当記事では、パソコン工房が販売する「LEVEL-R779-137F-SL1X」の詳細レビューを行っている。最新のRTX 4060 Ti搭載のゲーミングPCだ。RTX 3060 Ti搭載モデルの後継モデルとしてはまずまずの価格設定だ。
CPUにハイクラスのCore i7-13700Fを搭載しているのもポイントとなる。高いCPU性能はゲームプレイ+αでゲーミングPCを使用したいと考えている方にとってプラスとなる。1.5万円の値上げが適用となりメモリ規格がDDR4からDDR5へ、そしてマザーボードのチップセットがB760からZ790へとリニューアルされている。性能と価格を両立したモデルでから性能寄りのモデルに変貌した。
当ページの目次
LEVEL-R779-137F-SL1Xのスペック解説
ブランド名 | LEVEL∞ |
---|---|
製品名 | LEVEL-R779-137F-SL1X |
価格 | 219,800円(税込) |
CPU | Core i7-13700F(レビュー) |
GPU | GeForce RTX 4060 Ti(レビュー) |
メモリ | DDR5-4800 16GB |
SSD | 500GB NVMe |
HDD | 非搭載 |
電源 | 700W BRONZE |
マザーボード | チップセットZ790 |
おすすめ度 | Bランク |
評価 | ・コスパ 6.8 ・構成 6.5 ・品質/サポート 10.0 ・総合評価 7.7 |
各タイトルの対応表
FF15 | Apex Legends | FORTNITE |
---|---|---|
・4K ・WQHD | ・240fps ・144pfs | ・240fps ・144fps |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
LEVEL-R779-137F-SL1XはCore i7-13700FとRTX 4060 Tiを搭載したミドルハイクラスのゲーミングPCだ。非常にバランスの取れた性能は、ゲーム以外の用途でも安心して使用できる。Apex Legendsやフォートナイトを240Hz環境でプレイしながらの配信、動画撮影などで安定する。高解像度にも対応できるので、幅広い用途に活用しやすい。ゲーマーにもストリーマーにもおすすめできる性能だ。
LEVEL-R779-137F-SL1Xの性能まとめ
ゲーミングPCとは、グラフィックボードやCPUなどのPCパーツの集合体だ。ここでは特に重要なグラフィックボードとCPUについて分解して細かく見ていく。
PC初心者の方がスペックを見て性能をイメージすることは難しいだろう。一体として見るよりも一つずつのパーツを見ていくと理解がしやすいと考えている。
Core i7-13700F(CPU)
Core i9-13900K | |
Core i9-13900 | |
Core i7-13700K | |
Ryzen 9 7900X | |
Core i7-13700 | |
Core i9-12900K | |
Ryzen 9 7900 | |
Core i5-13600K | |
Core i7-12700K | |
Core i7-12700 | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 7 7700 | |
Core i5-12600K | |
Core i5-13400 | |
Ryzen 7 5800X | |
Core i5-12400 | |
Core i7-11700 |
LEVEL-R779-137F-SL1Xに搭載されているCPUは、Intel第13世代のCore i7-13700Fだ。非常に高い処理性能を持っており、ゲーム実況・動画エンコードなど様々な用途への対応力の高さが光る。前世代のCore i9-12900Kと比べて4%程度処理性能が高い。Ryzen 9 7900Xとの性能差は4%程度となる。無印モデルでここまでの性能は素晴らしい。基本的には電力制限を解除した運用が好ましい。そうすればゲームプレイにおいてもボトルネックが発生しづらくなるからだ。RTX 4060 Tiの組み合わせだとややオーバースペック気味でゲーム実況などクリエイター作業を考えている方におすすめだ。
GeForce RTX 4060 Ti(GPU)
RTX 4070 | |
RTX 3080 10GB | |
RX 6800 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 3070 | |
RTX 4060 Ti 16GB | |
RTX 4060 Ti | |
RTX 2080 Ti | |
RX 6700 XT | |
RTX 3060 Ti | |
RTX 3060 | |
RTX 2060 SUPER | |
RTX 2060 | |
GTX 1660 SUPER |
当該モデルではグラフィックスにAda Lovelace世代のGeForce RTX 4060 Tiを搭載している。Ampere世代で人気を博したGeForce RTX 3060 Tiの後継モデルでしっかりと性能の底上げが行われている。処理性能は15%以上向上していて、フルHD環境でのゲームプレイへの適性が高くなっている。おおよそRTX 3070に匹敵する性能を誇る。同じAda Lovelace世代の上位モデルであるRTX 4070との性能差は25%近くとかなり大きい。その分価格差もあるのでターゲットも明確に異なっている。何を重視するのかを基準に考えてよう。なお、現時点でRTX 3060 Ti搭載モデルがアップグレードをするならRTX 4060 TiではなくRTX 4070以上を選択しよう。
EVEL-R779-137F-SL1Xの特徴&強み
リニューアルで値上げも、構成は大きく進化
LEVEL-R779-137F-SL1Xは2万円近い値上げが適用された。RTX 4060 Ti搭載モデルとしてもやや高めの価格設定になっている。中を見ていくと、単なる値上げではなく、構成面が大きく進化していることがわかる。結果として、評価はそれほど下がらず、個性的なモデルに仕上がった。好みは分かれそうではあるが、こういったモデルの登場は歓迎したい。
従来モデルとの違いが二つある。まずCPUがCore i7-13700からCore i7-13700Fへ変更されている。これは、今の主流な変化でデメリットはほとんどなくコストカットできる。次にメモリ規格がDDR4-3200からDDR5-4800にアップグレードされている。処理性能が向上するという点では、価格を抑えたRTX 4060 Ti搭載モデルとは一線を画する構成だ。
二つ目はチップセットがB660からZ790に変更された点だ。この変化は凄まじく、他ショップではまず見かけない変化だ。おそらくパソコン工房は、DDR5-4800のメモリを採用にチップセットをZ790を前提としているのだろう。オーバークロックに対応していないCPUを搭載しているためややオーバースペックとも言えなくもないが、個性的な構成を持つモデルの完成だ。
これらの違いを考慮しても204,800円から219,800円にアップしたのは痛い。方向を一転して、パフォーマンスも重視するハイブリッドになったのは賛否分かれそうだ。多くのショップがCore i7-13700FとRTX 4060 Tiの組み合わせで20万円を切ろうとしている。LEVEL-R779-137F-SL1Xの変更前もその傾向があった。この変更がどう動くかは注目に値する。
価格が上がり評価を落とした。本来ならあまりおすすめできない変化である。それでも、全体的に見ると悪くない。長く使用することを考えれば、Z790を採用しているのもアドバンテージと言えるかもしれない。Core i7-13700Fの性能が不満になった時はCore i9-13900KFに交換することも、Core i7-13700KFをオーバークロックすることもできる。選択肢が増えるのは悪いことではない。
長く使えるゲーム性能と構成が魅力
LEVEL-R779-137F-SL1Xは人気モデルとは違う構成を持っている。価格を抑えたモデルは多くあっても、こういった性能も求めたモデルは少ない。それは下手をすれば、価格が高いだけの中途半端なモデルになってしまいやすい。219,800円という価格ならRTX 4060 Ti搭載モデルとしてはギリギリの価格設定だ。22万円台に突入すれば一気に価値を下げる。
この点で、Core i7-13700FとRTX 4060 Ti搭載モデルの中でトップクラスの性能である。DDR5-4800 16GBを選ぶならDDR4-3200 32GBを選択できるのが悩ましい。当然規格と容量が異なるため適した用途は明確に違う。多くのアプリを起動したり、メモリ消費の激しいゲームではDDR4-3200 32GBが優位だ。対して、DDR5-4800 16GBは負荷がそれなりの一般的なゲームに強い。
現在の人気ゲームの多くはメモリ容量16GBで対応できる。この16GBで対応できるゲームに対しては圧倒的な適性がある。RTX 4060 Ti搭載モデルなら、32GBを必要とする場面は少ない。そのため、この性能帯ではDDR4-3200 32GBよりもDDR5-4800 16GBの方がゲーム適正に優れていると言える。
もう少し踏み込んでCore i7-13700KFくらいのCPU性能があれば理想だ。ただ、219,800円というギリギリの価格で狙うなら、LEVEL-R779-137F-SL1Xのようなモデルだ。他に類似したモデルが少ないので、優秀な選択肢となっている。モデル自体の評価は高くないが、ゲーム性能に目を向けると有用なモデルだ。
競合モデルとの比較
ブランド | LEVEL∞ | GALLERIA |
---|---|---|
イメージ | ||
製品名 | LEVEL-R779-137F-SL1X | GALLERIA RM7C-R46T SSD500GB搭載 |
ケース | ミドル | ミニ |
価格 | 219,800円(税込) | 194,980円(税込) |
送料 | 2,200円(税込) | 3,300円(税込) |
CPU | Core i7-13700F | Core i7-13700F |
GPU | RTX 4060 Ti | RTX 4060 Ti |
メモリ | DDR5-4800 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 500GB | 500GB Gen4 |
電源 | 700W BRONZE | 650W BRONZE |
マザボ | Z790 | B760 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
性能に優れていると言っても、CPUとGPUという性能の大部分を占める箇所は同じだ。強いこだわりがない限りはGALLERIA RM7C-R46Tの方が無難だ。GALLERIA RM7C-R46Tはキャンペーンモデルのようなものなので、いつでも選べるわけではない。それでも、元々近い価格で展開されていたことを考えると、十分妥当な比較対象だ。価格を重視するならGALLERIA RM7C-R46T、構成を重視するならLEVEL-R779-137F-SL1Xと言った具合だろうか。あとは予算に合わせて選ぶくらいでよさそうだ。
パソコンケースレビュー
LEVEL∞ M-Classでは2023年3月15日に登場した新しいミニタワーケースを採用している。最新モデルらしく大型水冷クーラーに対応しているなど拡張性が向上している。
正面
ミドルタワーケースをそのまま小さくしたデザインとなる。正面の真ん中にLEVEL∞のロゴが刻印されている。シンプルなデザインながら高級感もある。マットブラックがかっこいい。
左側面
左側面には何もない。本体上部ケース取り外し用のネジがある。
右側面
右側面も左側面と同様だ。意外とここまで落ち着いたデザインを採用したケースは希少だ。
I/Oパネル
前面には電源ボタン、USB 3.0×2、ヘッドセット端子×1が配置されている。USB Type-Cがあればよかったのだが、コストが重要となるBTOパソコンなら仕方がないのかもしれない。
背面
背面には12cmのケースファンが見える。拡張スロットは4つだ。その内3つがグラフィックボード専有となる。PCI Express 4.0[x16] ※x4動作が余っている。
本体上部
本体上部には2基のファン(12cm)が搭載されている。初期構成のままなら十分なエアフローを確保できる。
本体下部
本体下部にはメッシュ加工が施されたカバーが取り付けられている。メンテナンス性が高いのは魅力だ。
管理人による総評(LEVEL-R779-137F-SL1X)
LEVEL-R779-137F-SL1Xは、Core i7-13700F×RTX 4060 Ti搭載のゲーミングPCだ。ミドルハイクラスの上位モデルといえrそうだ。非常に高いCPU性能とGPU性能で、ゲームはもちろんパソコンでできる多くのことを快適に行える。高解像度・高リフレッシュレートにも対応しやすい。メモリに高クロックなDDR5を、チップセットもハイエンドのZ790へと変わり性能に特化している。RTX 4060 Ti搭載モデルでできる限りこだわったモデルがほしい方におすすめだ。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
219,800円(税込) | Core i7-13700F | RTX4060Ti |
メモリ | SSD | HDD |
DDR5 16GB | 500GB | 非搭載 |