Core i5-12450Hのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証していく。Intel第12世代のミドルクラスのCPUだが、現行モデルを含めればエントリークラス相当となる。ハイブリッドコアアーキテクチャ採用で8コア12スレッドというスペックを持つ。
Core i5-11400Hの後継モデルで6コア12スレッドから物理コアが4つ増えた形だ。しっかりと性能の底上げが行われている。すでに次世代モデルのCore i5-13400H及びCore i5-13500Hがリリースされている。今でもこのCore i5-12450H搭載モデルも購入可能だ。コストを抑えたいユーザーは要チェックだ。性能には期待しない方がよい。
当ページの目次
Core i5-12450Hの概要
コードネーム | Alder Lake |
---|---|
プロセス | 10nm |
コア/スレッド数 | 8コア(4P+4E) / 12スレッド |
Pコア定格/最大クロック | 2.0 GHz/ 4.4 GHz |
Eコア定格/最大クロック | 1.5 GHz/ 3.3 GHz |
L2キャッシュ | 7MB |
L3キャッシュ | 12MB |
内蔵GPU | Intel UHD Graphics |
PBP | 45W |
MTP | 95W |
発売日 | 2023年01月 |
価格 | $342 |
特徴 | (+)ハイブリッドコアアーキテクチャを採用している (+)50番台とのグラフィックボードとの相性がよい (-)ゲーミング性能はそこまで高くない (-)搭載モデルの価格が安い |
評価 | ・総合評価 5.5 ・ゲーム評価 6.0 |
Core i5-12450Hの基本スペック
他のCore i5シリーズと比較
Core i5-12450H | Core i5-12500H | Core i5-11400H | |
---|---|---|---|
コードネーム | Alder Lake | Alder Lake | Tiger Lake |
プロセス | 10nm | 10nm | 10nm |
ダイサイズ | 217 mm² | 217 mm² | 190 mm² |
コア/スレッド | 8(4P+4E)/ 12 | 12(4P+8E)/ 16 | 6 / 12 |
定格クロック(P) | 2.0 GHz | 2.5 GHz | 2.2 GHz |
最大クロック(P) | 4.4 GHz | 4.5 GHz | 4.5 GHz |
定格クロック(E) | 1.5 GHz | 1.8 GHz | - |
最大クロック(E) | 3.3 GHz | 3.3 GHz | - |
オーバークロック | × | × | × |
L2キャッシュ | 7MB | 9MB | 7.5MB |
L3キャッシュ | 12MB | 18MB | 12MB |
対応メモリ | DDR5-4800 DDR4-3200 LPDDR5-5200 LPDDR4x-4267 | DDR5-4800 DDR4-3200 LPDDR5-5200 LPDDR4x-4267 | DDR4-3200 |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics | Iris Xe Graphics | UHD Graphics |
実行ユニット | 48 | 80 | 16 |
グラフィックス周波数 | 1.20 GHz | 1.30 GHz | 1.45 GHz |
PCI-Express | Gen 4, 20 Lanes | Gen 4, 20 Lanes | Gen 4, 20 Lanes |
PBP | 45W | 45W | 45W |
MTP | 95W | 95W | - |
価格 | $342 | $342 | $275 |
発売日 | 2022/01 | 2022/01 | 2021/05/11 |
Core i5-12450Hは、Tiger Lake世代のCore i5-11400Hの後継モデルとなる。Tgier Lake世代からAlder Lake世代へと変更された。プロセスは10nmが維持されている。ダイサイズは15%大きく217m㎡だ。コア・スレッドは6コア12スレッドから8コア12スレッドと物理コアが増えている。4つのPコアと4つのEコアを搭載している。
従来のPコアが2つ減ったが、4つのEコアが追加され性能自体はCore i5-12450Hが上だ。アーキテクチャの変更もパフォーマンスアップに寄与している。Pコアの定格クロックはCore i5-12450Hの方が0.2GHz(9%)高く、最大クロックはCore i5-11400Hの方が0.1GHz(3%)高い。Core i5-11400HにはEコアはなく、Core i5-12450HのEコアの定格クロックは1.5GHz、最大クロックは3.3GHzとなる。
Pコアと比べるとかなり抑えられていることがわかる。バックグラウンドでの作業など負荷の軽い作業を担当するコアだ。いずれのモデルもオーバークロックには対応していない。L2キャッシュはCore i5-11400Hの方が0.5MB多く、L3キャッシュは12MBと同じだ。Core i5-12450Hでは対応メモリがDDR5-4800・LPDDR5-5200まで拡充されている。
内蔵グラフィックスはUHD Graphicsと変わらないが、実行ユニット数が3倍だ。もっともハイパフォーマンスモデルのCore i5-12450HはゲーミングノートPCなどに搭載されることが多くグラフィックボード搭載が前提なのでCPU内蔵グラフィックスはそこまで重視しなくてもよい。PCI-ExpressはGen 4, 20 Lanesと変わっていない。PBPは45Wと共通だ。Core i5-12450HにはMTPが設定されていて95Wとなる。価格はCore i5-12450Hの方が$67高く$342だ。
同じAlder Lake世代の上位モデルであるCore i5-12500Hと比較していく。プロセス・ダイサイズに代わりはない。Eコアが4つ増えて12コア16スレッドとなる。Pコアの定格クロックもCore i5-12500Hの方が0.5GHz(25%)高く、最大クロックもCore i5-12500Hの方が0.1GHz(3%)高い。Eコアについては定格クロックはCore i5-12500Hの方が0.3GHz(20%)高く、最大クロックはどちらも3.3GHzと変更なしだ。
L2キャッシュはCore i5-12500Hの方が2MB多く、L3キャッシュもCore i5-12500Hの方が6MB高い。対応メモリは共通だ。Core i5-12500Hでは内蔵グラフィックスにより高性能なIntel Iris Xe Graphicsを搭載している。実行ユニット数は80だ。グラフィックス周波数も1.30GHzと高い。PCI ExpressはGen 4, 20 Lanesと同じだ。PBPは45W・MTPは95Wと共通となる。価格も$342と同じだ。実際の搭載モデルでは価格差があるのが一般的だ。
AMD製CPUと比較
Core i5-12450H | Ryzen 5 6600H | |
---|---|---|
コードネーム | Alder Lake | Zen 3+ |
プロセス | 10nm | 6nm |
ダイサイズ | 217 mm² | 208 mm² |
コア/スレッド | 8(4P+4E)/ 12 | 6 / 12 |
定格クロック(P) | 2.0 GHz | 3.3 GHz |
最大クロック(P) | 4.4 GHz | 4.5 GHz |
定格クロック(E) | 1.5 GHz | - |
最大クロック(E) | 3.3 GHz | - |
オーバークロック | × | × |
L2キャッシュ | 7MB | 3MB |
L3キャッシュ | 12MB | 16MB |
対応メモリ | DDR5-4800 DDR4-3200 LPDDR5-5200 LPDDR4x-4267 | DDR5-4800 LPDDR5-6400 |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics | Radeon 660M |
実行ユニット | 48 | 6 |
グラフィックス周波数 | 1.20 GHz | 1.90 GHz |
PCI-Express | Gen 4, 20 Lanes | Gen 4, 20 Lanes |
PBP | 45W | 45W |
MTP | 95W | - |
価格 | $342 | - |
発売日 | 2022/01 | 2022/01 |
競合モデルであるRyzen 5 6600Hと比較していく。Ryzen 5 6600HはZen 3+アーキテクチャ採用の高コスパモデルだ。プロセスは6nmでIntelのAlder Lake世代よりも一回り小さい。Ryzen 5 6600Hのダイサイズは208m㎡でCore i5-12450Hよりも4%小さい。6コア12スレッドとCore i5-12450Hよりも物理コアが2つ少ないが、6コア全てがPコアとなるのがポイントだ。スレッド数は共通となる。
Pコアの定格クロックはRyzen 5 6600Hの方が1.3GHz(65%)高く、最大クロックもRyzen 5 6600Hの方が0.1GHz(3%)高い。L2キャッシュはCore i5-12450Hの方が4MB多いが、L3キャッシュはRyzen 5 6600Hの方が4MB多い。Ryzen 5 6600HはDDR4メモリには対応しておらず、DDR5及びLPDDR5のみサポートしている。
内蔵グラフィックスはRadeon 660Mだ。実行ユニット数は6、グラフィックス周波数は1.90 GHzだ。当然アーキテクチャが異なるため数値だけの比較は意味をなさない。PCI-ExpressはGen4, 20 Lanesだ。PBPは45Wと共通だ。Ryzen 5 6600Hの価格は公開されていないが、Core i5-12450Hと近い価格設定になっているのではないかと思う。
Core i5-12450H搭載ゲーミングノートの性能&特徴
エントリークラス相当でそこまで性能は高くない
Core i5-12450Hの性能スコアは13,218でエントリークラス相当だ。世代的にも一世代古くそこまで性能が高いわけではないが、エントリークラスとしてなら今でも通用する性能を有している。GeForce RTX 3050 MobileやGeForce GTX 1650 Mobileとの組み合わせが最適だ。デスクトップ向けモデルで言えばCore i5-10600KやCore i7-9700Kが近い。
従来モデルのCore i5-11400Hよりも10%程度性能が向上している。競合モデルのRyzen 5 6600Hとの性能差は10%でやや劣るが、Ryzen 5 5600Hよりも少しだけ上回る。やはりRyzenシリーズはPコア相当のコアが多い分有利と言えるかもしれない。上位モデルのCore i5-12500Hとの性能差は20%とやや大きい。次世代のCore i5-13420Hになると7%高いパフォーマンスを得られる。
モバイル向けモデルもしっかりと性能の底上げが行われていることがわかる。グラフィックボードの性能が向上するに従いCPUの性能も上がらないとボトルネックとなってしまう。TDPの制限があるゲーミングノートPCでは特に重要だ。CPUのボトルネックが生じないようにCPUとグラフィックボードのバランスを取るとよい。
搭載モデルの価格が安い
Core i5-12450H搭載モデルの選ぶ理由はその価格の安さだろう。旧世代のCore i5シリーズの廉価モデルということもあって搭載モデルの価格が抑えられている。2023年時点の最安値モデルだと9万円弱で購入可能だ。Core i5-12450Hとのバランスを考えてかGeForce RTX 2050 MobileあるいはGeForce RTX 3050 Mobile搭載モデルのみのラインナップとなる。
CPUもグラフィックボードも性能が高いわけではないので本格的にゲームを楽しみたいと考えている方は避けた方がよい。例えば、高解像度や高リフレッシュレートでのゲームプレイには不向きだ。フルHD環境で設定を下げてでもゲームをある程度プレイできれば問題ないと考えているユーザー向けだ。基本的にはフルHDディスプレイ搭載モデルとなるので高解像度でのゲームプレイは物理的にも不可能だ。
Core i5-12450Hのベンチマーク一覧
Cinebench R23
Cinebench R23でのスコアを見ていく。Core i5-12450Hのマルチコア性能は9,987で、シングルコア性能は1,671だ。従来モデルのCore i5-11400Hと比べてマルチコア性能が15%高く、シングルコア性能も19%高い。競合モデルのRyzen 5 6600Hと比べてマルチコア性能が3%低く、シングルコア性能は22%高い。Core i5-12450Hはシングルコア性能の高さが魅力と言える。上位モデルのCore i5-12500Hと比べるとマルチコア性能は13%低く、シングルコア性能も3%低い。
Handbrake
動画のエンコードソフトであるHandbrakeでのパフォーマンスを見ていく。旧世代のCore i5-11400Hと比べて10%程度パフォーマンスが向上している。Ryzen 5 5600Hと比べても性能は上だが、Ryzen 5 6600Hにはわずかに劣る。上位モデルのCore i5-12500Hとの性能差は10%だ。現行のCPU全体で見ても下から数える方が早い。動画のエンコードが得意なCPUとは言えないだろう。
7-Zip(圧縮)
Zipファイルの圧縮速度を見ていく。Core i5-12500Hは従来モデルのCore i5-11400Hと比べて12%もパフォーマンスが向上している。Ryzen 5 5600Hよりも10%性能が高くRyzen 5 6600Hと同等だ。Core i5-12500Hとの性能差は31%とやや大きい。
7-Zip(解凍)
Zipファイルの解凍速度は804.9だ。Core i5-11400Hよりも17%パフォーマンスが高いが、下から二番目という結果になった。Ryzen 5 5600Hと比べても2%低く、Ryzen 5 6600Hよりも8%低い。ビジネス用途などではやや性能面で物足りなさがあるかもしれない。
Adobe Photoshop
画像編集ソフトであるPhotoshopでのパフォーマンスを見ていく。同じAdobeの動画編集ソフトであるPremiere ProよりもCPU依存度の高いソフトウェアと言える。Core i5-12450Hのスコアは808だ。従来モデルのCore i5-11400Hよりも12%もパフォーマンスが高い。競合モデルのRyzen 5 5600Hよりも4%高く、Ryzen 5 6600Hと同等だ。上位モデルであるCore i5-12500Hと比べると10%パフォーマンスが低い。
Core i5-12450H搭載ゲーミングノートPC一覧
Victus 15(インテル)スタンダードプラスモデル(HP)
154,000円 109,800円(送料込)
液晶:15.6インチFHD 144Hz
本体重量:約2.29kg
CPU:Core i5-12450H
GPU:GeForce RTX 2050 Mobile
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 512GB Gen4 NVMe
電源:135W ACアダプター
コスパ:調査中
Core i5-12450H×GeForce RTX 2050 Mobile搭載のエントリークラスの一台だ。税込109,800円で購入できる。GeForce RTX 2050 Mobileは、GeForce GTX 1650 Mobileと同等の性能を持ち設定次第では十分ゲームに対応できる。性能が高いわけではないので、高リフレッシュレートでのゲームプレイはやや厳しい。メモリDDR4-3200 16GB・SSD 512GB Gen4 NVMeと構成も平均的だ。電源は135W ACアダプターを搭載している。GeForce RTX 2050 Mobileの性能を考えれば妥当だ。
Vivobook 16X K3605ZF(ASUS)
139,800円 109,800円+送料770円
液晶:16.0 WUXGA 120Hz
重量:約1.92kg
CPU:Core i5-12450H
GPU:GeForce RTX 2050 Mobile
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 512GB NVMe
電源:120W ACアダプター
コスパ:調査中
VivobookはゲーミングノートPCというよりもビジネスPC寄りのモデルだ。電源は120W ACアダプター付属で抑えられている。本体重量も約1.92kgと16.0インチモデルとしては異例の軽さだ。パフォーマンスよりも省電力性・軽さを重視している。グラフィックスにはGeForce RTX 2050 Mobileを搭載している。ゲーム自体はできるもののモデル自体そこまでゲームプレイに適しているわけではない。メモリDDR4-3200 16GB・SSD 512GB NVMeと構成も平均的だ。
GALLERIA RL5C-R35N (ドスパラ)
液晶:15.6インチFHD 144Hz
重量:約2.10kg
CPU:Core i5-12450H
GPU:GeForce RTX 3050 Mobile
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
電源:150W ACアダプター
コスパ:調査中
Core i5-12450H×GeForce RTX 3050 Mobile搭載のエントリークラスのゲーミングノートPCだ。15.6インチFHDディスプレイを搭載している。144Hz対応だ。本体重量は約2.10kgと平均的と言える。ゲーミング性能は標準的でフルHD環境+60fpsでのゲームプレイに適している。タイトルによっては100fpsを目指すことも可能だ。メモリDDR4-3200 16GB・SSD 500GB Gen4 NVMeと構成は平均的だ。Gen4接続対応SSDを搭載しているのは評価できる。
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