ryzen52600画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/

Ryzen 5 2600の性能比較&ベンチマーク検証をしている。Ryzen 5 1600の後継モデルだ。20,000円以下で購入できるミドルクラスのCPUとして人気がある。6コア12スレッドと競合モデルと比べてもスペックが高い。Intel製のCPUであるCore i5-8400Core i5-9400とも比較しながらその性能について検証していく。Windows 11をサポートしていることから中古市場でもある程度価格が残りそうだ。「Ryzen 5 2600搭載の中古ゲーミングPC一覧」で紹介しているので参考にしてほしい。

後継モデルは「Ryzen 5 3600」だ。Zen 2アーキテクチャになりさらにパフォーマンスが向上している。Ryzen 5 2600は中古での入手も難しくなってきている。Ryzen 5 3600だけではなく下位モデルに当たるRyzen 5 3500の価格も落ちてきていてそちらも比較対象になるだろう。

Ryzen 5 2600の基本情報

コードネームZen +
プロセス12nm
コア/スレッド数6コア/12スレッド
定格/最大クロック3.4 GHz/ 3.9 Ghz
L3キャッシュ16MB
TDP65W
発売日2018年04月19日
MSRP$199
中古価格6,480円~ *2024/12時点
特徴 6コア12スレッドとマルチスレッド性能が高い(+)
オーバークロックでパフォーマンスを引き上げられる(+)
Wraith Stealthクーラーを搭載(+)
BTOメーカーのラインナップが豊富(+)
ゲーム性能はIntel製CPUに劣る(-)
評価 ・総合評価
3.5

・ゲーム評価
3.5

Ryzen 5 2600の概要、基本を押さえる!

基本スペック・仕様

5 26005 2600X5 1600X5 36005 3500
コードネームZen+Zen+ZenZen 2Zen 2
プロセス12 nm12 nm14 nm7 nm7 nm
CPUコア数66666
スレッド数121212126
定格クロック3.4GHz3.6GHz3.6GHz3.6GHz3.6GHz
最大クロック3.9GHz4.2GHz4.0GHz4.2GHz4.1GHz
L3キャッシュ16MB16MB16MB32MB16MB
TDP65W95W95W65W65W
MSRP$199$229$219$199$129
発売日2018/4/192018/4/192017/4/112019/7/72020/2/22
Ryzen 5 2600のスペックを見ていこう。比較対象はRyzen 5 1600ではない。これだと性能が上がっているのが当たり前過ぎておもしろくない。今回は第1世代の実質ワンランク上のRyzen 5 1600Xと比べることにする。クロック周波数に違いがあることがわかる。定格クロックは5%低く、最大クロックは2%低い。また、電力も30%低く省電力という特徴がある。

このように比較するとRyzen 5 1600Xの方が性能が高く見えるだろう。しかし、実際はRyzen 5 2600の方が8%ほど総合性能が高い。12nmへと小型化されたプロセス(Zen +)による恩恵だ。アーキテクチャの変更が与えるインパクトは大きく結果的にCPU処理の効率化が実現し高いパフォーマンスを発揮する。また、メモリ規格がDDR4-2933に引き上げられているのも大きい。性能がアップしているのは各種ベンチマークからもわかる。

2019年7月に後継モデルであるRyzen 5 3600及びRyzen 5 3500が登場した。Ryzen 5 3600になるとコードネームがZen 2に変わりさらなる変革が行われている。プロセスが12nm→7nmと縮小化されてIPCは大きく向上している。結果的にパフォーマンスは高くなりスペック以上の差が生まれている。$129のRyzen 5 3500と同等の性能に落ち着いている。それでもRyzen 5 2600は今でもコスパが高くあえて選ぶユーザーもいるのだ。

Core i5-9400と比較

Ryzen 5 2600Core i5-8400Core i5-9400
コードネームZen+Coffee LakeCoffee Lake-R
プロセス12nm14nm++14nm++
CPUコア数666
スレッド数1266
定格クロック3.4GHz2.8GHz2.9GHz
最大クロック3.9GHz4.0GHz4.1GHz
TDP65W65W65W
MSRP$199$182$182
発売日2018/42017/112019/02
競合であるIntel Core i5-8400及びその後継モデルであるCore i5-9400と比較していく。Core i5-9400と比較すると、スペックだけだと完全にRyzen 5 2600の圧勝だとわかる。スレッド数は倍で、クロック数に関しても20%以上高い。実際の性能でみるとこの数値通りにはいっていない。特にゲーミングパフォーマンスは顕著で、Core i5-8400の方が適正が高い。

これはゲーム側の最適化の問題も考えられる。もちろんそうは言ってもゲーム用途に向いていないと断言したいのではない。いずれのCPUも高いレベルでの競争だからだ。実際CPUの性能不足を感じる場面はそうはないだろう。

これはCore i5-9400でも同じことが言える。ゲーミング性能についてはIntel製CPUが優勢だ。ただ、マルチスレッド性能が高く動画配信などを考えるとRyzen 5 2600も魅力的なCPUとなる。用途によって評価が変わるということだ。特にこの時代のAMD製CPUはむらがおおきい。

マルチコア性能

ryzen52600multicore

Ryzen 5 2600のスコアは9,945とまずまずだ。Core i5-8400と比べて30%以上も性能が高く、Core i5-9400Fと比べても18%も上回っている。旧世代のRyzen 5 1600Xを上回る性能は圧巻だ。Intel第10世代のCore i5-10400と同等の性能を発揮する。ゲーム性能についてはこの通りにはいかないのが難しいところだ。ベンチマークを見ると分かる通りゲーム性能はCore i5-9400にも及ばない。AMD製CPUでゲームプレイを中心に考えるなら最低でもRyzen 5 3500を選択する方がよい。CPU性能のスコアでは劣るが、Zen 2アーキテクチャになって弱点だったIPCが改善されてより高いゲーム適性を持つ。低価格帯のモデルを長く支えたCPUとなっている。

Ryzen 5 2600の最新評価【2024年】

性能はそれほど高くなく選びづらい

ryzen52600gamescore
Ryzen 5 2600のゲーム性能はスペックほど高いわけではない。IntelのCore i5-8400と比べても8%-9%程度劣る結果だ。Zen +アーキテクチャはメモリレイテンシの影響もありパフォーマンスが伸びづらい。下位グレードであるCore i3-9100/Core i3-8100と比べてもゲーム性能は下だ。2021年に2世代後の第4世代Ryzenシリーズ(Ryzen 5 5600X etc.)が登場して、Ryzen 5 2600の後継モデルのRyzen 5 3600やRyzen 5 3500の価格が落ちてきたことでRyzen 5 2600の存在感は薄れてきている。

第2世代Ryzenシリーズはまだまだ発展途上で粗が目立つ。2020年頃まではRyzen 5 2600の人気も高かった。競合モデルよりも価格が安く多くのユーザーから支持されていたのだ。性能に対してのコスパは優秀だったと言える。Ryzen 5 3500は2020年のRyzen 5 2600の中古価格と同じぐらいの価格で購入可能だ。性能的にはRyzen 5 3500の方が上だ。ゲーミングCPUとして見るとRyzen 5 2600はギリギリのラインだ。同じ世代のCore i5-9400やCore i5-8400に比べるとどうしても見劣りしてしまう。

今ではこれらのIntel製CPUでも厳しくなってきた。ベンチマークを見ていただければわかるがやはり厳しいと言わざるを得ない。長く使いたいと考えているならIntel第9世代以降あるいはRyzen 3000シリーズ以降のモデルを選択するべきだろう。一方で、動画編集・画像編集・動画配信などゲーム以外にも活用したいと考えているなら候補に入れてもよいかもしれない。

コストパフォーマンスはまずまずの数値

製品コア/スレッド性能価格コスパ発売日
Core i5-10400F6/1222,30111,9801.8622020/05/20
Ryzen 5 36006/1221,4679,4802.2642019/07/07
Ryzen 5 45006/1221,0269,9802.1072022/04/04
Core i3-10100F4/820,0697,9802.5152020/05/27
Core i5-9400F6/619,92210,9801.8142019/02/01
Ryzen 5 35006/619,8485,9803.3192020/02/27
Core i3-9100F4/819,4063,4805.5762019/04/23
Ryzen 3 31004/818,3025,4803.3402020/05/23
Ryzen 5 26006/1218,2296,4802.8132018/04/19
Ryzen 5 16006/1217,2723,9804.3402017/04/11

上記は同性能帯のCPUのコストパフォーマンスをまとめたものだ。Ryzen 5 2600のコスパ指標は2.813とまずまずの数値だ。数値はおよそ3.0に近く他に対抗できるのはRyzen 5 3500・Core i3-9100F・Ryzen 5 1600ぐらいとなる。AMD製CPUのコストパフォーマンスの高さが光る。ただし、相場というのは実際の性能や需要などで決められる。Intel製CPUと比べて安定感に欠く側面があることは否定できない。

特に初期のRyzenシリーズはタイトルによってはパフォーマンスが伸びづらいこともあるのだ。それが反映された結果の価格設定と考えるべきだろう。それでもコストパフォーマンスが高いことは事実でコストを抑えたゲーミングPCを構築したいなら選択肢に入れてもよい。AMD製CPUの強みは旧世代のモデルとの互換性が高く流用しやすい点にある。第4世代Zen 3(Ryzen 5000シリーズ)まではすべて互換性がある。

ZenからZen +へのアップグレードやZenからZen 3へのアップグレードも可能ということだ。最新の第5世代Zen 4(Ryzen 7000シリーズ)になってソケットがAM5へと変更されたため互換性がない。そう考えるとRyzen 5 3600・Ryzen 5 4500・Ryzen 5 3500辺りを狙いたいところだ。AM4ソケットはコストパフォーマンスが高くおすすめしやすい。

Ryzen 5 2600の特徴&注意点【2018年】

国内価格が安くコスパが高い

Ryzen 5 2600が19,180円~、Ryzen 5 2600Xが24,850円~となっていて、2 2600は定価よりも大幅にお得。定価で見るとそれぞれ21,890円、25,190円と差額3,300円(1$=110円)となる。国内価格ではその差額が5,670円と大きいので、5 2600の方がお得だ。

Ryzen 5 2600Xの方が選択肢と言われることがあるが、この価格差を考えるとRyzen 5 2600を選ぶのも悪くない。特にマルチコア性能を重視したいなら競合モデルと比べても優位性がある。6コア12スレッドとスペックが高いのは強みだ。今後の価格変動にも注目したい。

BTOメーカーのラインナップが豊富

Ryzen 5 2600は、国内大手のBTOメーカーでの取り扱いが多くIntelに対抗して選択肢に入る。Ryzen 5 2600Xは基本ラインナップにないため、BTOパソコンの購入を考えている方にとっては唯一の選択肢と言える。ただし、カスタマイズで対応できる。それでも追加で5,400円以上掛かってしまうためコスパが悪い。やはりBTOパソコンならRyzen 5 2600が良いだろう。

2020年3月まで搭載パソコンが販売されていたのが興味深い。ぎりぎりまでRyzen 5 3600/Ryzen 5 3600X搭載モデルと平行してRyzen 5 2600搭載のゲーミングPCが販売されていた。価格での優位性があったことの証明だ。ローエンドクラスであるGTX 1650 SUPERやGTX 1660 SUPER搭載モデルにぴったりだった。

さすがに今はラインナップがなくなってしまったが、もう一度販売すれば売れ筋モデルになることを確信している。もっともBTOメーカーからすると古い世代のモデルを販売しても利益率が低くメリットがあるわけではない。

オーバークロックをするには標準クーラーでは心許ない

当該CPUはオーバークロックができるCPUだ。そして、標準でWraith Stealthクーラーが搭載となっている。通常の使用であれば十分なのだが、オーバークロックをするとなるとどうしても発熱を抑えることができない。もし、オーバークロック前提で購入するのであれば別途クーラーを用意した方がいいだろう。最もその場合余計なコストが掛かってしまうので、上位モデルが選択肢に入るだろうが。

Ryzen 5 2600のベンチマーク一覧(ゲーム)

ゲームのスコアの計測方法は、フルHD環境下でグラフィックボードを統一しCPUの純粋な性能を計っている。単位はFPSでフレームレートを指している。通常60FPS以上で快適とされているが、今回はCPU性能を計るためそれほど重要ではない。なぜならグラフィックボードがGTX1080で固定なのでそれなりのスコアが出るからだ。あとは相対的な位置を知ることで性能がわかる。

Assassin’s Creed: Odyssey

Assassinscreedryzen 5 2600-Assassins Creed Odyssey

Core i5-9400Fをも超えるゲーミングパフォーマンスを発揮している。1%Lowでは劣るがほぼ同等のフレームレートだ。前世代のRyzen 5 1600と比較すると8%の差がある。最新のRyzen 5 3600との差は30%と近くと大きくなっていてZen 2アーキテクチャの凄さがわかる。

Far Cry new Dawn

ryzen52600-Far Cry new Dawn

前世代のRyzen 5 1600との性能差は10%だ。一世代でこれだけ伸びていれば十分だろう。それが第3世代になるとさらに伸びることになる。Ryzen 5 3600ならさらに12%もフレームレートが高い。Far CryではIntel製CPUの圧勝だ。Core i5-9400Fと比べて20%もフレームレートが劣る。この安定感のなさがAMD製CPUの特性だと言える。

Hitman 2

hitman2ryzen52600-Hitman 2

Hitman 2でもIntel製のCPUが健闘している。Core i5-9400よりも13%もフレームレートが低い。Ryzen 5 2600とRyzen 5 1600との性能差は9%だ。後継モデルのRyzen 5 3600でかろうじて戦えるほどだ。Zen +アーキテクチャはまだまだ発展途上なのかもしれない。

その他アプリケーションのベンチマーク

Cinebench R20

cinebenchr15ryzen52600-cinebench

Ryzen 5 1600と比較するとマルチスレッド性能が18%、シングルスレッド性能が12%高くなっている。さらに、マルチスレッド性能についてはCore i5-9400Fよりも20%高い。シングルスレッド性能はCore i5-9400Fの方が高くなっている。これがゲームプレイ時の差になっているのかもしれない。

7 Zip

zipryzen52600-7zip

Zipファイルの圧縮及び解凍に掛かる速度を計測している。やはり一般的なアプリケーションではRyzenの性能の高さが伺える。Core i5-9400Fよりも25%-40%も高速だ。当然Ryzen 5 2600Xになるとさらにパフォーマンスが向上している。ゲームプレイ以外でも使いたいならRyzen 5 2600は魅力的な選択肢となる。Ryzen 5 3600が出てからも人気の秘密がわかる。

消費電力

ryzen 52600-watt

Ryzen 5 2600の弱点は消費電力の高さだろうか。Ryzen 5 2600Xよりましとはいっても157Wと高めだ。Intel Core i5-9400Fが117Wで差が35%と大きい。Ryzen 5 2600で自作PCを構築したいと考えている場合電源ユニットには気を使うべきだ。

Ryzen 5 2600搭載の中古ゲーミングPC一覧

Ryzen 5 2600を搭載したモデルはほとんど選択肢がないと考えておこう。そこまでこだわりがないのであれば他のCPUも検討するとよい。おすすめ中古ゲーミングPC特集も参考にしていただければと思う。

GALLERIA RT5 Ryzen5 2600(ノーブランド)

GALLERIA RT5価格:37,980円+送料2,200円
CPU:Ryzen 5 2600
GPU:GeForce GTX 1060 3GB
メモリ:16GB
ストレージ:SSD 525GB
電源:非公開
コスパ:調査中

公式サイト

パソコン工房で販売されている。ノーブランド品としての販売だが、ケース自体は旧世代のガレリアではないかと思う。税込37,980円と価格が抑えられている。5万円以下のモデルの中でも優秀な一台だ。GPUにはPascal世代のGeForce GTX 1060 3GBを搭載している。フルHD環境ならある程度対応可能だ。メモリ16GB・SSD 525GBという構成を持つ。

THIRDWAVE Magnate EM041(ドスパラ)

THIRDWAVE Magnate EM041価格:39,800円+送料2,200円
CPU:Ryzen 5 2600
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:8GB
ストレージ:SSD 525GB
電源:非公開
コスパ:調査中

公式サイト

グラフィックボードにGeForce GTX 1650を搭載したゲーミングPCだ。Ryzen 5 2600とのバランスは悪くない。性能的にはGeForce GTX 1060 3GBよりも劣るが、世代が新しい分省電力性などは優れている。メモリ8GBは最小限でゲームプレイにおいてはやや心もとない。増設を前提に購入を検討するとよい。ストレージはSSD 525GBと必要十分だろう。

THIRDWAVE GALLERIA KTM 169904(ドスパラ)

THIRDWAVE GALLERIA KTM 169904価格:46,800円+送料2,200円
CPU:Ryzen 5 2600
GPU:GeForce GTX 1660 Ti
メモリ:16GB
ストレージ:SSD 500GB
電源:非公開
コスパ:調査中

公式サイト

Ryzen 5 2600×GeForce GTX 1660 Ti搭載のローエンドクラスの一台だ。フルHD環境でも標準設定以上でゲームを楽しめる。設定を下げれば高リフレッシュレートでのゲームプレイも可能だ。構成はメモリ16GB・SSD 500GBと必要十分だといえる。

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