Core i7-7700HQのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。Core i7-7700HQは、2017年1月に発売されたモデルでIntel第7世代(Kaby Lake)のハイエンドノートPC向けCPUとして高い評価を得ていた。2024年時点での評価について改めて見ていきたい。
当ページでは、旧世代に当たるCore i7-6700HQ及び次世代モデルであるCore i7-8750Hを比較対象として見ていく。性能的にはそれほど大きな違いはなくデータが多い第8世代をピックアップした。次世代モデルは、「Core i7-8750H」となっている。6コア12スレッドとスペックが引き上げられている。
当ページの目次
Core i7-7700Hのスペック
i7-7700HQ | i7-8750H | i5-8300H | i7-6700HQ | |
---|---|---|---|---|
コードネーム | Kaby Lake | Coffee Lake | Coffee Lake | Skylake |
プロセス | 14nm++ | 14nm++ | 14nm++ | 14nm |
CPUコア数 | 4 | 6 | 4 | 4 |
スレッド数 | 8 | 12 | 8 | 8 |
定格クロック | 2.8GHz | 2.2GHz | 2.3GHz | 2.6GHz |
最大クロック | 3.8GHz | 4.1GHz | 4.0GHz | 3.5GHz |
L3キャッシュ | 6MB | 9MB | 8MB | 6MB |
対応メモリ | DDR4-2400 | DDR4-2666 | DDR4-2666 | DDR4-2133 |
内蔵GPU | HD 630 | UHD 630 | UHD 630 | HD 530 |
TDP | 45W | 45W | 45W | 45W |
価格 | $378 | $395 | $250 | $378 |
発売日 | 2017/01/06 | 2018/04/03 | 2018/04/03 | 2015/09/01 |
性能的には一つ後の世代である第8世代のCore i5-8300Hに酷似している。ほぼ同等の性能と考えてよいだろう。最新のアーキテクチャをしている分だけCore i5-8300Hが有利だ。その上価格は$250と格段に安くなった。第8世代のCore i7-8750Hになると6コア12スレッドと50%アップとなっている。結果的にノート向けCPUの性能、特にマルチスレッド性能は格段に上がりゲーム適正はより高くなった。これは最新のCore i7-11800Hでも同じだ。
旧世代のCore i7-6700HQは、Skylake世代のCPUでCore i7-7700HQと同じ14nmプロセスを採用している。4コア8スレッドとスペックも共通だ。定格クロックが8%高く、最大クロックも9%高い。L3キャッシュ容量は6MBと変わっていない。対応メモリについてもDDR4-2133からDDR4-2400へとアップグレードされた。内蔵GPUもHD 530からHD 630へと強化されている。少しだけグラフィックス周波数が高い。TDPは45Wと共通だ。価格は$378と維持されている。
Core i7-7700HQの最新評価【2024年】
CPU性能はかなり低くおすすめしづらい
Core i7-7700HQは発売当時こそトップクラスの性能を持つモデルだったが、2024年時点では下から数えた方が早くなっている。Intel第11世代の省電力モデルであるCore i3-1115G4と同等の性能に留まる。次世代のCore i7-8750Hになると6コア12スレッドとコア/スレッドがそれぞれ50%多くなりマルチスレッド性能が向上している。性能差は45%と一気に性能が引き上げられた。
Intel第11世代のCore i7-11800Hと比べると性能差は3倍だ。4コア8スレッドから8コア16スレッドとコア/スレッド数が倍増していることから容易に想像ができるだろう。もちろんプロセスの微細化などアーキテクチャの進化もパフォーマンスに影響を与えている。CPUの進化は凄まじいものがある。
すでに見てきた通りCore i7-7700HQは、ゲーミング向けCPUとして性能的に物足りない。CPU負荷の高いタイトルだとうまくパフォーマンスが発揮できなくなってしまう。今の時代はCore i7シリーズで14コア20スレッドとマルチスレッド性能が高い。同じ4コア8スレッドでもIntel第10世代のCore i5-11300Hは性能が飛躍的に向上している。
RyzenシリーズならミドルクラスのRyzen 5シリーズでも6コア12スレッドに到達している。ゲーミングノートPCの場合グラフィックボードの換装ができないこともネックとなる。Core i7-7700HQの時代となるとPascal世代のGeForce GTX 10シリーズだ。CPUに比べるとそれほどパフォーマンスで見劣りするわけではないが、やはりGeForce GTX 1050だと心許ない。そろそろ買い替えの時期が来ていると考えて間違いないだろう。
中古での入手も難しくなっている
2024年8月時点で中古での入手も難しくなっている。安価なゲーミングノートPCを探しているなら次世代のCore i7-8750H搭載モデルを検討するべきだろう。発売から7年以上が経過して市場からも消えていきそうだ。すでに持っているならこのまま使用してもよいように思う。
GeForce GTX 1060 Mobile以上のグラフィックボードを搭載しているのであればまだ大きな問題とはならない。が、2024年に購入するのは得策とは言えないというのが結論だ。基本的には買い替えを推奨する。ゲーミングノートPCの場合CPU・GPU・メモリ・ストレージ・バッテリーなどが固定となり長く使いづらいと言える。
Core i7-7700HQの特徴【2017年時点】
Core i7-7700HQは、2017年1月のCESで発表されたKaby Lake世代のハイエンドモデルだ。Core i7-6700HQの後継もモデルとして登場した。アーキテクチャが大幅に進化したわけではないが、プロセスが14nm++へと改善されている。結果的にTDP 45Wを維持しつつ最大クロック周波数を0.3GHz引き上げることに成功している。また、対応メモリもDDR4-2400へとより高クロックなモデルをサポートしている。
内蔵GPUもIntel HD Graphics 530からHD Graphics 630へとアップグレードされている。もっとも内蔵GPUについては大幅に性能が変わっているわけではない。GeForce GTX 1070 MobileやGeForce GTX 1060 MobileなどPascal世代のグラフィックボードとの組み合わせが多い。必要十分な性能を持っていると言えるだろう。
Core i7-7700HQのベンチマーク(レンダリングやエンコード etc.)
Cinebench R15
Geekbench 4.1 64-bit
Core i7-7700HQのフレームレート(Civ6 etc.)
GTX 1070 MAX-Q搭載のゲーミングノートPCにおけるフレームレートを計測。基本的にはFULL HD×高設定でのフレームレートとなっている。ボトルネックがやや生じてしまう可能性のあるぎりぎりのラインとなっている。CPU性能を比較するのに適していると言える。
Civilization VI
Rise of the Tomb Raider
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