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マウスコンピューターが販売する「NEXTGEAR JG-A7G70 9800X3D」のレビューをまとめた。公式サイトでは「NEXTGEAR JG-A7G70」となっているが、CPUが異なる派生モデルが多いため便宜上9800X3Dを付け足している。当該モデルはRyzen 7 9800X3D×GeForce RTX 5070搭載のハイクラスの一台だ。WQHD環境でのゲームプレイに対応できる高い性能が魅力だ。CPUも現行最強のゲーミングCPUのおかげで高いフレームレートを維持しやすい。

コストパフォーマンスは6.7と標準よりも高くなっている。GeForce RTX 5070搭載モデルで30万円が目前となる価格は評価を下げる要因になる。しかし、Ryzen 7 9800X3Dとの組み合わせなら相場よりも抑えられているという評価に変わる。おすすめ度もAランクと悪くない。Ryzen 7 9800X3Dに価値を見いだせる方なら購入しても後悔はしないだろう。

長所
  • 最上位のゲーム性能を持つCPU搭載
  • フルHDなら240fpsの安定が目指せる
  • 構成は平均よりも優れている
短所
  • 価格が高め
  • チップセットはA620
こんな方におすすめ
  • ゲームによっては高解像度や最高設定に対応しにくい
  • 最強のCPUを体験したい方
  • 最新のモデルに魅力を感じる方

NEXTGEAR JG-A7G70 9800X3Dのスペック解説

nextgear

メーカー マウスコンピューター
ブランド名 NEXTGEAR
製品名 NEXTGEAR JG-A7G70 9800X3D
価格 299,800円(税込)
CPU Ryzen 7 9800X3D(レビュー)
CPUクーラー 水冷式(240mm)
グラボ GeForce RTX 5070(レビュー)
メモリ DDR5-5600 16GB
SSD 1TB Gen4 NVMe
電源 750W 80PLUS BRONZE
マザーボード チップセットA620
おすすめ度 Aランク
評価 ・コスパ
6.7

・ショップ評価
9.0

>>NEXTGEAR JG-A7G70 9700Xを購入<<

NEXTGEAR JG-A7G70 9800X3Dのカスタマイズを評価

パーツ おすすめ度 詳細
OS 変更なし
オフィスソフト 変更なし
CPUグリス ナノダイヤモンドグリス JP-DX1 +1,980円
メモリ 32GB メモリ [ 16GB×2 ( DDR5-5200 ) / デュアルチャネル ] 14,300円
SSD (M.2) 変更なし
外付けストレージ 変更なし
光学ドライブ(外付け) 変更なし
電源 750W 電源 ( 80PLUS(R) Gold ) +5,500円
UPS 変更なし
無線LAN Wi-Fi 6E ( 最大2.4Gbps ) 対応 IEEE 802.11 ax/ac/a/b/g/n準拠
+ Bluetooth 5内蔵 +6,380円
外付け拡張デバイス 変更なし
拡張カード2 変更なし
ケース 【NEXTGEAR】ブラックミニタワーケース 強化ガラスサイドパネル
青色LEDケースファン ( 前面×3 / 上面×2 / 背面×1 搭載 ) +5,500円
ウイルス対策・セキュリティソフト 変更なし
ソフトウェア1(プリインストール) 変更なし
ソフトウェア2(バンドル) 変更なし
パソコン引越しソフト 変更なし
パソコン下取りサービス 変更なし
データ復旧サービス 変更なし
各種出張サービス 変更なし
サポートサービス選択 変更なし
電話サポート 変更なし
破損盗難保証サービス 変更なし
HUB 変更なし
USB周辺機器 変更なし
LANケーブル 変更なし
サプライ 変更なし

黄色のマーカーはBTOパソコン全般で人気のカスタマイズ項目を、おすすめ度はNEXTGEAR JG-A7G70でのおすすめ度を5段階で表している。NEXTGEAR JG-A7G70のおすすめカスタマイズはメモリだ。Ryzen 7 9800X3DとGeForce RTX 5070の組み合わせなら32GBが必要な環境の対応力も十分だ。

マルチコア性能的にゲーム以外の用途では活かしづらいのでゲームプレイがメインの場合なら候補に入れてもよい。一方で、最新のタイトルにおいては超高画質設定は苦手だ。システムメモリの問題というよりはGPUメモリの問題なので根本解決にはならない。問題は32GBが必要となる環境にも苦手なものがあるところだ。メモリのカスタマイズはおすすめだが、必須というわけではない。

メモリ以外の部分は好みだ。例えば電源は標準の750W 80PLUS BRONZEで十分だ。余裕を持たせる方が安定することもあるので850Wに容量アップしてもいい。電源は後から交換するのが面倒なパーツだ。後々交換するくらいならカスタマイズで交換しておこう。

マウスコンピューターの製品は保証期間が標準で3年と長い。保証を受けられるのは購入時の構成限定だ。増設や交換してしまうと保証を受けられなくなる。メモリくらいなら取り外すだけでいいが、電源など元に戻すのに手間がかかる部分はカスタマイズの方が楽だ。保証を視野に入れたカスタマイズを検討したい。

NEXTGEAR JG-A7G70 9800X3Dの特徴

GeForce RTX 5070搭載最強の性能を持つモデル

Ryzen 7 9800X3DとGeForce RTX 5070を搭載したゲーミングPCだ。ハイクラスの性能で60番台とは一線を画する性能を有している。さらに、CPUのRyzen 7 9800X3Dは現行モデルの中でも最もゲーム性能の高い最強CPUの一つだ。GeForce RTX 5070の性能を最大限引き出すことが可能で、同じGeForce RTX 5070搭載モデルでもフレームレートを出しやすい。

ややオーバースペック気味といえそうだ。NEXTGEAR JG-A7G70はフルHD解像度~WQHD解像度で輝くモデルだ。高リフレッシュレートと合わせて、対人要素の強いゲームへの適正に優れている。FPSやTPSでは重宝する性能と言える。Ryzen 7 9800X3Dと組み合わせたGeForce RTX 5070ならハイクラスとは思えないフレームレートを維持できる。

NEXTGEAR JG-A7G70の特徴はこの性能だ。多少価格が高くても、それに見合った性能がある。また、これだけゲーム性能が高いと長く現役で使用できるのもポイントだ。ただし、GeForce RTX 5070はVRAM容量が12GBとそこまで多いわけではなく最新タイトルにおいては高解像度や超高画質のゲーム環境には不向きな側面がある。

身近なところではモンハンワイルズはVRAM消費量が多く、WQHDの最高設定やDLCの「高解像度テクスチャパック」に対応できない。今後登場してくるゲームへの対応力には疑問が残る。今はVRAM容量が重要度が増している。もっとも高画質にこだわらないのであれば快適にゲームプレイが可能だ。

仮に数年後に性能に物足りなさを感じても、CPUはそのままにグラフィックボードだけ交換するだけで対応できる。CPUに革命でも起きない限り、それも夢物語ではない。Ryzen 7 9800X3Dを搭載していることの強みだ。長く安心して高いパフォーマンスを発揮できる環境を用意する。NEXTGEAR JG-A7G70の魅力はCPUにこそあると言っても過言ではない。

一方で、ゲーム以外の用途ではゲームほどのパフォーマンスは発揮できない。マルチコア性能は少し優秀程度で、幅広い用途を想定している方にはあまり適していないCPUである。Ryzen 7 9800X3Dを搭載したNEXTGEAR JG-A7G70は、コアなゲーマーにこそ選ばれるモデルである。

構成のバランスもよく扱いやすい

NEXTGEAR JG-A7G70 Ryzen 7 9800X3Dは標準構成がよくカスタマイズの必要がないというのも素晴らしい。例えば、1TBのSSDを搭載しているところだ。SSDは何をするにも必要となるため、容量の大きさは利便性の高さにつながる。最新ゲームでなくても100GB・200GBが要求される時代だ。500GBはあっという間に埋まってしまうだろう。

1TBの容量があれば、都度ゲームやアプリをアンインストールして容量を確保しなくてよくなる。NEXTGEARシリーズのように、コストパフォーマンスを意識したモデルでは、コストカットでストレージ容量を最低限の500GBにしてもおかしくない。他メーカーのコストパフォーマンス重視のシリーズでは、500GBの容量が当たり前となっている。

電源は構成に合わせた750W 80PLUS BRONZEが採用されている。Ryzen 7 9800X3DとGeForce RTX 5070の組み合わせなら、750W 80PLUS BRONZEで十分だ。余裕を持たせつつも、無駄を省く構成は実用性を重視している。850W 80PLUS GOLDや750W 80PLUS GOLDではなく、あえてBRONZE規格を採用することでコストカットを行っていると考えてよさそうだ。

ストレージと電源で構成と価格のバランスを取っている。欲を言えばメモリ容量32GBは欲しかった。もちろん、そうなると価格はもっと高くなるので、全体のバランスを考慮すればベストに近い構成だ。チップセットも廉価グレードのA620だ。Ryzen 7 9800X3Dでオーバークロック運用ができない点は注意しよう。拡張性もやや劣ってしまう。基本的にはそこまで気にしなくてもよいように思う。

実は、マウスコンピューターのゲーミングPCでは最低限の構成なのだ。平均以上の構成を最低限にしているところにマウスコンピューターのこだわりが見える。カスタマイズの必要性を下げることで、実質的なコストカットにつながっている。扱いやすい構成で初心者の方にもおすすめだ。価格を抑えるために利便性や実用性を削ることをしないのは素晴らしい。

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同じマウスコンピューターの同性能帯モデルと比較

NEXTGEAR NEXTGEAR
イメージ nextgear nextgear
製品名 NEXTGEAR JG-A7G70
7 9800X3D
NEXTGEAR JG-A7G70
7 7800X3D
ケース ミニ ミニ
価格 299,800円 249,800円
送料 無料 無料
CPU Ryzen 7 9800X3D Ryzen 7 7800X3D
CPUクーラー 水冷(240mm) 水冷(240mm)
GPU RTX 5070 RTX 5070
メモリ DDR5-5600 16GB DDR5-5200 16GB
SSD 1TB Gen4 NVMe 1TB Gen4 NVMe
電源 750W BRONZE 750W BRONZE
マザーボード A620 A620
納期 約6営業日 約6営業日
基本保証
(延長保証)
3年間
(延長なし)
3年間
(延長なし)
電話サポート 24時間365日 24時間365日
公式 公式 公式
レビュー 当ページ レビュー

NEXTGEAR JG-A7G70 7800X3Dと比較していこう。価格差は50,000円でNEXTGEAR JG-A7G70 7800X3Dの方が安価だ。NEXTGEAR JG-A7G70 7 9800X3Dとの違いはCPUとメモリ規格くらいだ。同じNEXTGEARシリーズということで、よく似たモデルである。両モデルの違いはCPUにある。現行のRyzen 7 9800X3Dの方がゲーム性能が高いが、Ryzen 7 7800X3Dも負けてはいない。マルチコア性能については3D V-Cacheの配置を変えて発熱の問題をクリアしたRyzen 7 9800X3Dが優勢だ。

ゲーム性能に極振りしつつ一定のマルチコア性能を確保したRyzen 7 9800X3Dとコストパフォーマンスに優れるRyzen 7 7800X3Dの一騎打ちといったところか。同じGeForce RTX 5070を搭載したモデルであるため、ゲーム性能に圧倒的な差が生じない。そうなるとコストパフォーマンスに優れるNEXTGEAR JG-A7G70 7800X3Dの方がおすすめしやすい。NEXTGEAR JG-A7G70 9800X3Dはゲーム性能に優れるが、50,000円の価格差を覆せるほどではない。価格差が20,000円程度にまで縮まるまではNEXTGEAR JG-A7G70 7800X3Dを選ぶ方がよさそうだ。

他社BTOメーカーのゲーミングPCと比較

NEXTGEAR GALLERIA
イメージ nextgear GALLERIA XA7C-R36
製品名 NEXTGEAR JG-A7G70
9800X3D
GALLERIA XA7R-R57
9800X3D搭載
ケース ミニ ミドル
価格 299,800円 339,980円
送料 無料 3,300円
CPU Ryzen 7 9800X3D Ryzen 7 9800X3D
CPUクーラー 水冷(240mm) 水冷(240mm)
GPU RTX 5070 RTX 5070
メモリ DDR5-5600 16GB DDR5-4800 16GB
SSD 1TB Gen4 NVMe 1TB Gen4 NVMe
電源 750W BRONZE 750W GOLD
マザーボード A620 B650
納期 約6営業日 最短翌日出荷
基本保証
(延長保証)
3年間
(延長なし)
1年間
(最長5年間)
電話サポート 24時間365日 24時間365日
公式 公式 公式
レビュー 当ページ レビュー

ドスパラのGALLERIA XA7R-R57と比較していく。価格差は40,180円でNEXTGEAR JG-A7G70 9800X3Dの方が安い。送料の差を考慮するとその差は43,480円まで広がる。GALLERIA XA7R-R57はメモリ容量がバイの32GBになり、電源規格に優れる。さらに、チップセットのグレードも高くなるので相場的には同等といったところか。

NEXTGEAR JG-A7G70 9800X3Dのメモリ容量と電源規格をカスタマイズすると319,600円だ。変更不可のチップセット分を加味するとそこまで大きな価格差はないように感じる。一見すると339,980円は高価に見えるかもしれない。実際には構成を考慮すればコストパフォーマンスを意識したNEXTGEAR JG-A7G70 9800X3Dに劣らないモデルだ。

それでも絶対価格の安いNEXTGEAR JG-A7G70 9800X3Dの方がおすすめだ。構成は基本的にダウングレードできないため、カスタマイズで容量や規格を選択できるNEXTGEAR JG-A7G70 9800X3Dは、構成に自由度があると言える。GALLERIA XA7R-R57に構成を近づけることも、価格を抑えたモデルとして選択できる。この選べるというのがポイントだ。

優れた標準構成は利点だが、充実しすぎると不要に感じていてもどうしようもない。総合的に見てNEXTGEAR JG-A7G70 9800X3Dの方がおすすめだ。また、基本保証が3年間と長いのも価値がある。GALLERIA XA7R-R57で3年保証に加入すると+33,998円かかる。トータルで見ればやはりNEXTGEAR JG-A7G70 9800X3Dに分がある。

パソコンケースレビュー

カスタマイズで赤色LEDケースファンを選択している。

梱包

NEXTGEAR-konpou
非常にシンプルだ。説明書と電源ケーブルがついている。

NEXTGEAR-konpou2
かなりきれいに梱包されている。

正面

NEXTGEAR-syoumen
NEXTGEARを表したピンクのNGというデザインロゴが黒いケースに映える。2世代前のNEXTGEAR-Microを彷彿とさせる強力なフロントファンが、エアフローの強さを感じさせる。確認しづらいが、フロントファンは3連ファンとなっており、吸気性能は非常に高いことがわかる。右下には小さくNEXTGEARのロゴも見える。シンプルでありながら、ゲーミングPCとしての存在感のある重厚でスタイリッシュなデザインに仕上がっている。

ライトアップ

NEXTGEAR-lightup
カスタマイズで変更可能な赤色LEDファンをライトアップ。カスタマイズなしはLEDファン非搭載なので注意。ゲーミングPCらしい派手なライトアップはガラスサイドパネル採用ケースには映える。従来のケースと異なり、サイドパネルを変更した上でLEDファンへ変更ではない。標準でガラスサイドパネル採用のケースである。単にLEDファンに変更するだけなので、コストも抑えられており、デザインを意識した選択がしやすくなっている。

I/Oパネル

NEXTGEAR-iopanel
I/Oパネルは最近のゲーミングPCに多い天板に搭載されている。USB 3.0が2つにイヤホン・マイクの入出力端子が1つのオーソドックスなものだ。一般的にUSBの接続端子が黒色はUSB 2.0を指すが、NEXTGEARのケースでは黒色でも3.0となっている。背面の黒色は2.0、青色は3.0となっているので少しややこしく感じる。天板部に黒色のUSB 3.0を採用したのはデザインを重視してのことだろう。

イヤホンマイクの入力端子にしても、I/Oパネルがケース全体の雰囲気を損なわない工夫だ。電源スイッチが黒く四角いタイプであることもケースデザインやカラーの基調に合わせたものだ。小さなところかもしれないが、こういった工夫がゲーミングPCのデザインと言える。

また、天板部には取り外し可能な防塵フィルターが装着されている。天板にも2基のファンがあり、吸気の強さを感じさせる。その分だけ埃の吸入も多くなるので、防塵フィルターの存在はありがたいものだ。パソコン内部に埃がたまりにくくなれば、それだけ長く使い続けることができる。本当によく考えられたケースであり、NEXTGEAR-Microの正当な後継機と言えそうだ。

右側

NEXTGEAR-right
NEXTGEARのケースの右側はエアホールのないカバーのみとなっている。左側がガラスサイドパネルであることを考えると、空気の出入りは左右から行われない構造である。吸気が強いことで、空気が横に流れずに正しいエアフローを構築するような形だ。フロント3基、天板2基のファンのよさを損なわないカバーである。

右側内部

NEXTGEAR-rightinside
右側パネルの中は背面通しが可能なケーブルマネジメント機構となっている。ボトムカバーと合わせて、ケーブルを見せずにすっきりさせる形状となっている。また、2つの2.5インチシャドウベイも右側パネルの中にある。SATA SSDを搭載する際は、ここに固定することで表からはSATAケーブルのみ見える形になる。すっきりするだけでなく、接続しにくい電源ケーブルに近いことでセットアップが容易になる。

搭載されているファンが多いことで、少しケーブルがごちゃごちゃして見えるかもしれない。しかし、表からは見えないようにすっきりさせるというポイントはしっかり抑えられている。意外とこういった形状は管理がしやすく、ケーブルの破損も少ないので合理的なものだ。

左側内部

NEXTGEAR-leftinside
ガラスサイドパネルを外しての撮影だ。これだけすっきりしていると、ガラスサイドパネルを外さなくてもパソコン内部を確認できる。できるだけケーブルを見せないことで、各パーツの視認性が上がり、取り外しも非常に容易になる。3.5インチベイを採用しないことで、フロント部の余分なスペースを上手く利用できている。ファンを搭載し、3.5インチベイや2.5インチベイにエアフローを阻害されることがない。

ボトムカバーを採用しており、電源周辺のケーブルもうまく見えなくしている。また、デザインの重さを下部に集中させ、3.5インチベイや2.5インチベイを廃止したことで、上部まで広くすっきりして見える。スペースを広く確保しつつ、ボトムカバーで底上げをすることで、ケーブルに光が吸収されにくく、しっかりとLEDが反射しやすくなる。単にLEDファンを設定できるだけではない。LEDファンを搭載することを前提としているからこそできたケース内部だ。最近のデザイン偏重のケースにも負けないスタイリッシュな内部だ。水冷クーラーのラジエーターも設置できることから、実用性の高さもうかがい知れる。

背面

NEXTGEAR-haimen
背面ははっきり言ってデザインを台無しにしやすい。ケース全体が黒なのに背面は銀色というのはよくある。ケースのしっかり合わせたカラーと形状をしており、評価を高めている。剛堅さを感じさせるフォルムに、使い勝手のよさを思わせる構造がある。

気になったのは背面ファンの取り付け位置だ。可変式の固定具があり、位置やサイズをあまり気にせず取り付けられそうだ。天板にファンを搭載しているケースにはよくあることだが、14cmファンなどの大きなタイプは干渉して取り付けられないことがある。それを考えてか、取り付け位置を上下に調整できるようになっている。これは天板のファンを交換することがあると恩恵を受けられる。大型、特殊なファンや機構を天板に取り付けると、設置できる背面ファンが限定されてしまいがちだ。それを防ぎ、幅を広げられている。デザインや機能を活かす機構が備わっているのは素晴らしい。

もう一つの注目点はPCIEカバーの留め具というのだろうか。スロットカバーを固定する箇所だ。内部にネジで固定するのではなく、外部の留め具に固定することで取り外しがしやすくなる。その留め具部分がしっかりケースと一体化しているのに驚く。実用的にもデザイン的にも軽視されやすい箇所を、しっかりとデザインの一部にしている。こほど完成度の高い背面は見たことがない。間違いなくNEXTGEARのケースは歴代のマウスコンピューター製品で最高峰の傑作である。

NEXTGEAR-soko
底面はマウスコンピューターの得意分野であると言える。おなじみのマグネット付きの防塵フィルターで、埃の吸引を抑えている。底面に関して少しても衝撃はあった。それは、底面の吸気箇所が完全に電源に集約されていることだ。G-Tuneのミニタワーは底面全体にエアホールがあり、全体を覆う防塵フィルターを採用していた。それをNEXTGEARでは実用性に完全に割り振っている。フロント3基、天板2基の吸気ファンは底面にも影響を与えていたのだ。

電源部分にのみ吸気口を用意しており、防塵フィルターもその部分だけにしている。これは完全に電源のためのスペースとして準備されている。電源の冷却と防塵のみを考えており、電源のパフォーマンスを安定させる構造だと言える。それはケース底面四隅の足を見てもわかる。一般的なパソコンやゲーミングPCはあまり高くないゴム足が採用されている。

そのため、底面はメンテナンスがしにくく、埃もたまりやすい環境になる。当然埃の吸入も多くなり、電源へのダメージは大きい。これだけの高さのあるNEXTGEARなら、電源は安定した吸気が可能となる。さらに、防塵フィルターの存在で電源へのダメージは軽微になるはずだ。ただ、防塵フィルターは定期的に水洗いして乾かすなどのメンテナンスが必要になる。

管理人による総評

nextgear

Ryzen 7 9800X3D×GeForce RTX 5070搭載のハイクラスのゲーミングPCだ。GPU性能を考えるとRyzen 7 9800X3Dはややもったいないかもしれない。将来性を加味した上で選択するのがよさそうだ。場合によってはRyzen 7 7800X3D搭載モデルkも検討しよう。構成はメモリ16GB・SSD 1TBと必要十分だ。電源も余裕がある。チップセットが廉価なA620なのはマイナスだ。オーバークロックには非対応となる。拡張性の観点からも上位グレードに劣ってしまう。もっとも通常運用なら何もデメリットはない。

価格 CPU グラボ
299,800円 7 9800X3D RTX5070
メモリ SSD チップセット
DDR5 16GB 1TB A620