画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/
当ページでは、Core i5-10500のスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。Comet Lake世代のCore i5シリーズにおける中間に位置するCPUだ。Core i5シリーズの中でも特に人気の高い「Core i5-10600K($262)」と「Core i5-10400($182)」の間を埋める存在だと言える。2021年2月時点ではパソコンショップセブンで取り扱いがあるだけで他のメーカーでは販売されていない。
やはりCore i5シリーズの主力はCore i5-10400だと考えてよいだろう。そういう意味では主に自作ユーザー向けのCPUだ。Core i5-10400よりもクロック周波数が引き上げられている分僅かながら性能は高い。後継モデルはIntel第11世代のCore i5-11500だが、当ページではレビューをしていない。下位グレードのCore i5-11400が人気だ。Rocket Lake世代のCPUでより高いパフォーマンスを発揮する。
当ページの目次
Core i5-10500の特徴まとめ
コードネーム | Comet Lake |
---|---|
プロセス | 14nm |
コア/スレッド数 | 6コア/12スレッド |
定格/最大クロック | 3.1 GHz/ 4.5 Ghz |
L3キャッシュ | 12MB |
TDP | 65W |
発売日 | 2020年05月20日 |
MSRP | $202 |
中古価格 | 12,980円~ *2024/7時点 |
コメント | 6コア12スレッドの高コスパCPU Core i5-10400より少しだけ高い性能を持つ 価格の抑えられたCore i5-10400Fと比べると魅力に乏しい BTOパソコンではマイナーな存在 |
評価 | ・総合評価 4.5 ・ゲーム評価 5.0 |
Core i5-10500の基本スペック
Core i5-10400と比較
i5-10500 | i5-10400(F) | i5-9500 | |
---|---|---|---|
メーカー | Intel | Intel | Intel |
プロセス | 14nm | 14nm | 14nm |
コードネーム | Comet Lake | Comet Lake | Coffee Lake |
CPUコア数 | 6 | 6 | 6 |
スレッド数 | 12 | 12 | 6 |
定格クロック | 3.1 GHz | 2.9 GHz | 3.0 GHz |
最大クロック | 4.5 GHz | 4.3 GHz | 4.4 GHz |
L3キャッシュ | 12MB | 12MB | 9MB |
対応メモリ | DDR4-2933 | DDR4-2933 | DDR4-2666 |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics 630 | UHD Graphics 630 (非搭載) | UHD Graphics 630 |
TDP | 65W | 65W | 65W |
MSRP | $202 | $182($157) | $202 |
中古価格 | 12,980円 | 12,980円 (11,980円) | 10,980円 |
発売日 | 2020/05/20 | 2020/05/20 | 2019/7/5 |
さらに、定格クロック・最大クロックも0.1GHzずつ引き上げられている。L3キャッシュについても9MBから12MBへと33%向上している。対応メモリもDDR-2933だ。CPU内蔵グラフィックスは同じUHD Graphics 630を採用している。消費電力は同じ65Wだ。価格差はない。
下位モデルであるCore i5-10400との違いはそれほどない。クロック周波数と価格に差があるだけだ。定格クロック・最大クロックはCore i5-10500の方がそれぞれ0.2GHzだけ高い。価格差は$20となっている。CPU内蔵グラフィックス非搭載のCore i5-10400Fになるとその価格差は$45に広がる。
Ryzen 5 3600と比較
Core i5-10500 | Ryzen 5 3600 | |
---|---|---|
メーカー | Intel | AMD |
プロセス | 14nm | 7nm |
コードネーム | Comet Lake | Matisse (Zen 2) |
CPUコア数 | 6 | 6 |
スレッド数 | 12 | 12 |
定格クロック | 3.1 GHz | 3.6 GHz |
最大クロック | 4.5 GHz | 4.2 GHz |
L3キャッシュ | 12MB | 32MB |
対応メモリ | DDR4-2933 | DDR4-3200 |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics 630 | 非搭載 |
TDP | 65W | 65W |
価格 | $199 | $199 |
発売日 | 2020/05/20 | 2019/07/07 |
CPUコア及びスレッドは6コア12スレッドと両モデル共通だ。定格クロックはRyzen 5 3600の方が17%高く、最大クロックはCore i5-10500の方が8%高い。Ryzen 5 3600はオーバークロックに対応しているため環境次第でより高いパフォーマンスを得られる。
L3キャッシュ容量はRyzen 5 3600の方が多く32MBとなる。対応メモリはRyzen 5 3600の方が上位規格に対応している。Intelは次世代のIntel第11世代モデルからDDR4-3200へと変更される。内蔵グラフィックスはRyzen 5 3600には搭載されていない。TDPは共通だ。価格も$199と$200以下の価格帯となっている。予算を抑えたい方は必見だ。
Core i5-10500の最新評価【2024年】
現行Core i3シリーズには及ばない
Core i5-10500は、性能面で次世代のCore i3シリーズであるCore i3-13100に及ばないもののスコアは20,000を超えていて2024年時点でも通用するモデルだと考えて間違いない。次世代のCore i5-11400とおおよそ同等のゲーム性能だ。いずれにしても性能はCore i5-10400よりわずかに高いだけに留まる。性能差は3%程度で正直この2つのCPUで性能差を実際の環境で体感することは難しいだろう。予想通りのスコアで目新しいことがあるわけではない。
それでも前世代のCore i5-9400と比べると10%以上パフォーマンスが向上している。1世代前のCore i9-9900Kを上回るCPU性能を持っていることを考えるとCore i5シリーズも侮れないところまで来ている。Ryzen 5シリーズはマルチコアを大きく伸ばしたが、グラフを見て分かる通りゲーム性能についてはまだまだIntel製CPUが優勢だ。Ryzen 5 3500と比べて12%程度ゲーム性能が高い。上位モデルであるRyzen 5 3600Xと比べても上回っている。
税込12,980円~購入できる
製品名 | コア/スレッド | ゲーム性能 | 価格 | コスパ |
---|---|---|---|---|
Ryzen 7 5700X | 8/16 | 27,036 | 22,704* | 1.191 |
Core i3-13100F | 4/8 | 23,381 | 17,780* | 1.315 |
Core i5-10600KF | 6/12 | 22,841 | 15,980 | 1.429 |
Core i5-11400F | 6/12 | 22,473 | 13,980 | 1.608 |
Core i5-10500 | 6/12 | 22,375 | 12,980 | 1.724 |
Core i5-10400F | 6/12 | 22,301 | 11,980 | 1.862 |
Ryzen 7 3700X | 8/16 | 21,811 | 12,980 | 1.680 |
Core i5-9500 | 6/6 | 20,058 | 10,980 | 1.827 |
2024年7月時点でのCore i5-10500の中古価格は12,980円となっている。コストパフォーマンスは悪くない。以前記事を書いたときは16,980円だったので、4,000円安くなっている。下位モデルのCore i5-10400Fが11,980円だ。Core i5-10500にはFモデルの設定ないのでグラフィックボードが不要な方にとっては少し不利だ。
次世代のRaptor Lake世代のCore i3-13100FはCore i5-10500よりも高い性能を持っていながら新品でも17,780円とリーズナブルだ。コア・スレッドは少なくなるが、省電力性の観点からも優れている。新しいので故障リスクも軽減できる。用途によってはコア/スレッド数が少ないことがデメリットとなってしまう可能性もある点は理解しておこう。
動画編集・エンコード・画像編集などのクリエイター作業を行う予定があるならコア・スレッドは多いに越したことはない。旧世代のCore i5-9500は11,480円とかなり価格が落ちている。価格が安いということはそれだけ性能差があることの証明でもある。コストパフォーマンスを考えると古いモデルの方が優勢だ。それは省電力性で劣り故障リスクが考慮されるからだ。
Core i5-10500の強み&特徴【発売時点】
Core i5-9500よりも大幅に性能アップ
Core i5-10500は、Comet Lake世代になって前モデルのCore i5-10500よりも大幅にパフォーマンスが向上している。ハイパースレッディングに対応したことの恩恵はかなり大きいと考えてよい。それは一般的なアプリケーションの使用だけではなくゲームプレイに対しても当てはまる。
第9世代より前のCore i5シリーズからの買い替えは性能差を体感しやすく意味があると言える。予算に制限がある方はCPUにCore i5-10500やCore i5-10400を選択して浮いた予算をグラフィックボードに掛けるのがよいかもしれない。
i5-10400Fと比べるとコスパに劣る
型番 | 定価 | 国内価格 |
---|---|---|
Core i5-10600K | $262 | 28,000円 |
Core i5-10600 | $224 | 27,000円 |
Core i5-10500 | $202 | 23,000円 |
Core i5-10400 | $182 | 20,000円 |
Core i5-10400F | $157 | 17,000円 |
Core i5-10500はちょうど真ん中に位置するCPUとなっている。Core i5-10400とは違ってCPU内蔵グラフィックス非搭載モデルであるFシリーズがないのが痛い。Core i5-10500とCore i5-10400を比べると妥当な価格設定だと思うが、それでも価格に対して得られる対価は大きいわけではない。
Core i5-10400Fに比べるとコストパフォーマンスの観点から見劣りしてしまう。Core i5-10400と同じ性能でCPU内蔵グラフィックスがないだけで3,000円も安くなる。この価格帯のモデルにおける3,000円が与えるインパクトは大きいはずだ。コストパフォーマンスはCore i5-10400が圧倒的だ。
セブンでのみBTOパソコンの取り扱いがある
Core i5-10500搭載BTOパソコンを取り扱っているのはパソコンショップセブンのみとなっている。ドスパラ・G-Tune・パソコン工房などでは残念ながら取り扱いがない。なお、第9世代Core i5-9500の時は一時的にドスパラが取り扱っていたがすぐにCore i5-9400に切り替えられている。
今後もラインナップが増えることはないだろう。Core i5-10400があれば十分だからだ。サイコムやワンズではカスタマイズでCore i5-10500やCore i5-10600を選択することができる。やはりカスタマイズ性の高さはこれらの中小メーカーが強い。こだわりのゲーミングPCを構築したい方は必見だ。
Core i5-10500のベンチマーク一覧
CPU性能をベンチマークで見ていこう。Ryzen 5 3600X/Ryzen 5 3600やCore i5-10400とのスコア差に注目して欲しい。
Cinebench R20
Adobe Photoshop 2020
Adobe After Effects 2020
Core i5-10500のゲームプレイ時のフレームレート
ゲームプレイ時の性能について見ていく。Core i5-10400との差はそれほど大きくなくゲーム目的で積極的に選ぶ理由にはならないことがわかる。反対にCore i5-10400のコスパの高さが光る結果だ。
Far Cry New Dawn 1080p
Core i7-9700K | |
Core i7-10700K | |
Core i5-10600K | |
Core i5-10500 | |
Core i5-10400 | |
Ryzen 5 3600X | |
Ryzen 5 3600 |
Far Cry New Dawn 1440p
Core i7-10700K | |
Core i7-9700K | |
Core i5-10600K | |
Core i5-10500 | |
Core i5-10400 | |
Ryzen 5 3600X | |
Ryzen 5 3600 |
Borderlands 3 1440p
Core i5-10600K | |
Core i7-9700K | |
Core i7-10700K | |
Core i5-10500 | |
Core i5-10400 | |
Ryzen 5 3600X | |
Ryzen 5 3600 |
Ghost Recon Breakpoint 1440p
Core i7-10700K | |
Core i7-9700K | |
Core i5-10600K | |
Core i5-10500 | |
Core i5-10400 | |
Ryzen 5 3600X | |
Ryzen 5 3600 |
Total War : Three Kingdoms 1080p
Core i7-10700K | |
Core i7-9700K | |
Core i5-10600K | |
Core i5-10500 | |
Core i5-10400 | |
Ryzen 5 3600X | |
Ryzen 5 3600 |
Core i5-10500搭載のおすすめゲーミングPC一覧
SR-ii5-7462S/S7/GF/W10/LW(セブン)
CPU:Core i5-10500
GPU:GeForce GTX 1660 SUPER
メモリ:DDR4 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:1TB
電源:600W BRONZE
PCケースに「Antec P7 Silent」を採用している。シンプルなミドルタワーケースだ。グラフィックボードにはミドルクラスのGTX 1660 SUPERを搭載していてCore i5-10500との相性もよい。メモリ16GB、SSD 500GB、HDD 1TBという構成だ。電源ユニットは600W BRONZEを採用している。購入しやすい価格帯というのが魅力的だ。
ZEFT G17B(セブン)
CPU:Core i5-10500
GPU:GeForce RTX 3070
メモリ:DDR4 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:750W GOLD
サイドクリアガラスが魅力的な「NZXT CA-H510B」を採用。デザイン性・機能性の高さからファンの多いブランドだ。グラフィックボードにRTX 3070を搭載している。CPU性能とややアンバランスだが、グラフィックボードの性能が高いことにそれほど大きなデメリットはない。メモリ16GB、SSD 500GBという構成だ。ハイクラスなグラフィックボードを搭載しているので、電源ユニットは750W GOLDを搭載していて余裕がある。
ZEFT 価格.com限定モデル(セブン)
CPU:Core i5-10500
GPU:GeForce RTX 3070
メモリ:DDR4 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:750W GOLD
価格.com限定モデルだ。PCケースには「COOLERMASTER SILENCIO S600」を搭載している。静音性が高く音にこだわりたい方は必見だ。グラフィックボードにはハイクラスのRTX 3070を搭載している。「ZEFT G17B」とケースが異なるだけで全体的には似たモデルだと言える。
管理人による総評(Core i5-10500)
(+) 6コア12スレッドの高パフォーマンスモデル
(+) Core i5-9500よりもゲーム適性が向上している
(-) Core i5-10400Fと比べるとコスパが低い
(-) BTOパソコンの取り扱いがほとんどない
Core i5-10500は、Comet Lake世代の高パフォーマンスCPUだ。6コア12スレッドと前世代のCore i5-9500とは違ってハイパースレッディングに対応したことでCPU性能が向上している。ただし、Core i5-10400Fとの価格差が6,000円と大きくそれの差を埋められるほどの性能があるわけではない。少しでもクロック周波数が高いCPUが欲しいという方向けだ。基本的にはCore i5-10400Fを選択するのがよいだろう。
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