G TUNE DG-I5G60(Core Ultra 5 225xRTX 5060)のレビューをまとめた。コストパフォーマンスは7.2と優秀な数値だ。パソコン買い替え応援セール対象モデルで45,000円OFFが適用されている。大幅な値引きを適用して7.2という数値なので、セールを前提としたモデルのように感じる。通常時であればG TUNE DG-I5G60はコストパフォーマンスに期待して選択するモデルではなさそうだ。G TUNEというブランドや最新のPCケース採用など価値があることは間違いない。基本保証が3年間と長いのも強みとなる。
- 長所
-
- 最新のミニタワーケースを採用
- お得なセール対象モデル
- フルHD環境に適した高いゲーム性能
- 充実した構成
- 基本保証が3年間と長い
- 短所
-
- セールが適用されていないと割高
- こんな方におすすめ
-
- お得なセールモデルを探している方
- カスタマイズなしの標準構成で購入したい方
- 無難なモデルを探している方
G TUNE DG-I5G60(Core Ultra 5 225xRTX 5060)のスペック
メーカー | マウスコンピューター |
---|---|
ブランド名 | G TUNE |
製品名 | G TUNE DG-I5G60 (Core Ultra 5 225xRTX 5060) |
価格 | 239,800円/通常 194,800円/セール時 |
CPU | Core Ultra 5 225(レビュー) |
CPUクーラー | 空冷 |
グラボ | GeForce RTX 5060(レビュー) |
メモリ | DDR5-5600 16GB |
SSD | 1TB NVMe Gen4 |
電源 | 750W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットB860 |
無線 | Wi-Fi 6E対応 |
おすすめ度 | Aランク |
評価 | ・コスパ 7.2 ・ショップ評価 9.7 |
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G TUNE DG-I5G60(Core Ultra 5 225xRTX 5060)のカスタマイズ項目を評価
パーツ | おすすめ度 | 詳細 |
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OS | 変更なし | |
オフィスソフト | 変更なし | |
CPUファン | [ 12cmファン ] Cooler Master Hyper 212 Black +5,500円 | |
CPUグリス | 【 優れた熱伝導率 】 ナノダイヤモンドグリス JP-DX1 +1,980円 | |
メモリ | 32GB メモリ [ 16GB×2 ( DDR5-5600 ) / デュアルチャネル ] +14,300円 | |
SSD (M.2) | 変更なし | |
SSD | 変更なし | |
SSDまたはHDD | 変更なし | |
外付けストレージ | 変更なし | |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ ( ブラック DVD±R DL 読み書き対応 ) +4,180円 | |
光学ドライブ(外付け) | 変更なし | |
電源 | 750W 電源 ( 80PLUS(R) GOLD ) 5,500円 | |
UPS | 変更なし | |
無線LAN | 変更なし | |
外付け拡張デバイス | 変更なし | |
ケース | 【G TUNE】ブラックミニタワーケース 強化ガラスサイドパネル 赤色LEDケースファン仕様 ( 前面×2 / 背面×1 搭載 ) 6,600円 |
|
ウイルス対策・セキュリティソフト | 変更なし | |
ソフトウェア1(プリインストール) | 変更なし | |
ソフトウェア2(バンドル) | 変更なし | |
パソコン下取りサービス | 変更なし | |
データ復旧サービス | 変更なし | |
各種出張サービス | 変更なし | |
サポート | [3年保証/PC本体] センドバック修理保証+ 安心パックサービス(専用ダイヤル/即日修理)+5,500円 |
|
電話サポート | 変更なし | |
破損盗難保証サービス | 変更なし | |
HUB | 変更なし | |
USB周辺機器 | 変更なし | |
LANケーブル | 変更なし | |
サプライ | 変更なし |
一般的なBTOパソコンで人気のカスタマイズ項目を黄色のマーカーで示している。G TUNE DG-I5G60はミドルクラスに必要な構成を標準で備えている。カスタマイズの必要性の高い箇所はそれほど多くない。おすすめなのはメモリとケースだ。メモリは複数のアプリを同時に起動したり、動画を視聴したりしながらのゲームプレイに求められる。ミドルクラスであっても32GBまでは実用的だ。
ケースは赤色LEDケースファンに変更するカスタマイズだ。標準ではLEDファンがなく、強化ガラスサイドパネルを活かせない。デザインにもこだわるなら、ケースの変更は必須である。性能や構成に一切影響を与えないカスタマイズである、好みであるなら優先してもよいというものだ。重要性はそれほど高くない。
実用性を重視するならCPUファンのカスタマイズも悪くない。標準のCPUファンから大型の[ 12cmファン ] Cooler Master Hyper 212 Blackに変更すれば、冷却性能とエアフローを強化できる。Core Ultra 5 225はそれほど発熱量が大きくない。そのため、CPUファンも好みだ。LEDファンタイプがあればデザインも向上できて効率的だった。
標準でWi-FiとBluetoothに対応している。ミドルクラスとしては装備が充実している。それだけカスタマイズの必要性が低く、標準構成でも満足できるだろう。+5,500円の安心パックサービスもおすすめしたい。専用ダイヤルの利用と即日修理が実現する。万が一のときも安心できるだろう。
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G TUNE DG-I5G60(Core Ultra 5 225xRTX 5060)の特徴
45,000円引きのセールで化ける
マウスコンピューターでは、2025年9月17日~2025年10月8日までパソコン買い替え応援セールが開催されている。G TUNE DG-I5G60も対象で、45,000円という大幅な値引きが適用中だ。このセールでG TUNE DG-I5G60は大幅にコストパフォーマンスの評価を伸ばした。通常時は239,800円で販売されている。いかに優れたモデルであっても、ミドルクラスで23万円台はさすがにおすすめしにくい。
コストパフォーマンスの評価も4.7と標準を大きく下回る。45,000円の値引きが適用されている間は7.2と、まずまずの評価に到達した。ミドルクラスらしい選びやすさはないものの、扱いやすい性能と構成を武器にしている。Core Ultra 5 225とGeForce RTX 5060を搭載したミドルクラスのモデルとしては価格が高めだ。G TUNE DG-I5G60はセールで確かに化けたが、これでようやく他メーカーの標準的なモデルに追いついた程度だ。
圧倒的な存在感を放つモデルではない。残念に感じるポイントも多い。G TUNE DG-I5G60はデメリットに目をつむり、メリットにだけ目を向けた方がよいかもしれない。メリットとしては最新のケースを採用していること、最新のCPUを搭載していることや次の項目で解説している充実の構成などが挙げられる。基本保証が3年間と長いのも強力だ。コストパフォーマンスよりも扱いやすさを重視したモデルという印象だ。
よくあるミドルクラスのゲーミングPCとは少し違うコンセプトを持っている。少なくとも誰にでもおすすめできるようなモデルではない。どんなモデルでも45,000円も値引きされれば評価は大幅に向上する。G TUNE DG-I5G60は大きな値引きが適用されてようやくおすすめできるモデルだ。セールで値引きされることが前提とも言える価格設定には疑問が残る。それだけに、G TUNE DG-I5G60をはじめとしたG TUNE製品は必ず大幅な値引きが適用されるセールのタイミングで購入したい。
SSDや電源などワンランク上の充実した構成が魅力
G TUNE DG-I5G60は充実の構成でミドルクラスとは一線を画すモデルだ。Core Ultra 5 225とGeForce RTX 5060という王道のミドルクラスでありながら、構成を充実させて価格を抑えることをあまり意識していないように見える。CPUにCore Ultra 5 225FではなくCore Ultra 5 225を採用しているところからも伝わってくる。
市場で販売されているほとんどのミドルクラスのゲーミングPCは、構成を削り価格を抑えることに注力しているように思える。扱いやすさよりも選びやすさに重点を置いたモデルが中心だ。ゲーミングPCは150,000円前後が最も人気の価格帯だ。その価格帯にあるのが価格を調整しやすいミドルクラスということもあり、ミドルクラスに力を入れるメーカーが多い。
G TUNE DG-I5G60はカスタマイズしなければ不便な低価格のミドルクラスのモデルとはわけが違う。SSDは標準で1TBの容量がある。電源も750Wの容量が標準搭載だ。Wi-Fiにも対応しており、カスタマイズや別途購入で対応する必要がない。価格を抑えたモデルが削っている箇所をしっかりと補う構成だ。カスタマイズ要らずとまではいかなくても、標準構成で十分満足できる。
Wi-FiとBluetoothに対応するには8,000円かかることもある。その上に保証まで加えると30,000円はかかるだろう。価格が高くても、それに見合った価値があるように思う。ミドルクラスにはオーバーな装備と言えなくもないので、単純にメリットと言えないかもしれない。
さらに、基本保証が3年に設定されているのもポイントだ。ゲーミングPCは基本保証1年のメーカーが多い。むしろマウスコンピューター以外はすべて1年ではないだろうか。3年間への延長保証は本体価格の10%のコストがかかる。唯一マウスコンピューターでは他社にある5年保証へのアップグレードはできない。3年間あれば十分だという判断だろう。
このように、充実した構成やサポートはメリットとデメリットを併せ持っている。しかしながら、他メーカーにはない唯一無二の個性だ。選びにくさはあっても利便性に長けたモデルだ。カスタマイズで充実した構成に変更するなら、標準構成に優れたG TUNE DG-I5G60がおすすめできる。
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同じマウスコンピューター製品との比較
G TUNE | NEXTGEAR | |
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イメージ | ![]() |
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製品名 | G TUNE DG-I5G60 (Core Ultra 5 225xRTX 5060) |
NEXTGEAR JG-A7G60 (Ryzen 7 7700xRTX 5060) |
ケース | ミニタワー | ミニタワー |
価格 | 194,800円 |
179,800円 |
送料 | 無料 | 無料 |
CPU | Core Ultra 5 225 (10コア10スレッド) |
Ryzen 7 7700 (8コア16スレッド) |
CPUクーラー | 空冷 | 水冷(240mmラジエーター) |
GPU | RTX 5060 | RTX 5060 |
メモリ | DDR5-5600 16GB | DDR5-5200 16GB |
SSD | 1TB NVMe Gen4 | 1TB NVMe Gen4 |
電源 | 750W 80PLUS BRONZE | 750W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | B860 | A620A |
納期 | 約21営業日 | 約8営業日 |
保証 (延長保証) |
3年間 (延長なし) |
3年間 (延長なし) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
マウスコンピューターの廉価ブランドのNEXTGEAR JG-A7G60をピックアップした。NEXTGEARシリーズにはCore Ultraシリーズ2の設定がないため性能の近いRyzen 7 7700搭載モデルを選択している。性能的にはRyzen 7 7700が上だ。価格差はセール時でもNEXTGEAR JG-A7G60の方が15,000円安い。
CPUクーラーは240mmラジエーター搭載の水冷式を採用している。GPUはどちらもGeForce RTX 5060搭載だ。メモリの規格はDDR5-5200と少し規格が落ちるものの容量は同じだ。SSD・電源ユニットも共通となる。マザーボードは廉価なA620Aで拡張性に劣る。ここはB860搭載のG TUNE DG-I5G60の勝ちだ。NEXTGEAR JG-A7G60は納期が8営業日となっているのも強みといえる。
総合的に見てG TUNE DG-I5G60がセール対象モデルになっている内は優勢ではないかと考える。+15,000円でG TUNEブランドのゲーミングPCを購入でき、かつマザーボードがB860というのは評価に値する。CPU性能的にも空冷式で問題はないだろう。
似ているゲーミングPCとの比較
G TUNE | GALLERIA | |
---|---|---|
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製品名 | G TUNE DG-I5G60 (Core Ultra 5 225xRTX 5060) |
GALLERIA XPC7A-R57-GD |
ケース | ミニタワー | ミドルタワー |
価格 | 194,800円 |
214,980円 |
送料 | 無料 | 3,300円 |
CPU | Core Ultra 5 225 (10コア10スレッド) |
Core Ultra 5 225 (10コア10スレッド) |
CPUクーラー | 空冷 | 空冷 |
GPU | RTX 5060 | RTX 5060 |
メモリ | DDR5-5600 16GB | DDR5-5600 16GB |
SSD | 1TB NVMe Gen4 | 1TB NVMe Gen4 |
電源 | 750W 80PLUS BRONZE | 650W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | B860 | B860 |
納期 | 約21営業日 | 翌日出荷 |
保証 (延長保証) |
3年間 (延長なし) |
1年間 (最長5年間) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
ドスパラのGALLERIA XGC5M-R56T8G-GDと比較していく。送料含めた価格差は23,480円でG TUNE DG-I5G60の方が安い。セールが終了すれば価格差は逆転し、GALLERIA XGC5M-R56T8G-GDの方が21,520円安くなる。ここまで極端に価格差が逆転するのは珍しい。それだけG TUNE DG-I5G60に適用されている45,000円という値引きが強力ということだ。
構成では電源容量でG TUNE DG-I5G60が100W上回っている。基本的な構成はよく似ているので、セールが適用されていればG TUNE DG-I5G60、適用されていなければGALLERIA XGC5M-R56T8G-GDがよい。どちらを選べばよいかは購入時に安い方をおすすめする。
ただ、G TUNE DG-I5G60は標準で3年保証がある。GALLERIA XGC5M-R56T8G-GDに3年保証をつけると21,498円かかる。G TUNE DG-I5G60の通常価格との差が21,520円なので、価格差はほとんどなくなってしまう。3年保証が必要なら、どのタイミングでもG TUNE DG-I5G60がおすすめだ。3年保証が不要であっても、選択するタイミングによってはG TUNE DG-I5G60の方が安い。購入時は両製品ともに価格をしっかり確認しておきたい。
G TUNE DG-I5G60 (Core Ultra 5 225xRTX 5060)のPCケースレビュー
G TUNEブランドに新しく登場したミニタワーケースの詳細だ。モデルは「G TUNE DG-I7G7T」のものでグラフィックボードなど一部構成がG TUNE DG-I5G60 (Core Ultra 5 225xRTX 5060)とは異なる点があることをご了承いただきたい。少し前に登場したフルタワーケースに共通したデザインと機能を持っている。ミニタワーとは思えない迫力のあるフロントデザイン、黒を基調とした派手過ぎずにしっかり主張するカラーリングが素晴らしい。
高級感と重厚感を併せ持ち、ありそうでなかったミニタワーケースに仕上げている。G TUNEのミニタワーは設計や構造かを見ても、これまでのゲーミングPCに採用されてきたケースとは一味違う。サイド部分にガラスパネルを採用するのが主流となったことで、その見え方にまでこだわっている。ガラスパネルから見える内部は異様なまでにすっきりしている。これは電源やボトムカバーをフロントに持ってくるという工夫があるからだ。PCケースのあり方について、常に挑戦を続ける印象のあるG TUNEらしいケースだ。
正面
電源を入れるとG TUNEのロゴが赤く光る。黒いケースに赤のアクセントが映える。ロゴの発光から漏れ出す光を計算し、フロント部分にスリットが入っている。漏れ出た赤い光は、黒いケースに吸収されて絶妙な色合いを醸し出す。派手さはなくてもしっかりと主張するケースデザインだ。一昔前のG TUNE製品を思い起こさせるフロントマスクにこだわったケースは迫力を感じさせる。
光学ドライブのスペースはフロントの右側にある。言われなければ気づかないほど自然な形でケースに溶け込んでいる。デザインを強く意識しているのがよくわかる構造だ。パソコンを右側足元に設置する場合はやや使いづらく感じてしまうだろう。椅子に座りながら取り扱うのは難易度が高い。内部スペース的に左側や上部に設置することができなかったのだろう。デザインとしてはよくても、機能的とは言いにくい部分だ。
左サイド
左サイドパネルは全面クリアパネルだ。これはフルタワーモデルと同じくワンタッチで外せる設計だ。クリアパネルの下部にはG TUNEのロゴが黒いケースに映える白い文字で刻まれている。斜め前から見るとより色濃く見える。パソコンは体より前に置くことが多く、視点を意識したデザインであることがわかる。
フロントに設置された電源の目隠しのフロントカバーがあっても違和感がない。スペースと見せ方をうまく活用した設計だ。ボトムカバーがあると見える部分が横長になり、視覚的に窮屈に見える。縦長に見せる工夫はすっきりとした内部を見せつつ、ミニタワーとは思えない拡張性を感じさせるほどだ。
ユーザーの視点に近いこの位置から見ると電源が隠れて配線が見えない。真横から見ても隠れる設計は素晴らしい。誰かに見られることを意識したケースではなく、ユーザーの視点から見えるゲーミングPCを強く意識している。オプションで内部にLEDを設置することも可能だ。このケース設計ならLEDのオプションはぜひ選択したい。ケースのよさがより引き出されるはずだ。
ヘッドホンホルダー
ヘッドホンホルダーもフルタワーと共通した機構だ。ミニタワーに採用されたのは初めてではないかと思うくらいには珍しいものだ。ヘッドホンやヘッドセットをPC本体にひっかけることができる。利便性が高く、ヘッドホンを使用しない方にも別の用途で使えそうだ。ただし、別のものをひっかける際はヘッドホン程度の重さ(500g前後)に留めたい。
注意点として、ヘッドホンホルダーが左サイドパネルのフロント上部に設置されているため、パソコンの置き場所によっては一切使用できない機構になる。見え方や視点を意識したG TUNEのミニタワーは、どうやら向かって右側にパソコンを設置することを想定しているようだ。デザイン的にも多くのゲーミングPCがそうであるが、G TUNEのミニタワーは強く意識しているのを感じる。
向かって左側に設置してしまうとヘッドホンホルダーはパソコンの向こう側にひっかける形になる。使いにくいだけではなく、壁が近いと使用すらできなくなる。どちらでも使えるようにするのは難しいかもしれない。設置場所を限定するような機構は素直に喜べない。デザインを重視した結果、ヘッドホンホルダーは人を選ぶものとなってしまった。
右サイド
右のサイドパネルはただのカバーだ。エアホールやエアインテークのようなものはない。パソコン内部の裏側にあたるため、目隠しと埃の侵入を防ぐのが目的なのだろう。これだけデザインにこだわったモデルでも、右サイドパネルはパソコン全般に採用される標準的なものだ。
もっとも、G TUNEのミニタワーは向かって右側に設置することを前提としている。そういう設計であるなら右サイドパネルはこれが適しているのだろう。一貫したこだわりが見えるケース形状は、ひとつの芸術のようにさえ感じられる。
天板
天板は防塵フィルターとエアインテークのスリットがある。全体が空気の通り道になっている。ただ、メッシュ部分や天板のカバーを取り外すことはできない。メンテナンス性はあまり高いと言えないようだ。天板は実用性やメンテナンス性よりもデザイン性を重視しているということだろう。
パソコンの上に小物を置いたり、物を載せたりするには適していない。軽いものを一時的に置くのは問題ないが、長期間置くのは辞めた方がよい。空気の通り道を塞ぐことになり、内部のエアフローに影響を与える可能性がある。なにより、吸気・排気に限らず埃まみれになる。天板を塞がないこと、空気の通り道を確保することを意識したい。パソコンラックに設置する際も、天板とラックの棚板が近くなりすぎないようにした方がよい。
天板I/Oパネル
天板のI/Oパネル(コンソールパネル)はスライドでシャッターの開閉ができる。手前から電源スイッチ・LEDスイッチ・USB3.0 (5Gbps)が2つ・ヘッドホン・ヘッドセットジャック(4極 CTIA準拠)が1つ・USB3.1 (10Gbps)のUSB Type-Cが1つ搭載されている。LEDスイッチでフロント部分のLEDのオンオフを切り替えられる。
I/Oパネルの設置位置は右側にあり、パソコンを体の右側に設置する設計ケースでは、少し不便さを感じる場面がありそうだ。これは足下にパソコンを設置したときに足とケーブルが接触しにくいように配慮してのことだろうか。ヘッドホンホルダーにヘッドホンを掛けるときに誤ってUSB機器と接触しないように考えられているのかもしれない。
I/Oパネルは上向きに設置されているため、USB機器は垂直に接続することになる。USBメモリに誤って接触した際は根本から折れる可能性がある。そういったトラブルを防ぐ意味では悪くないが、扱いにくさがあるのも事実だ。有線のマウスとキーボードは背面に接続し、天板のI/Oパネルは一時利用する機器専用のようだ。常時接続するには位置も向きも適してない。
USB Type-Cは映像出力がない。データの転送と給電に対応している。少し前までなら充実した構成のI/Oパネルといった評価だっただろう。現在なら標準的という評価に落ち着く。ミニタワーのケースとしては少し優れているかもしれない程度である。シャッターを搭載することで使用しないときはすっきりした見た目になり、G TUNEのミニタワーが持つコンセプトには適している。実用面では少し疑問は残るが、マイナスに作用するほど悪いものでもない。
注意点は、採用しているマザーボードによってはI/Oパネルの内容が異なる点だ。当該モデルはB760のチップセットを採用したマザーボードだ。異なるチップセットを採用していると構成は大きく変わる。とくに世代が落ちると構成のグレードは下がる。どの製品も同じ構成ではないということだけは覚えておいてほしい。
背面
背面は黒一色に統一されている。マザーボードのI/Oパネルや電源周辺なども黒で統一されているのは素晴らしい。背面がシルバーメッキで統一感のないゲーミングPCもある中で、黒を基調したケースとしては理想的な背面デザインと言える。電源の差し込み口が左上に設置されているのは、電源をフロントに設置しているため、延長ケーブルのようなもので引っ張ってきているからだ。
せっかくフロントに設置しても、ケース下部に電源の差し込み口を設置すると、電源ケーブルを隠すことができず意味がない。しっかりとデザインを意識しつつ、遊びのある設計はG TUNEらしさを感じる。そのせいで電源のオンオフスイッチがない。なくても困らないものは大胆にカットしているのも流石だ。
背面I/Oパネル
背面I/Oパネルはオーソドックスながら使いやすい構成だ。Thunderbolt 4のUSB Type-Cが1つ・USB3.0 (5Gbps)が7つのUSB構成だ。映像出力はDisplayPortが1つ・HDMIが1つだ。グラフィックボードを搭載しているモデルはグラフィックボードの映像出力を使用する。マザーボードに搭載されている映像出力は使用しないので気にしなくていい。
音声入出力はマイク入力・ラインイン・ラインアウトの3構成だ。ミニタワーのゲーミングPCにはよくあるもので、必要最低限にまとめられている。全体的に必要十分という印象だ。必要なものは揃っているので困ることは少ないはずだ。天板I/Oパネル同様に、背面I/Oパネルも搭載するチップセットで構成が異なる。当該モデルはA620A採用モデルの構成だ。モデル毎に構成は異なるので詳細を確認しておこう。
底面
底面には全面を覆う防塵フィルターが設置されている。フィルターが床に接触しないように高さを確保し、吸気・排気を行いやすい。底面は普段見えない場所なだけに、デザイン性よりも実用性とメンテナンス性を重視しているようだ。底面も黒に統一されているところに、デザインのこだわりを感じる。
注目したいのは防塵フィルターだ。マグネットで簡易的に設置されているのではなく、専用の溝を通す形になっている。これにより、ケースを動かさなくてもフィルターを抜き差しできる。防塵フィルターが珍しかった頃はあるだけよかったものだ。防塵フィルターが当たり前になってきた現在は、メンテナンスの行いやすさは大きなポイントだ。
マグネット式は底面に手を突っ込んで剥がすときは問題なくても、取り付けるときにパソコンを傾けなければ正しく設置されたか確認できない。G TUNEのミニタワーのように溝があれば確認しなくても正しく設置できる。たったこれだけのことで、ケースのメンテナンス性の評価は高まる印象だ。
内部
注目したいのは、フロントに搭載された電源の目隠しとなるフロントカバーだ。これこそがG TUNEのミニタワー最大の特徴だ。本来ボトムカバーとして本体下部に設置される目隠しをフロントに設置している。電源やストレージを隠すボトムカバーは、ケース下部に設置することで配線を隠す役割がある。一方で、底面が盛り上がり、内部スペースが窮屈になる。
内部スペースが狭いとLEDの光が映えない。全面クリアパネルのケースにボトムカバーを設置すると、見える範囲の下1/3がボトムカバーになる。これではクリアパネルのよさやLEDファンを設置したときのインパクトが損なわれる。G TUNEミニタワーに採用されたフロントカバーはひとつの答えなのではないかと思う。
スペースが限られるミニタワーにアンダーカバーではなくフロントカバーを設置することで、内部スペースを広く見せることに効果がある。また、どうしても目立つ電源もあえて前面に設置し、フロントカバーで目隠しする。すっきりと余裕のあるように見える工夫だ。
ケース内部はスペースを活かすための工夫に溢れている。当該モデルのように水冷式のCPUクーラーを使用すると上からの圧迫感が大きい。外観と比べても天井部分は分厚くできているようで、水冷ファンの2連ファンによりさらに圧迫感がある。
ボトムカバーを設置すると、ガラスパネルから見える部分のほとんどがカバーとファンの側面で黒くなっていたはずだ。デザインや見え方を意識したのは、水冷式のCPUクーラーなどのパーツ事情もあったのかもしれない。今と昔では採用するパーツにも大きな違いがある。現行のパーツ事情に合わせたケースということなのだろう。
最近のPCケースには必須とも言えるグラフィックボードのサポートバーが採用されている。グラフィックボードは年々進化し、サイズが大きくなっていることで重量も増加している。重いグラフィックボードを長期間使用すると曲がったり折れたりという懸念がある。それを解消するためにサポートバーは必要だ。搭載しているグラフィックボードによっては不要だが、軽いグラフィックボードでもあって困るものではない。
フロント部分の電源ケーブルは少し気になるものの、グラフィックボードを搭載するスペースが十分確保できている。ハイエンドクラスの大型グラフィックボードでも問題なく搭載できる。フロントに電源を持ってきたことが功を奏している。デザインや奇抜さだけで設計していない。今後も大きくなっていくであろうグラフィックボードのことも考えているようだ。
右サイドパネルの中は少し乱雑な印象を受ける。電源をフロントに持ってきたことで、後ろに流れるように配線が巡っている。電源が後ろにあれば、ここまで配線が絡まったようにはならなかっただろう。BTOメーカーでいち早く背面にケーブルを隠す背面通しをしたのはマウスコンピューターだったはずだ。当時はその配線を隠す技術と情熱に心を打たれたものだ。
そのマウスコンピューターらしくない配線は、フロントに電源を持ってきた弊害と言える。ただ、昔と比べてストレージの容量は大きくなり、ストレージなどの増設を行う頻度は低い。背面の配線が多少乱雑であっても困る場面は少ない。時代に合わせて取捨選択しているのは、マウスコンピューターの挑戦する姿勢が現れている。
ケースまとめ
G TUNEのミニタワーケースは、マウスコンピューターらしさ溢れる斬新な設計だ。時代に合わせて無駄を削ぎ落としながらデザイン性を高めている。通常PCケースの見た目は、購入前の印象をよくする意味合いが強いように感じる。一方で、G TUNEのミニタワーは使用するユーザーからどう見えるかを追求している。
使用者のことを第一に考え、スタイリッシュでありながら重厚かつインパクトのあるデザインだ。最近主流のゲーミングPCケースを踏襲しつつも、マウスコンピューターらしい仕上がりだ。他のメーカーからは絶対出てこないケースである。以前のケースは面白みを感じなかったが、新しく登場したミニタワーケースはどこか楽しさが伝わってくる。
比較的コンパクトなサイズでありながら、ハイエンドクラスのグラフィックボードも搭載できる。デザイン性と実用性をうまく融合させた素晴らしいものだ。その一方で、配線が乱雑に見えたり、設置位置が固定されたりとマイナス要素もある。見た目とは違う部分で人を選ぶPCケースであることは否めない。
G TUNEのフルタワーと共通した機構を持つことで、ミニタワーとは思えない高級感もある。マウスコンピューターに期待していた通りのPCケースが完成した。鎧のようなフロントマスクが特徴のPCケースを採用し、見た目のインパクトが素晴らしい頃のマウスコンピューターが戻ってきたようにさえ思う。当時のケースを更に進化させ、実用性を高めている。あえて主流の形に乗らず、独創的なデザインにしたのは好印象だ。
管理人による総評

Core Ultra 5 225×GeForce RTX 5060搭載のミドルクラスモデルだ。PC買い替え応援セール対象モデルで45,000円の大型割引が適用となっている。セール期間中であればコストパフォーマンスは良好だ。ミドルクラスとしては珍しく充実の構成が特徴となる。SSD 1TB Gen4 NVMeと電源ユニット750W BRONZEとなる。さらに、Wi-Fi 6Eをサポートしている。この性能帯では珍しい。新しいケースデザインもかっこいい。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
194,800円 | Core Ultra 5 225 | RTX5060 |
メモリ | SSD | チップセット |
DDR5 16GB | 1TB | B860 |