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CPU(Central Processing Unit)とは、PCにおける頭脳にあたる最重要パーツだ。ユーザーからの支持やソフトウェアの命令をメモリから受け取り、超高速で演算処理を行うのが主な役割となる。PCで行われるあらゆる挙動の根幹を支えているため、CPUの性能はパソコン全体の快適さに直結するのだ。本ページを読めば、CPUの役割・スペックの見方・CPUの選び方がわかる。

理屈よりも、まずは各モデルの力関係を知りたいという方は、別ページの「CPUの性能比較表」参考にしていただければと思う。Intel・AMDの現行モデルを中心に網羅しており、最新CPUの性能が一目で把握できる。

CPUとは何か?

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CPU(Central Processing Unit)は、日本語で中央演算処理装置と呼ばれる。その名の通り、パソコンにおけるあらゆる計算処理を一手に引き受ける最重要パーツの一つだ。中央という言葉からも分かるように、PC内で動いているあらゆるハードウェアやソフトウェアからの指示を、迅速に処理し続ける役割を担っている。指示を読み込み、各パーツに指令を出すという点で監督兼作業員ともいえる。最近では、映像出力をサポートするグラフィックス機能が内蔵されたCPUも一般的になっている。

パソコンのプログラムはすべて「0と1」の2進数による膨大な計算で成り立っていることを押さえておこう。電気スイッチのON(1)とOFF(0)を切り替えることで処理を行う仕組みだ。CPUの性能=パソコンの処理能力そのものといえる。CPUの性能が高ければ高いほど、このスイッチの切り替え(演算)が速くなり、結果として動作がサクサクして快適だと感じるようになる。

CPUは監督兼作業員に相当する

  1. 1. 入力(情報の受け取り)
    役割:マウス、キーボード、ネットからの信号、SSDにあるデータなどを今から処理する材料として受け取る。
    動き: 「お、クリックされたな」、「このファイルを読み込めって指示だな」と、状況を把握する。

  2. 制御・演算(メインの仕事)
    ここがCPUの真骨頂だ。
    制御:「このデータはメモリに置け」、「この画像処理はグラボに回せ」と全体に指示を出す。
    演算:指示書(OS)の通りに、自ら高速で計算(1+1のような算数から複雑なプログラム実行まで)をこなす。

  3. 出力(結果の反映)
    役割:計算し終わったデータを、私たちが理解できる形(モニターの映像、スピーカーの音、保存されたファイル)にして送り出す。
    動き:「よし、計算完了! グラボ、これを画面に出して! SSD、これを保存しておいて!」と最終的な送り出しの号令をかける。

CPUは上記のようなデータの流れを管理している。よく例えられるのが、OSが指示書やルールでCPUが監督兼作業員(脳)というイメージだ。WindowsなどのOSがこれを実行せよと指示書を発行して、CPUがその指示を忠実に、かつ超高速で遂行する。ウェブサイトの閲覧から印刷作業まで、PCで行うほぼすべての操作にCPUが関わっているといっても過言ではない。OSがないとCPUは何をすればいいのかわからない状態に陥り作業が進まない。また、CPUがないOSはマニュアルは保持しているものの、それを読んで実行する人がいない状態になりやはりパソコンとして機能しない。

高速化の鍵「キャッシュメモリ」とは

CPUは非常に高速だが、メインメモリ(RAM)がその速度に追いつけずやり取りには時間がかかってしまう。そこで活躍するのがL2・L3キャッシュだ。よく使うデータをCPU内部の高速なキャッシュにコピーしておくことで、低速なメインメモリへのアクセスを減らし、処理の停滞を防ぐことができる。

CPUの内部構造:演算・制御・記憶のメカニズム

CPUの構成要素

  • ALU(算術論理演算装置)
  • 実際の計算を担当する装置だ。足し算や引き算などの数学的演算だけでなく、「AとBのどちらが大きいか」といった論理的な判断もここで行われる。

  • CU(制御装置)
  • CPU全体の司令塔だ。メモリから命令を読み込み(フェッチ)、その内容を解釈(デコード)して、ALUや他のパーツへ実行の信号を送る。

CPUの内部には、役割の異なる二つの重要な装置が存在している。この二つが連携することで、「命令を読み込み、解釈し、実行する」という一連のサイクルが完成する。

演算を支える極小のスイッチ

コンピューターがすべての情報を「0と1」で処理できるのは、内部に膨大な数のトランジスタが詰め込まれているからだ。トランジスタは「電気を通す(1)」か「通さない(0)」かを切り替える極小のスイッチとなっている。このスイッチの組み合わせ(論理ゲート)によって、複雑な計算を可能にしているのだ。トランジスタはこれらは非常に薄いシリコン(半導体)のチップ上に作られている。

補足

「シリコンバレー」という地名は、この半導体産業が盛んだったことから名付けられた。素材が先、地名が後という歴史がある。

密度が性能を決める微細化の歴史

技術の進歩により、トランジスタは目に見えないほど小さくなった。かつては巨大だった回路も、現代ではわずか1平方インチの中に数億〜10億個以上のトランジスタを搭載可能だ。新しい世代のCPUが登場するということは、メーカー(IntelやAMDなど)がより多くのトランジスタを、より効率的に詰め込む設計を見つけ出したことを意味する。これが処理能力の向上に直結するのだ。

CPUの型番/スペックの見方

製品名Core Ultra 9 285KRyzen 9 9950X
製造メーカーIntelAMD
世代Arrow LakeZen 5
設計チップレットチップレット
製造プロセス3nm4nm
トランジスタ数178億166.3億
ダイサイズ243m㎡262m㎡
コア/スレッド24(8P+16E) / 2416 / 32
クロック周波数(P)3.7GHz/5.5GHz4.3GHz/5.7GHz
クロック周波数(E)3.2GHz/4.6GHz非搭載
内臓グラフィックスIntel GraphicsRadeon Graphics
内臓NPU
Intel AI Boost非搭載
L2キャッシュ40MB16MB
L3キャッシュ36MB64MB
対応メモリDDR5-6400DDR5-5600
対応ソケットLGA1851AM5
TDP125W170W
PL2250W230W

現行のCore Ultra 9 285KとRyzen 9 9950Xのスペックをまとめた。これを元に詳しく解説していく。なお、Intelは、Core iブランドはIntel第14世代で完全に終了となった。それ以降はCore Ultraブランドが確立されている。

サフィックス(接尾辞)

Intel

X ハイエンドモデル
KS スペシャルエディション
高パフォーマンスモデル
K(KF) 高パフォーマンスモデル
末尾Fはフリー(内蔵GPU非搭載)を意味する
無印(F) 標準モデル
末尾Fはフリー(内蔵GPU非搭載)を意味する
T 省電力モデル

Core Ultra 9 285Kは、ハイパフォーマンスモデルとなる。内蔵グラフィックスはIntel Graphicsだ。グラフィックボードがなくてもモニター出力が可能となる。

AMD

X3D 3D V-Cache搭載モデル
(大容量L3キャッシュ搭載)
X ハイパフォーマンスモデル
無印 バランス型モデル
F 内蔵GPU非搭載モデル
G 高性能内蔵GPU搭載モデル

Ryzen 9 9950Xは、ハイパフォーマンスモデルとなる。内蔵グラフィックスはRadeon Graphicsだ。AMDもいつのころからかFモデルが販売されるようになった。

チップ設計

CPUの設計は、一つの巨大なチップを作るモノリシックから、複数のダイを組み合わせるチップレット(タイル)設計へと完全にシフトしている。これは、演算を担うCPUコアのダイと、メモリコントローラーやI/O機能を搭載したダイを個別に製造し、一つのパッケージ上で組み合わせる手法だ。

AMDが先行したこの手法は、現在IntelのCore Ultraシリーズ2(Arrow Lake/Lunar Lake)においてもタイルという呼称で全面的に採用されている。機能ごとにタイルを分離することで、複数の製造プロセスを混在させることが可能になった。この柔軟な設計思想こそが、現代のCPUが劇的な多機能化と省電力性を両立できている大きな理由だ。

製造プロセス

CPUの製造プロセスとは、内部回路の微細さを示す指標だ。3nmや4nmといったナノメートル(10億分の1メートル)単位の数値で表され、これが小さいほど高度な技術であることを意味する。微細化の最大の利点は、集積率の向上によるパフォーマンスの飛躍と、電力効率の最適化だ。回路の短縮は抵抗によるエネルギーロスを最小限に抑え、低電圧での高クロック動作を可能にする。また、1枚のウェハーからより多くのチップを切り出せるようになるため、長期的には量産コストの低減にも寄与するが、近年の最先端プロセスにおいては製造装置の高騰という課題も併せ持っている。

コア数/スレッド数

CPUのコアは演算処理の主役で、近年は8コア(オクトコア)以上のマルチコア構成が主流だ。Intelは第12世代モデルからハイブリッド・アーキテクチャという独自の設計を採用している。これは、高負荷な作業を担う「パフォーマンスコア(Pコア)」と、電力効率を重視した「エフィシエントコア(Eコア)」を組み合わせ、用途に応じて最適に使い分ける仕組みだ。

Pコア単体での性能向上に加え、Eコアの増量によって多並列処理能力が飛躍的に高まり、特に動画編集やエンコードではRyzen 9シリーズを凌駕するパフォーマンスを発揮する。ただし、スレッド(仮想コア)の扱いは変化している。従来のハイパースレッディング技術は高速化に寄与してきたが、最新のCore Ultra 200シリーズ(Core Ultra 9 285Kなど)では、電力効率向上のためあえて非搭載となっている。

なお、デスクトップ向けのAMD製CPUでは今のところハイブリッドコアアーキテクチャは採用されていない。Ryzen 9 9950Xは16コア32スレッドと高スペックだ。すべてPコア相当といえる。

ベース及びブースト周波数

次に、プロセッサー・ベース動作周波数とターボ・ブースト利用時の最大周波数について見ていく。これらはCPUの回転数のようなもので、数値が高いほど1秒間にこなせる処理数が多くなる。例えば5.4GHzなら、1秒間に54億回ものクロック(処理のタイミング)を刻んでいる計算だ。ベース動作周波数は、全コア稼働時でも安定して維持できる基本のクロックを指している。

一方、最大周波数は、高負荷時に一部のコアが一時的に到達できる最高速度だ。ゲームなどの特定のコアに負荷が集中する用途では、この最大周波数の高さがパフォーマンスに直結する。最近のハイエンドモデルでは、温度や電力に余裕がある場合に限界を超えて加速するIntelの「Thermal Velocity Boost (TVB)」や、AMDの「Precision Boost 2」といった高度な自動オーバークロック機能も備わっており、CPU性能を最大限に引き出す重要な鍵となっています。

内蔵グラフィックス

CPU自体に内蔵グラフィックス(iGPU)を備えるモデルなら、単体でのモニター出力に対応している。さらに昨今では、AI処理の効率化を担うNPUを統合した製品が普及しつつあり、PCの処理系統はより多機能なフェーズへと進化している。購入前に内臓グラフィックスが必要かどうかは確認しておくとよいだろう。

L3キャッシュ

CPUの演算ユニットとメインメモリの間でクッションの役割を果たすのがL3キャッシュだ。物理的な距離が近いCPU内部にデータをストックすることで、低レイテンシ(遅延)でのデータアクセスを可能にする。近年のトレンドは、このL3キャッシュの巨大化だ。

  • 旧世代: 6MB〜8MB程度
  • 最新世代: 16MB〜32MBが標準的
  • ハイエンド(AMD 3D V-Cache等): 128MBに到達

特にゲーミング性能においては、キャッシュ容量がボトルネックを解消する鍵となる。AMDのRyzen 7 9800X3Dが証明したように、大容量キャッシュは複雑なゲームロジックの処理を劇的に高速化させる。また、L3の上位にはさらに高速なL2キャッシュが存在しているが、現代のマルチコアCPUにおいては、コア間で共有されるL3キャッシュの容量こそが全体のパフォーマンスを左右する重要な指標となっている。

TDP/PL2(消費電力)

CPUのスペック表には、消費電力の指標として「TDP」や「PL2」が標準的に記載されている。これらはメーカーによって呼称が異なり、Intelでは「PBP(Processor Base Power)」と「MTP(Max Turbo Power)」、AMDでは「TDP」と「PPT(Package Power Tracking)」という用語が採用されている。両者の定義には細かな違いがあるものの、実用上の理解としては前者は定格(ベース時)の消費電力、後者はブースト時の最大消費電力と捉えておけば、製品を選ぶ際にも役立つはずだ。

CPUの最新トレンド【2026年】

AMDがシェアを拡大中

steam-shareamd出典:(Steam, 2026)

2026年1月時点で、AMDのSteamでのシェアは44.36%と拡大中だ。確か2020年頃は20%前後だったように思う。これはRyzen 5000シリーズの登場が大きく貢献している。Zen 3になって大幅にゲーム性能が引き上げられた。また、プロセスの微細化もAMDの方が早く自作ユーザーが乗り換えたためだ。その後登場した3D V-Cache搭載のRyzen 7000X3Dの躍進があった。

CPUクーラーは水冷式が一般的になりつつある

CPUクーラーは、水冷式が普及しつつある。CPUの製造プロセスの微細化もあり、より高いクロック周波数が実現できるようになった。冷却性能を高めればパフォーマンス向上と安定が見込める。簡易水冷が普及したことも人気に火をつけた。メンテナンスフリーで気軽に導入できるようになったのだ。各パーツメーカーが色々な製品を投入しているのも自作ユーザーに受けているように思う。

CPUに関するよくある質問

IntelとAMDのどちらがいいの?

CPUを選ぶ際にどちらのメーカーを選ぶかは悩ましいところだろう。BTOパソコンではAMD製CPUが人気だ。特に3D V-Cache搭載モデルは最強のゲーム性能を持ち、多くのゲーマーを満足させてくれる。また、旧世代のRyzen 7000/Ryzen 5000シリーズは価格が下落傾向にあり注目を集めている。Steamでのシェアも着実に伸ばしている。

CPUの使用率が100%になったらまずいの?

一時的に100%に近づくぐらいなら特に問題はないが、常時100%に近い数値が出たり明らかに重さを感じてしまったりしたら問題が発生していることを疑おう。CPUの性能不足や特定のソフトウェアによる影響などが考えられる。対策については下記の記事を参考にしていただければと思う。

CPUを交換したいんだけどどのように行えばいいの?

初めての方にとってはCPUの交換はややハードルが高いかもしれない。手元にドライバーとCPUグリスを用意して手順通りに進めていけば初心者の方でも問題はないはずだ。世代をまたぐ場合は、マザーボードのチップセットやメモリが対応しているかどうかは事前に確認しておこう。

CPUに関する記事一覧

参照外部サイト

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