スローン・アンド・リバティの推奨スペックを検証していく。2024年10月に登場した比較的新しいタイトルだ。基本無料のタイトルながらそれなりのスペックが要求される。おすすめモデルは「スローン・アンド・リバティ向けおすすめのゲーミングPC」で紹介している。
スローン・アンド・リバティの必要&推奨環境【公式】
徹底解剖推奨環境 | 必要動作環境 | 推奨動作環境 | |
---|---|---|---|
OS | Windows 11 | Windows 10(64-bit) | |
CPU | Core i5-14400F | Core i5-6500 | Core i5-11600K |
GPU | GeForce RTX 4060 | GeForce GTX 960 | GeForce GTX 1660 |
メモリ | 16GB | 8GB | 16GB |
スローン・アンド・リバティ(スロリバ)は、2024年10月2日に登場した基本無料のMMORPGだ。比較的新しいゲームであり、基本無料系のゲームとしては要求スペックは高めだ。リアル系のグラフィックを採用していることが負荷の高さにつながっている。最低設定と最高設定ではかかる負荷が劇的に変わる。性能が多少足りなくても負荷を下げれば対応しやすいのはありがたいが、その差が激しすぎてパソコン選びは難しい。
現行のハイエンドクラスであっても、最高設定では120fps程度を維持するくらいになる。一方で、最低設定ならミドルクラスで144fpsの維持は可能だ。公式推奨環境はCPU性能がやや高めであるように、CPU負荷の高いゲームだ。これは、MMORPGのようなフィールド上に無数のMobが存在するゲームでは順当なものである。スロリバをプレイするためのモデルを探すのであれば、グラフィックボードだけではなくCPUの性能にも配慮したモデルを選びたい。
それは踏まえて、当サイトの推奨環境はCore i5-14400FとGeForce RTX 4060の組み合わせとしている。CPUにCore i5-14400Fを搭載しているのがポイントだ。最近はRyzen 5 4500を採用した低価格なモデルがミドルクラスの定番になりつつある。主流からは外れているがCPU性能も重視したCore i5-14400F搭載モデルならスロリバの環境にも対応しやすいはずだ。
また、スロリバは対人コンテンツに力を入れている。ノンターゲティング方式ではないものの、部分的にはノンターゲティング方式とも言えるシステムだ。対人要素の強いMMORPGでは、高リフレッシュレートのゲームプレイが活きる。MMORPGというジャンルでも高リフレッシュレートのゲームプレイは珍しくなくなってきた。144fpsでのゲームプレイも視野に入れておく方がいいかもしれない。
比較的負荷の高い部類のゲームであることから、性能は余裕を持たせておきたい。当サイト基準の推奨環境はフルHDの標準設定で60fps以上の安定を想定している。最高設定やもっと高いフレームレートを目指すなら、GeForce RTX 5070やGeForce RTX 4060 Tiのような高性能なモデルも選択肢に入りそうだ。
スローン・アンド・リバティの概要
伝説のゲームを受け継ぐ期待のMMORPG
スローン・アンド・リバティはNCSOFTが開発し、Amazonが展開する最新MMORPGだ。NCSOFTと聞いてピンとくる古参ゲームファンもいるだろう。NCSOFTはオンラインゲームを爆発的に広めたリネージュを開発した企業だ。そして、1998年登場のリネージュの正統な続編としてスローン・アンド・リバティは開発されていた。
開発が進む中でリネージュシリーズから外れ、今のスローン・アンド・リバティとなった。リネージュの続編として開発されていた頃は「リネージュ エターナル」というタイトルだった。結果的にリネージュシリーズではなくなったものの、続編として開発されたゲームであることからリネージュの血を少なからず引き継いでいる。
ただ、開発途中でリネージュシリーズから外れたように、今風なゲームシステムと親しみやすい世界観は魅力的だ。リネージュ特有のダークな雰囲気は和らぎ、PCゲームに慣れていない方でも馴染めるようになっている。よいところを受け継ぎ、新しい部分を開拓したのがスロリバと言える。
戦闘システムと職業が特徴
スロリバには特徴的なシステムが採用されている。そのひとつが戦闘で、ストリバはどちらかというと昔ながらのターゲティング方式が採用されている。ターゲティング方式の戦闘はもっさりした作業になりがちだが、スロリバはターゲティング方式とノンターゲティング方式が合わさったシステムとなっている。
これはFF14に近い戦闘システムなので、リアル系のFF14と言えばゲームシステム的にもわかりやすいかもしれない。回避とガードで攻撃に対応し、スキル回しと立ち回りで優位を築く。シンプルな棒立ち殴り合いのターゲティング方式と違い、戦闘にほどよい緊張感を生んでいる。また、ターゲティング方式の戦闘は、対人戦でも遊びやすいのが魅力だ。
対人コンテンツはプレイヤースキルが大きな影響を与えことが多く、慣れていないプレイヤーは参加しにくい。ターゲティング方式では、プレイヤースキルが大部分を占めるようなことはない。一定の参加条件さえ満たせば気軽に参加できる。ノンターゲティング方式の対人のように、エンドコンテンツでありながら参加者を制限するものではない。だからと言って、ステータスだけで勝負できるわけでもないバランス設計だ。
プレイした感じでは自分の役割や連携が重要な印象を受ける。やり込んでいけばまた違った印象となるかもしれないが、一人のミスで戦場に致命的な影響を与えることは少ない。半ノンターゲティング方式と言うべき戦闘システムは、退屈にならないギリギリを攻めている。初心者プレイヤーも熟練プレイヤーも楽しめつつ、遊びやすいバランスが追求されているようだ。そして、スロリバ最大の特徴は職業だ。スロリバでは固定の職業というものがなく、装備している2種類の武器の組み合わせで職業が決まる。
例えばヒーラー用の杖と遠距離攻撃の弓を持つとシーカーというヒーラー職になる。基本的に回復やバフ・デバフでパーティを支える職業だ。しかし、ソロでの戦闘になると杖では攻撃力が乏しいため、弓に切り替えて戦闘を行う。というような使い方もできる。ヒーラーといっても装備の組み合わせで、やや火力寄りの行動も取れるようになる。職業の自由度が高いこともスロリバの魅力だ。
対応や作り込みが悪く不親切な進行
期待されて登場したスロリバは、一躍人気ゲームの仲間入りを果たした。リネージュのネームバリューと遊びやすいゲームシステムから、MMORPGで最も注目されるゲームにまでなった。しかし、喜んでばかりもいられない状況もある。それは不具合やそれらに対する対応の悪さだ。
意外とバグに遭遇することが多く、いつまで経っても改善されない。課金系の告知は頻繁にされるが、バグに対する告知はあまり広く行われていない印象を受ける。加えて、不正行為を行うユーザーも排除されている様子は見られない。純粋にゲームをプレイしようとすると、軋轢を生みかねない状況を静観しているように思える。運営の対応については不満の声が多く挙がっている。
スロリバはオープンワールドのMMORPGらしく、街にしてもフィールドにしても行けないところはほとんどない。街の家の屋根の上や大きな岩の上にも登ることができる。しかし、そういう行動を取れるゲームにしては、スタックする箇所が多い。スタックとは、壁やオブジェクトの隙間に挟まり身動きが取れなくなることだ。
どこにでも行けるゲームであることから、多少そういった場所があるのはわかる。たとえば、前述した街の家の屋根の上など、普段通らないような場所にスタックするなら理解できる。スロリバは何の変哲もない場所で突然挟まることがある。街中を探索していた15分の間で2回スタックした。一応スタックから抜け出す「脱出」というコマンドは用意されている。ただ、クールタイムが15分と設定されているため、短時間に2回挟まると時間が過ぎるのを待つしかなくなる。
こういったフィールド・街の作り込みの甘さは、スムーズなゲーム進行を足止めしてしまう。さらに言えばクエストが複雑で何をどう進行すればよいのかわからなくなることもある。街とフィールドでは表示されるクエストが異なるのも困りものだ。フィールドでは見えていたクエストの場所が街に入ると見えなくなる。どれを進行すればいいのか、わからないまま進めていると、クエストの場所がバラバラになって手間がかかる。
運営の対応・ゲームの吊り込み・ガイド機能といった部分にゲームのマイナス要素が詰め込まれている。ある程度慣れたプレイヤーと一緒に冒険を進めるなら問題はない。ソロで始めるには少し不親切なゲームという捉え方ができてしまう。まだ登場したばかりのゲームであることを考えれば、まだまだ改善の余地はある。諸々含めて、今後を期待する意味でもおすすめのゲームであることは間違いない。
スローン・アンド・リバティ向けおすすめのゲーミングPC
LEVEL-M1P5-R45-LAX(パソコン工房)
価格:99,800円+送料2,200円
CPU:Ryzen 5 4500
GPU:GeForce RTX 3050 6GB
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:8.3
スローン・アンド・リバティをプレイする最低限必要な性能を有している。最低設定にしても60fpsで安定させるのがむずかしい場面がある。あくまでも最低限のモデルであるため、本格的な環境やより快適な環境を構築することには適していない。まずはPCゲームがどういったものなのか、それを体験するためのエントリーモデルだ。
NEXTGEAR JG-A5G60 (マウスコンピューター)
価格:129,800円(送料込)
CPU:Ryzen 5 4500
GPU:GeForce RTX 4060
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:750W 80PLUS BRONZE
コスパ:9.5
マウスコンピューターが販売する高コスパモデルとなる。スローン・アンド・リバティを60fpsでプレイすることに適したモデルだ。設定次第では100fpsを維持できるため、高リフレッシュレートのゲーム環境に対応可能だ。注意したいのはCPU性能が低く、負荷のかかりやすい場所での処理が追いつかないことがある。フィールドの戦闘では安定しやすく、必要な場面では負荷を感じにくい。スローン・アンド・リバティを快適にプレイする第一歩のようなモデルだ。
LEVEL-M17M-144F-RLX(パソコン工房)
価格:159,800円+送料2,200円
CPU:Core i5-14400F
GPU:GeForce RTX 4060
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:7.4
当サイト基準の推奨環境を満たしたゲーミングPCだ。ケースデザインもよく人気がある。設定次第で144fpsを実現可能で、快適なゲームプレイが目指せる。負荷の高い街などでは100fpsを下回ることもあるが、戦闘中などであれば比較的安定する。大規模対人コンテンツが実装されれば対応しにくくなる可能性はある。そのときも設定を大きく下げれば対応可能となると見ている。スローン・アンド・リバティをメインにプレイするなら、LEVEL-M17M-144F-RLXは候補に入れておきたい。
Magnate-G MV-TiW(ドスパラ)
価格:184,980円+送料3,300円
CPU:Core i5-14400F
GPU:GeForce RTX 4060 Ti
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:8.4
スローン・アンド・リバティをさらに安定させたい方に向けたモデルだ。グラフィックボードの性能が優秀で、標準設定でも144fps近くを維持できる。負荷を感じる場面が明らかに減少し、街中でもカクつきにくいのが特徴だ。オンラインゲームはアップデートで負荷が増大するものだ。先を見据えるなら、Magnate-G MV-TiWくらいの性能はあっても困らないだろう。幅広いタイトルに対応しやすいのもメリットといえる。
Lightning-G AF7W Ryzen7 7700搭載 (ドスパラ)
価格:239,980円+送料3,300円
CPU:Ryzen 7 7700
GPU:GeForce RTX 5070
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
コスパ:7.1
最高設定でプレイするのに適した性能を有している。最高設定でかかる負荷は高く、高リフレッシュレートを活かした環境は実現しにくい。Lightning-G AF7Wの性能なら、フルHDの最高設定で100fps前後といったところだろうか。場所によって多少変わるが、再現できる場面は限られるだろう。最低設定にすれば240fpsに限りなく近づける性能でもあるため、より本格的なゲーム環境を構築したい方におすすめだ。