
GeForce RTX 5060 Ti 8GBとGeForce RTX 5060のどちらを選ぶべきかについて解説していく。コストパフォーマンスの高さが魅力の60番台ということもあり比較対象になりやすい。どのぐらいの性能差があるのかについても把握しておくとよいだろう。
BTOパソコンにおいては、ほとんど価格差がないことが多くGeForce RTX 5060 Ti 8GB搭載モデルが人気だ。個別記事は、「GeForce RTX 5060 Ti 8GBの性能比較&ベンチマーク検証」と「GeForce RTX 5060の性能比較&ベンチマーク検証」を参考にしてほしい。
RTX 5060 Ti 8GBがおすすめな方
コスパ重視
- フルHD(1080p)でゲームをプレイする方
- 高負荷タイトルで無理に解像度・画質を上げない方
- RTX 5060から一段上の性能をコスパ良く得たい方
RTX 5060がおすすめな方
予算重視
- 予算を抑えてフルHD(1080p)ゲーミングを始めたい方
- DLSS 4のマルチフレーム生成で軽快なフレームレートを得たい方
- 省電力(TGP 145W)でコンパクトなPCを組みたい方
GeForce RTX 5060 Ti 8GBとGeForce RTX 5060のモデル比較
今回レビューを行ったのはGeForce RTX 5060 Ti 8GBが「ZOTAC GAMING GeForce RTX 5060 Ti 8GB Twin Edge OC」で、GeForce RTX 5060が「GALAKURO GAMING GG-RTX5060-E8GB/OC/DF」だ。
ファン
ファンはどちらも2基搭載だ。サイズはGeForce RTX 5060 Ti 8GBの方が少し小さくなっている。
2スロット占有
2スロット占有で扱いやすい。ほとんどのPCケースに搭載可能だ。
バックプレート
バックプレート搭載で高級感のあるデザインに仕上がっている。
補助電源
補助電源は8-pin×1となる。標準的な電源ユニットなら十分対応できる。
LEDライティングスイッチ
「GALAKURO GAMING GG-RTX5060-E8GB/OC/DF」には本体側面にライティング機能のON/OFFスイッチが配置されている。
モニター端子
モニター出力はどちらのモデルもHDMI×1、DisplayPort×3という構成だ。
RTX 5060 Ti 8GBとRTX 5060のスペックを比較
| 項目 | RTX 5060 Ti | RTX 5060 |
|---|---|---|
| メーカー | NVIDIA | NVIDIA |
| アーキテクチャ | Blackwell | Blackwell |
| GPU | GB206 | GB206 |
| プロセス | 5nm TSMC | 5nm TSMC |
| トランジスタ数 | 219億 | 219億 |
| ダイサイズ | 181mm² | 181mm² |
| CUDAコア or シェーディングユニット |
4,608 | 3,840 |
| RTコア | 36(第4世代) | 30(第4世代) |
| Tensorコア | 144(第5世代) | 120(第5世代) |
| ベースクロック | 2407 MHz | 2280 MHz |
| ゲームクロック | – | – |
| ブーストクロック | 2572 MHz | 2497 MHz |
| VRAM | GDDR7 8GB | GDDR7 8GB |
| メモリクロック | 28.0 Gbps | 28.0 Gbps |
| メモリバス | 128 bit | 128 bit |
| メモリ帯域幅 | 448.0 GB/s | 448.0 GB/s |
| L2キャッシュ | 32MB | 32MB |
| L3キャッシュ | 非搭載 | 非搭載 |
| インターフェース | PCIe 5.0 | PCIe 5.0 |
| TDP | 180W | 145W |
| 補助電源 | 1x 16-pin *実機では8-pinが多い |
1x 8-pin |
GeForce RTX 5060 Ti 8GBもGeForce RTX 5060も、同じBlackwell世代のGB206をベースにした兄弟モデルだ。当然トランジスタ数とダイサイズはそれぞれ219億、181mm²と共通だ。また、VRAM、メモリ帯域幅、L2キャッシュは全く同じでメモリ周りの仕様に差はない。両モデルの違いはCUDAコア数、RTコア数、Tensorコア数で、GeForce RTX 5060 Ti 8GBの方が20%アップだ。クロック周波数もRTX 5060 Ti 8GBの方がベースで約5%高い。
両者はVRAM・メモリバス・帯域が共通のため、性能差はコア数とクロックの差から生まれる。逆に言えば、8GBのVRAMやメモリ帯域がボトルネックになる高解像度・高負荷の場面では、制約になる部分が同一になるため両者の差は縮まりやすい。GeForce RTX 5060 Ti 8GBの方がTDPが25%弱高く180Wだ。補助電源は仕様上GeForce RTX 5060 Ti 8GBでは1×16-pinだが、実機の多くは1×8-pinで動作する。今回レビューを行った「ZOTAC GAMING GeForce RTX 5060 Ti 8GB Twin Edge OC」も8-pin稼働だ。
RTX 5060 Ti 8GBとRTX 5060のコスパ比較
| 型番 | コスパ | 価格 | 性能 | VRAM |
|---|---|---|---|---|
| RTX 5060 Ti | 0.494 | 62,800 |
|
8GB |
| RTX 5060 | 0.518 | 53,800 |
|
8GB |
コスパ値(高いほど割安)はGeForce RTX 5060が0.518、GeForce RTX 5060 Ti 8GBが0.494で、単体GPUとしてはGeForce RTX 5060の方がわずかに上回る。性能スコアはGeForce RTX 5060 Ti 8GBが31,012、GeForce RTX 5060が27,845で、その差は約11%だ。一方で価格はGeForce RTX 5060 Ti 8GBが62,800円、GeForce RTX 5060が53,800円と約9,000円(約17%)高いため、「性能11%向上のために価格17%増」というバランスになり、コストパフォーマンス単体ではGeForce RTX 5060に分がある。
ただし、これはあくまでGPU単体での比較で、前述のとおりBTOパソコンでは価格差がほぼ無くなるケースが多く、その場合は性能で勝るGeForce RTX 5060 Ti 8GBが選びやすい。致命的な差があるわけではないので、購入時はしっかりと比較検討するのがよいだろう。
RTX 5060 Ti 8GBとRTX 5060搭載ゲーミングPCを比較
| ブランド名 | ドスパラ | ドスパラ |
|---|---|---|
| イメージ | ![]() |
![]() |
| 製品名 | THIRDWAVE AD-C5F56B-01W | THIRDWAVE AD-C5F56A-01W |
| 価格 | 211,534円 *カスタマイズ済 |
210,534円 *カスタマイズ済 |
| CPU | Core Ultra 5 225F (10コア10スレッド) |
Core Ultra 5 225F (10コア10スレッド) |
| CPUクーラー | 空冷 | 空冷 |
| GPU | RTX 5060 Ti 8GB | RTX 5060 |
| メモリ | DDR5 32GB (シングルチャネル) |
DDR5 32GB (シングルチャネル) |
| SSD | 500GB NVMe Gen4 | 500GB NVMe Gen4 |
| 電源 | 750W GOLD | 750W GOLD |
| マザーボード | B860 | B860 |
| 公式 | 公式 | 公式 |
| スペック評価 | スペック評価 | スペック評価 |
次にBTOパソコンで搭載モデルを比較していく。注目すべきは本体価格の差だ。GPU単体では約9,000円の価格差があるにもかかわらず、ドスパラのBTOモデルではGeForce RTX 5060 Ti 8GB搭載機が211,534円、GeForce RTX 5060搭載機が210,534円と、その差はわずか1,000円にとどまる。CPU・CPUクーラー・メモリ・SSD・電源・マザーボードはすべて共通構成のため、、純粋にGPUの差だけで1,000円という計算になる。この価格差なら、11%高い性能が得られるGeForce RTX 5060 Ti 8GB搭載モデルを選ぶ方が合理的だ。なお両モデルともメモリはシングルチャネル構成のため、ゲーミング性能をさらに引き上げたい場合は将来的には16GB×2のデュアルチャネルへの増設も検討したい。
RTX 5060 Ti 8GBとRTX 5060のゲーム性能比較検証
ベンチマーク検証は、当サイトの「ベンチマーク検証機を紹介」を使用して行った。
フォートナイト
フォートナイトは軽量タイトルでCPU依存が大きく、低設定だと同じグラフィックボードでも組み合わせるCPUによってfpsが大きく変動する。GeForce RTX 5060 Ti 8GB搭載モデルで178.0fps~369.0fps、GeForce RTX 5060搭載モデルでも168.0fps~329.0fpsと振れ幅が大きい。GPU負荷が高まる最高設定でも両カードとも概ね90〜120fps前後を確保でき、競技向けの高フレームレートにも十分対応可能だ。GPUよりCPUの影響が支配的なため両者の差は小さく、フォートナイトが主目的なら下位モデルであるGeForce RTX 5060でも不満は出にくい。
モンスターハンターワイルズ
モンスターハンターワイルズはGPU負荷の高いタイトルでグラフィックボードの果たす役割が大きい。CPUによる差は小さい。フルHDではGeForce RTX 5060 Ti 8GBが120fps前後、GeForce RTX 5060が110fps前後で、Tiが約11〜13%上回った。WQHDでも両者97〜112fps、4Kでも70〜83fpsとフレーム生成込みで遊べる水準にある。VRAMは共通の8GBで高負荷時の傾向は近いが、CUDAコア数で勝るGeForce RTX 5060 Ti 8GBが一段上のフレームレートを示した。
Cyberpunk 2077
レイトレーシング+DLSS 4.0環境では、GPU負荷が高くなりWQHD環境以上には対応しづらくなる。なぜかRyzen 7 5700XとGeForce RTX 5060の組み合わせだけWQHDで159.69fpsと突出しているが除外してもよさそうだ。基本的にVRAM 8GBならフルHD環境が基準となる。GeForce RTX 5060 TiとGeForce RTX 5060の性能差は5%前後だ。Core Ultra 5 225×GeForce RTX 5060 Ti 8GBなど結果が伴わないこともあり評価が難しい。Cyberpunk 2077がメインならどちらのモデルでもよいように思う。
Forza Horizon 5
最適化が良好で両者とも快適に動作する。WQHDではGeForce RTX 5060 Ti 8GBが100〜120fps、GeForce RTX 5060が90〜100fpsと、Tiが約10〜20%上回った。4Kならどちらのモデルでも60〜78fpsとプレイ可能な水準を維持する。コストを抑えたいならGeForce RTX 5060でも満足度は高く、WQHDで安定を狙うならGeForce RTX 5060 Ti 8GBが安心だ。全体的にIntel製CPUとの組み合わせがよい。
FF14
FF14は素直にグラフィックボードのパフォーマンスが反映される。フルHDではGeForce RTX 5060 Ti 8GBが140〜160fps、GeForce RTX 5060が127〜145fpsと、Tiが約8〜11%上回った。WQHD・4Kでもどちらも快適に動作し、差は小さい。FF14が主目的ならGeForce RTX 5060でも十分なフレームレートを得られる。CPUはRyzen 7 9800X3DやCore i7-14700が安定だ。
RTX 5060 Ti 8GBとRTX 5060のクリエイティブ性能/消費電力比較検証
Handbrake
HandbrakeのGPUエンコードでは、GeForce RTX 5060の方が短時間でエンコードを完了した(FHD 0:35/4K 1:41 に対し、RTX 5060 Ti 8GBはFHD 0:57/4K 1:54)。動画のハードウェアエンコードが主目的であれば、価格の安いGeForce RTX 5060が有力な選択肢となる。コアの差を考慮すれば本来はGeForce RTX 5060 Ti 8GBが高くなるはずだが、スペック通りの結果にはならなかった。
Blender
GPUレンダリングではコア数で約20%上回るGeforce RTX 5060 Ti 8GBが明確に優位だ。総合ベンチで4,375対3,662、monster・junkshop・classroomの各シーンでも一貫してTiが約18〜20%高いスコアを記録した。レンダリング時間を短縮したいクリエイティブ用途ではGeForce RTX 5060 Ti 8GBの恩恵が大きい。
Stable Diffusion
生成時間(短いほど高速)はGeForce RTX 5060 Ti 8GBが優位で、SD 1.5で15.1秒対17.5秒、SDXLで62.7秒対78.9秒と、Tiが約14〜21%速かった。第5世代Tensorコアを多く積むTiが生成速度で上回るが、VRAMは共通の8GBのため扱える解像度・バッチサイズの上限は同等だ。生成速度を重視するならGeForce RTX 5060 Ti 8GBを推奨する。より高みを目指すなら上位モデルを選択するべきだろう。
消費電力
FF14のベンチマーク計測時の実測の消費電力は、GeForce RTX 5060が平均118.6W/最大136.0W、GeForce RTX 5060 Ti 8GBが平均131.2W/最大156.7Wと、GeForce RTX 5060の方が平均で約13W・最大で約21W低い。GeForce RTX 5060は補助電源も8-pin×1で済み、省電力・低発熱でコンパクトなPCを組みやすい。ワットパフォーマンスを重視するならGeForce RTX 5060に分がある。
























