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Radeon RX Vega 56のスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。Radeon Fury Xの後継モデルだ。Radeon RX Vega 64と同時期にミドルクラスのグラフィックボードとして登場した。AMDのファンにとって待望のモデルだと言える。ライバルのNVIDIAのGeForce GTX 1070に遅れること1年ちょっとでついにAMDもこの性能帯のグラフィックボードを市場に投じた。
Radeon R9 Fury XやRadeon RX 580など前の世代と比べてどのぐらい進化しているのか徹底的に検証していこう。GeForce GTX 1070 Tiの登場で評価は暴落となってしまった。同じ価格でより高性能なモデルが出たとなればこの評価も当然だ。後継モデルは、「Radeon RX 590」となる。12nmプロセス採用でよりパワー効率に優れたモデルとなっている。ただし、性能的にはRX Vega 56の方が上だ。性能的な後継モデルは、2020年1月発売の「Radeon RX 5600 XT」だろう。
- 長所
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- WQHDで高いパフォーマンスを発揮
- 小型化されたRX Vega 56 Nano Edition登場
- 短所
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- 発熱が多く、ファンの駆動音も大きい
- 15ヶ月待たされた割には性能面での驚きはない
Radeon RX Vega 56の概要
基本スペック・仕様
| RX Vega 56 | RX Vega 64 | R9 Fury X | |
|---|---|---|---|
| アーキテクチャ | Vega | Vega | Fiji |
| プロセス | 14nm | 14nm | 28nm |
| トランジスタ数 | 125億 | 125億 | 89億 |
| ダイサイズ | 495m㎡ | 495m㎡ | 596m㎡ |
| SMs | 56 | 64 | 64 |
| シェーダーコア | 3584基 | 4096基 | 4096基 |
| コアクロック | 1100MHz | 1247MHz | – |
| ブーストクロック | 1183MHz | 1546MHz | 1050MHz |
| GPUメモリ | 8GB | 8GB | 4GB |
| メモリタイプ | HMB2 | HMB2 | HMB1 |
| メモリクロック | 1.6 Gbps | 1.9 Gbps | 1.0 Gbps |
| メモリバス | 2048 bit | 2048 bit | 4096 bit |
| メモリバス帯域幅 | 409.6 GB/s | 483.8 GB/s | 512.0 GB/s |
| TDP | 210W | 295W | 275W |
| MSRP | $399 | $499 | $649 |
| 発売日 | 2017/08/21 | 2017/08/21 | 2015/06/24 |
Radeon Vega 56のスペックを見ていこう。比較対象として前世代のフラグシップモデルであるRadeon R9 Fury Xと上位モデルであるRadeon RX Vega 64を選んだ。R9 Fury Xと比べてプロセスが28nmから14nmへと微細化されている。プロセスは小さい方がパワー効率がよくなる。CPUの進化はこのプロセスの微細化にあると言っても過言ではない。トランジスタ数が40%多くなっているにも関わらずダイサイズは10%小さくなった。
ブーストクロック13%アップだ。CUDAコアは12%少なく3584基だ。GPUメモリはHMB1からHMB2へとアップグレードされている。さらに、GPUメモリ容量も倍の8GBだ。メモリクロックは1.6倍で1.6 Gbpsだ。メモリバスは半減で2048 bitとなる。メモリバンド幅はおよそ20%狭く409.6 GB/sだ。TDPは23%抑えられていて210Wだ。価格はなんと$250も安くなっている。
Radeon RX Vega 64はRadeon Vegaシリーズの最上位モデルとなる。RX Vega 64で採用されているのもRX Vega 56と同じVega 10プロセッサーだ。4つのシェーダーエンジンがあり、それぞれのエンジンには64つの有効なコンピューターユニット(CUs)が搭載されている。
RX Vega 64ではシェーダーエンジンごとにフルスペックバージョンで64個全てのコンピューターユニットが搭載されていることになる。だからRadeon RX 64という名前になっているのだ。コンピューターユニットごとに64個のストリームプロセッサー(SMs)があるので、CUDAコアは4096基(64×64)となる。これはRadeon R9 Fury Xと同じだ。
Radeon RX Vega 64は、CUDAコア数・クロック数のアップによって性能の底上げが行われている印象だ。メモリ速度も1.9 Gbpsとなり、メモリバンド幅も約20%アップで483.8 GB/sとなる。消費電力は40%アップの295Wだ。クロック周波数が高くメモリ周りも強化されていることから消費電力は高めになっている。価格差は$100だ。4K解像度にこだわりがないのであればRX Vega 56でも十分だと考えている。
GeForce GTX 1070と比較
| RX Vega 56 | GTX 1070 | GTX 1070 Ti | |
|---|---|---|---|
| コードネーム | Vega | Pascal | Pascal |
| GPU | Vega 10 | GP104 | GP104 |
| プロセス | 14nm | 16nm | 16nm |
| ダイサイズ | 495m㎡ | 314 mm² | 314 mm² |
| トランジスタ数 | 125億 | 72億 | 72億 |
| シェーダーコア | 3584基 | 1920基 | 2432基 |
| コアクロック | 1100MHz | 1506MHz | 1607MHz |
| ブーストクロック | 1183MHz | 1683MHz | 1683MHz |
| GPUメモリ | 8GB | 8GB | 8GB |
| メモリタイプ | HMB2 | GDDR5 | GDDR5 |
| メモリクロック | 1.6 Gbps | 8 Gbps | 8 Gbps |
| メモリバス | 2048 bit | 256 bit | 256 bit |
| メモリバス帯域幅 | 409.6 GB/s | 256.3 GB/s | 256.3 GB/s |
| TDP | 210W | 150W | 180W |
| MSRP | $399 | $379 | $399 |
| 発売日 | 2017/08/21 | 2016/06/10 | 2017/11/02 |
GTX 1070及びGTX 1070 Tiとスペックを比較しよう。NVIDIA製グラフィックボードは16nmプロセスを採用していてRadeon RX Vega 56の14nmプロセスより一回り大きい。RX Vega 56の方がトランジスタ数が73%多く、ダイサイズは58%大きい。プロセスが小さい分だけ有利になっている。NVIDIAはCUDAコア数を減らして、クロック数を上げる方法を取っている。GTX 1070と比べるとRX Vega 56の方がCUDAコア数が86%の方が多い。コアクロックはGTX 1070の方が40%高く、ブーストクロックもGTX 1070の方が45%高い。
GPUメモリ容量は8GBと共通だ。メモリタイプはGDDR5とHMB2で異なる。性能的にはRX Vega 56で採用されているHMB2の方が上だ。メモリクロックは2倍、メモリバスは8倍、メモリバンド幅は60%アップだ。TDPはRX Vega 56のほうが40%高く210Wとなる。これはメモリにHBM2を選択したことが要因だろう。登場時の国内価格は、RX Vega 56が67,000円~、GTX 1070が51,000円~とかなり差が開いている。この価格差を考えるとGTX 1070のコスパの高さが際立つ。性能を考えるとGTX 1070の方が高い。安定感の高さでも圧倒的だと言える。
その後GTX 1070を強化したGTX 1070 Tiが登場してRadeon RX Vega 56の立場が奪われてしまった。GTX 1070と同等の価格でワンランク上のグラフィックス処理性能が手に入るということになる。GTX 1080に近い性能を持っている。この時代はAMDが苦戦していた時期でNVIDIAが一枚上手だったと言えるだろう。
Radeon RX Vega 56の最新評価【2025年】
現行のエントリークラス相当の性能を持つ
Radeon RX Vega 56を含む同性能帯のグラフィックボードの総合性能をまとめている。Radeon RX Vega 56は、性能的に競合であるGeForce GTX 1070と比べると15%劣る。やや厳しい戦いだ。それでも前モデルのフラグシップモデルであるRadeon R9 Fury Xを上回っているのはさすがだ。確実に技術的な進歩はしている。ライバルが強力すぎた。
その後発売されたGeForce GTX 1070 Tiによって完璧に打ち負かされた形だ。価格も安いのだから勝ち目がない。やはりコスパの高さではNVIDIAにはかなわないのだろうか。なお、次世代モデルで言うとGeForce GTX 1660 SUPER/GeForce GTX 1660に近い性能を持っていることがわかる。GeForce RTX 3050 8GBが近くエントリークラスのモデルということだ。フルHD環境でも設定を下げる必要が出てくる。
古いグラフィックボードの場合消費電力がネックとなってしまうこともある。Radeon RX Vega 56の210Wに対して、GeForce GTX 1660 SUPERの消費電力125Wと33%程度省電力性が高くなっている。GeForce RTX 3050でも130Wだ。現行モデルに通用するグラフィックボードというのは心強いが、買い替えを考えてもよいだろう。
中古での入手は困難を極める

2026年時点で中古でRX Vega 56を入手するのは難しい。相場的には9,980円からとなっている。在庫数はどこも多くないので時期によっては全く手に入らなくなると考えておこう。上位モデルのRX Vega 64と同様に発売当時それほど売れなかったからかタマがないようだ。もし購入できたとしても消費電力の高さなどからおすすめできるわけではない。
この時代のモデルについてはNVIDIA製GeForceが圧倒していた。安定したゲームプレイが約束されていたからだ。中古での購入を考えているなら同じ性能帯であるGeForce GTX 1660 SUPERやGeForce GTX 1660を探す方が手っ取り早い。GeForce GTX 1070やGeForce GTX 1060 6GBでもよいように思う。消費電力が高く性能もそこそこのモデルを積極的に選ぶ理由は薄い。
Radeon RX Vega 56の特徴まとめ【2017年時点】
登場が遅すぎたのが悔やまれる
R9 Fury Xの登場から二年での登場となったが、Radeon RX Vega 56については大幅な進歩が見られる。これはGTX 900シリーズのハイエンドモデルあるGTX 980 Tiをミドルクラスで追い抜いたGTX 10シリーズのようだ。ただし、GTX 10シリーズからおよそ1年間後の登場となってしまったためシェアを大きく奪えるということはないと思う。
遅くなってしまったのはAMDがメモリタイプをHMB2にこだわった結果だ。NVIDIAと同じようにGDDR5で対応しておけばこのように発売まで時間が掛かることはなかったはずだ。登場が遅れたということはあるものの性能は格段に向上している。$600のモデル(R9 Fury X)以上のパフォーマンスを持つRadeon RX Vega 56が40%OFFで手に入るのだから素晴らしい。AMD派の方なら買い替えたくなるだろう。性能差をしっかりと体感することができる。
WQHD/フルHDが得意なグラフィックボード
WQHDやフルHD環境では最高のパフォーマンスを持っている。最高設定でもさくさく動かすことができる。これはNVIDIAのGTX 1070と同じ立ち位置だと言える。AMDがついにハイクラスのグラフィックボードにも参入してきた。長らくNVIDIAの独壇場だったことを考えると感無量だ。
将来性も高くしばらくは安泰だろう。しかし、気になる部分もある。RX Vega 56は、GTX 1070に比べて熱を持ちやすく駆動音も気になる。消費電力が高いので仕方がない部分だが、排熱対策には気を使う方が良いかもしれない。自作PCの構築をするならCPUファンやCPUクーラーを搭載したり、電源ユニットににコストを掛けたりするのが必須だ。
小型化されたRX Vega 56 Nano Editionが登場!
画像引用元:http://www.gdm.or.jp/
コンパクトなパソコン向けに小型化されたNano Editionが遅れてリリースされた。基本的なスペックはRX Vega 56と同等ながら一回り小さくすることに成功。AMDはこの小型化に力を入れている。
Radeon R9 Nanoが過去リリースされたことから今回も期待されていた。ついにお披露目といったところだ。キューブ型や省スペースなパソコンの購入を検討している方には嬉しいだろう。
Radeon RX Vega 56のベンチマーク一覧
Rise Of The Tomb Raider


WQHDでのゲームプレイが厳しいタイトルの一つだが、最高設定にこだわらなければ十分対応することができる。Radeon RX Vega 56は、WQHD環境で49.8fpsとRX Vega 64に次ぐ性能を持ちGTX 1070を上回る結果となっている。R9 Fury Xと比べると17%高い数値となる。AMD製グラフィックボードはDirectX 12には強い。FULL HD環境でのゲームプレイを考えた方がよいかもしれない。
Battlefield 1


RX Vega 56は、NVIDIAのハイクラスモデルであるGTX 1080に迫るパフォーマンスを持っている。その差は僅か4%だ。WQHD環境では82.2fpsを叩き出し余裕の性能がある。R9 Fury Xより8%高い数値となっている。最高設定でも快適にゲームをプレイすることができる。4K解像度でのゲームプレイは厳しいが、R9 Fury Xより22%高いパフォーマンスを持つ。設定を調整して対応する必要がある。
Hitman


WQHDなら最高設定でもヌルヌル動く。このタイトルでもFury Xより約17%高いスコアだ。GTX 1070をもおよそ10%上回っているのはさすが。4K解像度になるとほとんど差がなくなる。Radeon RX Vega 56は、振れ幅が大きいので場合によってはGTX 1070の方が安定することがある。
Doom


R9 Fury Xよりも約7%高い125.9fpsとなった。GTX 1070と比べると22%も高い。Doomに関しては4K解像度でも60fpsとなっているので最高設定でもプレイすることができる。ほぼGTX 1080と同等の数値となっているのは素晴らしい。Radeon Vega 64がGTX 1080を超えていることからもAMDに相性のよいタイトルであるということがわかる。
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ベンチマークテスト環境

| OS | Windows 10 64-bit |
|---|---|
| CPU | Core i7 5960X |
| メモリ | 16GB |
| 電源ユニット | Corsair 1200W PLATINUM認証 |
参照元:AMD Radeon RX Vega 56 8GB Review (tom’s HARDWARE)



















