RX 6750 XTtop画像引用元:https://www.msi.com/ *イメージ

当記事では、Radeon RX 6750 XTのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。Radeon RX 6700 XTの後継モデルがリリースとなった。アーキテクチャはそのままのマイナーチェンジモデルとなっている。Radeon RX 6700 XTと比べてクロック周波数が引き上げられてかつメモリ速度が速くなったことでより高い性能を期待できる。

ターゲットはWQHD環境でのゲームプレイとなる。フルHDで高リフレッシュレートを実現することも容易い。競合モデルはNVIDIA製GeForce RTX 3070だ。どの程度差を縮めることができたのかに注目したい。搭載モデルについては、「Radeon RX 6750 XT搭載おすすめゲーミングPC」で紹介している。なお、今後もRadeon RX 6700 XTは併売される形だ。

世代RDNA 2.0
プロセス7nm
CUDAコア2,560
ベースクロック2150 MHz
ブーストクロック2495 MHz
TDP250W
MSRP$549
中古価格41,980円~
発売日2022/05/10
よくわかる!!Radeon RX 6750 XTの特徴まとめ

  • (+)RX 6700 XTと比べて10%前後性能が高い
  • (+)RX 6700 XTの後継モデルで注目度が高い
  • (+)価格が下がればより魅力的になる
  • (-)RX 6700 XTより消費電力が高い
  • (-)レイトレーシング性能が低い

Radeon RX 6750 XTの基本スペック

RX 6750 XTRX 6800RX 6700 XT
コードネームRDNA 2RDNA 2RDNA 2
GPUNavi 22Navi 21Navi 22
プロセス7nm7nm7nm
トランジスタ数172.0億268.0億172.0億
ダイサイズ335 mm²520 mm²335 mm²
CUs406040
CUDAコア数2,5603,8402,560
RTコア数406040
Tensorコア数---
ベースクロック2150 MHz1700 MHz2321 MHz
ゲームクロック2495 MHz1815 MHz2424 MHz
ブーストクロック2600 MHz2105 MHz2581 MHz
GPUメモリ12GB GDDR616GB GDDR612GB GDDR6
メモリ速度18 Gbps16 Gbps16 Gbps
メモリバス192 bit256 bit192 bit
メモリ帯域幅432.0 GB/s512.0 GB/s384.0 GB/s
Infinity Cache96 MB128MB96 MB
TDP250W250W230 W
価格$549$579$479
実売価格71,980円~99,800円~64,790円~
搭載PC価格269,980円~254,980円~167,800円~
発売日2022/05/102020/11/182021/03/18

Radeon RX 6750 XTのスペックについてオリジナルのRadeon RX 6700 XTと比較しながら見ていく。参考として上位モデルのRadeon RX 6800のスペックも掲載している。Radeon RX 6750 XTの基本的なスペックはRadeon RX 6700 XTに酷似している。コードネーム・GPU・プロセス・トランジスタ数・ダイサイズ・CUs・CUDAコア数・RTコア数は共通だ。同じアーキテクチャを採用していて一部スペックに変更が加えられたマイナーチェンジモデルということになる。

ベースクロックについては7%程度低くなっているが、ゲームクロック・ブーストクロックはそれぞれ3%・1%引き上げられている。また、メモリ速度が16 Gbps→18 Gbpsと速くなってそれがメモリ帯域幅に影響を与えている。およそ13%広くなり432.0 GB/sだ。Infinity Cacheは96 MBが維持されている。TDPは9%増えて250Wだ。価格差は$70となる。実売価格では13,000円程度の差が生じている。発売から時間が経てばRX 6750 XTの価格も落ち着くはずだ。

上位モデルのRadeon RX 6800では一回り大きいGPUであるNavi 21を搭載している。GPUが異なるため明確な性能差があると考えてよい。トランジスタ数が56%多く、ダイサイズも55%大きい。CUsも50%増えて60となる。CUDAコアも3,840へと50%多い。RTコア数も同様だ。クロック周波数についてはRX 6750 XTの方が高い。

メモリ周りでもRadeon RX 6800の方がワンランク上だ。GPUメモリ容量も16GBと33%多い。メモリ速度はRadeon RX 6750 XTの方が13%速いが、メモリバスはRadeon RX 6800の方が大きく256 bitとなる。メモリ帯域幅はRadeon RX 6800では512.0 GB/sと18%広い。Infinity CacheもRadeon RX 6800は33%大きく128MBだ。TDPは同じだ。MSRPでは価格差は$30だ。実売価格では22,000円の差がある。

Radeon RX 6750 XTの国内価格は71,980円~となっている。Radeon RX 6700 XTと比べておよそ10%程度高い。上位モデルのRadeon RX 6800は40%程度高く99,800円だ。Radeon RX 6750 XTを搭載したゲーミングPCの価格は269,980円~と高めだ。Radeon RX 6800よりも価格が高いのは搭載しているCPUに違いがあるからだ。単体のグラフィックボードとしてコストパフォーマンスは上々だ。

Radeon RX 6750 XTの最新評価【2023年】

総合性能

rx6750xtgamescore
Radeon RX 6750 XTは、スペックの引き上げによってRadeon RX 6700 XTと比べて8%高いパフォーマンスを発揮する。同じアーキテクチャであることを考えるとまずまず納得できる結果ではないかと思う。競合のGeForce RTX 3070との差は1%程度とほぼ同等だと考えてよいだろう。その後登場したGeForce RTX 3070 Tiとの性能差は7%で完敗だ。

GeForce RTX 3060 Tiと比べると15%程度性能が高くミドルハイクラスのモデルとして十分な結果だ。上位モデルであるRadeon RX 6800との差は9%となっている。次世代モデルのRadeon RX 7700 XTも同様だ。WQHD環境にも対応できるポテンシャルの高さは健在だ。GPUメモリ容量が12GBと多いのもプラスになる。NVIDA製グラフィックボードと比べた際の優位性となる。

単体グラボ価格はまだ下がる余地がある

製品VRAM性能最新価格コスパ
RX 680016GB30,17949,980円~0.604
RTX 3070 Ti8GB29,95736,990円~0.810
RTX 30708GB28,19434,980円~0.806
RX 6750 XT12GB27,98641,980円~0.667
RX 6700 XT12GB25,89533,990円~0.762

単体のグラフィックボードの価格はまずまずだが、RX 6700 XTとの価格差を見る限りもう少し下がる余地があるように思う。コストパフォーマンスではGeForce RTX 3070 TiやGeForce RTX 3070に敵わない。GPUメモリ容量が少ないこととタマが多いことで価格が押し下げられているのだろう。この性能帯のモデルを探しているならGeForce RTX 3070 Tiは魅力的な選択肢となる。Radeon RX 6750 XTについてラスタライズ性能はNVIDIA製モデルと比べても見劣りしないが、レイトレーシング性能は大きく劣ってしまうことを理解しておこう。純粋なゲームプレイを楽しみたい方向けだと言える。

Radeon RX 6750 XTの特徴&強み【発売時点】

RX 6700 XTよりも10%近く高い処理性能を発揮する

すでに見てきた通り従来モデルのRadeon RX 6700 XTと比べてしっかりと性能が引き上げられているのは評価できる。WQHD環境でのゲームプレイに最適だ。タイトルによっては4K環境にも対応できるポテンシャルを持っている。Radeon RX 5000シリーズやそれより前のモデルからの買い替えなら性能差を体感できるだろう。

レイトレーシング性能については、RTX 3070と比べて大きく劣ってしまうのでその点は注意しよう。下位モデルのRTX 3060 Tiと比べても適正は低くAMDにとってはこれからだ。早くからRTコアを取り入れていたNVIDIA製モデルには及ばない状態だ。RX 6750 XTは、純粋なゲーム性能を重視したいユーザーの方向けだと言える。

人気の高いRX 6700 XTの後継モデルで注目が集まる

Radeon RX 6700 XTの後継モデルということで注目が集まるのは仕方がないのではないかと思う。同時期にリリースされたマイナーチェンジモデルであるRadeon RX 6950 XTやRadeon RX 6650 XTと比べても頭ひとつ抜き出ている。Radeon RX 6700 XTは、Radeon RX 6000シリーズの中でも最も人気の高いグラフィックボードだったので、その後継モデルであるRadeon RX 6750 XTもその人気を引き継ぐ可能性がある。

ゲーミングPCではNVIDIA製グラフィックボードが優勢だが、Radeon RX 6700 XT搭載モデルがBTOメーカーの売れ筋ランキングに名を連ねることもあった。人気の秘密はコストパフォーマンスの高さだろう。NVIDIA製グラフィックボードが高騰していた時もある程度価格が安定していて購入しやすかったという背景がある。Radeon RX 6750 XTにもその流れを期待したい。

RX 6700 XT/RTX 3070搭載モデルにコスパで劣る

ブランドGALLERIAGALLERIAGALLERIA
イメージGALLERIA XA7C-R37TGALLERIA XA7C-R37TGALLERIA XA7C-R37T
製品名GALLERIA XA7C-67XTGALLERIA XA7C-675XTGALLERIA XA7C-R37
ケースミドルミドルミドル
価格219,980円279,980円249,980円
CPUCore i7-12700Core i7-12700Core i7-12700
GPURX 6700 XTRX 6750 XTRTX 3070
メモリDDR4-3200 16GBDDR4-3200 16GBDDR4-3200 16GB
SSDNVMe 1TBNVMe 1TBNVMe 1TB
HDD非搭載非搭載非搭載
電源750W GOLD750W GOLD650W BRONZE
マザボH670H670H670

Radeon RX 6750 XTを搭載したゲーミングPCはまだまだ割高だ。ドスパラの場合RX 6750 XTとRX 6700 XT搭載で価格差が60,000円とかなり大きい。Radeon RX 6700 XT搭載モデル並に価格が下がらないと厳しいだろう。RTX 3070搭載モデルがちょうど間に収まっている。コストパフォーマンス的にはRX 6700 XTを搭載したGALLERIA XA7C-67XTが頭ひとつ抜き出ている。

Radeon RX 6750 XTのゲーミング性能

Watch Dogs: Legion

watchdogslegionrx6750xt-watchdogs

RX 6700 XTと比べてフルHD環境・WQHD環境それぞれで6%フレームレートが高い。WQHD環境までであれば60fps以上で安定させることができる。RTX 3070と比べると4%-6%程度フレームレートが低くなっている。MSRPを考えるとRTX 3070のフレームレートは上回って欲しかった。

Borderlands 3

boarderland3rx6750xt-borderlands3

Borderlands 3ではRX 6700 XTと比べて5%-6%程度フレームレートが高くなっている。フルHD環境ではRTX 3070よりも2%フレームレートが高い。WQHD環境でも3%フレームレートが高く満足のいく結果だ。フルHD環境なら高リフレッシュレートモニターを生かしたゲームプレイが可能となる。上位モデルであるRadeon RX 6800との性能差はまだまだ大きく13%-16%もフレームレートが高い。

Far Cry 6

farcry6rx6750xt-farcry6

Far Cry 6ではRX 6700 XTと比べて4%程度フレームレートが高い。フルHD環境ではRTX 3070 Tiと比べて3%程度フレームレートが高いが、WQHD環境では4%劣る結果となっている。RX 6800との差は7%-15%とやや大きい。

Radeon RX 6750 XTのレイトレーシング性能

Control

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レイトレーシング性能については苦戦している。RX 6700 XTと比べて3%-5%程度フレームレートが伸びただけに留まる。RTを中設定にすればある程度ゲームプレイができるが、せっかくなら最高設定で楽しみたいところだ。RTX 3070になると50%近くもフレームレートが高くなりゲームプレイ時の快適度も増す。最高設定でも69.7fpsと余裕がある。レイトレーシング性能を重視するならRX 6750 XTは、RX 6700 XTと同様に魅力的な選択とは言えない。

Cyberpunk 2077

Cyberpunk2077toprx6750xt-cyberpunk2077rt

Cyberpunk 2077でもかなり厳しい結果となっている。RX 6700 XTと比べて5%程度フレームレートが伸びただけで中設定でも31.1fpsで快適にゲームがプレイできるとは言えない。RTX 3070と比べると40%以上のフレームレートの差がある。RTX 3060 Tiにも及ばないのは残念だ。Radeon 6000シリーズはレイトレーシングを導入して一世代目で通用しない状態だ。

Fortnite

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フォートナイトでもNVIDIA製グラフィックボードとのフレームレートの差は大きい。RTX 3070と比べて25%前後フレームレートが低い。中設定でも53.2fpsでかろうじてゲームを楽しめる程度となる。RX 6700 XTと比べて6%程度フレームレートが高くなっただけで根本的な性能不足は解消されていない。

その他ベンチマーク一覧

消費電力

rx6750xtwatts

Radeon RX 6700 XTと比べて消費電力が6%程度高くなっている。RTX 3070よりも5%高い。性能が高くても消費電力が上がってしまっては好ましくない。それでも性能が8%程度向上していることを考えると省電力性は高くなった。許容範囲内だと言えるだろう。

温度

rx6750xt-temp

RX 6750 XTの温度コントロールはかなりうまくできている。RX 6700 XTと比べて20%以上も温度が抑えられていて57.2℃となる。ファンがかなり有効だということだろう。負荷が掛かるとファンの音が大きくなるが他のモデルと比べて極端に大きいということはなく問題とはならない。

Radeon RX 6750 XT搭載おすすめゲーミングPC

GALLERIA XA7C-675XT(ドスパラ)

GALLERIA XA7C-R37T価格:229,980円(税込)
CPU:Core i7-13700F
GPU:Radeon RX 6750 XT
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中

公式サイト

CPUにIntel第13世代のCore i7-13700Fを搭載したゲーミングPCだ。16コア24スレッドとスペックが高く、ゲーム実況・動画編集などの作業への適性も向上している。従来モデルのフラグシップモデルであるCore i9-12900Kよりも性能が高い。メモリ16GB、SSD 1TB NVMeと構成は平均以上だ。電源ユニットは750W GOLDを採用している。高容量・高規格の電源ユニットで安心感がある。コストパフォーマンスは伸び悩む。RTX 3070搭載モデルよりも3万円高いのは痛い。販売台数も少なく価格を下げられないのだろう。

GALLERIA XA7R-675XT(ドスパラ)

GALLERIA XA7C-R37T価格:179,980円(税込)
CPU:Ryzen 7 5700X
GPU:Radeon RX 6750 XT
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:調査中

ガレリアブランドからRadeon RX 6750 XT搭載モデルがリリースされている。CPUにはZen 3アーキテクチャ採用のRyzen 7 5700Xだ。8コア16スレッドとマルチスレッド性能が高い。Ryzen 7 5800Xと同等のゲーミング性能を期待できるにも関わらず比べて価格が抑えられているのが魅力だ。メモリ16GB、SSD 1TBと構成も十分だろう。電源ユニットは650W BRONZEを採用している。

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CPUCore i9-12900K
マザーボードMSI Pro Z690-A WiFi DDR4
メモリDDR4-3600 32GB
電源ユニットCooler Master MWE 1250 V2 Gold