当記事では、パソコン工房「LEVEL-M77M-134F-TLX」の詳細レビューを行っている。Core i5-13400×RTX 4070搭載のミドルハイのゲーミングPCだ。GPU性能に対して、CPU性能は控え目だ。基本的にゲームプレイ時のフレームレートを高めるにはCPUよりもGPUにお金を掛けるのが理にかなっている。何よりも税込20万円以下でRTX 4070搭載モデルが購入できるというのは魅力的だったが、23,000円の値上げが適用となり評価を落としている。キャンペーンに期待したいところだ。
当ページの目次
LEVEL-M77M-134F-TLXのスペック解説
ブランド名 | LEVEL∞ |
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製品名 | LEVEL-M77M-134F-TLX |
価格 | 217,800円(税込) |
CPU | Core i5-13400F |
GPU | GeForce RTX 4070 |
メモリ | DDR5-4800 16GB |
SSD | 1TB Gen4 NVMe |
HDD | 非搭載 |
電源 | 700W BRONZE |
マザーボード | チップセットB760 |
おすすめ度 | Aランク |
評価 | ・コスパ 7.2 —–内訳—– ・コスパ(CPU・GPUメイン) 5.8 ・構成 7.0 ・品質/サポート 9.0 |
各タイトルの対応表
FF15 | Apex Legends | FORTNITE |
---|---|---|
・4K ・WQHD | ・240fps ・144pfs | ・240fps ・144fps |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
LEVEL-M77M-134F-TLXはCore i5-13400FとGeForce RTX 4070を搭載したハイクラスのゲーミングPCだ。GeForce RTX 4070は性能が高く多くのゲームを快適にプレイできる。Apex Legendsは240Hz環境を実現可能だ。フォートナイトは360Hzを目指せる。CPU負荷の高いゲームは苦手だが、最新のゲームでも高リフレッシュレートで安定させられる。ゲームによっては4K解像度にも対応できる。ゲーム性能の高さが魅力のモデルである。
LEVEL-M77M-134F-TLXの性能まとめ
ゲーミングPCとは、グラフィックボードやCPUなどのPCパーツの集合体だ。ここでは特に重要なグラフィックボードとCPUについて分解して細かく見ていく。
PC初心者の方がスペックを見て性能をイメージすることは難しいだろう。一体として見るよりも一つずつのパーツを見ていくと理解がしやすいと考えている。
Core i5-13400F(CPU)
Core i7-13700K | |
Ryzen 9 7900X | |
Core i9-12900K | |
Core i5-13600K | |
Core i7-12700K | |
Core i7-12700 | |
Ryzen 7 7700X | |
Core i5-13500 | |
Core i5-12600K | |
Core i5-13400 | |
Ryzen 5 7600X | |
Ryzen 7 5800X | |
Core i7-11700K | |
Core i5-12400 | |
Core i7-11700 | |
Core i5-11400 |
LEVEL-M77M-134F-TLXで採用されているのはCore i5-13400Fだ。Intel第13世代の高コスパモデルで特に低価格帯のゲーミングPCで採用されることが多い。CPU内蔵グラフィックスは非搭載となる。10コア16スレッドとEコアが4コア追加されたことで従来モデルのCore i5-12400よりもスペックが高くなった。マルチコア性能は25%アップでCore i5-12600Kに匹敵するほどだ。競合モデルのRyzen 5 7600Xと比べてわずかに性能で上回っている。動画編集・エンコード・画像編集・WEBデザインなどのクリエイター作業にも対応可能だ。Core i5シリーズでも数世代前のモデルでは考えられないほどにパフォーマンスが向上している。ゲーミング性能についてはCore i5-12400と同程度に留まるが、最低限必要な水準に到達している。競合のRyzen 5 7600Xに劣ってしまう点は理解しておこう。RTX 4070とのバランスは取れておらずGPU重視で検討したい方向けだと言える。コストを抑えるという点では意味がある。
GeForce RTX 4070(GPU)
RTX 4080 | |
RX 7900 XT | |
RTX 4070 Ti SUPER | |
RTX 3090 Ti | |
RTX 4070 Ti | |
RTX 3090 | |
RX 6950 XT | |
RTX 4070 SUPER | |
RTX 3080 Ti | |
RTX 3080 12GB | |
RX 6900 XT | |
RTX 4070 | |
RTX 3080 10GB | |
RX 7800 XT | |
RX 6800 XT | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 3070 | |
RTX 2080 Ti |
当該モデルではグラフィックスに2023年4月に発売されたばかりのGeForce RTX 4070を搭載している。従来モデルのRTX 3070と比べて20%以上も処理性能が向上している。RTX 3080 10GBよりも少し高い性能を持つ。RTX 4070は、WQHD環境をメインターゲットとしているグラフィックボードだ。もちろんタイトルによっては4K環境にも対応できる。AMD製Radeon RX 6800 XTと比べても8%程度グラフィックス処理性能が高い。ここから価格が下がってくれば人気モデルに可能性がある。
LEVEL-M77M-134F-TLXの特徴&強み
23,000円の値上げで評価を落とす
LEVEL-M77M-134F-TLXは元々194,800円で展開されていたが、23,000円の値上げが適用となり評価を落としている。20万円を切る価格が特徴だったモデルだけに残念だ。価格を武器にするモデルにとって値上げは致命的だ。パソコン工房の製品は、価格が頻繁に変更される傾向にあり今の価格が長期間続くことは考えにくい。LEVEL-M77M-134F-TLXを候補に入れているなら、しばらく様子を見て価格の変化を待ちたい。
少なくとも、20万円台を切るくらいにならなければ、選択するメリットは薄くなりつつある。同じパソコン工房から登場したLEVELθブランドの登場でより見劣りしてしまう。コストパフォーマンスを重視したブランドで当サイトのゲーミングPCおすすめランキングでもいくつかのモデルが上位にランクインとなっている。
LEVEL-M77M-134F-TLXよりもさらに価格に特化したモデルもあり、値上げされた現状ではかなり苦しいと言わざるを得ない。Core i5-13400F搭載モデルは、どうしても価格を重視したモデルになりやすい。価格が強みのモデルは、価格で差をつけられると一気に価値を失う。まさにLEVEL-M77M-134F-TLXは、価値を失ったモデルになりつつある。値上げで評価を落とし、そのタイミングで強力なモデルが登場した。
この時点で、LEVEL-M77M-134F-TLXは役目を終えたと言える。少なくとも、最安値だった19万円台にならなければ返り咲くことはないだろう。LEVEL-M77M-134F-TLXは、セール・キャンペーンの対象になったこともある。今後の展開次第では、また強力なモデルとなるかもしれない。それまでは、比較の項目のモデルをおすすめしたい。強力なだけでなく、デザインにも優れたモデルなので要チェックだ。
しっかりした構成が持ち味
LEVEL-M77M-134F-TLXは、CPUにCore i5-13400Fを搭載していることからありがちな価格を抑えたモデルという印象を受けるかもしれない。実際は構成にも力を入れたモデルであり、全体的なバランスがよく考えられている。単に価格を意識しただけのモデルでないと言えるだろう。GeForce RTX 4070のような高性能なグラフィックボードにCore i5-13400Fをあわせたモデルでは構成も控えめになることが一般的だ。
ところがLEVEL-M77M-134F-TLXでは、メモリに高クロックなDDR5-4800を、SSDに1TB Gen4 NVMe接続モデルを採用している。LEVEL-M77M-134F-TLXは構成に特化したモデルとしても見れる。メモリとストレージに関してはかなり優秀である。Core i5-13400FとGeForce RTX 4070の組み合わせで、1TBの容量を持つSSDを搭載したモデルは少ない。Gen4接続ともなれば、他にあるのか疑問だ。
これは目立たないが、個性的なパソコン工房ならではの構成である。また、チップセットはB760を搭載している。これはCore i5-13400Fに対しては無駄がない。性能や利便性に関わる部分の構成はしっかりし、抑えるところは抑える。これにより、価格を抑えたRTX 4070搭載モデルと同等の価格を実現できている。ありそうでなかったモデルだ。
ただ、価格を抑える構成と利便性を高める構成を両立していることで、どこか中途半端なモデルという印象も拭えない。削るところはしっかり削りきり、価格を抑えた方が人気は出る。構成に特化したモデルに仕上げた方が選ぶ価値は高まる。その中間地点にあるLEVEL-M77M-134F-TLXは、誰にとっても物足りなさがあるように思えてしまう。
競合モデルとの比較
ブランド | LEVEL∞ | LEVELθ |
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イメージ | ||
製品名 | LEVEL-M77M-134F-TLX | LEVEL-M17M-134F-TLX-WHITE |
ケース | ミニ | ミニ |
価格 | 217,800円 | 189,800円 |
送料 | 2,200円(会員無料) | 2,200円(会員無料) |
CPU | 1年間 | 1年間 |
GPU | Core i5-13400F | Core i5-13400F (10コア16スレッド) |
メモリ | RTX 4070 | RTX 4070 |
SSD | DDR5-4800 16GB | DDR5-4800 16GB |
HDD | 1TB Gen4 NVMe | 500GB NVMe |
電源 | 700W BRONZE | 650W BRONZE |
マザボ | B760 | B760 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
LEVEL-M77M-134F-TLXの評価が下がり、おすすめしにくいのはLEVEL-M17M-134F-TLX-WHITEが登場したことが影響している。2023年12月に登場した最新のLEVELθシリーズは、低価格を売りにしたモデルが取り揃えられている。類似した構成のLEVEL-M77M-134F-TLXに28,000円の価格差をつけていることからもわかるはずだ。Core i5-13400FとRTX 4070の組み合わせでは、もっともおすすめしたいモデルだ。
パソコンケースレビュー
LEVEL∞ M-Classでは2023年3月15日に登場した新しいミニタワーケースを採用している。最新モデルらしく大型水冷クーラーに対応しているなど拡張性が向上している。
正面
ミドルタワーケースをそのまま小さくしたデザインとなる。正面の真ん中にLEVEL∞のロゴが刻印されている。シンプルなデザインながら高級感もある。マットブラックがかっこいい。
左側面
左側面には何もない。本体上部ケース取り外し用のネジがある。
右側面
右側面も左側面と同様だ。意外とここまで落ち着いたデザインを採用したケースは希少だ。
I/Oパネル
前面には電源ボタン、USB 3.0×2、ヘッドセット端子×1が配置されている。USB Type-Cがあればよかったのだが、コストが重要となるBTOパソコンなら仕方がないのかもしれない。
背面
背面には12cmのケースファンが見える。拡張スロットは4つだ。その内3つがグラフィックボード専有となる。PCI Express 4.0[x16] ※x4動作が余っている。
本体上部
本体上部には2基のファン(12cm)が搭載されている。初期構成のままなら十分なエアフローを確保できる。
本体下部
本体下部にはメッシュ加工が施されたカバーが取り付けられている。メンテナンス性が高いのは魅力だ。
管理人による総評(LEVEL-M77M-134F-TLX)
LEVEL-M77M-134F-TLXは、Core i5-13400×GeForce RTX 4070搭載のゲーミングPCだ。ハイクラスのグラフィックボードとミドルクラスのCPUの組み合わせを持つ。元々194,800円で販売されていたが、23,000円の値上げが適用となり217,800円となってしまった。かつての価格を知っているだけに現在の価格設定だと評価は下がってしまう。構成はメモリDDR5-4800 16GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成は悪くない。ここからキャンペーン・セールで割引が適用となれば一気におすすめしやすくなる。今は同じパソコン工房のLEVELθブランドのモデルをチェックしておくとよい。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
217,800円(税込) | Core i5-13400F | RTX4070 |
メモリ | SSD | HDD |
DDR5 16GB | 500GB | 非搭載 |