当記事では、スリムタワーゲーミングPCの特徴とお勧めのモデルを紹介している。ゲーミングPCとしては少し癖のあるモデルなので、スリムタワーが気になっている方はぜひ特徴と注意点を理解した上で選択して欲しい。ここ最近はスリムタワーケースを採用したモデルは数が少なくなっている。ASUSやMSIからスリムタワーモデルが販売されているが、価格が高すぎておすすしづらいのが本音だ。予算が無限にある人であれば問題ないが…
サードウェーブ(ドスパラ)のスリムタワーケースはコスパが高く選びやすい。ただし、電源容量が少ないなどゲームをプレイするには心許ない。搭載モデルは、「人気のスリムタワーゲーミングPCランキング」で紹介している。省スペース性の高いモデルを探している方は「小型ゲーミングPCのおすすめランキング」も合わせて検討するとよいだろう。中にはスリムタワーケースよりもコンパクトなモデルを選択できる。
当ページの目次
スリムタワーは省スペースなのが最大の魅力!
種類 | スリムタワー1 | スリムタワー2 | スリムタワー3 | PS5 | ミドルタワー | ミニタワー | キューブ型 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
メーカー | サードウェーブ | ASUS | MSI | SONY | GALLERIA | GALLERIA | G-Tune |
イメージ | |||||||
サイズ (幅×奥行×高さ) | 95mm× 283mm× 327mm | 115mm× 323mm× 287mm | 137mm× 396mm× 410mm | 104mm× 260mm× 390mm | 220mm× 440mm× 480mm | 220mm× 440mm× 425mm | 178mm× 395mm× 285mm |
体積 | 8,791,395㎥ | 10,660,615㎥ | 22,243,320㎥ | 10,545,600m㎥ | 46,464,000㎥ | 41,140,000㎥ | 20,038,350㎥ |
重量 | 約5.00kg | 約8.00kg | 約5.53kg | 約3.90kg~ | 約14.0kg | 約14.0kg | 約7.10kg |
グラボ搭載 | 可 | 可 | 可 | - | 可 | 可 | 可 |
机の下 | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ | ◎ | ◯ |
机の上 | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ | × | ◯ | ◎ |
スリムタワーを選択肢に入れている方は、その省スペース性の高さに魅力を感じている方が多いはずだ。実際サイズは小さくゲーミングPCで一般的なミドルタワーやミニタワーと比べても二回りほど小さい。高さに関してはこれらのケースとそこまで変わらない。それでもサードウェーブやASUS製スリムタワーケースはPS5と同等の体積となっている。
また、ゲーミングPCの大きくてゴツゴツイメージとは程遠くデザイン性の高さに魅力を感じる方もいるかもしれない。確かに大きいパソコンを部屋に設置すると部屋のイメージが壊れてしまったり、そもそも部屋に十分なスペースがなくて置くことが難しかったりと通常のゲーミングPCで生じる不都合を軽減することができる。そういう意味では理想的な一台だと言える。
必ず事前に理解して欲しいのはこれら2つの点(省スペース&高いデザイン性)を実現するために犠牲にしている部分があるということだ。次の項目でスリムタワーならではのデメリットや注意点を解説する。ゲーミングPC選ぶで決して後悔のないようにして欲しい。
スリムタワーのデメリット&注意点まとめ
拡張性&排熱に不安が残る
スリムタワーの弱点として拡張性が低いということが挙げられる。これはミニタワーやミドルタワーに比べて大きさがないため仕方のない部分だろう。ストレージを拡張や大型のグラフィックボードへの交換を考えている方は注意して欲しい。将来的に増設などを考えていないのであればそれほど深刻に考える必要はない。
もう一つ、スリムであるがゆえに内部ケースに十分な余裕がなく排熱に不安が残るというデメリットもある。ゲーミングPCは高性能なグラフィックボードやCPUなどを搭載するためどうしても熱が問題となる。そのためスリムタワーのゲーミングPCを使用する際には排熱はしっかりと考える必要がある。
ただ、BTOメーカー側でも排熱に関しては配慮が見られる。例えば、発熱を抑えるために高性能な電源ユニットを採用していたり、本体サイドに空気穴を設けていたりする。GeForce RTX 4070 SUPERぐらいまでであればこれだけでも対応することができるだろう。また、HDDを非搭載にしてSSDのみにするのも良いかもしれない。もちろん、エアコンなどで部屋の温度管理は必須だ。
ミニタワーやミドルタワーに比べて割高
スリムタワーを選択するとより多くの費用が掛かる。同じ構成であってもミニタワー/ミドルタワーと比べると10,000円~20,000円高くなってしまう。同じ価格で販売できればもっと人気が出るのではないかと思う。これはスリムタワーの弱点である排熱性能をカバーするためにコストを掛けている分仕方のない部分だと言えるだろう。
また、ミニタワーなどと比べて販売台数が限定的で規模の経済が働きづらい。スリムタワーを選ぶことで1万円・2万円多く掛かってしまうのであれば、ミニタワーにして浮いた分でよりよいCPUやグラフィックボードを搭載したいと考えてしまう方もいるはずだ。割高であることを理解した上で選択しよう。
人気低下でラインナップは減少
スリムタワーはデザイン性が高く一時は各BTOメーカーが力を入れて販売していた。今はどのショップでも取り扱いが極端に減っている状況だ。少し前まではマウスコンピューターのNEXTGEARブランドでもスリムタワーのラインナップがあったが知らない間にラインナップから消えてしまった。サードウェーブ(ドスパラ)ではビジネス向けモデルのSlim Magnateシリーズが用意されている。一部グラフィックボード搭載モデルもある。あとはASUSやMSIなどの海外メーカーぐらいだ。
販売台数が多ければ各メーカーも力を入れるだろう。各メーカーの売上げランキングの上位に入ることもない。さらに、新しいCPUやグラフィックボードがリリースされてもスリムタワーのラインナップは後回しになってしまっている。ラインナップが少ないのは選択肢が少なくユーザーからするとデメリットとなってしまう。排熱性能・コスト面から扱いづらかったのかもしれない。メリットよりもデメリットが上回った結果だろう。
人気のスリムタワーゲーミングPCランキング【2024年】
Slim Magnate MT(サードウェーブ)
価格:123,979円+送料3,300円
CPU:Core i5-14400F
GPU:GeForce RTX 3050 6GB
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:300W 80PLUS BRONZE
コスパ:調査中
GPUにGeForce RTX 3050 6GBを搭載したエントリークラスのビジネスPCだ。送料込みでも127,279円で購入できる。メモリDDR5-4800 16GB・SSD 500GB NVMeと構成も平均的だ。電源ユニットは300W BRONZEとかなり不安がある。ケースの制約があるため電源のカスタマイズも不可だ。ゲームメインで考えている方はやはり避けた方がよいように思う。マイクラなど負荷の軽いタイトルが中心なら問題はないだろう。あくまでもビジネスモデルという括りにある。本格的にゲームを楽しみたいなら海外メーカーのモデルを検討しよう。
Trident AS 14NUC7-681JP(MSI)
CPU:Core i7-14700F
GPU:GeForce RTX 4060
メモリ:DDR5 16GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:500W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
Core i7-14700F×GeForce RTX 4060搭載のミドルクラスのゲーミングPCだ。この組み合わせで294,800円は高い。セール・キャンペーンで少し安くなる可能性があるのでセール時を狙う方がよさそうだ。ゲーム性能は高くフルHD環境でのゲームプレイに適している。メモリDDR 16GB・SSD 1TB NVMeと構成は平均以上となっている。電源ユニットは500W GOLD採用だ。
Trident AS 14NUE7-680JP(MSI)
CPU:Core i7-14700F
GPU:GeForce RTX 4070 SUPER
メモリ:DDR5 16GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:500W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
グラフィックスにハイクラスのGeForce RTX 4070 SUPERを搭載したモデルだ。スリムタワーでは最高峰の一台となる。CPUにはIntel第14世代の高パフォーマンスモデルのCore i7-14700Fを搭載している。GeForce RTX 4070 SUPERと組み合わせなら理想的だ。高解像度でのゲームプレイにも適している。メモリDDR5 16GB・SSD 1TB NVMeと構成は平均より上だ。電源ユニットは500W GOLDを採用している。性能を考えると電源容量に物足りなさがあるが、ケース専用の電源なので仕方がない。
ROG G22CH (G22CH-71470F112W)(ASUS)
CPU:Core i7-14700F(水冷)
GPU:GeForce RTX 4070 SUPER
メモリ:DDR5-5600 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:600W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
2024年7月12日に発売されたばかりのハイクラスのゲーミングPCだ。WQHD環境にも対応できる高い性能を有している。10リットルのスリムタワーケースを採用している。現在購入できるスリムタワーケースの中でももっとも省スペースだ。本体重量はやや重いものの机の上に置いても違和感はない。CPUクーラーは水冷式で夏場の使用にも最適だ。メモリDDR5-5600 32GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も充実している。電源ユニットは600W GOLDだ。
ROG Strix G10DK(ASUS)
149,800円 124,800円+送料770円
CPU:Ryzen 7 5800X
GPU:GeForce RTX 2060 SUPER
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:500W BRONZE
コスパ:調査中
Ryzen 7 5800X×RTX 2060 SUPER搭載のミドルクラスの一台だ。旧世代のモデルということもあって価格が抑えられている。サイズ的にはミニタワー寄りのスリムタワーモデルと言える。グラフィックスには2世代前のGeForce RTX 2060 SUPERを搭載していてフルHD環境でのゲームプレイを考えている方に最適だ。設定を調整することで安定したフレームレートを実現できる。CPUにはRyzen 7 5800Xを搭載している。1世代前のモデルながら8コア16スレッドと十分なスペックを持つ。クロック周波数が高いモデルなのも心強い。メモリDDR4-3200 16GB・SSD 512GB NVMeと構成は平均的だ。電源ユニットは500W BRONZEを採用している。
P50 12TH-210JP(MSI)
CPU:Core i5-12400F
GPU:GeForce GTX 1660 SUPER
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
電源:330W AC電源
MSIのクリエイターモデルもスリムタワーケースを採用している。ホワイトのカラーがオシャレだ。Core i5-12400F×GTX 1660 SUPER搭載のモデルだ。ゲームプレイにも対応できる性能を持つ。設定調整を前提とすれば十分だろう。メモリ16GB、SSD 1TBと構成も抜群だ。電源ユニットは330W AC電源を採用している。
Trident AS 14NUC5-682JP(MSI)
250,800円 199,800円+送料770円
CPU:Core i5-14400F
GPU:GeForce RTX 4060
メモリ:DDR5 16GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:500W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
Core i5-14400F×RTX 4060搭載のミドルクラスのゲーミングPCだ。貴重なスリムタワーケースを採用している。税込25万円台と性能からすると価格は高い。海外ブランドとケースデザインに魅力を感じるユーザー向けと言える。メモリDDR5 16GB・SSD 1TB NVMeと平均よりやや上だ。電源ユニットは500W GOLDを採用している。Silemt Storm Cooling 3と呼ばれる冷却システムを採用している。CPU・グラフィックボード・電源とそれぞれを個別に効率的に冷却できる。
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