フロンティアが販売するGHLシリーズ「FRGHLMB650/WS728」のレビューを行った。フロンティアの週間セール対象モデルでコストパフォーマンスが高い一台だ。コストパフォーマンスは10.0の最高評価だ。ハイエンドクラスと言ってもよい高いゲーム性能を持ち、高性能なモデルでも珍しいほど充実した構成を併せ持つ完成度の高いモデルとなっている。価格もしっかり抑えられ、弱点が見当たらない。ハイクラス以上のゲーミングPCを探しているならFRGHLMB650/WS728が第一候補になるはずだ。サポート面などは大手BTOメーカーに劣る点は理解しておこう。
フロンティアは、ヤマダ電機グループに属するBTOメーカーだ。セール・キャンペーンに強く高コスパなモデルを多数揃えている。コストパフォーマンス重視でゲーミングPCを選びたいならチェックしておく価値がある。カスタマイズ費用も抑えられていて選びやすい。一方で、納期がやや長め・延長保証に加入できないモデルもある、サポート時間が短いなどのデメリットがある点は押さえておこう。
- 長所
-
- 最高評価のコストパフォーマンス
- 充実した圧倒的な構成
- 最新ゲームにも対応できる高い性能
- ケースデザインが秀逸
- 短所
-
- ゲームプレイと比べてクリエイティブ作業の適正がやや低い
- こんな方におすすめ
-
- 予算を300,000円以下で組んでいる方
- 最新のゲームも快適にプレイしたい方
- コストパフォーマンスを重視する方
FRGHLMB650/WS728のスペック
ブランド名 | フロンティア |
---|---|
製品名 | FRGHLMB650/WS728 |
価格 | 279,980円(+送料3,300円) |
CPU | Ryzen 7 9800X3D(レビュー) |
CPUクーラー | 空冷(CPS RT400-BK) |
グラボ | Radeon RX 9070 XT(レビュー) |
メモリ | DDR5-5600 32GB |
SSD | 2TB Gen4 NVMe |
電源 | 750W 80PLUS GOLD |
マザーボード | チップセットB650 |
おすすめ度 | Sランク |
評価 | ・コスパ 10.0 —–内訳—– ・ショップ評価 9.6 |
FRGHLMB650/WS728のカスタマイズ項目を評価
パーツ | おすすめ度 | 詳細 |
---|---|---|
ケース | 好みで選択 +0円 | |
OS | 変更なし | |
オフィスソフト | 変更なし | |
セキュリティソフト | 変更なし | |
CPUクーラー | SilverStoneサイドフローCPUクーラー ブラック 【Hydrogon D120 ARGB-V2】 +7,700円 |
|
CPUグリス | AINEX JP-DX2 ナノダイヤモンドグリス +2,970円 | |
メモリ | 64GB(32GBx2)PC5-44800(DDR5-5600)DDR5 SDRAM +17,600円 | |
NVMe SSD [1st] | 変更なし | |
NVMe SSD [2nd] | 変更なし | |
ハードディスク | 変更なし | |
電源 | 850W ATX3.1電源80PLUS PLATINUM(日本コンデンサ仕様) +3,300円 | |
Steamアプリ | Steamクライアントソフトウェア +0円 | |
追加オプション | 変更なし | |
パスワード管理 | 変更なし | 延長保証 | プレミアム保証(標準1年+2年延長保証)+29,920円 |
オンサイトサービス(訪問部品交換サービス) | 変更なし | |
パソコン出張設置サービス | 変更なし | |
データ復旧サービス | 変更なし | |
「J-ONEcall」電話&リモートサポート | 変更なし |
一般的なBTOパソコンで人気のカスタマイズ項目を黄色のマーカーで示している。FRGHLMB650/WS728は標準構成が優れているモデルなので、カスタマイズはそれほど重要ではない。カスタマイズの恩恵があるのはメモリと電源だろうか。他の箇所は標準構成でも十分だ。
メモリは標準で32GBの容量がある。FRGHLMB650/WS728の性能を考えれば64GBまでは変更するメリットがあるが、ほとんどの方はメモリ64GBに変更しても違いを体感することはない。複数のモニターを使用してブラウザをいくつか起動し、動画を視聴しながらゲームをプレイするような場合に有効だ。
複数のアプリケーションを起動しながらのゲームプレイは、意外とメモリ消費量は大きくなる。32GBでは物足りないと感じる方もいるはずだ。カスタマイズ費用が高いこと、万人にメリットのあるカスタマイズではないことから重要性は高いとは言えない。
電源はCPUクーラーを含めて、カスタマイズした場合に高まる消費電力を考慮して候補に挙げた。標準の750W 80PLUS GOLDから850W 80PLUS PLATINUMへの変更に3,300円は割安だ。他メーカーであれば5,000円を超える費用になる。そもそも850W 80PLUS PLATINUMを選択できないことがほとんどだ。高性能なモデルは電源にも気を配りたい。
保証については好みで選択しよう。基本保証が1年間で、+29,920円で3年間の延長保証に加入できる。これは本体価格の11%弱で他社と比べて少し高い。将来の出費を絶対に抑えたいと考えるユーザー向けだ。
FRGHLMB650/WS728の特徴
ゲームへの対応力が高い
Apex Legends | フォートナイト | モンハンワイルズ | マイクラ |
---|---|---|---|
![]() ・200fps ・144fps |
![]() ・200fps ・144fps |
![]() ・120fps ・60fps |
![]() ・影Mod ・通常 |
FRGHLMB650/WS728はCPUにRyzen 7 9800X3Dを、GPUにRadeon RX 9070 XT搭載のハイエンドモデルでゲーム性能は高い。CPUにゲームに特化したRyzen 7 9800X3Dを搭載している。Radeon RX 9070 XTと組み合わせることでハイエンドクラスに匹敵するパフォーマンスを発揮できる。この組み合わせなら画質を求めながら高いフレームレートを引き出せそうだ。高いフレームレートを求める本格的なスタイルから、美麗な映像を求めるスタイルまでカバーしている。ゲームジャンルを問わない対応力は、コアなゲーマーにもおすすめだ。
Apex Legendsやフォートナイトといった対人要素の強いゲームでは、フルHDで240fpsを目指せる。快適で有利な環境を構築できることから、プロ志向のゲーマーにとって理想的なモデルとなる。
モンハンワイルズのような最新ゲームでも、フレーム生成を利用すれば最高設定で快適にプレイできる。特にRadeon RX 9000シリーズとの相性がよいタイトルでNVIDIA製モデルと比べても優位性がある。さらに、VRAM 16GBが推奨されるDLC「高解像度テクスチャパック」も適用可能だ。高いフレームレートと鮮やかなグラフィックを両立できる贅沢な性能を有している。
高い負荷のかかる環境ではなくても性能を活かしやすい。要求スペックの低いマイクラではオーバースペックながら、影Modやマルチサーバーなどに余裕を持って対応できる。マイクラは攻略情報をブラウザで表示しながらプレイしたり、動画を視聴したりすることが多いはずだ。ゲーム単体なら負荷は軽くても、複数のアプリケーションを起動すると負荷は高くなる。どういった環境でも快適にプレイできる余裕のある性能は、じっくりマイクラの世界を楽しめるはずだ。
AMD最上位のRadeon RX 9070 XTとゲーム性能最高峰のRyzen 7 9800X3Dの組み合わせなら、プレイできないゲームを探す方が難しい。強いて言えば高解像度でのゲームプレイだろうか。対応力はあっても、WQHD(2560×1440)を基準に考えたい。ゲームによっては4Kの最高設定も実現可能だが、すべてのゲームが4Kで快適にプレイできることを保証できない。
FRGHLMB650/WS728は、あくまでもハイエンドに近いハイクラスのゲーミングPCだ。高すぎる負荷や環境に完璧な対応はできない。それでも、多くの方が理想とするゲーム毎の環境を実現できる性能がある。
クリエイティブ性能はトップクラスではない
上記グラフは各CPUのマルチコア性能(クリエイティブ性能)をまとめたものだ。ゲーム性能は文句なしでトップクラスだが、マルチコア性能となるとそうはいかない。Core Ultra 7 265K(F)よりも15%以上スコアが低い。ゲーム性能・マルチコア性能共に重視するならRyzen 9 9950X3D・Ryzen 9 9900X3Dが優れている。それでも従来モデルのRyzen 7 7800X3Dよりも15%以上性能が向上している。Ryzen 7 9700Xと比べても性能は高い。8コア16スレッドというスペックでは健闘しているだろう。ゲーム実況などもある程度対応できる。
圧倒的な構成が評価を支える
FRGHLMB650/WS728の評価が高いのは充実した構成によるところが大きい。まずはメモリがDDR5-5600 32GBと大容量だ。最近だとやや一般的になりつつあるとは言ってもBTOパソコンではまだまだ16GBが主流だ。ゲームプレイだけではなく、ゲーム実況・動画編集・画像編集などのクリエイティブ作業にもプラスになる。また、複数のブラウザを開きながらゲームをプレイしたいというユーザーにとってもメリットがある。
SSD容量は驚きの2TBだ。今のところSSD容量が2TBというのは滅多に見かけない。各メーカーの最上位シリーズに採用されているくらいだろう。300,000円を下回るハイクラスのゲーミングPCではFRGHLMB650/WS728くらいのはずだ。FRGHLMB650/WS728と同等の性能を持つ同価格帯のモデルであっても、同等の構成を持つモデルはない。構成を削って価格を抑えたモデルと同等の価格を持ち、価格を無視して構成に特化したモデルと同等の構成がある。
究極のハイブリッドで、ゲーミングPCの完成形と言ってもよい。ストレージの容量は時代ごとに変わっていく。10年前なら256GBや250GBが一般的だった。いつのまにか500GBが最低になり、そろそろ1TBが最低容量になるのではないかと感じている。1TBが最低容量になれば、余裕を持たせた容量は2TBということになる。
先々そうなる未来を先取りしたFRGHLMB650/WS728の構成は評価したい。構成を削って価格を抑えたモデルは、カスタマイズで補わなければ心もとない箇所がある。何が必要かわかっていれば問題ない。しかし、どうカスタマイズすればよいかわからない初心者の方や、初めてのゲーミングPCを購入する方にとって構成が充実しているのは心強い。
性能が高くなると価格を抑えた選びやすさよりも、構成が充実した完成度が重視されるようになる。性能を活かすために必要な構成が性能に比例するからだ。FRGHLMB650/WS728はハイクラスのトップモデルと言ってもよい。予算内に収まるなら理想的なモデルとなるはずだ。選んでも後悔することなく、満足できるゲーミングPCだ。
似ているゲーミングPCとの比較
ブランド | FRONTIER | NEXTGEAR |
---|---|---|
イメージ | ![]() |
![]() |
製品名 | FRGHLMB650/WS728 | NEXTGEAR JG-A7A7X (ホワイト) |
ケース | ミドル | ミニ |
価格 | 279,980円 | 309,800円 |
送料 | 3,300円 | 無料 |
CPU | Ryzen 7 9800X3D (8コア16スレッド) |
Ryzen 7 9800X3D (8コア16スレッド) |
CPUクーラー | 空冷 | 水冷(240mm) |
GPU | RX 9070XT | RX 9070XT |
メモリ | DDR5-5600 32GB | DDR5-5600 16GB |
SSD | 2TB NVMe Gen4 | 1TB NVMe Gen4 |
電源 | 750W GOLD | 850W GOLD |
マザーボード | B650 | A620 |
無線 | ◯ 対応 | ✕ 非対応 |
納期 | 7営業日 | 9営業日 |
保証 (延長保証) |
1年間 (最長3年間) |
3年間 (延長なし) |
電話サポート | 10:00-19:00 (年末年始・指定休日除く) |
24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
マウスコンピューターのNEXTGEAR JG-A7A7Xと比較していく。価格差は29,820円でFRGHLMB650/WS728の方が安い。ただし、送料がかかるため実質の価格差は26,520円だ。NEXTGEAR JG-A7A7XはCPUファンと電源容量で上回る。無線一方で、FRGHLMB650/WS728はメモリ・SSD容量ともに2倍だ。さらに、無線にも対応していて、構成面でリードしている。ゲーミングPCとして見れば話にならないほど優秀なモデルだ。
NEXTGEAR JG-A7A7Xも負けてばかりいるわけではなくしっかりとした強みがある。一番はやはり販売元であるマウスコンピューターのサポート力だろう。基本保証3年に24時間365日対応のサポートは強力だ。FRGHLMB650/WS728を3年保証にすれば29,920円必要だ。保証を埋めれば価格差はなくなる。構成の差はカスタマイズで埋められても、サポートの差はどうしても埋めることができない。
サポートを必要としない熟練者ならFRGHLMB650/WS728をおすすめする。パソコンに不慣れだったり、トラブルに対応する自信がなかったりするならNEXTGEAR JG-A7A7Xも一考の価値がある。セール・キャンペーンで大幅な値引きが適用されればNEXTGEAR JG-A7A7Xも優秀な候補になるはずだ。基本的にはFRGHLMB650/WS728をおすすめする。ただ、NEXTGEAR JG-A7A7Xもタイミングや重要とするものによってはおすすめできる。
GHLシリーズケース詳細
正面
前面ファンが映えるケースを採用している。白色のケースデザインが今風だ。LEDはソフトウェアで制限できる。
上部
上部にはメッシュパネルを採用していてメンテナンス性が高い。エアフロー的にも優れている。
右側面
右側面はシンプルなデザインだ。ロゴの刻印などもない。
左側面内部1
水冷式CPUクーラーを搭載した場合の内部画像だ。最大で360mmラジエーター搭載CPUクーラーを搭載できる。拡張性は高い。
左側面内部2
RGBファン搭載で見せるゲーミングPCに仕上がる。水冷式CPUクーラーへのカスタマイズがおすすめだ。360mmラジエーター搭載モデルなら上部のファンが3基になる。初期構成の空冷式クーラーだと上の2基のファンがなくなる。
管理人による総評

Ryzen 7 9800X3D×Radeon RX 9070 XT搭載のハイエンドモデルだ。4K環境にも対応できるポテンシャルを持つ。この組み合わせだけなら279,980円という価格は妥当な範疇だ。このモデルが優れているのは充実の構成にある。メモリDDR5-5600 32GB・SSD 2TB Gen NVMeと圧倒的だ。BTOパソコン全体でみてもここまでのモデルは希少だ。ゲーム側の要求スペックも上がりメモリ32GBというのは時代の流れに沿っている。同様にデータ容量も増加傾向にありストレージ容量は多いに越したことはない。コストパフォーマンス重視で選びたいユーザーは必見だ。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
279,980円 | Ryzen 7 9800X3D | RX9070XT |
メモリ | SSD | チップセット |
DDR5 32GB | 2TB | B650 |