部のアジア地域(日本対象外)で販売されていたのだ。今回日本を含むグローバル市場でも展開されることになった。Radeon RX 7900 XTとRadeon RX 7800 XTのギャップが大きく、その隙間を埋めるためにグローバル展開を視野に入れたのだろう。
2024年1月にはNVIDIAがGeForce RTX 4070 SUPERをリリースしたこともあってAMDからするとそうせざるを得なかったように思える。性能的にはハイクラス相当で競合はGeForce RTX 4070 SUPERあるいはGeForce RTX 4070となる。WQHD環境でのゲームプレイがメインターゲットだ。詳しくスペックや性能について詳しく見ていこう。すでに新品で取り扱いがほとんどなくなっている。搭載ゲーミングPCもなくなった。
GREは、「Golden Rabbit Edition」を意味している。これは2023年が中国文化においてうさぎの年だったことに由来する。この製品名からもメインターゲットが中国であることも納得できるだろう。
Radeon RX 7900 GREのスペック
世代 | RDNA 3.0 |
---|---|
プロセス | 5nm |
MCDプロセス | 6nm |
CUDAコア | 2,048 |
ベースクロック | 1287 MHz |
ゲームクロック | 1880 MHz |
ブーストクロック | 2245 MHz |
GPUメモリ | GDDR6 16GB |
Infinity Cache | 64MB |
TDP | 260W |
MSRP | $549 |
国内価格 | 99,980円~ *2024/10時点 |
発売日 | 2024/02/26 |
- (+)ハイクラスとして十分なゲーム性能を誇る
- (+)GPUメモリが16GBと大容量
- (+)省電力性に長けている
- (+)単体グラフィックボードのコスパが高い
- (-)レイトレーシング性能はNVIDIAに劣る
- (-)搭載ゲーミングPCは希少
当ページの目次
Radeon RX 7900 GREのスペック比較
Radeon RX 7900 XTと比較
RX 7900 GRE | RX 7900 XT | RX 7800 XT | |
---|---|---|---|
コードネーム | RDNA 3.0 | RDNA 3.0 | RDNA 3.0 |
GPU | Navi 31 | Navi 31 | Navi 32 |
プロセス | 5nm | 5nm | 5nm |
ダイサイズ | 300 mm² | 300 mm² | 200 mm² |
MCDプロセス | 6nm | 6nm | 6nm |
MCDサイズ | 37.52 mm² x6 (4つ有効化) | 37.52 mm² x6 (5つ有効化) | 36.60 mm² x4 (4つ有効化) |
トランジスタ数 | 539億 | 577億 | 281億 |
CUs | 80 | 84 | 60 |
ストリームプロセッサー | 5120 | 5376 | 3840 |
RTコア数 | 80 | 84 | 60 |
AIコア数 | 160 | 168 | 120 |
ベースクロック | 1287 MHz | 1500 MHz | 1295 MHz |
ゲームクロック | 1880 MHz | 2025 MHz | 2124 MHz |
ブーストクロック | 2245 MHz | 2394 MHz | 2430 MHz |
GPUメモリ | GDDR6 16GB | GDDR6 20GB | GDDR6 16GB |
メモリクロック | 18 Gbps | 20 Gbps | 19.5 Gbps |
メモリバス | 256 bit | 320 bit | 256 bit |
メモリバス帯域幅 | 576.0 GB/s | 800.0 GB/s | 624.1 GB/s |
L2キャッシュ | 6MB | 6MB | 4MB |
L3キャッシュ | 64MB | 80MB | 64MB |
FP32 Compute | 45.98 TFLOPS | 51.48 TFLOPS | 37.32 TFLOPS |
TDP | 260W | 300 W | 263W |
補助電源 | 2x 8-pin | 2x 8-pin | 2x 8-pin |
バスインターフェイス | PCIe 4.0 x16 | PCIe 4.0 x16 | PCIe 4.0 x16 |
出力 | 1x HDMI 2.1a 2x DisplayPort 2.1 1x USB Type-C | 1x HDMI 2.1a 2x DisplayPort 2.1 1x USB Type-C | 1x HDMI 2.1a 3x DisplayPort 2.1 |
MSRP | $549 | $899 | $499 |
国内価格 | 89,800円~ | 121,011円~ | 81,609円~ |
発売日 | 2024/02/26 | 2022/12/13 | 2023/09/06 |
Radeon RX 7900 GREのスペックについて見ていこう。採用されているGPU自体は上位モデルであるRadeon RX 7900 XTと同じNavi 31だ。スペック的にはNavi 32を採用している下位モデルのRadeon RX 7800 XTよりもRadeon RX 7900 XTに近い。5nmのGraphics Compute Die(GCD)と6nmのMemory Cache Die(MCD)を組み合わせたチップレットアーキテクチャを採用している。トータルのダイサイズは520m㎡だ。
MCDは6つの内4つが有効化されている。Radeon RX 7900よりも1つ少ない形だ。トランジスタ数も7%弱少なく539億となる。Radeon RX 7800 XTと比べると90%以上も多い数値だ。Radeon RX 7900 GREのCU数は80基でRadeon RX 7900 XTよりも4基少ないだけに留まる。ストリームプロセッサーは、5120基(64×80)だ。Radeon RX 7900 XTよりも5%弱少ない。
Radeon RX 7900 GREのRTコアは80でAIコア数は160だ。それぞれCU数に依存している。Radeon RX 7900 GREのベースクロックは1287MHz、ゲームクロックは1880MHz、ブーストクロックは2245MHzだ。Radeon RX 7900 XTと比べてそれぞれ14%・7%・6%低い。Radeon RX 7800 XTと比べても1%-11%も抑えられている。
Radeon RX 7900 XTはややメモリ周りが弱く下位グレードであるRadeon RX 7800 XTと逆転現象が起きている。GPUメモリはGDDR6 16GB搭載だ。Radeon RX 7800 XTと同じでRadeon RX 7900 XTよりも20%少ない。メモリクロックは18 Gbpsで、メモリバスは256 bitだ。メモリクロックについてはRadeon RX 7800 XTをも下回っている。
ストリームプロセッサーが多い分ベースクロックやGPUメモリでRadeon RX 7900 XTと差別化を図っているのだろう。メモリバス帯域幅は576.0 GB/sだ。Radeon RX 7900 XTよりも28%遅く、Radeon RX 7800 XTよりも8%遅い。Radeon RX 7900 GREのL2キャッシュは6MBでL3キャッシュは64MBだ。MCD 1基につき16MBのL3キャッシュを搭載している。FP32 Computeは45.98 TFLOPSとなる。Radeon RX 7900 XTよりも11%低く、Radeon RX 7800 XTよりも23%高い。
TDPはRadeon RX 7800 XTよりも3W低く260Wだ。Radeon RX 7900 XTと比べても40Wも低い。クロック周波数を抑えた分が功を奏している。補助電源やバスインターフェースは共通だ。出力はHDMI 2.1a・DisplayPort・USB Type-Cをサポートしている。MSRPは$549で、Radeon RX 7800 XTよりも+$50アップに留まる。国内価格は89,800円~と妥当な価格設定だ。
同価格帯の競合モデルと比較
RX 7900 GRE | RTX 4070 SUPER | RTX 4070 | |
---|---|---|---|
コードネーム | RDNA 3.0 | Ada Lovelace | Ada Lovelace |
GPU | Navi 31 | AD104 | AD104 |
プロセス | 5nm | 5nm | 5nm |
ダイサイズ | 300 mm² | 294 mm² | 294 mm² |
MCDプロセス | 6nm | - | - |
MCDサイズ | 37.52 mm² x6 (4つ有効化) | - | - |
トランジスタ数 | 539億 | 358億 | 358億 |
CUs | 80 | 56 | 46 |
CUDAコア数 | 5120 | 7168 | 5888 |
RTコア数 | 80 | 56 | 46 |
AIコア数 | 160 | 224 | 184 |
ベースクロック | 1287 MHz | 1980 MHz | 1920 MHz |
ゲームクロック | 1880 MHz | - | - |
ブーストクロック | 2245 MHz | 2475 MHz | 2475 MHz |
GPUメモリ | GDDR6 16GB | GDDR6X 12GB | GDDR6X 12GB |
メモリクロック | 18 Gbps | 21.0 Gbps | 21.0 Gbps |
メモリバス | 256 bit | 192 bit | 192 bit |
メモリバス帯域幅 | 576.0 GB/s | 504.2 GB/s | 504.2 GB/s |
L2キャッシュ | 6MB | 48MB | 36MB |
L3キャッシュ | 64MB | - | - |
FP32 Compute | 45.98 TFLOPS | 35.48 TFLOPS | 29.15 TFLOPS |
TDP | 260W | 220W | 200W |
補助電源 | 2x 8-pin | 1x 16-pin | 1x 16-pin |
バスインターフェイス | PCIe 4.0 x16 | PCIe 4.0 x16 | PCIe 4.0 x16 |
出力 | 1x HDMI 2.1a 2x DisplayPort 2.1 1x USB Type-C | 1x HDMI 2.1 3x DisplayPort 1.4a | 1x HDMI 2.1 3x DisplayPort 1.4a |
価格 | $549 | $599 | $599 |
国内価格 | 89,800円~ | 98,780円~ | 83,798円~ |
発売日 | 2024/02/26 | 2024/01/17 | 2023/01/05 |
性能の近いNVIDIA製グラフィックボードとスペックを見ていこう。メーカーが異なるためスペックをそのまま比較するのではなく立ち位置的なものを把握するとよい。性能的にはGeForce RTX 4070 SUPERが近い。GeForce RTX 4070 SUPERはAda Lovelace世代のハイクラスのグラフィックボードだ。後発モデルとして2024年1月にリリースされた。
GPUはAD104だ。5nmプロセスを採用していてダイサイズは294m㎡となる。Radeon RX 7900 GREのダイサイズが525m㎡(300m㎡+225m㎡)なのでおよそ56%の規模だ。トランジスタ数は358億となっている。CU数は56でCUDAコア(ストリームプロセッサー)は7,168だ。56基のRTコアと224基のTensorコア(AIコア)を搭載している。
Radeon RX 7900 GREよりもベースクロックが54%高く、ブーストクロックも13%高い。GeForce RTX 4070 SUPERはGDDR6X 12GBのVRAMを搭載している。メモリクロックは21.0 Gbpsで、メモリバスは192 bitだ。メモリバス帯域幅は504.2 GB/sとなる。Radeon RX 7900 GREの方が14%広い。
メモリバス帯域幅をカバーするためにRadeon RX 7900 GREがL3キャッシュ(Infinity Cache)に力を入れているのに対して、GeForce RTX 4070 SUPER/GeForce RTX 4070はL2キャッシュ容量を増やしている。GeForce RTX 4070 SUPERでは48MB、GeForce RTX 4070では36MBのL2キャッシュを搭載してヒット率を上げて実質のメモリバス帯域幅が広げている形だ。
GeForce RTX 4070 SUPERのFP32 Computerは35.48 TFLOPSでRadeon RX 7900 GREよりも22%低い。GeForce RTX 4070 SUPERはTDPが220WとRadeon RX 7900 GREよりも15%抑えられている。バスインターフェースはPCIe 4.0×16と共通だ。GeForce RTX 4070 SUPERの出力はHDMI 2.1とDisplayPortだ。
MSRPは$599だ。国内価格は98,780円~とRadeon RX 7900 GREよりも9,000円程度高い。GeForce RTX 4070はMSRPは$599とGeForce RTX 4070 SUPERと同じだが、国内販売価格は83,798円~とRadeon RX 7900 GREよりも6,000円ほど安価だ。
Radeon RX 7900 GREの特徴&注意点
性能も価格もRX 7900 XTとRX 7800 XTの間にうまく収まる
Radeon RX 7900 GREのゲーム性能スコアは36,685と高いパフォーマンスを発揮するグラフィックボードだ。Radeon RX 7800 XTよりも10%程度高く、Radeon RX 7900 XTよりも15%程度低い。ややRadeon RX 7800 XT寄りだが、期待通りの性能を持っていると言えそうだ。競合のGeForce RTX 4070と比べても13%性能で上回っていてGeForce RTX 4070 SUPERに匹敵するほどだ。ラスタライズ性能ではGeForce RTX 4070シリーズと比べても見劣りしない。
一方で、レイトレーシング性能についてはGeForce RTX 4070 SUPERと比べて30%近く低くなっている。GeForce RTX 4070よりも20%程度低くGeForce RTX 4060 Tiよりも少し高いぐらいだ。アップスケーリング技術についてもDLSSの方が優位性が高い状況となる。レイトレーシング・DLSSといった機能を重視するならGeForce RTX 4070 SUPERが魅力的な選択肢と言える。
価格を見るとRadeon RX 7900 GREが絶妙な価格設定になっていることがわかる。Radeon RX 7800 XTよりも10%性能が高く、10%価格が高い。競合のGeForce RTX 4070 SUPERと同等のゲーミング性能を持っているにも関わらず価格が10%安い。レイトレーシング性能を無視すれば非常にコストパフォーマンスの高いグラフィックボードと言えるだろう。
Radeon RX 7000シリーズの中では省電力性が高い
各グラフィックボードのワットパフォーマンス(高い方がよい)と消費電力(低い方がよい)をまとめた。Radeon RX 7900 GREはワットパフォーマンスの高いグラフィックボードとなっている。Radeon RX 7900 XTやRadeon RX 7800 XTを抑えてRadeon RX 7000シリーズではトップだ。ゲームプレイ時の消費電力は254Wだ。ワットパフォーマンスは144.4(1W当たりの性能)となる。
ただし、NVIDIA製グラフィックボードはそれを軽く上回っている。ワットパフォーマンスで見るとGeForce RTX 4070は173.9ptで、Radeon RX 7900 GREを20%以上も上回っている。上位はGeForce RTX 40シリーズがずらっと並ぶ形だ。DLSSを活用すればGPU負荷を下げられるのでさらに電力消費を抑えられる可能性が高い。
搭載ゲーミングPCは少なくすでに在庫切れもある
2024年3月時点で搭載ゲーミングPCのラインナップはほとんどないと考えてよい。ただでさえBTOメーカーでの取り扱いが少ないRadeonシリーズの中でも特に顕著だ。GeForce RTX 4070 SUPER搭載モデルよりも安く搭載モデルを販売できれば、性能と価格的にもう少し人気が出てもよさそうだ。ポテンシャルは高いのではないかと考えている。基本的には自作PCユーザー向けだ。単体のグラフィックボード価格がすでに下がっているので購入しやすいように思う。GeForce RTX 4070 SUPERと比べてレイトレーシング・DLSSといった機能では見劣りするが、その分価格が安いので評価的には悪くない。
Radeon RX 7900 GREのフレームレート計測
Far Cry 6
Far Cry 6ではフルHD環境でややCPUのボトルネックが発生している。Core i9-13900KではなくRyzen 7000X3Dシリーズを選べばもう少し結果が変わる可能性がある。Radeon RX 7900 GREは、Radeon RX 7800 XTよりも最大で8%フレームレートが高い。フルHD環境での差は1%未満だ。GeForce RTX 4070 SUPERと比べると最大で13%もフレームレートが高く圧倒している。GeForce RTX 4070 Tiに匹敵するゲーム性能は圧巻だ。Far Cry 6はAMD製グラフィックボードと相性がよさそうだ。Radeon RX 7900 XTがGeForce RTX 4080 SUPERを上回っていることからも判断できる。
Cities Skylines 2
Cities Skylines 2はまだまだゲーム自体が安定せず負荷も高い。ハイエンドモデルでも高解像度のゲームプレイはやや厳しい。Radeon RX 7900 GREだとフルHDで48.3fpsだ。人口が増えてくるとさらにフレームレートが不安定になる可能性がある。それでもGeForce RTX 4070 Ti SUPERと同等のフレームレートが出ているのは評価できる。GeForce RTX 4070 SUPERと比べるとフルHDで26%、WQHDで10%・4Kで27%それぞれフレームレートが高い。今のところRadeon 7000シリーズとの相性がよさそうだ。
FF14
FF14ではフルHD環境においてGeForce RTX 4070 SUPERを上回るフレームレートが出ている。上位モデルであるGeForce RTX 4070 Tiに匹敵する性能は圧巻だ。一方で、WQHD及び4KではGeForce RTX 4070 SUPERよりも2%-7%程度低くなった。GeForce RTX 4070と比べると9%前後フレームレートが高い。
Blue Protocol
Blue ProtocolではGeForce RTX 4070と同等のパフォーマンスを発揮している。Radeon RX 7800 XTと比べると9%-13%フレームレートが高い。Radeon RX 6950には届かなかった。GeForce RTX 4070 SUPERよりも6%-8%フレームレートが低くなっている。おおよそ期待通りのフレームレートとなっているように思うが、NVIDA GeForce RTX 40シリーズとの相性がよいように思う。最適化が進んでいるのかもしれない。
Forza Horizon 5
Forza Horizon 5でもGeForce RTX 4070と同等以上のゲーミング性能を期待できる。旧世代のフラグシップモデルであるRadeon RX 6950 XTと比べると2%程度劣るだけで十分だろう。GeForce RTX 4070 SUPERと比べると4%前後フレームレートが低くなっている。4K環境でも100fps以上を出せるのは心強い。
Cyberpunk 2077
Cyberpunk 2077は重量級のタイトルの一つだ。Radeon RX 7900 GREの性能を持ってしても4K環境でのフレームレートは37.3fpsだ。フルHDあるいはWQHDでのゲームプレイに適している。フレームレート的にはGeForce RTX 4070 SUPERと同程度と言える。Radeon RX 7800 XTと比べて5%-24%高い。特に4Kでは最大で24%も差がある。上位モデルであるRadeon RX 7900 XTよりも16%-24%フレームレートが低くなっている。
Cyberpunk 2077 RT&FSR
Radeon RX 7900 GREのレイトレーシング及びAMD FidelityFX Super Resolutionについて見ていく。Radeon RX 7900 GREはレイトレーシング性能がそれほど高くなくフレームレートは47.6fpsに留まる。GeForce RTX 4070と比べると20%以上もパフォーマンスが劣る。FSRを有効化してようやくGeForce RTX 4070 SUPERと同等になる程度だ。当然GeForce RTX 4070 SUPER/GeForce RTX 4070はDLSS 3.0をサポートしていてより高いフレームレートが得られる。Radeon RX 7900 GREはレイトレーシング及びFSR目的に購入しない方がよさそうだ。
Radeon RX 7900 GREのクリエイティブ性能
Cinebench 2024(GPUレンダリング)
Cinebench 2024でのGPUレンダリングパフォーマンスを計測した。Radeon RX 7900 GREのスコアは13,646だ。Radeon RX 7800 XTよりも25%程度スコアが高いが、GeForce RTX 4070 SUPERと比べると30%弱も低い。Radeonにとっては厳しいベンチマーク結果と言える。
Blender(GPUレンダリング)
Blenderのスコアは2551.67とRadeon RX 7800 XTと比べて3%弱高いだけだ。正直期待外れと言わざるを得ない。上位モデルのRadeon RX 7900 XTとのスコア差は34%だ。NVIDIA製グラフィックボードのスコアが圧倒的だ。GeForce RTX 4070と比べても57%も劣ってしまう。最適化の問題ではないかと思う。
Adobe Premiere CC(動画編集)
PugetBench for Premire ProでのGPUスコアをまとめたものだ。Radeon RX 7900 GREのスコアは76でGeForce RTX 4070と同等だ。下位モデルであるRadeon RX 7800 XTよりも3%スコアが高い。Radeon RX 6950 XTにはわずかに及ばなかった。Radeon RX 7900 XTとのスコア差は7%だ。
Stable Diffusion(生成AI)
画像生成AIはグラフィックス負荷の高いクリエティブ用途だ。Radeon RX 7000シリーズは、NVIDIA GeForce RTX 40シリーズと比べてパフォーマンスが落ちてしまう。Radeon RX 7900 GREの速度は10.34 it/s(推論速度)だ。Radeon RX 7800 XTよりも5%高く、Radeon RX 7900 XTよりも9%低い。GeForce RTX 4070は17.93 it/sでRadeon RX 7900 GREよりも70%以上も速い。画像生成AIを活用するならRadeonシリーズは避けるのが無難だ。
Radeon RX 7900 GRE搭載おすすめゲーミングPC
arkhive Gaming Custom GC-A7R79R(ark)
CPU:Ryzen 7 7800X3D
GPU:Radeon RX 7900 GRE
メモリ:DDR5-5600 32GB
ストレージ:SSD 2TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS BRONZE
コスパ:調査中
Ryzen 7 7800X3D×Radeon RX 7900 GRE搭載のハイクラスのゲーミングPCだ。CPUにはゲーム特化型のRyzen 7 7800X3Dを搭載している。CPUクーラーはDEEPCOOL AK500 採用で高い冷却性能を発揮する。メモリDDR5-5600 32GB・SSD 2TB Gen4 NVMeと圧巻の構成だ。電源ユニットは750W BRONZEを採用している。省電力性の高いCPUとGPUを搭載しているので不足はない。PCケースは「Antec AX90」だ。ARGB対応ファン搭載でデザイン性も優れている。8つのケーブルホールと裏配線スペースを設けていて取り回しも行いやすい。将来的にパーツの換装を行う上でもメリットがある。
FRGLB650/GRE(フロンティア)
CPU:Ryzen 7 7800X3D(水冷)
GPU:Radeon RX 7900 GRE
メモリ:DDR5-5600 32GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:1000W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
Ryzen 7 7800X3D×Radeon RX 7900 GRE搭載のゲーミングPCだ。CPUクーラーは水冷式で高い冷却性能を持つ。Ryzen 7 7800X3Dはそこまで消費電力の高いCPUではないのでややオーバースペックかもしれないが、夏場の使用時などに安心だ。メモリDDR5-5600・SSD 1TB NVMeと構成も充実している。電源ユニットは1000W GOLDを採用していて必要十分だ。ケースはクリアガラスパネル採用でおしゃれな印象を受ける。白と黒の2色から選択可能だ。フロンティアのセール対象モデルではなく通常ラインアップのため他社BTOメーカーと比べてコストパフォーマンスがずば抜けているわけではない。
FRGB650/GRE(フロンティア)
CPU:Ryzen 7 7950X3D
GPU:Radeon RX 7900 GRE
メモリ:DDR5-5600 32GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:1200W 80PLUS PLATINUM
コスパ:調査中
Ryzen 9 7950X3Dを搭載したハイクラスのゲーミングPCだ。Ryzen 9 7950X3Dは3D V-Cache搭載のRyzen 7000X3Dのフラグシップモデルで16コア32スレッドと高いスペックを誇る。旧世代のRyzen 7 5800X3Dでは8コア16スレッドとスペックが控え目でクリエティブ作業がそこまで得意とはい言えなかった。今世代ではコアを倍増させたモデルを登場させたのだ。純粋なRyzen 9 7950Xよりは劣るもののゲーム性能とのバランスは取れている。Radeon RX 7900 GREの性能を引き出すには十分だ。メモリDDR5-5600 32GB・SSD 1TB NVMeと構成も充実している。電源ユニットは1200W PLATINUM採用で万全だ。
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