ryzen34100画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/

当ページでは、Ryzen 3 4100のスペックと性能ベンチマークを検証している。2022年4月にAMDのラインナップにおける廉価モデルが登場した。Ryzen 3 3100の後継モデルだ。ハイパースレッディング対応で4コア8スレッドというスペックを持つ。$99(発売時15,000円以下)という価格を見ると非常に魅力的だろう。

注意点として2022年4月に発売されたモデルながら最新のZen 3アーキテクチャではなくZen 2ベースのRenoirであることを理解しておく必要がある。型番が5000番台でないことからも予想が付くだろう。つまり、新しくリリースされたモデルであっても旧世代のアーキテクチャを採用しているということだ。パフォーマンス的には最新モデルと比べて不利になる。

Ryzen 3 4100の基本情報

コードネーム Zen 2(Renoir)
プロセス 7nm
コア/スレッド数 4コア/8スレッド
定格/最大クロック 3.8 GHz/ 4.0 Ghz
L3キャッシュ 8MB
TDP 65W
発売日 2022年04月04日
MSRP $99
中古価格 7,980円~
特徴 (+)$99とAMDラインナップの最安値モデル
(+)4コア8スレッドと価格帯を考えると高スペック
(-)競合のCore i3-12100Fに完敗
(-)ゲーム適性が低い
評価 ・総合評価
3.0

・ゲーム評価
3.0

Ryzen 3 4100の基本情報

スペック

Ryzen 3 4100 Ryzen 5 4500 Ryzen 3 3100
メーカー AMD AMD AMD
コードネーム Zen 2
(Renoir)
Zen 2
(Renoir)
Zen 2
(Matisse)
プロセス 7nm 7nm 7nm
トランジスタ数 98.0億 98.0億 38.0億
ダイサイズ 156 mm² 156 mm² 74 mm²
CPUコア数 4 6 4
スレッド数 8 12 8
定格クロック 3.8 GHz 3.6 GHz 3.6 GHz
最大クロック 4.0 GHz 4.1 GHz 3.9 GHz
L3キャッシュ 8MB 8MB 16MB
対応メモリ DDR4-3200 DDR4-3200 DDR4-3200
内蔵GPU 非搭載 非搭載 非搭載
CPUクーラー Wraith Stealth Wraith Stealth Wraith Stealth
PCI-Express Gen 3 Gen 3 Gen 3
TDP 65W 65W 65W
MSRP $99 $129 $99
中古価格 4,980円~ 8,480円~ 4,980円~
発売日 2022年04月04日 2022年04月04日 2020年04月24日
Ryzen 3 4100は、Zen 2アーキテクチャ採用のCPUとなっている。Ryzen 3 PRO 4650Gなどで採用されていたRenoirベースのAPUのCPU内蔵グラフィックスを無効化したモデルだ。アーキテクチャ的にはRyzen 3 3100と同じだ。プロセスは7nmを採用している。プロセスの微細化で省電力性・パワー効率向上に貢献している。Ryzen 3 3100と比べてトランジスタ数が多くダイサイズが大きいのはAPUを流用しているからだ。コア/スレッドはRyzen 3 3100と同じ4コア8スレッドとなる。

定格クロックはRyzen 3 4100の方が6%高く、最大クロックもRyzen 3 4100の方が3%大きい。一方で、L3キャッシュ容量は半減の8MBとなる。対応メモリはDDR4-3200と共通だ。CPUクーラーはWraith Stealthと同じものが採用されている。内蔵GPUは非搭載だ。PCI-ExpressもGen 3.0となる。TDPは65Wと変わっていない。価格は$99と同じだ。すでにRyzen 3 3100は供給不足で新品では購入できない。およそ2年振りのモデルということになる。

上位モデルのRyzen 5 4500も同じZen 2ベースのRenoirだ。プロセス・トランジスタ数・ダイサイズは変わっていない。コア/スレッドがそれぞれ50%引き上げられて6コア12スレッドとなる。定格クロックはRyzen 3 4100の方が6%高く、最大クロックはRyzen 5 4500の方が3%高い。L3キャッシュ・対応メモリ・CPUクーラー・PCI-Express・TDPも共通だ。価格差は$30で国内での販売価格では3,000円の差がある。動画編集などコアを増やした方が有利な用途がメインとなるならRyzen 5 4500を選択する方がよいだろう。

Core i3シリーズと比較

Ryzen 3 4100 Core i3-12100F
メーカー AMD Intel
コードネーム Zen 2
(Renoir)
Alder Lake
プロセス 7nm 10nm
トランジスタ数 98.0億
ダイサイズ 156 mm² 163 mm²
CPUコア数 4 4
スレッド数 8 8
定格クロック 3.8 GHz 3.3 GHz
最大クロック 4.0 GHz 4.3 GHz
L3キャッシュ 8MB 12MB
対応メモリ DDR4-3200 DDR4-3200
DDR5-4800
内蔵GPU 非搭載 非搭載
CPUクーラー Wraith Stealth
PCI-Express Gen 3 Gen 5
TDP 65W 65W
MSRP $99 $97
中古価格 4,980円~ 13,970円~
発売日 2022年04月04日 2022年01月04日
同じ価格帯のIntel製Core i3-12100Fと比較していく。価格差は$2でCore i3-12100Fの方が少しだけ安い。実売価格でもCore i3-12100Fの方が230円安い。性能的にはCore i3-12100Fの方が上だ。Core i3-12100Fは、Alder Lake世代のCPUで10nmプロセスを採用している。Ryzen 3 4100では7nmプロセスを採用しているため一回り小さいということになる。ダイサイズはCore i3-12100Fの方が5%程度大きい。

コア/スレッドは4コア8スレッドと共通だ。定格クロックはRyzen 3 4100の方が16%高く、最大クロックもCore i3-12100Fの方が8%高い。Core i3-12100Fではより上位のメモリ規格であるDDR5-4800に対応している。CPUクーラーはどちらも標準同梱だ。PCI-ExpressについてはCore i3-12100Fでは最新のGen 5.0をサポートしている。Ryzen 3 4100は2世代前のGen 3で古さを感じてしまう。TDPはCore i3-12100Fの方が8%程度抑えられている。

総合性能

ryzen34100seinou

総合性能では従来モデルのRyzen 3 3100と比べて9%程度パフォーマンスが高い。やはり同じZen 2アーキテクチャではそれほど性能の伸びがあるわけではない。Ryzen 3 3300Xと同等の性能となる。$99という価格を考えると妥当な水準だと言えるだろう。競合モデルであるCore i3-12100と比べると17%程度パフォーマンスで劣る。Alder Lake世代のCore i3-12100は洗練されたモデルでより高いパフォーマンスを発揮する。

Ryzen 3 4100の最新評価【2023年】

ゲーム性能はそこまで高くない

ryzen34100gamescore1
Ryzen 3 4100のゲームスコアは19,087となる。ゲームプレイを考えるなら20,000以上のスコアが欲しいところだ。50番台のグラフィックボードとの組み合わせならそこまでボトルネックは心配しなくてもよいが、将来性を考えるとやはり好ましいとは言えない。一時しのぎ以外で考えているならRyzen 5 4500やRyzen 5 3600などのモデルを選択するべきだろう。これらのモデルであればそこまで価格差も大きくない。競合のCore i3-12100になると20%以上ゲーム性能が高い。

コスパは悪くないがおすすめはできない

製品名 コア/スレッド ゲーム性能 価格 コスパ 発売日
Core i3-12100F 4/8 23,258 11,980 1.941 2022/01/05
Ryzen 5 3600 6/12 21,467 9,480 2.264 2019/07/07
Ryzen 5 4500 6/12 21,026 9,980 2.107 2022/04/04
Core i5-9400F 6/6 19,922 10,980 1.814 2019/02/01
Ryzen 5 3500 6/6 19,848 5,980 3.319 2020/02/27
Core i3-9100F 4/4 19,406 3,480 5.576 2019/04/23
Ryzen 3 4100 4/8 19,087 7,980 2.392 2022/06/03
Ryzen 7 2700X 8/16 19,038 8,980 2.120 2018/04/19
Ryzen 5 2600X 6/12 18,867 6,980 2.703 2018/04/19

Ryzen 3 4100は、中古価格が7,980円と価格が落ちてきている。コストパフォーマンス指標も悪くない。同じAMDのRyzen 5 3500ならさらにコストパフォーマンスが高い。6コア6スレッドと物理コアが大きいのも強みとなる。その後継モデルであるRyzen 5 4500なら6コア12スレッドとスペックが強化される。

コストパフォーマンスはRyzen 5 4500よりも劣る。Intel製CPUのCore i3-9100Fはスペックこそ控えめだが、コストパフォーマンスは高い。3,480円で購入できるのは素晴らしい。この辺りのモデルに関しては状態によって価格が大きく変わるため購入前に備考などをチェックしておこう。

Ryzen 3 4100の特徴&注意点

Ryzenシリーズの最安値クラスのモデル

ラインナップ 価格 アーキテクチャ コア/スレッド 定格/最大クロック
Ryzen 5 5600 $199(28,800円) Zen 3(Vermeer) 6/12 3.5 / 4.4 GHz
Ryzen 5 5500 $159(19,980円) Zen 3(Vermeer) 6/12 3.7 / 4.2 GHz
Ryzen 5 4500 $129(17,200円) Zen 2(Renoir) 6/12 3.6 / 4.1 GHz
Ryzen 3 4100 $99(14,200円) Zen 2(Renoir) 4/8 3.8 / 4.0 GHz

Ryzen 3 4100は、2023年時点で購入できるRyzenシリーズにおける最安値クラスのモデルだ。日本円で14,200円で販売されている。これまでは税込30,000円オーバーのRyzen 5 5600Xが最安値だったことを考えると、やはり税込15,000円以下で手に入るというのは特に自作ユーザーにとって魅力的だ。低価格で高コスパなパソコンを作りあげることができる。

スペック的にはRyzen 5 4500よりもワンランク落ちてしまうことは理解しておく必要がある。4コア8スレッドとスペックが高いわけではなく、本格的なゲームプレイや動画編集などのクリエイター作業には不向きだ。これらの用途なら同じ価格帯のIntel製Core i3-12100Fの方が向いている。AMDが好きで一般的なPC作業用のCPUを探している方向けだ。

搭載BTOパソコンのラインナップは僅少

Ryzen 3 4100を搭載しているBTOパソコンのラインナップは極端に少なく2022年6月時点ではTSUKUMOが搭載モデルを1種類販売しているぐらいだ。これまでもRyzen 3シリーズを搭載したBTOパソコンはそれほど多くなかった。次世代のRyzen 3 4100でも一気にラインナップが増えることはないのではないかと思う。

ゲーミングPCやクリエイターPCの購入を考えているなら最低でもRyzen 5 5600以上、あるいはCore i5-12400以上を選択しておきたい。タイトルによってはグラフィックボードに投資するのも悪くないが、Ryzen 3 4100などであれば足かせになってしまう可能性が高い。ゲームプレイにこだわりたいなら事前に該当タイトルとの相性を見ておくとよいだろう。

Ryzen 3 4100のゲームベンチマーク一覧

Far Cry 6

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Far Cry 6では旧世代のRyzen 3 3100にさえ劣る結果となってしまった。最小fpsが3%程度劣っている。上位モデルであるRyzen 5 4500との差は25%程度だ。同じ価格帯のCore i3-12100との差はかなり大きく2倍近くフレームレートが出ている。ゲーム用途ではかなり扱いづらさがあると思える。

Hitman 3

hitman3Ryzen 3 4100-hitman3

Hitman 3でも従来モデルのRyzen 3 3100を上回ることはできなかった。平均fpsでは5%程度劣っている。L3キャッシュ容量の差が出ている可能性が高い。上位モデルであるRyzen 5 4500との差は17%程度低い。Intel製Core i3-12100と比べると50%近くも劣ってしまう。ゲームプレイを考えているならRyzen 3 4100は賢明な選択とは言えない。

Watch Dogs: Legion

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Watch Dogs: Legionでは旧世代のRyzen 3 3100をわずかに上回るフレームレートを計測している。当然納得できる水準に到達しているとは言い難い。Ryzen 5 4500と比べると10%前後の性能差がある。Core i3-12100では30%以上もフレームレートが高くゲーム適性の高さを表している。AMD製CPUで言えば、ゲームプレイを目的とするなら最低でもRyzen 5 5500を選択したい。

その他アプリケーションのベンチマーク

Cinebench R23

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Cinebench R23ではRyzen 3100と比べてマルチスレッド性能が15%高く、シングルスレッド性能が4%高い。やはり、飛躍的に性能が引き上げられたというわけではなさそうだ。マイナーアップデートと考えるのがしっくり来る。Core i3-12100と比べるとマルチスレッド性能は30%低く、シングルスレッド性能も30%低い。同じ4コア8スレッドでこれほどの差が出てくるとは驚きだ。

Handbrake

handbrakeryzen34100-handbrake

動画のエンコードに掛かる時間をまとめている。Ryzen 3 4100と比べてx264では12%速く、x265でも11%程度速くなっている。一方で、Core i3-12100と比べるとそれぞれ11%・17%劣る結果となった。Core i3-12100に完敗だ。エントリークラスのモデルでもこれだけ差があると価格で差別化するなどの対策が必要だろう。あえてRyzen 3 4100を選択する理由に乏しいからだ。

Adobe Lightroom and Premiere Pro

Adobe Premiere Pro CCryzen34100-adobe

画像編集及び動画編集でもCore i3-12100が低価格帯のモデルとして高いパフォーマンスを発揮している。LightroomではRyzen 3 4100よりも48%スコアが高く、Premiere Proでも34%もスコアが高い。従来モデルのRyzen 3 4100と比べると6%-10%程度伸びているのは評価できるが、同価格帯のモデルに大きく差を付けられているのは残念だ。AMD製モデルにかつての面影はない。

Ryzen 3 4100搭載ゲーミングPC

G-GEAR GA3A-A221/B(TSUKUMO)

G-GEAR GA7A-B180T価格:104,800円(税込)
CPU:Ryzen 3 4100
GPU:Radeon RX 6400
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:550W BRONZE

グラフィックスにRadeon RX 6400を搭載したゲーミングPCとなっている。AMD製パーツで揃えたモデルでこだわりが見える。税込10万円台で購入できるのは魅力的だ。Radeon RX 6400は、一世代前のNVIDIA GeForce GTX 1650と同等の性能を持つモデルとなっている。設定調整を行えば十分ゲームプレイに対応可能だ。メモリ16GB、SSD 500GBと構成も平均以上で扱いやすい。MSI製マザーボードを搭載しているのもポイントだ。電源ユニットは550W BRONZEを採用している。これをベースにカスタマイズをするのも悪くない。

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