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当ページでは、モニター解像度の違いを比較して紹介している。ゲームプレイをする上で解像度は気になる部分だろう。フルHD・WQHD・4Kの3つの解像度について特にゲーミング環境に焦点を当てて詳しく見ていこう。
高解像度になると要求スペックが高くなる(より高価なゲーミングPCが必要)一方で、よりキレイなグラフィックスを楽しめるなどメリットが大きい。ぜひ違いや特徴を理解してあなたにぴったりのゲーム環境を構築しよう。
家庭用ゲーム機器との差別化もここで図られている。SwitchやPS5では性能的に高解像度でのゲームプレイを実現できないのだ。そもそも解像度がわかならいという方にもわかりやすくなるよう心掛けているので安心して読み進めて欲しい。
当ページの目次
解像度の基本知識
そもそも解像度って何のこと?
出典:(Abijita, 2018)
上記画像を見るとわかる通り解像度が高くなると同じモニターでもより広範囲を表示できるということだ。ゲームプレイ時のグラフィックスがより鮮明により綺麗に描写されることになる。ビジネス用途においても作業効率の向上に繋がり、メリットが大きいと言える。
解像度とは、1インチに含まれるドット数のことを表している。英語だとよりわかりやすくDots Per Inch(DPI)と言われる。簡単に言うとモニターに描写される総画素数を指すもので解像度が大きいほど画像が鮮明で美しくなる。
フルHD(Full HD)の場合は1920×1080の解像度だ。WQHDになると2560×1440、4K解像度(QFHD,Quad Full-HD)は3840×2160となる。家電量販店のテレビコーナーでも4K解像度という言葉を聞いたことがあるだろう。最近は5Kや8Kなども注目されているが、ゲーミングモニターでは一般的ではない。パソコンの液晶モニターでも同様だ。当然高解像度になるほど価格は高くなる。
解像度が上がると負荷も大きくなる
高解像度になると当然負荷は高くなるのでパソコンもより高性能なものが要求される。プレイするゲーム次第だが、RTX 3070などハイクラス以上のグラフィックボードが必要でそれに合わせて高性能なCPUを選択する必要がある。一方、解像度が低くなればなるほど画質は荒くなるが、その分だけ負荷が低くなっていく。
現在ほぼ全てのゲームが1920×1080のフルHD解像度に対応している。ゲームによってはフルHDが上限となっていることもあるが、多くのタイトルでそれ以上の解像度を選択できる。WQHDや4K解像度でのゲームプレイはモニターが対応していることとゲーム側が対応していることが前提となるのだ。
対人要素の強いFPSやRTSなどではfps(frame per second)を稼ぐため(負荷を軽くするために)にあえて低解像度を使用するプレイヤーも多くいる。また、FPSでは低解像度にすると画質が荒くなり、見えるものがやや大きく描写されるので、ゲームプレイにおいて有利になると考えられている。特にプロFPSゲーマーは800×600などのアスペクト比4:3の低解像度に設定して負荷と操作性を突き詰めている。つまり、プレイするジャンルや目的に応じて解像度を選択するとよさそうだ。
最もゲーマーに使用されているのはフルHD解像度!
出典:(STEAM, 2022)
どの解像度がユーザーに人気があるのか気になっている方も多いかもしれない。その答えはSteamの統計を見ればすぐにわかる。Steamではゲームに関する様々な統計データが公開(STEAM, 2022)されている。それによると、フルHD(1920×1080)の利用者が67.46%とずば抜けて高いことがわかる。
WQHD(2560×1440)は9.68%、4K(3840×2160)は2.29%といかにフルHD利用者が多いのかがわかるだろう。フルHD環境の構築はローエンドクラスのGTX 1660やGTX 1650(現行モデルならRTX 3050)でも対応しやすいのでこれはある意味当然の数値だと言える。実用性とのバランスがちょうどよいのだ。
今後グラフィックボードの性能が格段に上がればWQHDや4Kがもっと普及するかもしれない。事実、1年前はフルHDが62.06%で5.40%増、WQHDが3.59%で6.09%増、4Kが1.32%で0.97%増と、全体的にフルHD以上の解像度の数値が高まっている。2年前のフルHD以上の割合が70.83%で2020年3月で76.47%にまで上がっている。
新しいゲームになればなるほどフルHD以上に対応していることも影響しており、あと数年でWQHDが主流となる可能性も十分にある。その頃にはミドルクラスのグラフィックボードでWQHDに余裕を持って対応できるかもしれないと思うと楽しみである。最近はモバイル向けグラフィックボードの性能も向上していてWQHD・4K対応モニターを搭載したゲーミングノートPCもリリースされている。
WQHDや4K解像度になると画質がキレイになる。ゲームをプレイするにあたって、画質向上は非常に大きなメリットだ。フルHDは1920×1080なので約200万画素、これが4Kになると820万画素にまで増える。これだけ画素の違いがあれば画質の差は歴然である。ファンタジー色の強いゲームであればその世界に引き込まれる。
レースゲームなどのリアル系のゲームでは臨場感をより深く味わうことができる。また、デスクトップを広く使えるようになり実用面でもメリットがある。モニター1枚でも多くの作業が行えるようになる。ただし、文字が小さくなったり、アイコンが小さくなってしまうので設定で大きく表示しなくてはならない場合がある。
そして大きく表示すると使用感はフルHDとほとんど変わらなくなり、メリットとして感じにくいこともある。モニターの大きさがフルHDと同じであればサイズが1/4になるので仕方の無いことだ。それを踏まえて4Kモニターは27インチ以上のものを選択しておきたい。
4Kや2K(WQHD)が普及しない理由
やや注意点はあるもののメリットのある4Kや2Kもまだまだ普及していないのが現状だ。その要因について掘り下げていこう。
要求スペックが高い
ゲームプレイで4K解像度を実現するには非常に高い性能が求められる。現行モデルで言うとCPUはCore i7-12700、グラフィックボードはRTX 3070クラスが要求され、ハイクラス以上のゲーミングPCでなければ4K解像度でのゲームプレイは難しい。Ampere世代のグラフィックボードが登場し今後は高解像度のゲームプレイも増えてくるかもしれない。
RTX 3060のようにミドルクラスで性能が不足しているグラフィックボードでは、設定を下げなくてはならない。高画質を楽しむための4K解像度であるのに画質を下げてしまうのは本末転倒だ。ミドルエンドクラスはWQHD解像度が限界で、それでも設定を下げなくてはならないこともある。高解像度でのゲームプレイでは現行最強クラスの性能が無ければ安定した動作が難しい。誰にでも気軽に楽しめる時代はまだ少し先になりそうだ。
参考:Cyberpunk 2077のベンチマーク
RX 6900 XT | |
RTX 3080 Ti | |
RX 6800 XT | |
RTX 3080 | |
RX 6800 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 3070 | |
RTX 2080 Ti | |
RTX 3060 Ti | |
RTX 3060 |
Cyberpunk 2077は負荷の高いゲームとなっていることから特にスコアが厳しくなっている。それでもまだまだ高い負荷を持つゲームは多く存在しており、今後登場するゲームのことを考えればこのくらいの負荷は当たり前に考えておかねばならない。フラグシップモデルであるRTX 3080 Tiでさえ4K解像度で60fpsを出せない。WQHD環境ならRTX 3070 Ti以上で対応できそうだ。
高価な4K解像度対応モニターが必要
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4K解像度でゲームをプレイするためには4K解像度に対応したモニターが必要になる。フルHDモニターでは後述する擬似的な4K描写であるDSR機能を使用するしかない。4Kモニターは非常に高価で、フルHDモニターの2~3倍高い。この価格の高さが4K解像度でゲームをプレイするための大きなハードルとなっている。
鮮やかな画質を体験するために4万円オーバーのモニターを購入するのはなかなか勇気がいる。ただでさえハイエンドクラスの性能が要求されている上に、高価なモニターまで用意しなくてはならず、コストに見合っているか判断しにくい。要求スペックが高く、モニターが高価。この2つの要素が高解像度の普及を押し留めている。
特定のゲームにおいて不利になることがある
対人ゲームにおいて高解像度モニターを利用すると小さく描写されるようになってしまい不利だ。特にFPSでの4K解像度は圧倒的に不利と言われている。画質を上げると小さく見えることがゲームプレイに支障をきたすと考えられている。画質を荒くするほうが大きく見え有利なのだ。他のユーザーと同等の環境を構築しないとその時点で負けが見えている。
重視されるのは高解像度ではない。高解像度を活かせるのはMMORPGなどの対人要素の薄いゲームである。FPSやRTSのようなジャンルにおいては高リフレッシュレートに対応していることは前提とも言えるほどだ。多くのゲームでは4K解像度+高リフレッシュレートは原則対応していない。
また、特殊なモニターでなければ4K対応と120hz以上の高リフレッシュレートは共存できない。これは対人要素の強いゲームには適していないことを意味している。フレームレートが144以上出ていても、4K環境の描写は最大60hzとなるため意味を成さないのだ。4K時は60hz、フルHD時は144hzのような切り替えに対応したモニターが登場していない以上、コアなゲーマーは選ばないだろう。
DSRを用いて擬似的に高解像度へ
Nvidia GeForce 500番台以降のグラフィックボードを搭載していれば「Dynamic Super Resolution」という機能が使用できる。これを使用することで、フルHDのモニターでも高解像度の描写が可能になる。デスクトップに関しては、最適化されるため使用感に大きな変化がない。なのでゲームにのみ適用すると良いだろう。
DSRの設定方法
DSRの設定は、デスクトップを右クリックし、Nvidiaのコントロールパネルを開く。左のメニューから「3D設定の管理」を選択。詳細設定が表示されると「DSR-係数」を選択肢、数値を選ぶ。
- 1.20x
- 1.50x
- 1.78x
- 2.00x
- 2.25x
- 3.00x
- 4.00x
とあり、ここで選択した解像度がゲームやデスクトップで使用することが可能となる。4.00xが4K解像度となる。また、「DSR-滑らかさ」という項目は、見やすさに補正をかけるというもので、数値が大きくすればぼんやりし、小さくすればクッキリする。4K解像度がどういったものか味わいたいという意味では、まずは擬似的に体感してみるのも良いだろう。
参照外部サイト
- What’s The Difference Between WQHD, QHD, 2K, 4K and UHD? Display Resolutions Explained(Abijita, 2018)
- Steamハードウェア&ソフトウェア 調査: February 2022(STEAM, 2022)
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