当記事では、ドスパラ「Magnate BTO」の詳細レビューをまとめている。サードウェーブ(ドスパラ)が販売しているビジネスモデルだ。製品名に「BTO」と付いているのがポイントで、他のサードウェーブのラインナップと比べてカスタマイズの自由度が高くなっている。
もっとも他のモデルもBTOと言えばBTOなのだが、それをより押し出した形だ。残念ながらコストパフォーマンスは低くおすすめ度は低い。新しい試み自体は評価するもののすでにTSUKUMOなどでは似たような特徴を持つモデルがあって大きな強みがあるわけではない。いろいろなモデルを見てから決めてしまうのがよいだろう。
当ページの目次
Magnate BTOのスペック解説
ブランド名 | Magnate |
---|---|
製品名 | Magnate BTO |
価格 | 104,980円(税込) |
CPU | Core i5-12400 |
グラフィックボード | 非搭載(Intel UHDグラフィックス730) |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 500GB |
HDD | 非搭載 |
電源 | 650W BRONZE |
マザーボード | チップセットB660 |
コスパ | ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 0.0 |
おすすめ度 | Eランク |
各タイトルの対応表
Final Fantasy 14 4K | Apex Legends 144Hz | Apex Legends 60Hz | フォートナイト 240Hz | フォートナイト 144Hz |
---|---|---|---|---|
対応不可 | 対応不可 | 対応不可 | 対応不可 | 対応不可 |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
Magnate BTOは、CPUにCore i5-12400を搭載した一般向けPCだ。一般向けPCのカスタマイズ前提モデルなのでグラフィックボードは搭載されておらず、通常構成ではゲームはほぼ全て快適にプレイすることが難しい。基本的にはカスタマイズでグラフィックボードを追加することが前提のモデルだ。2Dゲームや一部のゲームであればプレイ自体は可能だが、ゲームを前提として通常構成のMagnate BTOを選択するのは適していないので注意したい。
Magnate BTOの性能まとめ
PC初心者の方がスペックを見てもなかなか性能面をイメージすることができないかもしれない。ここでは具体的に当該ゲーミングPCに搭載されているパーツについて解説していく。
Core i5-12400(CPU)
Core i7-12700 | |
Ryzen 7 7700X | |
Core i5-12600K | |
Ryzen 5 7600X | |
Ryzen 7 5800X | |
Core i5-12400 | |
Ryzen 5 5600X | |
Core i7-11700 | |
Ryzen 5 5600 | |
Ryzen 5 5500 | |
Core i5-11600K | |
Core i5-11400 | |
Ryzen 5 4500 | |
Core i3-12100 | |
Ryzen 5 3500 |
Magnate BTOで搭載されているのはIntel第12世代の高コスパモデルであるCore i5-12400だ。6コア12スレッドと従来モデルのCore i5-11400と同等ながらCPUコアが改良されてより高いパフォーマンスを発揮する。性能差は40%以上とかなり大きい。競合モデルであるRyzen 5 5600Xと比べても9%程度高い。動画編集・動画エンコード・画像編集などの作業にも対応できる。
ゲーミングCPUとしての評価も高く、Alder Lake世代においてもっとも人気が高いモデルの一つだ。なお、カスタマイズでCore i3-12100へのダウングレードだけではなく、Core i7-12700 or Core i7-12700Tへのアップグレードも可能だ。より高い性能を期待するならカスタマイズも悪くない。
Intel UHD Graphics 730(GPU)
RTX 3050 | |
GTX 1660 Ti | |
GTX 1660 SUPER | |
GTX 1060 6GB | |
GTX 1650 | |
GTX 1050 Ti | |
GTX 1630 | |
GTX 1050 | |
Radeon Graphics(5700G) | |
Radeon Graphics(5600G) | |
Intel UHD 770 | |
Intel UHD 750 | |
Intel UHD 730 | |
Intel UHD 630 |
初期構成ではグラフィックボードは搭載されていない。当然このままではゲーミングPCとして使うことは難しい。カスタマイズでGT 1030・GTX 1650・GTX 1660 SUPER・RTX 3050・RTX 3060・RTX 3060 Tiにアップグレードが可能だ。ゲームプレイを考えるならGT 1030は除外しよう。明らかに性能不足だ。最低限のグラフィックス処理性能が欲しいならGTX 1650でもよい。もう少し余裕を持たせたいならGTX 1660 SUPERやRTX 3050を候補に入れよう。
両者は同等の性能を持っていて、違いはレイトレーシング・DLSSの対応有無だ。RTX 3050の性能だとレイトレーシング性能には期待できないためこの2つならGTX 1660 SUPERがおすすめだ。RTX 3060になるとフルHD環境で最高設定を目指せる。RTX 3060 Tiなら高リフレッシュレートにも対応可能だ。どのような環境でゲームプレイをしたいのかでカスタマイズを検討しよう。
Magnate BTOの特徴&強み
存在意義の分からないモデル
Magnate BTOは、サードウェーブ(ドスパラ)が新しい試みとしてリリースしたビジネスPCだ。その名の通りBTO(カスタマイズ)を前提としたモデルで、他のモデルと比べてカスタマイズの幅が広くなっている。通常構成ではグラフィックボードが非搭載なので当然ゲーム向きではない。ゲーミングPCとして使うにはグラフィックボードの追加が必須だ。
ドスパラのラインナップにおいてCPUとGPUのカスタマイズができるのは珍しい。これにより好みのモデルを構成できるというのがコンセプトのようだ。問題は、カスタマイズしない通常の状態ですでにかなり割高となっている点だ。例えば、通常ラインナップで同等の構成を持つMagnate IMは税込87,980円で17,000円の差がある。
チップセットと電源ユニットの差があるとはいってもこれでは選びづらい。グラフィックボードなどのカスタマイズをしても当然割高だ。GTX 1660 SUPER搭載で139,980円のMagnate MTに対して、Magnate BTOをカスタマイズしてGTX 1660 SUPER搭載モデルにすると146,980円になる。Magnate BTOはどうカスタマイズしても、既存の製品よりも価格が高くなる。
その理由はマザーボードと電源にありそうだ。Magnateシリーズに限らず、多くの製品はマザーボードの変更ができない。グラフィックボードなし~RTX 3060 Tiまで選択できることから、ゲーミングPCとしても対応できるようにチップセットにはB660が採用されている。通常のMagnateシリーズはここがH610で価格が抑えられている。
また、電源もどのGPUを選択しても対応できるように、標準が650W BRONZEとなっている。Magnateシリーズでは450W~550Wが多い。カスタマイズの幅を持たせることで標準構成が最低限に留められない。
このことが、既存の製品との価格差を生み、標準構成としてはやや高めに設定される要因となっている。こうなってくるとMagnate BTOの存在意義が分からない。カスタマイズを前提としている割に、カスタマイズをすればするほど割高な製品に仕上がる。当然おすすめすることはない。
誰にとっても選ぶメリットが薄い
チップセットと電源が強化されたMagnateシリーズと思えば悪くないように見える。ただし、その分だけ価格が上乗せされているので、一般向けPCの強みである価格の安さが活かせていない。カスタマイズを例にすると、Core i5-12400とRTX 3060を搭載したモデルを見ていくと、ビジネスモデルのMagnate MVは159,980円、ゲーミングPCブランドのGALLERIA RM5C-R36が174,980円だ。
Magnate BTOのGPUにRTX 3060を選択すると174,980円となる。ゲーミングPCブランドのGALLERIA RM5C-R36と同じ価格になるなら、あえてケース性能で落ちるMagnate BTOを選ぶメリットはない。せめて強化版Magnateシリーズの位置づけであれば選択する理由にはなったように思う。
現時点ではどうカスタマイズしても、ドスパラ製品のどのモデルと比べても微妙なポジションだ。B660と650W BRONZEの電源を搭載したことを強みにできればよかった。それこそ、MagnateシリーズとGALLERIA RM5Cシリーズの中間ややMagnateシリーズ寄りの価格だったなら優秀な選択肢となった可能性はある。
Magnateシリーズをはじめ、一般向けPCのよさは価格の安さだ。Magnate BTOはカスタマイズしていない状態が既に微妙なモデルだ。グラフィックボード非搭載モデルは10万円を下回る価格帯で多く展開されていた。今はあまりみかけないが、10万円を超えてしまうと、その価格だけでエントリークラスのゲーム性能を持つパソコンが選択できる。
作業用としても、ゲーム用としても扱いに困るモデルと言える。BTOを推すなら、初心者にもカスタマイズがやりやすく、どうカスタマイズしてもお得である価格設定をしてほしかった。Magnate BTOは誰にとっても選択するメリットの薄いモデルである。
似ているモデルとの比較
ブランド名 | Magnate | Lightning |
---|---|---|
イメージ | ||
製品名 | Magnate BTO | Lightning AH5 Ryzen5 4500搭載モデル |
価格 | 104,980円(税込) | 99,980円(税込) |
CPU | Core i5-12400 | Ryzen 5 4500 |
GPU | 非搭載 | GTX 1650 |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 500GB | NVMe 500GB |
HDD | 非搭載 | 非搭載 |
電源 | 650W BRONZE | 450W BRONZE |
チップセット | B660 | A520 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
比較対象は同じドスパラのミニタワーLightning AH5だ。CPU性能は落ちるが、GPU性能はゲームをプレイできる最低限はある。ゲームをプレイするためにカスタマイズが必要なモデルと必要のないモデルがほぼ同じ価格帯に存在している。
電源もチップセットも落ちるLightning AH5はエントリークラスだ。Magnate BTOはCPU性能こそ優れているが、GPUは非搭載である。既にグラフィックボードを所持しているなら話は変わってくるかもしれないが、それにしては価格が少し高い。グラフィックボード非搭載モデル自体初心者向けでもないため、比較に出しづらいというのが本音だ。
当然ユーザーによってはそういったモデルが必要なこともあるかもしれない。その場合は素直に別のモデルを探した方がいい。価格的にも構成的にも魅力があるとは言えない。他に選択肢がなかったとしても、おすすめしにくいモデルである。
Magnate BTOのパソコンケースレビュー
本体正面
Magnate MHではミニタワーケースを採用している。スイッチと比べてもそれほど大きくないことがわかる。
本体上部
本体上部はシンプルだ。メッシュ加工なども一切ない。
本体右側
本体右側もシンプルで特に何も記載することはない。
本体左側
左側にはやや大きめの給気口がある。ファンの力を借りて多くの空気を取り入れられる。
本体背面
背面には電源ボタンや各種出力・入力端子が配置されている。電源部分にはメッシュ加工が施されていて熱を放出できる仕組みがある。
本体底面
見えづらいが底面の前方部には吸気口が設けられている。
光学ドライブ
光学ドライブが標準搭載だ。写真はBlu-rayディスク対応となっているが、初期構成ではDVDスーパーマルチドライブが搭載されている。
I/Oパネル
本体前面にI/Oパネルが配置されている。USB端子×2とヘッドフォン端子があり使い勝手は良好だ。
エアフロー
ミニタワーモデルだ。ビジネス向けモデルということもあって落ち着いたデザインとなっている。一般的なエアフローでゲームプレイにも問題はない。もっとも性能的にも熱を持ちにくく対応しやすい。
管理人による総評(Magnate BTO)
Magnate BTOは、サードウェーブ(ドスパラ)が販売しているビジネスモデルだ。カスタマイズが前提となっていてこのままではゲームプレイに対応できない。大手BTOメーカーではそれほど対応できないことが多いCPUやGPUのカスタマイズができるのは興味深いが、とにかく割高でコストパフォーマンスは低い。基本的には他のモデルを確認しておくとよい。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
104,980円(税込) | Core i5-12400 | 非搭載 |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 16GB | 500GB | 非搭載 |
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Magnate BTOを販売しているドスパラの評判をまとめている。BTOショップとして圧倒的な知名度を誇りゲーミングPCブランドのガレリアは評価が高い。ラインナップ数も豊富なので、購入検討中の方は是非参考にして欲しい。
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