
ドスパラが販売する「GALLERIA XPC7A-R57T-GD」のレビューをまとめた。Core Ultra 7 265F×GeForce RTX 5070 Ti搭載のハイクラスのゲーミングPCだ。コストパフォーマンスは6.1と標準よりも少し高い評価だ。メモリ容量が16GBと少なく性能帯・価格帯を考えると不満が残る。ハイクラスのモデルにおいては性能をうまく活かせない場面が増えてくるだろう。価格を抑えるために構成を削った印象はあるが、同時に評価も大きく損なわれている。メモリのカスタマイズは検討したいところだ。メモリ価格高騰の影響で15,0000円値上げされてしまったが、他のモデルと比べて影響は小さい。
- 長所
-
- コストパフォーマンスは標準より高い
- 高い負荷に対応できるゲーム性能
- 用途を選ばない対応力
- 値上げ幅が15,000円と小さめ
- 短所
-
- 標準のメモリ容量(16GB)が不安
- こんな方におすすめ
-
- 高解像度でのゲームプレイを視野に入れている方
- 高性能なゲーミングPCを探している方
- ゲーム以外の用途も想定している方
GALLERIA XPC7A-R57T-GDのスペック

| メーカー | ドスパラ |
|---|---|
| ブランド名 | GALLERIA |
| 製品名 | GALLERIA XPC7A-R57T-GD |
| 価格 | 369,980円(+送料3,300円) |
| CPU | Core Ultra 7 265F(レビュー) |
| CPUクーラー | 空冷 |
| GPU | GeForce RTX 5070 Ti(レビュー) |
| メモリ | DDR5-5600 16GB |
| ストレージ | SSD 1TB NVMe Gen4 |
| 電源 | 850W 80PLUS GOLD |
| マザーボード | チップセットB860 |
| おすすめ度 | Bランク |
| 評価 | ・コスパ 6.4 ・ショップ評価 9.9 ・納期 7日で出荷 |
GALLERIA XPC7A-R57T-GDのカスタマイズを評価
| パーツ | おすすめ度 | 詳細 |
|---|---|---|
| OS | 変更なし | |
| オフィスソフト | 変更なし | |
| リカバリーメディア | 変更なし | |
| セキュリティソフト | 変更なし | |
| CPU | 変更なし | |
| CPUファン | (空冷式) PCCOOLER K6-WH ホワイト(ARGBライティング対応) +4,900円 | |
| CPUグリス | (熱伝導率: 12.56W/m・K) ナノダイヤモンドグリス (OC7) +2,000円 | |
| 電源 | 変更なし | |
| メモリ | 32GB (16GBx2) (DDR5-5600) 28,400円 | |
| SSD | 変更なし | |
| パーティション分割 | 変更なし | |
| SSD2 | 変更なし | |
| ハードディスク/SSD | 変更なし | |
| ハードディスク(追加1) | 変更なし | |
| フロントケースファン | 14cm ケースファン(ARGBライティング対応) x2 へ変更 +3,000円 | |
| リアケースファン | 12cm ケースファン(ARGBライティング対応) x1 へ変更 +1,500円 | |
| トップケースファン | 14cm ケースファン(ARGBライティング対応) x2 へ変更 +3,000円 | |
| LAN | 変更なし | |
| アクセサリ | 変更なし | |
| 拡張リアスロット1 | 変更なし | |
| 無線LAN | Wi-Fi6+Bluetooth(R)5.2対応 無線LAN +8,000円 | |
| 情報漏洩監視ソフト | 変更なし | |
| セーフティサービス | 月額980円 | |
| 延長保証 | 3年保証(通常1年+延長2年)+36,998円 |
一般的なBTOパソコンで人気のカスタマイズ項目についてイエローのマーカーで示している。当該モデルではメモリ増量がもっともおすすめだ。見た目を大きく変更するARGBライティング対応のCPUファンやケースファンも好みによって選択してもよい。基本的な構成が優れているので、カスタマイズの候補はそれほど大きくない。メモリや見た目の項目に集中して変更したい。
メモリは32GB以上を推奨している。GeForce RTX 5070 Tiは4K解像度でのゲームにも対応できる性能がある。その性能をゲームで活かすには32GBのメモリ容量が必要になる場面がある。他のアプリケーションと同時にゲームを起動すると32GBでも不足する場面はあるかもしれない。余裕があれば64GBへカスタマイズしておきたい。問題はかかるコストが大きくメモリ以外のカスタマイズを行いにくいということだ。基本的にメモリのみのカスタマイズに留めるのが無難だろう。
予算に余裕があれば見た目に影響を与えるARGB対応LEDファンへの変更や追加だ。CPUファンはARGBライティングに対応した空冷式をおすすめしている。水冷式も候補に挙がるが、Core Ultra 7 265Fの発熱量ならそこまで冷却を意識しなくてよい。また、水冷式は耐用年数3~5年で、使用年数が長くなれば交換対応が求められる。水冷の必要性が低いモデルには空冷式をおすすめしている。
GALLERIAのケースは左パネルに窓がある。ちょうどCPUファンが見える位置で、ARGBライティング対応のLEDのCPUファンを搭載すると派手さを演出できる。ケースの特性を活かす意味でもまずはCPUファンのLED化を検討したい。続いてケースファンだ。フロント・トップ・リアは左サイドパネルからダイレクトに見える位置ではない。しかしながら、どの部分もしっかりLEDの光が漏れ出る設計になっている。派手なゲーミングPCが好みなら変更できるファンはすべてARGBライティングに対応したLEDファンにしておこう。
保証は完全に好みだ。最近のパソコンはそう簡単に壊れることはないはずだ。延長保証に加入しても無駄になる可能性が高い。それは故障リスクを考慮しての価格設定なのだからユーザーが損をするのは仕方がない。将来の出費を抑えたいなら検討しよう。セーフティサービスは通常保証ではカバーされない物理破損なども保証対象となる。
GALLERIA XPC7A-R57T-GDの特徴
性能はハイエンドクラスに匹敵
| Apex Legends | フォートナイト | モンハンワイルズ | マイクラ |
|---|---|---|---|
![]() ・200fps ・144fps |
![]() ・200fps ・144fps |
![]() ・120fps ・60fps |
![]() ・影Mod ・通常 |
GALLERIA XPC7A-R57T-GDは非常に優れたゲーム性能を持つゲーミングPCだ。メモリ容量が16GBと控えめながら、フルHD環境なら対応できないゲームはほとんどない。幅広いゲームを快適にプレイできる性能は、数年先まで同水準を維持できるだろう。対人要素が強く、人気のApex Legendsやフォートナイトは高いフレームレートを維持できる。設定次第では240fpsの張り付きも可能だ。推奨環境から見るとオーバースペックだが、200fps以上のフレームレートを目指すなら最適な性能と言える。対人要素の強いゲームを本格的にプレイするなら、GALLERIA XPC7A-R57T-GDの性能があれば安心だ。
2025年2月に登場した話題のモンハンワイルズもフレーム生成を利用すれば120fps以上を目指せる。負荷の高さで話題となったDLC「高解像度テクスチャパック」も適用可能だ。最新のゲームでも遊び尽くせる余裕のある性能がGALLERIA XPC7A-R57T-GDの魅力だ。今後登場してくるゲームも快適にプレイしたいと考えるなら有力な候補になりそうだ。
マイクラに関しては言うまでもなく対応できる。たとえ影Modを導入していても、負荷を感じることなくプレイできる。Bedrock版のMinecraft RTXにも対応できる性能がある。マイクラをメインに考えているなら明らかなオーバースペックだ。開発の進んだマルチサーバーや大量のTNTの破壊にも耐えられる。特殊な実験を行う際にカクつきを抑えるなら案外悪くない選択肢になるかもしれない。
人気のゲームをピックアップしたが、GeForce RTX 5070 Tiの性能で対応できないゲームはない。幅広いジャンルのゲームをプレイするなら、性能の高さを活かせる。何よりゲームの要求スペックを気にしなくてもよくなる。プレイしたいと思ったゲームをプレイできる。シンプルだが、これこそGALLERIA XPC7A-R57T-GDを選ぶ理由になる。
優れた構成もメモリ容量の少なさが気になる
性能帯を考えるとメモリ16GBというのは物足りなさを感じてしまう。ゲーミングPCにおいて最低限の容量だ。価格を抑えるためというよりも、シリーズ展開による弊害だ。Ryzen 7 9800X3D搭載モデルを除きGALLERIA Xシリーズではメモリ容量は16GBに固定されている。ミドルクラスやミドルハイクラスなら悪くないが、ハイクラスの最上位となるGeForce RTX 5070 Ti搭載モデルでは物足りない。
GeForce RTX 5070 Tiの性能を活かすには64GBあってもよいくらいだ。シリーズで統一するよりも、性能に合わせた構成に変更してほしかった。32GBを推奨環境にするゲームも存在している。推奨環境が16GBであっても、他のアプリケーションと同時起動するなら16GBでは物足りない。メモリ容量が不足するとゲームクライアントが落ちるだけではなく、PCがシャットダウンされることもある。
メモリの消費容量が大きくなりすぎないように設定を下げるなどの対策が必要になる。性能に余裕があっても、メモリ容量に不安があるからと設定を下げるなら魅力半減だ。GALLERIA XPC7A-R57T-GDはメモリ容量のカスタマイズがほぼ必須となっている。GeForce RTX 5070 Ti搭載モデルを選択するのは性能に魅力を感じているからだろう。性能を最大限引き出せないなら選択するメリットがない。
GALLERIA XPC7A-R57T-GDの評価がいまひとつ伸びないのは間違いなくメモリ容量によるものだ。カスタマイズ費用がプラスされても、メモリ32GBにした方が評価は高くなる。16GBが許されるのはGeForce RTX 5070までがぎりぎりだ。それ以上の性能を持つモデルでは著しく性能を落とす。それだけメモリ容量が重要になってきた。
少し前ならあまり気にしなかった部分だが、妥協をしてまで選ぶものではない。フルHDでのゲームプレイでも、高画質の設定では不安がある。この一点だけがGALLERIA XPC7A-R57T-GDの弱点だ。メモリはカスタマイズ以外にも増設で対応することができる。最低でも32GB以上のメモリ容量を目指してほしい。
SSD容量や電源ユニットに関しては標準構成のままでよさそうだ。SSD容量が1TBあれば複数の重量級タイトルの保存にも対応できる。電源ユニットも850W GOLDとGeForce RTX 5070 Tiを支えるのに十分すぎる。これらはカスタマイズでも人気の箇所で、標準構成がしっかりしているとカスタマイズ費用を抑えられる。
同じドスパラの同性能帯モデルとの比較
| GALLERIA | GALLERIA | |
|---|---|---|
| イメージ | ![]() |
![]() |
| 製品名 | GALLERIA XPC7A-R57T-GD | GALLERIA XPR7A-R57T-GD Ryzen 7 9700X搭載 |
| ケース | ミドル | ミドル |
| 価格 | 369,980円 | 369,980円 |
| 送料 | 3,300円 | 3,300円 |
| CPU | Core Ultra 7 265F (20コア20スレッド) |
Ryzen 7 9700X (8コア16スレッド) |
| CPUクーラー | 空冷 | 空冷 |
| GPU | RTX 5070 Ti | RTX 5070 Ti |
| メモリ | DDR5-5600 16GB | DDR5-4800 16GB |
| SSD | 1TB NVMe Gen4 | 1TB NVMe Gen4 |
| 電源 | 850W GOLD | 850W GOLD |
| マザーボード | B860 | B850 |
| 納期 | 翌日出荷 | 翌日出荷 |
| 基本保証 (延長保証) |
1年間 (最長5年間) |
1年間 (最長5年間) |
| 電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
| 公式 | 公式 | 公式 |
同じドスパラのGALLERIA XPR7A-R57T-GDと比較していく。価格はGALLERIA XPC7A-R57T-GDと同じ369,980円だ。元々GALLERIA XPR7A-R57T-GDの方が5,000円高かったが、昨今のメモリ価格高騰の影響の値上げ幅が小さく価格で並んでいる。主な違いはCPUで、基本的な構成はよく似ている。Core Ultra 7 265FとRyzen 7 9700Xの違いが、そのまま2製品の違いである。Core Ultra 7 265Fはマルチコア性能に優れていて、ゲーム以外の用途への対応力に優れている。
Ryzen 7 9700Xはマルチコア性能は20%ほど落ちるが、ゲーム性能は10%以上優れている。GeForce RTX 5070 Tiを搭載していれば、ゲーム性能は体感できるほどの差として現れる。ゲームに特化したGALLERIA XPR7A-R57T-GDか、様々な用途に対応できるGALLERIA XPC7A-R57T-GDかの選択だ。用途に合う方を選んでほしい。もっとも、Ryzen 7 9700Xのマルチコア性能も優秀と言える水準にある。ゲーミングPCであることも含めて、Ryzen 7 9700Xを搭載したGALLERIA XPR7A-R57T-GDの方が選びやすそうだ。
同性能帯の他社製ゲーミングPCとの比較
| GALLERIA | LEVEL∞ | |
|---|---|---|
| イメージ | ![]() |
![]() |
| 製品名 | GALLERIA XPC7A-R57T-GD | LEVEL-M88M-265F-UK1X |
| ケース | ミドル | ミニ |
| 価格 | 369,980円 | 329,800円 |
| 送料 | 3,300円 | 2,200円(会員無料) |
| CPU | Core Ultra 7 265F (20コア20スレッド) |
Core Ultra 7 265F (20コア20スレッド) |
| CPUクーラー | 空冷 | 空冷 |
| GPU | RTX 5070 Ti | RTX 5070 Ti |
| メモリ | DDR5-5600 16GB | DDR5 32GB |
| SSD | 1TB NVMe Gen4 | 1TB NVMe Gen4 |
| 電源 | 850W GOLD | 750W BRONZE |
| マザーボード | B860 | B860 |
| 納期 | 翌日出荷 | 2~7日後 |
| 基本保証 (延長保証) |
1年間 (最長5年間) |
1年間 (最長4年間) |
| 電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
| 公式 | 公式 | 公式 |
パソコン工房のLEVEL-M88M-265F-UK1Xと比較していく。40,000円安く購入できるモデルだ。また、パソコン工房は無料会員登録をすれば送料が0円になるので実質の価格差は43,300円まで広がる。コストパフォーマンスでは圧倒的にリードしているモデルである。LEVEL-M88M-265F-UK1Xで見劣りする箇所は電源ユニットだろう。750W BRONZEとワンランク落ちる。カスタマイズができないのもマイナスだ。そ
れでも容量が不足するということはなく問題なく使用できる。また、メモリ容量が標準で32GBと大容量だ。GALLERIA XPC7A-R57T-GDの弱点をカバーした強力なライバルだ。現時点ではGALLERIA XPC7A-R57T-GDが優位に立つことは難しく、ここからの変化に注目したい。GALLERIA XPC7A-R57T-GDは新ケース採用で、旧ケース採用モデルも現存していることから価格が下がりにくい。しばらくはLEVEL-M88M-265F-UK1Xには届かないだろう。GALLERIA XPC7A-R57T-GDはメモリのカスタマイズで28,400円かかるため、構成を近づけると70,000円を超える価格差になる。
この差が埋まるまではLEVEL-M88M-265F-UK1Xをおすすめしたい。GALLERIA XPC7A-R57T-GDを選ぶ理由としては圧倒的なブランド力高さが挙げられる。国内BTOメーカーNo.1のドスパラが誇るゲーミングPCだ。ゲーマーからの支持が厚いことも事実だ。リセール面でも有利になるのではないかと思う。
GALLERIA XPC7A-R57T-GDのベンチマーク計測【2025年】
ドスパラ様からお借りして当該モデルの各種ベンチマークを計測した。メモリ容量が64GBにカスタマイズされたモデルである点にご留意いただきたい。GALLERIA XPC7A-R57T-GD以外のモデルはRyzen 7 9800X3DかCore Ultra 9 285Kで記載している。
フォートナイト
CPU適性が低いせいでフレームレートは伸び悩んでしまう。低設定・中設定で顕著だ。なんと下位モデルであるGeForce RTX 5060 Ti 16GB搭載モデルに及ばない結果となる。高設定ではRyzen 7 9800X3D×GeForce RTX 5070 Tiの組み合わせを23%程度上回る。
Microsoft Flight Simulator
4K環境でも100fpsを超えるので快適にプレイ可能だ。シミュレーター系は得意と言えるだろう。Ryzen 7 9800X3D搭載モデルのデータはないが、フレームレート的にはRyzen 7 9800X3Dが上となるだろう。
FF14
Ryzen 7 9800X3Dとの組み合わせよりも最大で20%程度フレームレートが低い。一方で、4K環境では3%弱フレームレートが高くなっている。高解像度でのゲームプレイが前提なら悪くない。
モンスターハンターワイルズ
設定はウルトラでのフレームレートをまとめている。Core Ultra シリーズ2はモンスターハンターワイルズとの相性がよい。Ryzen 7 9800X3D搭載モデルよりもフレームレートが高くなっている。高リフレッシュレートでのゲームプレイもお手の物だ。
Cyberpunk 2077
フルHDで151.5fpsと高いフレームレートが出ている。Ryzen 7 9800X3D搭載モデルよりも22%程度フレームレートが低い。これがWQHD環境になると19%、4K環境では14%と差は縮まる。Ryzen 7 9800X3D×GeForce RTX 5070との組み合わせよりも低くなっていることがわかる。
Forza Horizon 5
Forza Horizon 5では高いフレームレートが出ている。Ryzen 7 9800X3D搭載モデルと同等以上のフレームレートだ。
Cinebench 2024
マルチコアスコアは1,748pt、シングルコアスコアは136ptだ。水冷クーラー搭載のベンチマーク機で計測したCore Ultra 7 265よりもマルチコアスコアは11%程度低くなっている一方で、シングルコアは16%程度高くなっている。Core i7-14700Kと同等のスコアが出ている。Ryzen 7 9800X3Dと比べるとマルチコアが33%弱高く、シングルコアも5%程度高くなっている。
消費電力
FF14
消費電力はやや高めだ。Ryzen 7 9800X3Dの組み合わせよりも14W高くなっている。Ryzen 7 9800X3D搭載モデルの方が20%以上フレームレートが高いので、ワットパフォーマンスでは大きく見劣りしてしまう結果だ。
Forza Horizon 5
Forza Horizon 5でもやはり消費電力は高めだ。Ryzen 7 9800X3D搭載モデルよりも5%弱高くなっている。フレームレートが同等なのでこの数値がそのままワットパフォーマンスの低さを表す。もっとも数値的にはそこまで気にしなくてもよさそうだ。
ガレリアNEWミドルタワーレビュー
ドスパラのGALLERIAブランドに新しく追加されたミドルタワーケースの詳細だ。従来のケースを踏襲しつつも、全く新しく刷新されたデザインだ。LEDの派手さを演出した最近流行りのタイプではなく、重厚で存在感のある洗練されたゲーミングPCケースに仕上がっている。
流行りとは別のスタイリッシュなケースデザインは、GALLERIAらしさがある。ARGBライティング対応のケースファンなどを採用すれば、派手さを演出することもできる。ユーザーを選ばないデザインは、多くのゲーマーを惹きつけるはずだ。目立ったギミックはなくても、ユーザーのことを考えた設計が随所に見られるのはポイントが高い。
正面

従来ケースとは大きく変わらないように見える。ロゴの位置が少し高くなり、フロント上部に丸みがある。角張った従来ケースをベースにしながらも、見た目の印象を大きく変えている。また、ケースのカラーがより深くなった印象がある。一見すると金属製に見えるほどだ。ガンメタリックカラーというのがしっくりくる。

電源を入れるとケースのフロントとサイドの中間部分のLEDが発光する。LEDはケースに装飾されたもので、電源を入れていないとLEDがどこにあるかわからない。派手さはないが、ワンポイントのアクセントとしてしっかり主張している。LEDファンが映える設計のケースは多くあっても、ケース自体にLEDが装飾されたケースは少ない。今主流のゲーミングPCに採用されているケースと比べて珍しい演出だ。こういったケースの登場は、今後のケースに影響を与えそうだ。
左サイド

左サイドパネルは従来ケース同様に窓を採用している。パネル全体の1/3程度ながら、LEDの光の演出も可能だ。内部を覗くこともできる。昨今は側面の全面クリアパネル採用が当たり前となっている中で、こういったスタイルは主流に逆らう形だ。派手さを追求しない方にとってはバランスのよいパネルである。
フロント側のサイド部分には白いラインが入っているように見える。ここにLEDが装飾され、発光しているようだ。LEDを搭載していることを隠すかのようなギミックだ。電源を入れていない状態ではスリットにしか見えない。また、フロント側には大きめのスリットが用意されていて、吸気口と同時にLEDがきれいに反射する角度となっている。細かい部分ながらよく計算されたケースデザインだ。
右サイド

右サイドパネルはただのカバーで、エアホールなどは用意されていない。こちらもフロント側にLEDが装飾されている。サイドパネルはシンプルなカバーだが、ケース設計は左右対称となっているようだ。スリットがアクセントとなり、何もない右サイドもスタイリッシュなデザインに見える。こういった工夫は他のメーカーも参考にしてほしいところだ。
天板

天板はマグネット式の防塵フィルターが設置されている。多くのゲーミングPCに採用されるペラペラのものではなく、しっかりとした厚みが特徴だ。メンテナンスを行いやすい材質はポイントが高い。天板にはケースファンを3つ取り付けることも可能で、360mmラジエーター採用の水冷式CPUファンも搭載できる。拡張性の高さを感じさせる構造で、意外と3つのファンを採用できるケースは少ない。シンプルに見えて機能性に溢れた天板だ。
フロントI/Oパネル

フロントのI/Oパネルは左から電源ボタン・USB 2.0 ×2・USB 3.2 Gen1 Type-A ×2・USB 3.2 Gen2 Type-C ×1・イヤホンジャックとなっている。他メーカーのケースと比べて充実した装備だ。ほとんどのPCケースはフロントI/OパネルにはUSBポートが2つしかない。Type-Cを合わせても3つが標準的な装備だ。
USBポートがType-C合わせて5つもあるのは素晴らしい。転送速度の速いUSB 3.2 Gen1 Type-Aにはフラッシュメモリなど読み込み速度が重要なものを接続し、USB 2.0には読み込み速度が関係しないマウスやキーボードと使い分けることができる。
また、最近のゲーミングPCは天板右側に設置されることが多く、垂直に接続しなければならないものがほとんどだ。GALLERIAの新ケースはフロント上部に斜めに設置されている。これはパソコンの置き場所を左右どちらに置いても使用しやすい。また、PCラックに設置するときもラックの天井に干渉せずアクセスできる。設置場所を限定せず、扱いやすいI/Oパネルだ。理想的な位置に設置されていると言える。
背面

画像はB860だ。背面は特に目立った箇所はない。フロントやサイドは優れたデザインだが、やはり背面は手を加えるのはむずかしいのだろう。また、背面部はどこに設置しても目に入らない部分であるため、こだわりを出しても効果が薄い。凡庸であることがデメリットにならない。
強いて言えば、ガンメタリックのカラーを活かすために黒を基調としている。マザーボードやグラフィックボードのポート部分も黒色ならよかった。もっとも、普段見えない部分なので黒に統一しても強みにはならなかっただろう。
背面I/Oパネル

背面I/Oパネルはすっきりしている。フロントI/Oパネルを充実させた影響か、USB 2.0 ×2・USB 3.2 Gen1 Type-A ×2・USB 3.2 Gen2 Type-C ×1と、フロントI/Oパネルと全く同じUSB構成だ。HDMIとDisplayPortがそれぞれ1つずつ用意されているが、グラフィックボードを搭載しているので使用する機会はない。親切にも「使用不可」のシールでカバーしている。
音声出力・ラインアウト・ラインインの3つだ。背面I/Oパネルは最低限というべきか、オーソドックスなものだ。少し物足りなさはあるものの、フロントI/Oが充実していることを考えれば悪くない。
底面

底面もしっかりガンメタリックカラーだ。見えない部分でもこだわりを感じる。防塵フィルターは小さく、底面のリア側に搭載されている。エアホールなども用意されておらずシンプルな形状だ。底面はあまりまじまじと見ることはない部分だ。少しアンバランスに感じてもケースの評価が下がるわけではない。小さい防塵フィルターはメンテナンス性が高いとも、機能的とも捉えられる要素だ。

防塵フィルターはスライド機構で固定されている。この構造であればパソコンを傾けなくても取り付け・取り外しができる。気軽に取り外して掃除ができるのはメンテナンス性がよいと言える。もしも防塵フィルターがもう少し大きく、マグネット式であったなら取り外しと取り付けに苦労したはずだ。ユーザーの視点に立って設計されているのがよくわかる。
内部

内部は今風のボトムカバー付きのケースだ。ミドルタワーらしく、内部スペースにはかなり余裕がある。水冷式CPUファンを搭載しても余裕がある。メーカーや大きさも気にせず、自由に選んで搭載できるスペースがある。それ以外にこれといった特徴がないように見える。しかし、小さな工夫が見える箇所がある。

このように、ボトムカバー側面に穴が空いており、サイド上部にも同じ穴がある。グラフィックボードを固定するサポートステイを取り付けているように、ネジで何かを固定できるユーティリティホールだ。実用性があるとは言えない。しかし、発想次第ではオリジナリティ溢れるカスタマイズが可能となるかもしれない。
装飾系のパーツを取り付けるなど、個性を出しやすい。もっとも、サイドパネルは全面クリアパネルではないので、個性を出したとしても見えない。性能や利便性を向上させることには繋がらず、サイドパネルとのスペースを考えると限定的だ。ストレージのシャドウベイへのアクセスが悪いため、ここにストレージを固定する何かを追加できれば便利だ。それが現実的ではなかったとしても、アイデア次第で魅力的な要素になる可能性はある。

右サイドパネルを外した内部だ。派手なケースではないのでLED用の配線でごちゃごちゃしていない。ケーブル類はすっきりとまとめられている。SATA接続のSSDは2つ設置するスペースが用意されている。背面にケーブルを這わせて左サイドから見えないようにしているせいでアクセスは悪い。主流のストレージがM.2になったので、SATA接続の2.5インチSSDを搭載しなくなったことも影響しているだろう。

ボトムカバーの中には3.5インチシャドウベイが2つある。SSDのシャドウベイと合わせて4つのストレージを搭載可能で拡張性は十分だ。右側は舞台裏のようなもので、独創的な工夫はとくにない。どこのメーカーのPCケースも右サイドパネルの中は似たようなものだ。ドスパラのケースは、かつてのケースに大型のストレージベイが用意されていたように、同じ機構のシャドウベイが用意されている。それだけでも特徴的というべきだろう。

ケースのLEDが真っ暗な部屋でどのように見えるかテストした。まるでネオン管のように1本の光源は鮮やかながら視界の邪魔をしない。LEDファンを多く採用したゲーミングPCは、暗い部屋で操作するには目について集中できない。たとえ明るい部屋でも、視界に入ると気が散りやすい。見えない場所におけば魅力半減だ。その点でGALLERIAの新ケースはLEDの光も設置場所を選ばないように設計されている。派手なPCケースが苦手な方におすすめだ。
ケースまとめ
GALLERIAの新しいミドルタワーは、従来のデザインを踏襲しながらも、まったく新しいケースに仕上げた。一見すると全体が金属のように見える色使いも素晴らしい。重厚でありながら洗練されたPCケースだ。これでまたひとつGALLERIAを選択する理由となりそうだ。
多くのメーカーが新しいケースを発表しているが、ユーザーのことを考えたケースというのはGALLERIAのミドルタワーが抜き出ている。それを証明するのがフロントI/Oパネルの設置位置だ。最近のケースは真上に設置され、垂直に接続するものばかりだ。ラックなど制限のあるスペースに設置するとフロントI/Oパネルそのものが使用できない可能性がある。正面上部にあれば、足元の左右どちらにおいても扱いやすい。
設置場所を限定しないという基本的なことができている。これだけでもデザインだけではなく、ユーザーのことを考えて設計されているのがよくわかる。また、昨今の派手なPCケースにならなかったのも評価したい。ゲーミングPCのケースは主流を追うせいか、似たようなケースになりやすい。GALLERIAのミドルタワーは個性的に仕上げ、デザインとの両立を果たした。
ゲーミングPCをケースデザインで選ぶならGALLERIAがおすすめだ。発表時点では従来ケースとあまり変わっていないという印象があった。しかし、実際に見てみると明らかに違う。よりスタイリッシュで扱いやすいケースだ。もしも買い替えるならGALLERIAのモデルを選びたいと素直に思える出来栄えである。
管理人による総評
ガレリアの新ケースを採用したミドルタワーモデルだ。Core Ultra 7 265F×GeForce RTX 5070 Ti搭載のハイクラスモデルとなる。4K環境にも対応できるポテンシャルがある。CPUも20コア20スレッドの高性能モデルを搭載している。構成はメモリ容量が16GBと控えめなので、ここはカスタマイズを検討しよう。SSD容量は1TBで必要十分だ。電源ユニットも850W GOLDと余裕がある。コストパフォーマンスで勝負するモデルではない。少なくとも今の価格だと競合には及ばない。ガレリアの圧倒的なブランド力に魅力を感じる方なら購入して後悔はしないはずだ。
| 価格 | CPU | グラボ |
|---|---|---|
| 369,980円 | 7 265F | RTX5070Ti |
| メモリ | SSD | チップセット |
| DDR5 16GB | 1TB | B860 |





























