画像引用元:https://www.amd.com/ *イメージ
当記事では、Radeon RX 6800 XTの性能スペックレビュー&おすすめBTOパソコンの紹介をしている。2020年11月ついにAMDからハイクラスに属するグラフィックボードが登場した。RDNA 2アーキテクチャを採用している。
ハイクラスではRadeon RX 5700 XTなどが発売されていたが、ハイエンドクラスは長らくNVIDIAの独擅場となっていてAMDファン待望のモデルだ。RX 6800 XTの競合となるのは$50高い「GeForce RTX 3080」ということになる。性能的にどのぐらい迫っているのか詳しく見ていくことにしよう。
世代 | RDNA 2.0 |
---|---|
プロセス | 7nm |
CUDAコア | 4,608 |
ベースクロック | 1825 MHz |
ブーストクロック | 2,250MHz |
GPUメモリ | GDDR6 16GB |
TDP | 300W |
MSRP | $649 |
中古価格 | 59,980円~ *2024/7時点 |
発売日 | 2020/11/18 |
- (+)4Kでのゲーミング性能が高い
- (+)競合のRTX 3080よりも$50安い
- (+)GPUメモリ16GBと大容量
- (-)レイトレーシング性能はそこそこ
当ページの目次
Radeon RX 6800 XTの概要を押さえる!
基本スペック
RX 6800 XT | RX 6800 | RX 5700 XT | |
---|---|---|---|
コードネーム | RDNA 2 | RDNA 2 | RDNA 1 |
GPU | Navi 21 | Navi 21 | Navi 10 |
プロセス | 7nm | 7nm | 7nm |
ダイサイズ | 519 mm2 | 519 mm2 | 251 mm2 |
トランジスタ数 | 268億 | 268億 | 103億 |
RTコア数 | 72 | 60 | - |
Tensorコア数 | - | - | - |
CUs | 72 | 60 | 40 |
CUDAコア数 | 4,608 | 3,840 | 2,560 |
ゲームクロック | 2,015MHz | 1,815MHz | 1,755MHz |
ブーストクロック | 2,250MHz | 2,105MHz | 1,905MHz |
メモリバス | 256-bit | 256-bit | 256-bit |
GPUメモリ | 16GB GDDR6 | 16GB GDDR6 | 8GB GDDR6 |
メモリクロック | 16Gbps | 16Gbps | 14Gbps |
メモリバス帯域幅 | 512GB/s | 512GB/s | 448GB/s |
TDP | 300W | 250W | 225W |
価格 | $649 (118,778円~) | $579 (99,800円) | $399 |
搭載PC価格 | 269,980円~ | 254,980円~ | - |
発売日 | 2020/11/18 | 2020/11/18 | 2019/07/07 |
Radeon RX 6800 XTは、RDNA 2アーキテクチャを採用したグラフィックボードだ。GPUはNavi 21を採用している。プロセスは前世代と同じ7nmだ。RX 6800 XTとRX 6800の違いはCUs・CUDAコア・クロック周波数ということになる。要はRX 6800のスペックアップバージョンという認識でよい。メモリ周りなどは共通となっている。
ダイサイズは512m㎡とRX 5700 XTと比べて2倍以上だ。トランジスタ数は2.6倍と大幅にスペックが向上していることがわかる。RX 6000シリーズからレイトレーシングに対応していてRay Acceleratorsが追加されていいる。ダイサイズが大きくなっているのはレイトレーシング対応というのも要因となっている。1つのCU(コンピュートユニット)に64つのストリームプロセッサーが搭載されている。つまり、64×72で4,608のGPUコアがあるということだ。RX 5700 XTよりも80%引き上げられている。
メモリ周りも強化されている。メモリバスは256-bitと従来モデルと変わっていないが、今回新しく128MBのInfinity Cacheを採用することでメモリアクセス性能が向上してスペック以上のパフォーマンスが発揮している。メモリクロックについても14Gbpsから16Gbpsへと引き上げられている。メモリバス帯域幅は448GB/sから512GB/sへと15%程度向上した。メモリ周りのボトルネック解消に貢献してくれそうだ。
これだけスペックを引き上げても消費電力を300Wに抑えたのは評価できる。AMDの試行錯誤が見える。ただ単純にCU(コンピュートユニット)を増やしたり、クロック周波数を引き上げたりしたわけではないということだ。価格は$649で競合であるRTX 3080よりも$50安い。このモデルの登場でNVIDIAは動いてくるのではないだろうか。
国内での販売価格は118,778円だ。搭載PC価格は269,980円~となっている。下位モデルのRadeon RX 6800と比べて20%程度高い。搭載PCの価格は6%程度の差に留まる。これは組み合わせるCPUによって変わるため一つの参考にしておこう。
総合性能
Radeon RX 6800 XTは、RTX 3080に匹敵するゲーミング性能を持つグラフィックボードとなっている。これまでAMDから発売されていたグラフィックボードで最も高い性能を持つのはRadeon RX 5700 XTだった。RTX 2070 SUPERと同等でハイクラスのモデルだったと言える。ここに来てついにハイエンドモデルが登場したことになる。
4K解像度でのゲーム適性が高くタイトルによってはRTX 3080を超えるパフォーマンスを発揮する。GPUメモリ容量の多さがプラスに働くようだ。RDNA 2になって初めてレイトレーシングも追加されて機能的にはNVIDIAに追いついたと考えてよいだろう。その後RTX 3080 TiやRTX 3070 TiがリリースされたがRX 6800 XTの立ち位置は大きく変わらなかった。影響を受けたのは下位モデルであるRX 6800だ。+$20でより高いゲーミング性能及びレイトレーシング性能が手に入る。
Radeon RX 6800 XTの最新評価【2024年】
ハイクラス相当のゲーム性能を持つ
Radeon RX 6800 XTのゲーム性能スコアは32,220と高い。次世代のRadeon RX 7800 XTとの性能差はそれほど大きくないが、レイトレーシング性能は大きく向上している。Radeon RX 6800 XTのメインターゲットは、WQHD環境でのゲームプレイだ。下位モデルのRadeon RX 6800よりも6%程度性能が高く、上位のRadeon RX 6900 XTと比べると8%低い。すでに発売から4年近く経過しているが問題なく使える水準にある。現行モデルと比べても見劣りしない。
コストパフォーマンスはまずまず
製品名 | ゲーム性能 | 価格 | コスパ | VRAM | TGP | 発売日 |
---|---|---|---|---|---|---|
RTX 3080 12GB | 36,037 | 65,980 | 0.546 | 12GB | 350W | 2022/01/11 |
RX 6900 XT | 34,955 | 69,980 | 0.499 | 16GB | 300W | 2020/12/08 |
RX 7800 XT | 33,128 | 73,800 | 0.449 | 16GB | 263W | 2023/09/06 |
RTX 4070 | 32,514 | 85,980 | 0.378 | 12GB | 200W | 2023/04/13 |
RX 6800 XT | 32,220 | 59,980 | 0.537 | 16GB | 300W | 2020/11/18 |
RTX 3080 10GB | 31,982 | 54,980 | 0.582 | 10GB | 320W | 2020/09/17 |
RX 6800 | 30,179 | 46,980 | 0.642 | 16GB | 250W | 2020/11/18 |
RX 7700 XT | 29,998 | 65,800 | 0.456 | 12GB | 245W | 2023/09/06 |
Radeon RX 6800 XTの特徴&強み【2020年時点】
RTX 3080に匹敵するゲーム性能を持つが…
RX 6800 XTは、NVIDIAのハイエンドモデルであるRTX 3080に近いゲーミング性能を持つグラフィックボードだ。RDNA 2アーキテクチャの採用でNVIDIAに圧倒されていた価格帯・性能帯に割って入った形だ。WQHDでは十分健闘しているが、フルHD環境や4K解像度では大きく差を付けられることがある。フルHD環境でのゲームプレイが一般的な日本のゲーム事情を考えるとデメリットと言えるかもしれない。
まt,販売価格を見てもやや割高感がある。同等以上の性能を持つRTX 3080 10GBの販売価格は103,800円で、RX 6800 XTと比べて14%程度安く購入できる。レイトレーシング性能も高くこれでは勝負にならないのではないだろうか。
AMDファンの方なら受け入れられるかもしれないが、純粋に高性能なグラフィックボードを探している方にとっては選択が難しい側面がある。その点RTX 3080なら用途に合わせて使い分けやすい。レイトレーシング性能についてもRTX 3080に劣っていて下位のRTX 3070よりも低い。何を重視したいのかをしっかり考えて選択したい。
消費電力は比較的抑えられている
最近の傾向として性能を引き上げるために消費電力を考えないということも多い。そんな状況でも比較的消費電力が抑えられているように思う。すでに見てきたとおり消費電力はRTX 3080と同等以下だ。平均では6%省電力となっている。
スペック的にクロック周波数を大幅に引き上げているにも関わらず、RX 5700 XTから33%アップの300Wに留められたのは素晴らしい。2000MHzを超えられたのは評価できる。ただ単純にクロック周波数を引き上げたわけではないことがわかる。例えば、Infinity Cashの導入によってグラフィックボードとして魅力的なモデルに変貌している。
NVIDIAに何らかの行動をさせる可能性がある
RTX 3080と比べるとゲーミング性能は劣る。特に4K解像度になると差が顕著になってしまう。それでも$50安いというのは強みだ。AMDが好きな方ならRadeon RX 6800 XTを選ぶ理由が十分あると言える。こうなるとNVIDIAも黙っていないはずだ。もしかしたら、一時噂になっていたRTX 3080 TiやRTX 3070 Tiなどのリリースを行うかもしれない。それだけRadeon RX 6800 XTが脅威となる存在だということだ。
ユーザーにとってはメリットが大きい。もしNVIDIAが後継モデルを発売すればより安価でより高性能なグラフィックボードを手に入れられるということになる。また、そうなればAMDもRadeon RX 6000シリーズの価格を引き下げて対抗策を取って来る可能性がある。市場に競合は必須だ。AMDを応援したい!
BTOメーカーが本腰を入れるかはわからない
現時点ではそれほどRX 6800 XTを搭載したゲーミングPCのラインナップは多くない。大手メーカーが販売するモデルは限定的で、中小メーカー頼みとなる可能性が高い。TSUKUMO・ドスパラでは数種類のみの取り扱いになるのではないかと思う。それはRX 5700 XTの時がそうだったからだ。パソコン工房ではもう少し豊富なラインナップになるだろう。
パソコンショップセブンやサイコムではカスタマイズ前提でより自分好みのモデルを作り上げることができるはずだ。ベースとなるモデルが少なくてもカスタマイズ項目が豊富で実質無限のラインナップがあるということになる。RX 6800 XT搭載ゲーミングPCの購入を考えている方はこういった中小BTOメーカーを中心に探してみるとよい。
Radeon RX 6800 XTのフレームレート一覧
ゲームプレイ時にフレームレートを詳しく見ていこう。注目ポイントはRTX 3080との性能差だ。ここでは4K解像度とWQHD環境に焦点を当てて性能差を見ていく。おおよそ期待どおりのパフォーマンスを発揮できているように思う。4Gmaerは「ここでもRX 6800 XTは,平均フレームレートでRTX 3080に離され気味だ。ただ,3840×2160ドットで逆転をはたしている点を見ると,高解像度で強みを発揮するGPUであるとも言えそうだ。」(4Gamer, 2020)と述べている。フルHD環境ではRX 6800 XTのパフォーマンスがやや落ちるようだ。安定感という意味ではRTX 3080が優秀だと考えてよいかもしれない。
Wolfenstein: Youngblood
RTX 3080 | |
RX 6800 XT | |
RX 6800 | |
RTX 3070 | |
RTX 2080 Ti | |
RadeonⅦ | |
RX 5700 XT | |
RX Vega 64 |
Metro Exodus
RX 6800 XT | |
RTX 3080 | |
RX 6800 | |
RTX 2080 Ti | |
RTX 3070 | |
RadeonⅦ | |
RX 5700 XT | |
RX Vega 64 |
Shadow Of The Tomb Raider
RTX 3080 | |
RX 6800 XT | |
RX 6800 | |
RTX 2080 Ti | |
RTX 3070 | |
RadeonⅦ | |
RX 5700 XT | |
RX Vega 64 |
Microsoft Flight Simulator 2020
RX 6800 XT | |
RTX 3080 | |
RX 6800 | |
RTX 2080 Ti | |
RTX 3070 | |
RX 5700 XT | |
RadeonⅦ | |
RX Vega 64 |
その他ベンチマーク一覧
レイトレーシング
消費電力
温度
Radeon RX 6800 XT搭載おすすめBTOパソコン
搭載モデル自体まだまだ少ないの現状だ。NVIDIA製のグラフィックボード搭載モデルに比べると今後も大幅にラインナップが増えることはないと思う。RX 5700 XTも登場時はそれなりにラインナップがあったが、すぐに取り扱いが激減してしまった。それでもAMDファンの方なら気になるはずだ。最新モデルながら比較的価格が抑えられていて購入しやすいのも事実だ。もう少し価格が落ちてくればRTX 3080搭載モデルの強敵になるだろう。
ZEFT R37FZ(セブン)
価格:296,780円(税込)
CPU:Ryzen 7 5700X
GPU:Radeon RX 6800 XT
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe+1TB
HDD:非搭載
電源:750W GOLD
パソコンショップセブンのミドルタワーモデルだ。PCケースには「NZXT CA-H510B」が選択されている。白色のケースがオシャレだ。CPUに第4世代のRyzen 7 5700Xを搭載したゲーミングPCだ。8コア16スレッドと高スペックなCPUとなっている。RX 6800 XTとのバランスも取りやすい。メモリ16GB、SSD 1TB NVMe+1TBと構成も十分だ。SSDのデュアルストレージは魅力的だろう。電源ユニットは750W GOLDを採用している。
ZEFT RX34VHV(セブン)
価格:340,780円(税込)
CPU:Ryzen 9 5900X
GPU:Radeon RX 6800 XT
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:500GB NVMe Gen.4対応+1TB
HDD:非搭載
電源:850W GOLD
4方向強化ガラス仕様のPCケース「CORSAIR iCUE 5000X RGB」を採用している。拡張性・機能性も高くハイエンドクラスのゲーミングPCにもぴったりだ。RGBで魅せる一台だと言える。CPUには12コア24スレッドのRyzen 9 5900Xを搭載している。ゲーミングCPUとして考えるとこのぐらいを基準にしておくとよいだろう。メモリ32GB、SSD 500GB NVMe Ge.4+SSD 1TBと圧倒的な構成を誇る。SSDのダブルストレージ採用は贅沢だ。
参照外部サイト
- Radeon RX 6800 XT Radeon RX 6800(4Gamer, 2020)
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ベンチマークテスト環境
CPU | Ryzen 9 3950X |
---|---|
マザーボード | – |
メモリ | DDR4-3200 32GB |
電源ユニット | – |