
G TUNE DG-A7G6T 5700X搭載のレビューをまとめた。Ryzen 7 5700X×GeForce RTX 5060 Ti 16GB搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCとなる。コストパフォーマンスは9.3と優秀な数値だ。少し前なら割高に感じられたG TUNE DG-A7G6Tも、ゲーミングPCは軒並み高騰している中で相対的に選びやすいモデルになりつつある。セールも合わさり価格が抑えられているのもポイントだ。性能・構成・価格のバランスがよい。この価格で選択できる期間はしばらくこないはずだ。20,100円OFFで購入できるセール中に選び切りたい。今後は値上がりされていくはずだ。
- 長所
-
- お得なセール対象モデル
- 対応力に優れるゲーム性能
- 平均以上の充実した構成
- 基本保証が3年間と長い
- 短所
-
- 定価が高くセール対象を外れると選びづらい
- 在庫切れあるいは値上げの可能性がある
- こんな方におすすめ
-
- お得なセールモデルを探している方
- メモリ容量を重視する方
- 幅広くゲームをプレイしたい方
G TUNE DG-A7G6T 5700X搭載のスペック

| メーカー | マウスコンピューター |
|---|---|
| ブランド名 | G TUNE |
| 製品名 | G TUNE DG-A7G6T 5700X搭載 |
| 価格 | 249,800円/通常 249,700円/セール時 |
| CPU | Ryzen 7 5700X(レビュー) |
| CPUクーラー | 水冷(240mm) |
| グラボ | GeForce RTX 5060 Ti 16GB(レビュー) |
| メモリ | DDR4-3200 32GB |
| SSD | 1TB NVMe Gen4 |
| 電源 | 750W 80PLUS BRONZE |
| マザーボード | チップセットB550 |
| 無線 | Wi-Fi 6E対応 |
| おすすめ度 | Sランク |
| 評価 | ・コスパ 9.3 ・ショップ評価 9.7 |
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G TUNE DG-A7G6T 5700X搭載のカスタマイズ項目を評価
| パーツ | おすすめ度 | 詳細 |
|---|---|---|
| OS | 変更なし | |
| オフィスソフト | 変更なし | |
| CPUグリス | 【 優れた熱伝導率 】 ナノダイヤモンドグリス JP-DX1 +1,980円 | |
| メモリ | 変更なし | |
| SSD (M.2) | 変更なし | |
| 光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ ( ブラック DVD±R DL 読み書き対応 ) +4,180円 | |
| 光学ドライブ(外付け) | 変更なし | |
| 電源 | 750W 電源 ( 80PLUS(R) GOLD ) +5,500円 | |
| UPS | 変更なし | |
| 外付け拡張デバイス | 変更なし | |
| 拡張カード | 変更なし | |
| ケース | 【G TUNE】ブラックミニタワーケース 強化ガラスサイドパネル 赤色LEDケースファン仕様 ( 前面×2 / 背面×1 搭載 ) +6,600円 |
|
| ウイルス対策・セキュリティソフト | 変更なし | |
| ソフトウェア1(プリインストール) | 変更なし | |
| ソフトウェア2(バンドル) | 変更なし | |
| データ復旧サービス | 変更なし | |
| 各種出張サービス | 変更なし | |
| サポートサービス選択 | 変更なし | |
| 電話サポート | 変更なし | |
| 破損盗難保証サービス | 変更なし | |
| HUB | 変更なし | |
| USB周辺機器 | 変更なし | |
| サプライ | 変更なし |
一般的なBTOパソコンで人気のカスタマイズ項目を黄色のマーカーで示している。G TUNE DG-A7G6Tは標準の構成がしっかりしていて、カスタマイズで補う必要はほとんどない。カスタマイズを行わずに購入しても実用性に何の問題もないだろう。本来であればSSDの容量アップをおすすめしたかったが、メモリ同様にSSD価格も高騰していて選びづらい。
SSDの容量アップも20,000円を超え、費用対効果があまりよくない状態だ。半額程度であれば2TBへの容量アップも検討の余地があった。高騰の影響を受けて、カスタマイズの選択肢も少なくなっているように感じる。カスタマイズは見た目にかかわる部分など、高騰とは関係のない箇所に留めたい。
ケースのカスタマイズは悪くない。新しいケースとなったことで見た目がかなり個性的だ。赤色LEDケースファンを採用したケースにカスタマイズすると見栄えがよりよくなる。大きめのガラスサイドパネルを活かしつつ、ゲーミングPCらしさを引き立てる。黒色ケースに赤色のアクセントが特徴のG TUNEは、赤色LEDケースファンを追加すると印象が大きく変わる。
インパクトのある見た目にマッチし、G TUNEらしい重厚な見た目と妖しさを醸し出す。スタイリッシュなゲーミングPCが増えてきて、個性がなくなりつつある中で独創的なデザインのG TUNEは所有欲を刺激してくれるだろう。Ryzen 7 5700XとGeForce RTX 5060 Ti 16GBの組み合わせでは、標準の750W 80PLUS BRONZEの電源で問題ない。ただ、数年後に性能不足でパーツ交換をする際、電源が心もとないと感じるかもしれない。
パソコンを買い替えず、パーツの交換で対応する場合は電源もカスタマイズの候補になる。変更するなら750W 80PLUS GOLD以上にしたい。理想を言えば850W以上だ。850W以上の電源容量があれば、ハイクラス以上のグラフィックボードにも対応できる。CPUとグラフィックボードを最上位にする場合は1000W以上を推奨する。
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G TUNE DG-A7G6T 5700X搭載の特徴
20,100円引きのセールに注目

G TUNE DG-A7G6Tは2025年12月24日の10:59まで20,100円引きのセールが開催されている。多くのゲーミングPCが高騰を続ける中、当該モデルに関してはまだ大きな値上げが行われていない。この期間が過ぎれば、他のモデルに追随するように値上げされると考えてよい。値上げが頻発した期間にセールを開催していたのが功を奏したようだ。
今ではG TUNE DG-A7G6Tと同等のモデルもかなり高額になっている。普段は割高でコストパフォーマンスの低かったG TUNE DG-A7G6Tが相対的に評価を伸ばしている。もしも、候補に入っているならセール期間中に必ず手に入れておきたい。価格を武器にしていたモデルでさえ、50,000円以上の値上げが当たり前の状況だ。229,700円で選択できる最後のチャンスと考えても大げさではない。
今の状況なら定価の249,800円でも選択するメリットがある。セールでどれだけ安くなったのかよりも、セール期間中は値上げされないという事実が大きい。マウスコンピューターの廉価ブランドNEXTGEARは売り切れ状態となっている。それほどまでに今後予想される値上げ前の駆け込み需要があるということだ。G TUNE DG-A7G6Tも今の状態なら間違いなく狙い目のモデルだ。
セール期間中は値上げされなくても、売り切れになる可能性はある。G TUNE DG-A7G6Tをおすすめする理由のひとつにメモリ容量32GB標準搭載が挙げられる。メモリの高騰は凄まじいもので、メモリ32GBは100,000円を超える価格にまでなっている。値上げ前は20,000円前後で、80,000円も高くなった。仕入れ値はもう少し安いにしても、80,000円近い値上げが適用されてもおかしくない。
メモリ16GB搭載モデルでさえ50,000円以上の値上げとなっていることを考えれば、G TUNE DG-A7G6Tは100,000円クラスの値上げが適用されてもおかしくない。ストレージの高騰も考えると、標準で1TBの容量を搭載しているので現実的である。ゲーミングPCが駆け込み需要となっているなら、G TUNE DG-A7G6Tにも注文が殺到していることだろう。
ゲーミングPCの購入を考えるなら、G TUNE DG-A7G6Tはおすすめだ。他メーカーの動向を見る限り、ゲーミングPC全体の品薄状態も発生しそうだ。この機を逃すと22万円台でGeForce RTX 5060 Ti 16GB搭載モデルを購入することはむずかしくなるはずだ。予定を前倒しにしてでも購入した方がよい。
ゲーム性能への対応力が高い
| モンハンワイルズ | Apex Legends | フォートナイト | マイクラ |
|---|---|---|---|
![]() ・120fps ・60fps |
![]() ・200fps ・144fps |
![]() ・200fps ・144fps |
![]() ・影Mod ・通常 |
G TUNE DG-A7G6Tは、GeForce RTX 5060 Ti 16GBを搭載し、メモリも32GB搭載したモデルだ。ゲームへの対応力はかなり高い。最新のゲームであっても、快適にプレイできる性能がある。性能的には、フルHDで最高設定を避けることが条件だ。最高設定で快適に動作するかはゲームによる。設定次第でほぼすべてのゲームを144fpsで動作させられるので、幅広いゲーマーにおすすめのモデルだ。
2025年2月に登場した比較的新しい「モンハンワイルズ」はフレーム生成を利用すれば100fpsを実現できる。設定を下げれば更に高いフレームレートも目指せる。比較的要求スペックの高いモンハンワイルズであっても問題なくプレイできるため、今後登場が予定されているゲームにも対応できるはずだ。
画質を大幅に向上させるDLC「高解像度テクスチャパック」はVRAM 16GBが最低スペックだ。上位の性能を持つGeForce RTX 5070はVRAM 12GBで要件を満たせない。性能では落ちるが、VRAM 16GB搭載のGeForce RTX 5060 Ti 16GBは要件を満たせる。VRAMの多さがゲームへの対応力を高めている。
VRAMが重要ではないゲームでは上位の性能を持つモデルには届かないが、そういったゲームは要求スペックが控えめだ。人気の「Apex Legends」や「フォートナイト」は要求スペックが軽く、G TUNE DG-A7G6Tでも十分200fps以上を目指せる。ただし、240fpsの完全な張り付きはむずかしい。
注意したいのは要求されるスペックは控えめでも、最高設定の要求スペックは高めであることだ。対人系のゲームであるため、画質を求める恩恵はあまりない。画質を高めると索敵がしにくくなったり、視認性が落ちてしまったりよいことばかりではない。本格的にプレイするなら、設定を下げて200fps以上の安定を目指す方が適している。対人系に適した環境を構築できる性能があれば問題ない。
ゲーミングPCではないパソコンでも「マイクラ」は快適にプレイできる。負荷が低く遊びやすいのが人気の理由でもある。ただし、JAVA版はModの導入で負荷が大きく変わるので性能に余裕を持った方がよい。とくに有名なのは画質を大幅に向上させる影Modだ。影Modにも複数の種類があり、それぞれの負荷はまったく異なる。
マルチサーバーで影Modを導入するにはそれなりの性能が求められる。また、開発が進むことで、経験値タワーやトラップタワーなど負荷の高い建築物も増えてくる。モブやプレイヤーが集まる場所では負荷を感じやすくなるため、マルチサーバーでマイクラを楽しむならG TUNE DG-A7G6Tの性能を持て余すことはないだろう。
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同じマウスコンピューター製品との比較
| G TUNE | G TUNE | |
|---|---|---|
| イメージ | ![]() |
![]() |
| 製品名 | G TUNE DG-A7G6T (Ryzen 7 5700XxRTX 5060 Ti 16GB) |
G TUNE DG-A5G6T (Ryzen 5 7500FxRTX 5060 Ti 16GB) |
| ケース | ミニタワー | ミニタワー |
| 価格 | 229,700円 |
249,800円 |
| 送料 | 無料 | 無料 |
| CPU | Ryzen 7 5700X (8コア16スレッド) |
Ryzen 5 7500F (6コア12スレッド) |
| CPUクーラー | 水冷(240mm) | 空冷 |
| GPU | RTX 5060 Ti 16GB | RTX 5060 Ti 16GB |
| メモリ | DDR4-3200 32GB | DDR5-5200 32GB |
| SSD | 1TB NVMe Gen4 | 1TB NVMe Gen4 |
| 電源 | 750W 80PLUS BRONZE | 750W 80PLUS BRONZE |
| マザーボード | B550 | A620A |
| 納期 | 約14営業日 | 約14営業日 |
| 保証 (延長保証) |
3年間 (延長なし) |
3年間 (延長なし) |
| 電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
| 公式 | 公式 | 公式 |
同じマウスコンピューターの近い価格帯のG TUNE DG-A5G6Tと比較していく。CPUに次世代のRyzen 5 7500Fを搭載している。6コア12スレッドとスペックは、Ryzen 7 5700Xに劣るものの性能では上回っている。定価は同じだ。セール期間中は価格差が20,100円でセールの値引き額の分だけG TUNE DG-A7G6Tの方が安い。
G TUNE DG-A5G6Tはメモリ規格を含めた構成でわずかに上回る。Ryzen 7000シリーズではDDR5メモリをサポートしている形だ。性能もRyzen 7 7500Fが優れていることから、ゲーミングPCとしてはG TUNE DG-A5G6Tの方が優れたモデルと言える。セールで値引きされた状態ならG TUNE DG-A7G6Tの方がおすすめしやすいだけだ。
メモリ価格高騰の影響がもっとも大きいのはDDR5だ。G TUNE DG-A7G6TはDDR4なのでそこまで値上げの影響は受けにくいかもしれない。そういった意味で、定価が同じならコストのかかっているG TUNE DG-A5G6Tがお得だ。セール終了後、両製品とも値上げされるのは間違いないだろう。予算に余裕があり、先々CPUの交換まで視野に入れるならG TUNE DG-A5G6Tも悪くない。
G TUNE DG-A7G6TのマザーボードはRyzen 7 5700Xの世代までしかカバーしていない。G TUNE DG-A5G6Tのマザーボードは現行もカバーしており、それ以降の世代にも対応できるはずだ。将来性を見据えるなら悪い選択ではない。CPUの交換は先のことになるので、どうなるかわからないならG TUNE DG-A7G6Tが無難である。
似ているゲーミングPCとの比較
| G TUNE | GALLERIA | |
|---|---|---|
| イメージ | ![]() |
![]() |
| 製品名 | G TUNE DG-A7G6T (Ryzen 7 5700XxRTX 5060 Ti 16GB) |
GALLERIA XGR5M-R56-GD Ryzen 5 7500F搭載 |
| ケース | ミニタワー | ミニタワー |
| 価格 | 229,700円 |
254,980円 |
| 送料 | 無料 | 3,300円 |
| CPU | Ryzen 7 5700X (8コア16スレッド) |
Ryzen 5 7500F (6コア12スレッド) |
| CPUクーラー | 水冷(240mm) | 空冷 |
| GPU | RTX 5060 Ti 16GB | RTX 5060 Ti 16GB |
| メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR5-4800 16GB |
| SSD | 1TB NVMe Gen4 | 1TB NVMe Gen4 |
| 電源 | 750W 80PLUS BRONZE | 650W 80PLUS BRONZE |
| マザーボード | B550 | A620A |
| 納期 | 約14営業日 | 2週間程度 |
| 保証 (延長保証) |
3年間 (延長なし) |
1年間 (最長5年間) |
| 電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
| 公式 | 公式 | 公式 |
ドスパラのGALLERIA XGR5M-R56T16G-GDと比較していく。送料含めた価格差は28,580円でG TUNE DG-A7G6Tの方が安い。セールが終了すれば8,480円にまで縮まるので定価ではあまり大きな差はない。性能はRyzen 7 7500Fを搭載したGALLERIA XGR5M-R56T16G-GDの方が高いが、メモリの容量を32GBへカスタマイズする価格を考慮しなければならない。価格差が逆転し、15,000円程度の差を付けられれば検討の余地はある。
構成はメモリ32GB搭載のG TUNE DG-A7G6Tが上だ。現在はメモリが高騰していることもあり、メモリ容量に2倍の差があればそれだけで決着となる。メモリ規格やマザーボードで優れているGALLERIA XGR5M-R56T16G-GDであっても競り勝つのはむずかしい。
現時点ではG TUNE DG-A7G6Tの方が間違いなくおすすめできる。しかし、ゲーミングPCは高騰を続けている。G TUNE DG-A7G6Tもセール終了後値上げされるのは間違いない。GALLERIA XGR5M-R56T16G-GDも値上げされる可能性が高く、購入が少し先であるなら両製品の価格を見比べて選びたい。
もっとも、GALLERIA XGR5M-R56T16G-GDはメモリ16GB搭載なので、メモリをカスタマイズしなければ構成で上回ることができない。カスタマイズの費用は時間が経つほど高くなる。選べるうちはG TUNE DG-A7G6Tの方がおすすめしやすいモデルだ。
G TUNE DG-A7G6T 5700X搭載のPCケースレビュー
G TUNEブランドに新しく登場したミニタワーケースの詳細だ。モデルは「G TUNE DG-I7G7T」のものでグラフィックボードなど一部構成がG TUNE DG-I5G60 (Core Ultra 5 225xRTX 5060)とは異なる点があることをご了承いただきたい。少し前に登場したフルタワーケースに共通したデザインと機能を持っている。ミニタワーとは思えない迫力のあるフロントデザイン、黒を基調とした派手過ぎずにしっかり主張するカラーリングが素晴らしい。
高級感と重厚感を併せ持ち、ありそうでなかったミニタワーケースに仕上げている。G TUNEのミニタワーは設計や構造かを見ても、これまでのゲーミングPCに採用されてきたケースとは一味違う。サイド部分にガラスパネルを採用するのが主流となったことで、その見え方にまでこだわっている。ガラスパネルから見える内部は異様なまでにすっきりしている。これは電源やボトムカバーをフロントに持ってくるという工夫があるからだ。PCケースのあり方について、常に挑戦を続ける印象のあるG TUNEらしいケースだ。
正面

電源を入れるとG TUNEのロゴが赤く光る。黒いケースに赤のアクセントが映える。ロゴの発光から漏れ出す光を計算し、フロント部分にスリットが入っている。漏れ出た赤い光は、黒いケースに吸収されて絶妙な色合いを醸し出す。派手さはなくてもしっかりと主張するケースデザインだ。一昔前のG TUNE製品を思い起こさせるフロントマスクにこだわったケースは迫力を感じさせる。

光学ドライブのスペースはフロントの右側にある。言われなければ気づかないほど自然な形でケースに溶け込んでいる。デザインを強く意識しているのがよくわかる構造だ。パソコンを右側足元に設置する場合はやや使いづらく感じてしまうだろう。椅子に座りながら取り扱うのは難易度が高い。内部スペース的に左側や上部に設置することができなかったのだろう。デザインとしてはよくても、機能的とは言いにくい部分だ。
左サイド

左サイドパネルは全面クリアパネルだ。これはフルタワーモデルと同じくワンタッチで外せる設計だ。クリアパネルの下部にはG TUNEのロゴが黒いケースに映える白い文字で刻まれている。斜め前から見るとより色濃く見える。パソコンは体より前に置くことが多く、視点を意識したデザインであることがわかる。
フロントに設置された電源の目隠しのフロントカバーがあっても違和感がない。スペースと見せ方をうまく活用した設計だ。ボトムカバーがあると見える部分が横長になり、視覚的に窮屈に見える。縦長に見せる工夫はすっきりとした内部を見せつつ、ミニタワーとは思えない拡張性を感じさせるほどだ。

ユーザーの視点に近いこの位置から見ると電源が隠れて配線が見えない。真横から見ても隠れる設計は素晴らしい。誰かに見られることを意識したケースではなく、ユーザーの視点から見えるゲーミングPCを強く意識している。オプションで内部にLEDを設置することも可能だ。このケース設計ならLEDのオプションはぜひ選択したい。ケースのよさがより引き出されるはずだ。
ヘッドホンホルダー

ヘッドホンホルダーもフルタワーと共通した機構だ。ミニタワーに採用されたのは初めてではないかと思うくらいには珍しいものだ。ヘッドホンやヘッドセットをPC本体にひっかけることができる。利便性が高く、ヘッドホンを使用しない方にも別の用途で使えそうだ。ただし、別のものをひっかける際はヘッドホン程度の重さ(500g前後)に留めたい。
注意点として、ヘッドホンホルダーが左サイドパネルのフロント上部に設置されているため、パソコンの置き場所によっては一切使用できない機構になる。見え方や視点を意識したG TUNEのミニタワーは、どうやら向かって右側にパソコンを設置することを想定しているようだ。デザイン的にも多くのゲーミングPCがそうであるが、G TUNEのミニタワーは強く意識しているのを感じる。
向かって左側に設置してしまうとヘッドホンホルダーはパソコンの向こう側にひっかける形になる。使いにくいだけではなく、壁が近いと使用すらできなくなる。どちらでも使えるようにするのは難しいかもしれない。設置場所を限定するような機構は素直に喜べない。デザインを重視した結果、ヘッドホンホルダーは人を選ぶものとなってしまった。
右サイド

右のサイドパネルはただのカバーだ。エアホールやエアインテークのようなものはない。パソコン内部の裏側にあたるため、目隠しと埃の侵入を防ぐのが目的なのだろう。これだけデザインにこだわったモデルでも、右サイドパネルはパソコン全般に採用される標準的なものだ。
もっとも、G TUNEのミニタワーは向かって右側に設置することを前提としている。そういう設計であるなら右サイドパネルはこれが適しているのだろう。一貫したこだわりが見えるケース形状は、ひとつの芸術のようにさえ感じられる。
天板

天板は防塵フィルターとエアインテークのスリットがある。全体が空気の通り道になっている。ただ、メッシュ部分や天板のカバーを取り外すことはできない。メンテナンス性はあまり高いと言えないようだ。天板は実用性やメンテナンス性よりもデザイン性を重視しているということだろう。
パソコンの上に小物を置いたり、物を載せたりするには適していない。軽いものを一時的に置くのは問題ないが、長期間置くのは辞めた方がよい。空気の通り道を塞ぐことになり、内部のエアフローに影響を与える可能性がある。なにより、吸気・排気に限らず埃まみれになる。天板を塞がないこと、空気の通り道を確保することを意識したい。パソコンラックに設置する際も、天板とラックの棚板が近くなりすぎないようにした方がよい。
天板I/Oパネル

天板のI/Oパネル(コンソールパネル)はスライドでシャッターの開閉ができる。手前から電源スイッチ・LEDスイッチ・USB3.0 (5Gbps)が2つ・ヘッドホン・ヘッドセットジャック(4極 CTIA準拠)が1つ・USB3.1 (10Gbps)のUSB Type-Cが1つ搭載されている。LEDスイッチでフロント部分のLEDのオンオフを切り替えられる。
I/Oパネルの設置位置は右側にあり、パソコンを体の右側に設置する設計ケースでは、少し不便さを感じる場面がありそうだ。これは足下にパソコンを設置したときに足とケーブルが接触しにくいように配慮してのことだろうか。ヘッドホンホルダーにヘッドホンを掛けるときに誤ってUSB機器と接触しないように考えられているのかもしれない。
I/Oパネルは上向きに設置されているため、USB機器は垂直に接続することになる。USBメモリに誤って接触した際は根本から折れる可能性がある。そういったトラブルを防ぐ意味では悪くないが、扱いにくさがあるのも事実だ。有線のマウスとキーボードは背面に接続し、天板のI/Oパネルは一時利用する機器専用のようだ。常時接続するには位置も向きも適してない。
USB Type-Cは映像出力がない。データの転送と給電に対応している。少し前までなら充実した構成のI/Oパネルといった評価だっただろう。現在なら標準的という評価に落ち着く。ミニタワーのケースとしては少し優れているかもしれない程度である。シャッターを搭載することで使用しないときはすっきりした見た目になり、G TUNEのミニタワーが持つコンセプトには適している。実用面では少し疑問は残るが、マイナスに作用するほど悪いものでもない。
注意点は、採用しているマザーボードによってはI/Oパネルの内容が異なる点だ。当該モデルはB760のチップセットを採用したマザーボードだ。異なるチップセットを採用していると構成は大きく変わる。とくに世代が落ちると構成のグレードは下がる。どの製品も同じ構成ではないということだけは覚えておいてほしい。
背面

背面は黒一色に統一されている。マザーボードのI/Oパネルや電源周辺なども黒で統一されているのは素晴らしい。背面がシルバーメッキで統一感のないゲーミングPCもある中で、黒を基調したケースとしては理想的な背面デザインと言える。電源の差し込み口が左上に設置されているのは、電源をフロントに設置しているため、延長ケーブルのようなもので引っ張ってきているからだ。
せっかくフロントに設置しても、ケース下部に電源の差し込み口を設置すると、電源ケーブルを隠すことができず意味がない。しっかりとデザインを意識しつつ、遊びのある設計はG TUNEらしさを感じる。そのせいで電源のオンオフスイッチがない。なくても困らないものは大胆にカットしているのも流石だ。
背面I/Oパネル

背面I/Oパネルはオーソドックスながら使いやすい構成だ。Thunderbolt 4のUSB Type-Cが1つ・USB3.0 (5Gbps)が7つのUSB構成だ。映像出力はDisplayPortが1つ・HDMIが1つだ。グラフィックボードを搭載しているモデルはグラフィックボードの映像出力を使用する。マザーボードに搭載されている映像出力は使用しないので気にしなくていい。
音声入出力はマイク入力・ラインイン・ラインアウトの3構成だ。ミニタワーのゲーミングPCにはよくあるもので、必要最低限にまとめられている。全体的に必要十分という印象だ。必要なものは揃っているので困ることは少ないはずだ。天板I/Oパネル同様に、背面I/Oパネルも搭載するチップセットで構成が異なる。当該モデルはA620A採用モデルの構成だ。モデル毎に構成は異なるので詳細を確認しておこう。
底面

底面には全面を覆う防塵フィルターが設置されている。フィルターが床に接触しないように高さを確保し、吸気・排気を行いやすい。底面は普段見えない場所なだけに、デザイン性よりも実用性とメンテナンス性を重視しているようだ。底面も黒に統一されているところに、デザインのこだわりを感じる。

注目したいのは防塵フィルターだ。マグネットで簡易的に設置されているのではなく、専用の溝を通す形になっている。これにより、ケースを動かさなくてもフィルターを抜き差しできる。防塵フィルターが珍しかった頃はあるだけよかったものだ。防塵フィルターが当たり前になってきた現在は、メンテナンスの行いやすさは大きなポイントだ。
マグネット式は底面に手を突っ込んで剥がすときは問題なくても、取り付けるときにパソコンを傾けなければ正しく設置されたか確認できない。G TUNEのミニタワーのように溝があれば確認しなくても正しく設置できる。たったこれだけのことで、ケースのメンテナンス性の評価は高まる印象だ。
内部

注目したいのは、フロントに搭載された電源の目隠しとなるフロントカバーだ。これこそがG TUNEのミニタワー最大の特徴だ。本来ボトムカバーとして本体下部に設置される目隠しをフロントに設置している。電源やストレージを隠すボトムカバーは、ケース下部に設置することで配線を隠す役割がある。一方で、底面が盛り上がり、内部スペースが窮屈になる。
内部スペースが狭いとLEDの光が映えない。全面クリアパネルのケースにボトムカバーを設置すると、見える範囲の下1/3がボトムカバーになる。これではクリアパネルのよさやLEDファンを設置したときのインパクトが損なわれる。G TUNEミニタワーに採用されたフロントカバーはひとつの答えなのではないかと思う。
スペースが限られるミニタワーにアンダーカバーではなくフロントカバーを設置することで、内部スペースを広く見せることに効果がある。また、どうしても目立つ電源もあえて前面に設置し、フロントカバーで目隠しする。すっきりと余裕のあるように見える工夫だ。

ケース内部はスペースを活かすための工夫に溢れている。当該モデルのように水冷式のCPUクーラーを使用すると上からの圧迫感が大きい。外観と比べても天井部分は分厚くできているようで、水冷ファンの2連ファンによりさらに圧迫感がある。
ボトムカバーを設置すると、ガラスパネルから見える部分のほとんどがカバーとファンの側面で黒くなっていたはずだ。デザインや見え方を意識したのは、水冷式のCPUクーラーなどのパーツ事情もあったのかもしれない。今と昔では採用するパーツにも大きな違いがある。現行のパーツ事情に合わせたケースということなのだろう。
最近のPCケースには必須とも言えるグラフィックボードのサポートバーが採用されている。グラフィックボードは年々進化し、サイズが大きくなっていることで重量も増加している。重いグラフィックボードを長期間使用すると曲がったり折れたりという懸念がある。それを解消するためにサポートバーは必要だ。搭載しているグラフィックボードによっては不要だが、軽いグラフィックボードでもあって困るものではない。
フロント部分の電源ケーブルは少し気になるものの、グラフィックボードを搭載するスペースが十分確保できている。ハイエンドクラスの大型グラフィックボードでも問題なく搭載できる。フロントに電源を持ってきたことが功を奏している。デザインや奇抜さだけで設計していない。今後も大きくなっていくであろうグラフィックボードのことも考えているようだ。

右サイドパネルの中は少し乱雑な印象を受ける。電源をフロントに持ってきたことで、後ろに流れるように配線が巡っている。電源が後ろにあれば、ここまで配線が絡まったようにはならなかっただろう。BTOメーカーでいち早く背面にケーブルを隠す背面通しをしたのはマウスコンピューターだったはずだ。当時はその配線を隠す技術と情熱に心を打たれたものだ。
そのマウスコンピューターらしくない配線は、フロントに電源を持ってきた弊害と言える。ただ、昔と比べてストレージの容量は大きくなり、ストレージなどの増設を行う頻度は低い。背面の配線が多少乱雑であっても困る場面は少ない。時代に合わせて取捨選択しているのは、マウスコンピューターの挑戦する姿勢が現れている。
ケースまとめ
G TUNEのミニタワーケースは、マウスコンピューターらしさ溢れる斬新な設計だ。時代に合わせて無駄を削ぎ落としながらデザイン性を高めている。通常PCケースの見た目は、購入前の印象をよくする意味合いが強いように感じる。一方で、G TUNEのミニタワーは使用するユーザーからどう見えるかを追求している。
使用者のことを第一に考え、スタイリッシュでありながら重厚かつインパクトのあるデザインだ。最近主流のゲーミングPCケースを踏襲しつつも、マウスコンピューターらしい仕上がりだ。他のメーカーからは絶対出てこないケースである。以前のケースは面白みを感じなかったが、新しく登場したミニタワーケースはどこか楽しさが伝わってくる。
比較的コンパクトなサイズでありながら、ハイエンドクラスのグラフィックボードも搭載できる。デザイン性と実用性をうまく融合させた素晴らしいものだ。その一方で、配線が乱雑に見えたり、設置位置が固定されたりとマイナス要素もある。見た目とは違う部分で人を選ぶPCケースであることは否めない。
G TUNEのフルタワーと共通した機構を持つことで、ミニタワーとは思えない高級感もある。マウスコンピューターに期待していた通りのPCケースが完成した。鎧のようなフロントマスクが特徴のPCケースを採用し、見た目のインパクトが素晴らしい頃のマウスコンピューターが戻ってきたようにさえ思う。当時のケースを更に進化させ、実用性を高めている。あえて主流の形に乗らず、独創的なデザインにしたのは好印象だ。
管理人による総評
Ryzen 7 5700X×GeForce RTX 5060 Ti 16GB搭載のみどるハイクラスのゲーミングPCだ。セール期間中は229,700円で購入できる。少し前までだったら割高という評価だったが、今は状況が違う。メモリ・SSD価格高騰の影響もありゲーミングPC価格全体が上がっているのだ。トップクラスのコスパを誇るモデルと考えて間違いない。メモリDDR4-3200 32GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も抜群だ。これがラストチャンスとなるはずなので、値上げされる前に購入しておきたい。
| 価格 | CPU | グラボ |
|---|---|---|
| 229,700円 | Ryzen 7 5700X | RTX5060Ti 16GB |
| メモリ | SSD | チップセット |
| DDR4 32GB | 1TB | B550 |














