パソコン工房が販売する「LEVEL-M77M-144F-SL4X」のレビューを行った。Core i5-14400F×RGeForce TX 4060 Ti搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCだ。ゲーミング性能は高くフルHDなら高設定でのゲームプレイにも対応できる。ただし、CPUがCore i5-13400からCore i5-14400Fに変わり円安など諸々の影響もあって価格が25,000円も上がってしまった。他社BTOメーカーのモデルを見る限りそこまで価格が上がっているわけではないのでどうしても評価は下がってしまう。パソコン工房のブランドやケースデザインに魅力を感じる方向けではないかと思う。
当ページの目次
LEVEL-M77M-144F-SL4Xのスペック解説
BTOメーカー | パソコン工房 |
---|---|
ブランド名 | LEVEL∞ |
製品名 | LEVEL-M77M-144F-SL4X |
価格 | 184,800円(税込) |
CPU | Core i5-14400F(レビュー) |
GPU | GeForce RTX 4060 Ti(レビュー) |
メモリ | DDR5-4800 16GB |
SSD | 1TB Gen4 NVMe |
電源 | 550W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットB760 |
おすすめ度 | Bランク |
評価 | ・コスパ 7.2 —–内訳—– ・ショップ評価 8.5 |
LEVEL∞ブランドのゲーミングPCだ。価格は184,800円となる。CPUにはCore i5-14400Fを、GPUにはGeForce RTX 4060 Tiを搭載している。メモリはDDR5-4800 16GBだ。ストレージはSSD 1TB Gen4 NVMeを搭載している。電源ユニットは550Wだ。マザーボードのチップセットはB760で、メーカーは不明となっている。おすすめ度はBランクだ。コスパ指標は7.2となる。
人気ゲームの適正度
Apex Legends | フォートナイト | マイクラ | モンハンワイルズ |
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・240Hz ・144Hz | ・240Hz ・144Hz | ・影Mod ・通常 | ・4K(DLSS) ・FHD(DLSS) |
Apex Legendsやフォートナイトといったバトルロワイヤル系のタイトルも快適にプレイ可能だ。240Hz環境はやや厳しいので144Hz環境を基準に考えよう。フォートナイトはDLSSを活用すれば高フレームレートを維持しやすい。最近は負荷が上昇傾向にあるので注意しよう。マイクラは影Modの導入でも対応できる。注目タイトルのモンハンワイルズはDLSSの使用が前提でフルHD環境が最適だ。高解像度でのゲームプレイを考えているならGeForce RTX 4070 SUPER以上のモデルを選択する方がよさそうだ。CPUもRyzen 7 7800X3DやCore i7-14700がベターだ。
LEVEL-M77M-144F-SL4Xの性能まとめ
ゲーミングPCとは、グラフィックボードやCPUなどのPCパーツの集合体だ。ここでは特に重要なグラフィックボードとCPUについて分解して細かく見ていく。PC初心者の方がスペックを見て性能をイメージすることは難しいだろう。一体として見るよりも一つずつのパーツを見ていくと理解がしやすいと考えている。
Core i5-14400F(CPU)
LEVEL-M77M-144F-SL4Xで採用されているのはIntel第14世代のCore i5-14400Fだ。CPU内蔵グラフィックスは非搭載だが、グラフィックボードを搭載しているゲーミングPCなら問題はない。従来モデルのCore i5-13400と同等のゲーム性能となる。競合のRyzen 5 7500Fを上回っている点は評価できる。低価格帯で人気のRyzen 7 5700Xよりも9%弱高い。
前世代から無印モデルでもハイブリッドアーキテクチャ採用となり性能が高くなっている。6つのPコアと4つのEコアを搭載し、10コア16スレッドというスペックを実現している。マルチコア性能も高くゲーム実況・動画編集・画像編集などの用途にも対応しやすい。当然Core i7シリーズと比べると劣るもののゲームプレイだけを考えるなら理にかなった選択だといえる。Core i7-14700搭載モデルと比べて大きくフレームレートが落ち込むことはない。
GeForce RTX 4060 Ti(GPU)
グラフィックスにはAda Lovelace世代のミドルクラスであるGeForce RTX 4060 Tiを搭載している。60番台ながら従来モデルのGeForce RTX 3070に近い処理性能を持つ。フルHD環境でのゲームプレイではRTX 3070を上回る。従来モデルのGeForce RTX 3060 Tiと比べて15%以上処理性能が高くなった。タイトルによってはWQHDでのゲームプレイにも対応可能だ。競合モデルのRadeon RX 6700 XTと比べても8%程度上回っている。DLSS 3.0をサポートしていて将来性の高いモデルだと言えるだろう。最新のタイトルでもある程度のフレームレートを実現できる。
LEVEL-M77M-144F-SL4Xの特徴&強み
LEVELθブランドの登場で存在感が薄れている
Core i5-14400F×GeForce RTX 4060 Tiと今最も熱い組み合わせを持つゲーミングPCだ。パソコン工房が今力を入れているのはLEVELθで、LEVEL∞ブランドの存在感が薄れているように思う。旧世代では159,800円という価格で展開されていたが、その時と比べると25,000円も高くなっている。確かに他社BTOメーカーでも値上げを実施ているショップも多い。その中でもLEVEL-M77M-144F-SL4Xは特に値上げ幅が大きい。
今回の価格高騰の要因として、高コスパがウリのLEVELθブランドの台頭や円安の影響がありそうだ。結果的にLEVELθブランドと性能帯が重なるモデルについてはやや不利な状況となる。例えば、LEVEL-M77M-144F-SL4Xと同等の性能を持つ「LEVEL-M17M-144F-SLX-WHITE2」は179,800円で展開されている。SSD容量は半減となるものの単純に価格が安いのはメリットだ。ケースデザインも白を基調として最新モデルらしい一台となっている。
価格高騰に関しては円安の影響も大きはずだ。海外メーカーが主流のPCパーツにおいて為替が与える影響は大きい。今の円安状態が続けばなかなか価格が下がりづらくなるだろう。年末年始まではこのままの状態なると考えている。繁忙期のセール時期前の調整とも捉えられる。今すぐゲーミングPCが欲しいのであればLEVELθブランドの他のモデルを検討するか、年末年始まで待つのがよいだろう。LEVEL∞のケースに魅力を感じる方あれば選択肢に入れてもよい。
人気の組み合わせでゲーム性能は高い
価格が高いのは事実だが、ゲーム性能は標準以上だ。CPUとGPUのバランスもよく長く使い続けられるゲーミングPCといえる。GeForce RTX 4060 Tiとの組み合わせだとRyzen 7 5700Xも人気があるが、ゲーム性能とマルチコア性能を考慮するならCore i5-14400Fが理想的だろう。パフォーマンスに影響を与えるメモリについてもDDR5-4800 16GBと高クロックなDDR5メモリを搭載している。容量も16GBなら必要十分だろう。
フルHD環境なら最新のタイトルへの適性も高い。高リフレッシュレートでのゲームプレイも実現可能だ。買い替え対象としては、GeForce RTX 3060以下の性能を持つモデルからであれば恩恵を得られる。純粋なグラフィックス処理性能が向上していることに加えて、レイトレーシング・DLSSもパフォーマンスが向上している。モンハンワイルズなどDLSSの使用が想定されているタイトルにおいてより高いパフォーマンスを期待できる。
競合モデルとの比較
ブランド | LEVEL∞ | FRONTIER |
---|---|---|
イメージ | ||
製品名 | LEVEL-M77M-144F-SL4X | FRGKB760/T2/NTK |
ケース | ミニ | ミニ |
価格 | 184,800円 | 164,800円 |
送料 | 2,200円(会員無料) | 3,300円 |
CPU | Core i5-14400F (10コア16スレッド) | Core i5-14400F (10コア16スレッド) |
GPU | RTX 4060 Ti | RTX 4060 Ti |
メモリ | DDR5-4800 16GB | DDR4-3200 32GB |
SSD | 1TB Gen4 NVMe | 1TB Gen4 NVMe |
電源 | 550W BRONZE | 600W BRONZE |
マザボ | B760 | B760 |
納期 | 2-7日後出荷 | 7営業日 |
基本保証 (延長保証) | 1年間 (最長4年間) | 1年 (最長3年間) |
電話サポート | 24時間365日 | 10:00-19:00 (年末年始・指定休日除く) |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
パソコン工房でメモリ32GBへのカスタマイズをするのに掛かる費用は14,000円だ。つまり、カスタマイズ費用を考慮すれば30,700円だ。コストパフォーマンスではFRGKB760/T2/NTKの圧勝だ。納期・保証・電話サポートなどのサービス/サポートを考慮すればLEVEL-M77M-144F-SL4Xも魅力的だろう。好みで選択するとよいだろう。
パソコンケースレビュー
LEVEL∞ M-Classでは2023年3月15日に登場した新しいミニタワーケースを採用している。最新モデルらしく大型水冷クーラーに対応しているなど拡張性が向上している。
正面
ミドルタワーケースをそのまま小さくしたデザインとなる。正面の真ん中にLEVEL∞のロゴが刻印されている。シンプルなデザインながら高級感もある。マットブラックがかっこいい。
左側面
左側面には何もない。本体上部ケース取り外し用のネジがある。
右側面
右側面も左側面と同様だ。意外とここまで落ち着いたデザインを採用したケースは希少だ。
I/Oパネル
前面には電源ボタン、USB 3.0×2、ヘッドセット端子×1が配置されている。USB Type-Cがあればよかったのだが、コストが重要となるBTOパソコンなら仕方がないのかもしれない。
背面
背面には12cmのケースファンが見える。拡張スロットは4つだ。その内3つがグラフィックボード専有となる。PCI Express 4.0[x16] ※x4動作が余っている。
本体上部
本体上部には2基のファン(12cm)が搭載されている。初期構成のままなら十分なエアフローを確保できる。
本体下部
本体下部にはメッシュ加工が施されたカバーが取り付けられている。メンテナンス性が高いのは魅力だ。
管理人による総評(LEVEL-M77M-144F-SL4X)
LEVEL-M77M-144F-SL4Xは、Core i5-14400F×GeForce RTX 4060 Ti搭載のゲーミングPCだ。人気のあったCore i5-13400F×GeForce RTX 3060 Ti搭載の後継モデルとなる。今イチオシの組み合わせといえる。ゲーミング性能は高くApex Legendsやフォートナイトなどのタイトルも快適にプレイ可能だ。ただし、LEVELθ(シータ)ブランドの登場や円安などの影響によって価格が高騰気味だ。コストパフォーマンスは伸び悩む。競合モデルと合わせて確認しておくとよさそうだ。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
184,800円 | i5-14400F | RTX4060Ti |
メモリ | SSD | HDD |
DDR5 16GB | 1TB | 非搭載 |