Core i7-13700HXのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証していく。Intel第13世代のハイエンドモデルだ。メインストリームのCore i9-13900HやCore i7-13700Hよりもワンランク高い性能を得られる。ハイブリッドコアアーキテクチャ採用で16コア24スレッドと高いスペックを誇る。クロック周波数も高く様々な用途でパフォーマンスを発揮できる。GeForce RTX 40シリーズでグラフィックス処理性能がより高くなり、CPUについても高い性能が求められる。特に70番台以上のモデルとならハイエンドのCore i7-13700HXは魅力的なモデルと言える。国内BTOメーカーからも搭載モデルが販売されていて注目度の高さが伺える。
当ページの目次
Core i7-13700HXの概要
コードネーム | Raptor Lake |
---|---|
プロセス | 10nm |
コア/スレッド数 | 16コア(8Pコア+8Eコア)/ 24スレッド |
Pコア定格/最大クロック | 2.1 GHz/ 5.0 GHz |
Eコア定格/最大クロック | 1.5 GHz/ 3.7 GHz |
L2キャッシュ | 24MB |
L3キャッシュ | 30MB |
内蔵GPU | Intel UHD Graphics |
PBP | 55W |
MTP | 157W |
発売日 | 2023年01月04日 |
価格 | $485 |
特徴 | (+) 16コア24スレッドのハイエンドモデル (+) ハイクラスGPUともバランスが取れる (-) 高性能GPUとの組み合わせが多く価格は高め (-) 本体重量は重くなりがち |
評価 | ・総合評価 8.5 ・ゲーム評価 8.5 |
Core i7-13700HXは16コア24スレッドのハイエンドモデルだ。ハイブリッドコアアーキテクチャを採用していることでゲームプレイ+αで考えられる。総合評価は8.5と高い。ゲーム評価も8.5とトップクラスだ。GeForce RTX 4080 MobileやGeForce RTX 4070 Mobileともバランスが取れる。
Core i7-13700HXの基本スペック
製品名 | i7-13700HX | Core i9-13950HX | i7-12800HX |
---|---|---|---|
コードネーム | Raptor Lake | Raptor Lake | Alder Lake |
プロセス | 10nm | 10nm | 10nm |
ダイサイズ | 257m㎡ | 257 mm² | 215m㎡ |
トータルコア(スレッド) | 16 (8P+8E) / 24 | 24(8P+16E)/ 32 | 16 (8P+8E) / 24 |
定格クロック(P) | 2.1 GHz | 2.2 GHz | 2.0 GHz |
最大クロック(P) | 5.0 GHz | 5.5 GHz | 4.8 GHz |
定格クロック(E) | 1.5 GHz | 1.6 GHz | 1.5 GHz |
最大クロック(E) | 3.7 GHz | 4.0 GHz | 3.4 GHz |
オーバークロック | 〇 | 〇 | 〇 |
L2キャッシュ | 24MB | 32MB | 14MB |
L3キャッシュ | 30MB | 36MB | 25MB |
対応メモリ | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR5-5600 DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 |
内蔵グラフィックス | Intel UHD Graphics | UHD Graphics | Intel UHD Graphics |
実行ユニット | 32 | 32 | 32 |
グラフィックス周波数 | 1.55 GHz | 1.65 GHz | 1.45 GHz |
PBP | 55W | 55W | 55W |
MTP | 157W | 157W | 157W |
価格 | $485 | $590 | $457 |
発売日 | 2023/01/04 | 2023/01/04 | 2022/05/10 |
Core i7-13700HXは、Raptor Lake世代のハイエンドモデルだ。デスクトップ向けのSシリーズとダイの構造を共有していてHシリーズとは一線を画する。Intel第12世代のAlder Lakeとの大きな違いは、PコアがGolden CoveからRaptor Coveになったこと・最大16コアへEコアの増量・改良版Intel 7プロセス採用の3点だ。大幅に変わったわけではないが、着実に進化している。まずはIntel第12世代のCore i7-12800HXと比較していく。
プロセスはIntel 7改良版へと変更が加えられている。サイズ自体は10nmと共通だ。ダイサイズは20%近く大きく257m㎡だ。トータルコア・スレッドは16コア24スレッドと変わっていない。Pコアの定格クロックが0.1GHz高く、最大クロックも0.2GHz高い。Eコアも最大クロックが0.3GHz引き上げられている。ここはIntel 7改良版採用による恩恵だ。
L2キャッシュが71%増えて24MBに、L3キャッシュも20%増えて30MBとなった。内蔵グラフィックスについてもグラフィック周波数が0.05GHzだけ高くなっている。実行ユニットは32と変更なしだ。もっともグラフィックボード搭載が当たり前のモデルなので重要度は低い。PBPは55W・MTPは157Wと共通だ。価格は$28高く$485となる。
上位モデルのCore i9-13950HXのスペックも見ておこう。プロセスやダイサイズは共通だ。Eコアが最大の16コアになりトータルコア・スレッドは24コア32スレッドとなる。Pコアの定格クロックが0.1GHz高く、最大クロックも0.5GHz高い。最大クロックが5.5GHz到達は驚異的だ。Eコアも定格クロックが0.1GHz高く、最大クロックが0.3GHz高い。L2キャッシュは33%多く、L3キャッシュも20%多い。
対応メモリもより高クロックなDDR5-5600をサポートしている。内蔵グラフィックスは同等だが、グラフィックス周波数が0.1GHz高く1.65GHzだ。PBP・MTPは変わっていない。価格差は$105とやや大きい。Core i9シリーズになるとどうしても価格は高くなってしまう。
Core i7-13700HX搭載ゲーミングノートPCの性能と特徴
現行トップクラスのCPU性能を誇る
Core i7-13700HXの性能スコアは30,007と30,000を超える高い数値を叩き出している。モバイル向けモデルとしてはトップクラスだ。Intel第12世代のメインストリームのCore i7-13700H(14コア20スレッド)と比べて15%以上処理性能が高い。ハイエンドモデルであるCore i9-12900HXと同等以上の処理性能を持つ。
PコアがGolden CoveからRaptor Coveへとアップデートされたことで高いパフォーマンスを期待できる。L2キャッシュが増量となったのはゲームプレイにおいてプラスだ。デスクトップ向けモデルで言えばCore i5-13600KやCore i7-12700と同等だ。もちろん消費電力の差があるため負荷次第では及ばないこともあるが、デスクトップ向けモデルと比べても引けを取らない性能は圧巻だ。
ゲームプレイだけではなく、動画編集・画像編集・イラスト制作などのクリエイター作業にも最適だ。競合モデルであるRyzen 9 7985HX(12コア24スレッド)と比べると7%程度低い。スペック自体はCore i7-13700HXの方が上だが、全てがPコア相当であるRyzen 9 7985HXの方が有利だ。
70番台との組み合わせが最多
GeForce RTX 4070 Mobileとの組み合わせが最多でラインナップは6つだ。次いでGeForce RTX 4060 Mobile・GeForce RTX 4070 Mobileが続く。Core i7-13700HXの性能を考慮すればGeForce RTX 4070 Mobileがベストマッチだ。GeForce RTX 4060 Mobile搭載モデルに+10%程度から購入できるモデルもあり価格的にもおすすめしやすい。
まずはGeForce RTX 4070 Mobile搭載モデルを第一候補に考えたい。Ada Lovelace世代のグラフィックボードが登場したことで、パフォーマンスの高いHXシリーズが一般的になったように思う。消費電力も引き上げられてパフォーマンスは優秀だ。デスクトップ向けモデルと比べても見劣りしない。これまでは70番台でも80番台のグラフィックボードでもCore i9-12900HやCore i7-12700Hなどのメインストリームが最上位でHXシリーズを搭載したモデルはほとんどなかった。
今では国内BTOメーカーでもCore i7-13700HX搭載モデルがリリースされていて時代が変わったと言える。グラフィックボードに合わせてより高いCPU性能が求められるようになったことは間違いない。従来のHシリーズではバランスが取りづらくなっているのだ。Ryzen私リーズも同様でRyzen 9 7845HXなどのHXシリーズを搭載したモデルが増えている。
Core i7-13700HXのベンチマーク一覧
Cinebench R23
Core i7-13700HXのマルチコア性能は21,856で、シングルコア性能は1,995だ。従来モデルのCore i9-12900HXと比べてもマルチコア性能が19%高く、シングルコア性能も4%高い。下位モデルのCore i7-13650HXと比べても最大で19%程度パフォーマンスが高い。24コア32スレッドの上位モデルであるCore i9-13900HXになるとさらに4%-32%もスコアが高くなっている。ハイエンドのRyzen 9シリーズ及びCore i9シリーズには及ばないものの現行のモバイル向けハイエンドモデルとしてはトップクラスの性能を誇る。
Handbrake
動画のエンコードソフトであるHandbrakeでのパフォーマンスを見ていく。Core i9-12900HXと比べて14%もパフォーマンスが高い。上位モデルであるCore i9-13950HXとの性能差は14%とやや大きい。コアが多い分だけ有利ということだろう。
7-Zip(圧縮)
Zipファイルの圧縮速度をまとめている。Core i9-12900HXと比べて28%もパフォーマンスが高い。上位モデルであるCore i9-13950HXとの性能差は9%程度となる。モバイル向けモデルとしてトップクラスのポアフォーマンスを誇る。
7-Zip(解凍)
続いてZipファイルの解凍速度を見ていく。Core i7-13700HXの速度は1600.4とトップクラスだ。従来モデルのCore i9-12900HXと比べて27%もパフォーマンスで上回っている。Ryzen 9 7940HSと比べても性能は上だ。Core i9-13950HXとの性能差は11%となる。
Adobe Photoshop
Adobe PhotoshopではIntel第13世代のハイエンドモデルのパフォーマンスがそれほど伸びていない。Core i7-13700Hよりも6%程度スコアが低いのは気になるところだ。Core i9-13980HXやCore i9-13950HXもスコアがそこまで高くない。最適化が進めばもう少しスコアも伸びてくるかもしれない。
Core i7-13700HX搭載中古ゲーミングノートPC一覧
raytrek R5-RL6 168348 (ドスパラ)
液晶:15.6インチWQHD
重量:不明
CPU:Core i7-13700HX
GPU:GeForce RTX 4060 Mobile
メモリ:16GB
ストレージ:SSD 500B NVMe
電源:ACケーブル
コスパ:調査中
クリエイターブランドの一台だ。15.6インチWQHDディスプレイを搭載している。Core i7-13700HX×GeForce RTX 4060 Mobile搭載のモデルだ。性能的にはWQHDモニターも活かしやすい。メモリ16GB・SSD 500GB NVMeと構成は平均的だ。2023年4月発売のモデルで定価は244,980円となる。今なら55%程度の費用で購入可能だ。中古になると一気にお得感が増す。
GALLERIA ZL7C-R47 166808(ドスパラ)
液晶:15.6インチFHD
重量:不明
CPU:Core i7-13700HX
GPU:GeForce RTX 4070 Mobile
メモリ:16GB
ストレージ:SSD 512GB NVMe
電源:ACケーブル
コスパ:調査中
Core i7-13700HX×GeForce RTX 4070 Mobile搭載のゲーミングノートPCだ。メモリ16GB・SSD 512GB NVMeという構成となる。定価は259,980円のモデルだ。およそ65%で購入できる。ガレリアブランドは人気が高く中古でもある程度価格が残るのが嬉しい。
Core i7-13700HX搭載ゲーミングノートPC一覧
LEVEL-15WR173-i7-TLX (パソコン工房)
液晶:15.6インチWQHD 240Hz
重量:約2.40kg
駆動時間:約3.4時間
CPU:Core i7-13700HX
GPU:GeForce RTX 4070 Mobile
メモリ:DDR5-4800 32GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
コスパ:調査中
国内BTOメーカーのパソコン工房からもCore i7-13700HX搭載モデルがリリースされている。15.6インチWQHDディスプレイを搭載でMMORPGなどのゲームプレイにも最適だ。本体重量は約2.40kgとやや重い。性能帯からすると平均的な重量と言える。グラフィックスにハイクラスのGeForce RTX 4070 Mobileを搭載していてモバイル向けモデルとしてはトップクラスの性能を誇る。フルHDなら最新タイトルでも高設定でプレイできるだろう。メモリDDR5-4800 16GB・SSD 500GB NVMeと構成は平凡だ。キャンペーン中はメモリが倍の32GBとなる。14,000円相当のカスタマイズ費用が無料だ。
LEVEL-15WR173-i7-TLX (パソコン工房)
液晶:17.3インチWQHD 240Hz
重量:約3.44kg
駆動時間:約5.3時間
CPU:Core i7-13700HX
GPU:GeForce RTX 4080 Mobile
メモリ:DDR5-4800 32GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
コスパ:調査中
Core i7-13700HX×GeForce RTX 4080 Mobile搭載のハイエンドモデルだ。国内BTOメーカーがハイエンドモデルを販売するのは珍しい。17.3インチWQHDディスプレイを搭載している。本体重量は約3.44kgとかなり重い。持ち運びが前提というよりもデスクトップパソコンの代わりに使うのが正しい。高解像度でも快適にゲームがプレイできる。ゲーミングノートPCでも一切妥協したくないコアなゲーマー向けだ。メモリDDR5-4800 32GB・SSD 500GB NVMeという構成だ。価格帯・性能帯からするとストレージ容量は控え目だ。カスタマイズで増設を健闘しよう。
GALLERIA ZL7C-R47 (ドスパラ)
液晶:15.6インチFHD 165Hz
重量:約2.40kg
駆動時間:約6.2時間
CPU:Core i7-13700HX
GPU:GeForce RTX 4070 Mobile
メモリ:DDR5-4800 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
コスパ:調査中
ドスパラが販売するCore i7-13700HX×GeForce RTX 4070 Mobile搭載の高パフォーマンスモデルだ。15.6インチFHDディスプレイ(165Hz)を搭載している。高リフレッシュレートでのゲームプレイが楽しめる。本体重量は約2.4kgとなる。大きめのカバンがないと持ち運びはしづらいように思う。メモリDDR5-4800 32GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も抜群だ。使い勝手のよいキーボードを採用するなど国産ブランドならではの安心感がある。高級感のあるデザインで価格も納得だ。
OMEN 16(インテル)パフォーマンスモデル (HP)
272,800円 209,001円(税込)
液晶:16.1インチWQHD 240Hz
重量:約2.44kg
駆動時間:約4時間45分
CPU:Core i7-13700HX
GPU:GeForce RTX 4060 Mobile
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
コスパ:調査中
税込20万円台で購入できるCore i7-13700HX搭載モデルだ。HPはコストパフォーマンスの高いゲーミングノートPCのラインナップが多い。16.1インチWQHDディスプレイを搭載している。グラフィックスにはAda Lovelace世代のミドルクラスであるGeForce RTX 4060 Mobileを搭載している。性能的にはWQHDで快適なゲームプレイはやや厳しいもののタイトル次第では対応できる。フルHD環境でのゲームプレイをメインに考えるとよい。メモリDDR5-4800 16GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も平均以上だ。
OMEN 16(インテル)パフォーマンスエクストラモデル (HP)
316,800円 227,107円(税込)
液晶:16.1インチWQHD 240Hz
重量:約2.44kg
駆動時間:約4時間45分
CPU:Core i7-13700HX
GPU:GeForce RTX 4070 Mobile
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
コスパ:調査中
GeForce RTX 4070 Mobileとの組み合わせが22万円台で購入できる。16.1インチWQHDディスプレイを搭載している。リフレッシュレートは240Hzに対応だ。本体重量は約2.44kgと重いが、冷却性能を高くするためにもある程度大きくなるのは仕方がない。GeForce RTX 4070 Mobileの性能があればタイトル次第では高解像度でのゲームプレイも視野に入る。メモリDDR5-4800 16GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成は平均的だ。
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